JPS642684B2 - - Google Patents

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JPS642684B2
JPS642684B2 JP59087438A JP8743884A JPS642684B2 JP S642684 B2 JPS642684 B2 JP S642684B2 JP 59087438 A JP59087438 A JP 59087438A JP 8743884 A JP8743884 A JP 8743884A JP S642684 B2 JPS642684 B2 JP S642684B2
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JP
Japan
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paper
binder
polyvinyl alcohol
silyl
mol
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JP59087438A
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Tsuneo Genma
Tatsuo Komatsu
Akio Mizobe
Hideki Yasushiro
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
A 本発明の技術分野 本発明は主として無機質湿式不織布(以下湿式
不織布を紙と略記)の強力を著しく高めるシリル
基を含有するポリビニルアルコール(以下PVA
と略記)系バインダー繊維及びその製造方法に関
するものである。 B 本発明の従来技術 典型的な無機質紙としては石綿紙がある。該石
綿紙は難燃性で寸法安定性がよいという無機質紙
の特長に加えて、強力が高く、嵩高でかつ安価で
ある。このために、その特性を生かしてクツシヨ
ンフロアーバツキング材、壁装材等に大量に使用
されている。 かかる石綿紙を構成する石綿は0.02〜0.03μの
微細なフイブリル状物質が集束してなる繊維束で
あり、その太さは解綿度により異なるが、0.5〜
数μと言われている。しかしその集束は完全なも
のではなく、フイブリル状のヒゲが出ている繊維
束であり、絡合性にすぐれている。 従つて抄紙に際し有機物である親水性接着成分
が比較的少なくてすみ、それ故に石綿本来の不燃
性と寸法安定性がそのまま生かされた高強力な紙
が製造可能である。 一方かかる石綿紙の製造や当該製品の加工施工
に際し、空気中にその粉塵を発生する。又壁装材
等の場合はその使用中においても粉塵を発生する
ことがよく知られている。 近年石綿の微細な粉塵が人体に吸収されると肺
ガン等を引き起すことが明らかにされつつあり、
その使用はしだいに法規制等により制限されはじ
め、一部の国では使用禁止の処置すらとられてい
るところもあり、この傾向はいつそう強まるもの
と思われる。 さらに石綿産出国が特定の国に偏在しており、
又資源枯渇の問題もある。 かかる状況下で石綿紙にかわる難燃性で寸法安
定性のすぐれた紙力の高い安価な紙の提供が強く
望まれている。 その石綿紙代替の最右翼がガラス繊維紙とみな
され、種々の検討が試みられている。それにもか
かわらずほんの一部のみが代替されているのが現
状である。その主たる理由は石綿に比しガラス繊
維は絡合性がないことである。このために抄紙
性、紙力を得るために多量の有機バインダーを使
用せざるを得ず、その結果本来不燃で寸法安定性
のすぐれたガラス繊維を使用しても、ガラス繊維
紙としては可燃性となり、さらに寸法が不安定に
なり、加えて高コストとなるのである。 一般に無機質の抄紙に際し抄紙性を得るには、
天然パルプ、コツトンリンター、デンプン等の天
然親水性物質やPVA等の合成親水性物質が用い
られ、又紙力を得るにはバインダー成分の助けを
借りなければならない。 バインダー成分の添加方法は湿式抄紙の際に無
機質成分と共に分散させる内添法とウエブ成形後
に添加する含浸法、吹付法等がある。 内添法の場合は抄紙性を付与することを兼ねる
場合が多く、主としてでんぷん、PVA等の親水
性物質が用いられる。 含浸法等の場合は内添法と同様な物質以外にア
クリル酸エステルエマルジヨン、尿素−ホルマリ
ン樹脂等の疎水性バインダーも使用することが出
来る。 但し含浸法等の場合いかなるバインダーを使用
しようとも抄紙に必要な最低量の親水性物質を内
添しなければならない。 有機分の少ない性能のすぐれたガラス繊維紙等
の無機質紙を得るには抄紙性、バインダー効果を
併せ有する物質でしかもその効果が大きいことが
必須である。 本発明者等は、従来の化繊紙への実績から
PVAは好ましい物質と考え、通常のPVAを利用
して少量のバインダーで抄紙性がよく、かつ得ら
れる紙の紙力が高いガラス繊維紙等の無機質紙を
得んと鋭意検討を行つたが、満足すべき結果に至
らなかつた。即ち抄紙性は繊維状にすることによ
り比較的少量で確保可能であつたが、バインダー
効果が不満足で少量のバインダーでは紙力の高い
紙は得られなかつた。 バインダー効果は通常バインダー成分と主体繊
維であるガラス繊維等との水素結合や疎水結合等
のいわゆる化学的2次結合によるものであり、そ
の結合エネルギーは共有結合等の1次結合に比し
著しく小さい。 特に水素結合の場合は、水が介在すると主体繊
維とバインダーとの結合力が大幅に減少して、バ
インダー効果が著しく低下することになる。 通常のPVA系バインダーはこの場合に相当す
る。従つて乾燥時の紙力は比較的高いが、湿潤時
の紙力は著しく低い結果となる。 本発明者等はガラス繊維等の無機質主体繊維同
志をバインダーにて接着するに際し、少量で効果
を上げるには共有結合の如き1次結合を導入する
ことが不可欠と考え、ガラス等との反応性の高い
シリル変性PVAを利用するという考えに至つた。 シリル変性PVAそのものは公知であり、又粉
末状バインダーとして使用出来ることも知られて
いる。本発明者等は粉末状シリル変性PVAを無
機質紙に利用することを種々検討したが、抄紙性
及び紙力に関して満足すべき結果は得られなかつ
た。即ち抄紙性を得るには多量の粉末を使用せざ
るを得ず、粉末状シリル変性PVAバインダーを
用いたガラス繊維紙の湿裂断長は著しく低いもの
しか得られずバインダー効果が劣ることが明確と
なつた。 C 本発明の目的 上述の点に鑑み、本発明は無機質湿式紙の乾燥
時はむろんのこと湿潤時での紙力が高く、かつそ
の湿式抄紙時の抄紙性の優れたバインダー繊維並
びにその製造方法を提供せんとするものである。 D 本発明の構成 本発明者等は、抄紙性並びにバインダー効果を
高めるべく繊維状バインダーについて種々検討の
結果、粉末状シリル変性PVAよりはるかにすぐ
れた抄紙性とバインダー効果を有する特定のシリ
ル変性含有PVA系バインダー繊維を見い出し本
発明に至つた。 本発明のバインダー繊維を使用することによ
り、少量のバインダー成分ですぐれた抄紙性と紙
力の高い無機質紙を得ることが可能となつた。 シリル変性PVAの粉末状バインダーと本発明
の繊維状バインダーの効果の差は、通常のPVA
の場合のそれから予期される程度よりもはるかに
大きいものであり、特にバインダー効果において
顕著であつた。かかる効果の差を実験例において
説明する。 ビニルメトキシシランで変性された変性度0.5
モル%、ケン化度98.5%、重合度1700のシリル変
性PVAを用いて100メツシユ粉末バインダー、繊
度1.0デニールの繊維状バインダーをそれぞれ作
成した。又参考のためにケン化度98.5%、重合度
1700の通常PVAの100メツシユ粉末バインダー、
繊度1.0デニールの繊維状バインダーをそれぞれ
作成した。該バインダーは、本発明で規定する方
法(後述)でガラス繊維紙を抄紙し、その湿裂断
長を求めバインダー効果を比較した。 一方抄紙性は直径50cm、幅30cmの丸網試験抄紙
機にて上記ガラス繊維紙と同組成の紙を抄紙し、
その際の丸網シリンダーからフエルトへ、又フエ
ルトからフエルトへの移行状態を観察すると共に
バインダーの歩留りを測定することにより判定し
た。その結果を表−1に示した。
【表】 バインダー効果はシリル変性PVA中のシリル
基と、ガラス繊維等の無機質との反応度合に左右
されるものである。 本発明者等はバインダー効果を左右するガラス
繊維等とシリル変性PVA中のシリル基との反応
の程度を決める手段について種々検討を行つた
が、手近で直接的に測定する方法を見い出せなか
つた。 従つて実際の効果とも対応させることも考慮し
て、特定のガラス繊維紙を抄紙し、その紙力を測
定することにより代用することとした。即ち市販
の紙用ガラス繊維(直径9μ、繊維長6mm、例え
ば富士フアイバーグラス社製ガラス繊維)90%と
シリル基を含有するPVA系バインダー10%の組
成とし、坪量60g/m2の紙をJIS−P−8209パル
プ試験用手抄紙調整方法に準じて第1プレスまで
行つた後、ロータリードライヤー(態谷理機工業
(株)製)にて温度110℃、時間40秒の乾燥を行うこ
とにより作成する。この際手抄紙に使用する水は
0.4g/のカセイソーダアルカリ液とした。し
かる後にJIS−P−8135に従い、16時間水浸漬後、
JIS−P−8113に準じて湿裂断長を求めて、これ
をシリル基とガラス繊維との反応度合の代用特性
とした。 尚手抄紙に使用する水をアルカリ性にしたのは
反応を容易にするためであり、又湿裂断長を選ん
だ理由は2次結合である水素結合のえいきよう出
来るだけ排除した上で、シリル基とガラス繊維と
の反応度合を測定するためである。 通常PVAの場合湿裂断長は絶対値が小さい上
に繊維状と粉末状の差が小さい。一方シリル変性
PVAの場合、本発明である繊維状バインダーは
湿裂断長の絶対値が非常に大きい上に、粉末状バ
インダーとの差が著しく大であり、繊維状にする
ことによつてはじめてシリル変性PVAの長所が
引き出されたといつても過言ではない。又抄紙性
においても本発明例はすぐれていることが明白で
ある。 本発明のシリル変性PVA系バインダー繊維は
かくの如くすぐれたバインダー効果と抄紙性を有
するために、少量のバインダーで抄紙が可能とな
り、紙力の高い、難燃性、寸法安定にすぐれた無
機質紙を提供することが出来るものである。 かかるすぐれた効果を有するバインダー繊維は
特定したシリル変性PVA単独、あるいはシリル
変性PVAと通常の未変性PVAとの混合物を用い
て、湿式紡糸をすることにより製造可能である。 シリル変性PVAは分子内にシリル基を有する
ものであればよいが、その含有量が重要であり、
得られるPVA繊維中に0.1〜10モル%含有されて
いることが必要であり、より好ましくは0.2〜3
モル%含有されていることである。0.1モル%以
下ではバインダー効果が不充分であり、10モル%
以上でもバインダー効果が低下する。理由は判然
としないがバインダーが溶解してもゲル状とな
り、そのひろがりがよくないためと推定される。
用いるPVAのケン化度は70〜100モル%がよく、
より好ましくは85〜100モル%である。またその
重合度は100〜3000であり。より好ましくは1000
〜2000である。 シリル変性PVAの例としては分子内に含有さ
れるシリル基がアルコシル基、アシロキシリル
基、あるいはこれらの加水分解物であるシラノー
ル基またはその塩等の反応性置換基を有している
ものが特に好ましく用いられる。 かかる変性PVAの製造方法としては(1)PVAに
シリル化剤を用いて後変性によりシリル基を導入
する方法、(2)水酸基を有する変性ポリビニルエス
テルにシリル化剤を用いてシリル基を導入し、得
られるシリル変性ポリビニルエステルをケン化す
る方法、(3)ビニルエステルとシリル基含有オレフ
イン性不飽和単量体との共重合体をケン化する方
法、(4)シリル基を有するメルカプタンの存在化で
ビニルエステルを重合することによつて得られる
末端シリル変性ポリビニルエステルをケン化する
方法などがあげられるが、工業的製造の容易性及
び得られる変性PVAの均質性の点から上述の(3)
及び(4)の方法が好ましく用いられる。 上述(3)の方法において用いられるシリル基含有
オレフイン性不飽和単量体としては例えばビニル
メトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニル
アセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン等のビニルシラン、あるいは3−(メタ)アク
リルアミド−プロピルメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルメチルジメチルメ
トキシシラン等の(メタ)アクリルアミド−アル
キルシラン等が挙げられるが通常ビニルメトキシ
シランが好ましく用いられる。 また上述(4)の方法において用いられるシリル基
を有するメルカプタンとしては例えば3−トリメ
トキシシリル−プロピルメルカプタン、3−メチ
ルジメトキシシリル−プロピルメルカプタン、3
−トリエトキシシリル−プロピルメルカプタン等
が挙げられるが、通常3−トリメトキシシリル−
プロピルメルカプタンが好ましく用いられる。 上述の(3)あるいは(4)において用いられるビニル
エステルとは、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等が挙げられるが、通常は酢酸ビニ
ルが好ましく用いられる。また該ビニルエステル
の重合あるいは共重合は、塊状あるいはメタノー
ル等の低級アルコール溶媒中においてラジカル開
始剤を用いた公知の方法で行うことが出来、得ら
れるビニルエステルの重合体あるいは共重合体の
ケン化は該重合体等のアルコール溶液にアルカリ
又は酸触媒を加える常法によつて行うことが出来
る。 かかるシリル変性PVAを常法により溶解し、
7〜20重量%との水溶液にして紡糸原液とする。
変性度が比較的高くなると水への溶解速度が遅く
なるので、必要に応じアルカリを加える。又通常
の未変性PVAとの混合も可能であり、その混合
量は通常PVAに対して少なくとも20重量%は必
要であり、好ましくは50重量%以上である。特に
シリル変性度が小さい場合には混合量が多くする
ことが望ましい。 該紡糸原液を通常の口金より高濃度無機塩凝固
浴中へ吐出させて糸篠を形成せしめる。安定な紡
糸性と品質を得るには、凝固浴中の酸濃度を0.5
g/以上、10g/以下にすることが不可欠で
ある。 高濃度無機塩を凝固浴とする湿式紡糸自体は公
知の技術であるが、その浴中の酸濃度はせいぜい
PVA中に存在する酢酸ソーダを中和する程度の
0.5g/未満であり、通常0.1〜0.2g/であ
る。本発明者等も当初公知の技術による紡糸を試
みたが、糸篠を形成させることがむづかしいとい
う事実に直面した。種々検討の結果凝固浴を強酸
性にすればよいということが判明した。0.5g/
未満では正常な糸篠形成がなされず、10g/
以上になると装置等の腐蝕を煮起するうえにやや
紡糸調子が不安定となる。 ここで用いる酸は何でもよいが、例えば硫酸、
硝酸、塩酸等の無機酸、酢酸、蓚酸、酒石酸等の
有機酸が使用できる。もつとも硫酸、硝酸がより
好ましい。 又凝固浴中に使用する無機塩としては水への溶
解度が大きく、かつ脱水作用の強いものが好まし
く、例えば芒硝や硫安等が通常用いられる。 かかる凝固浴にて形成せしめた糸篠を、ローラ
ー延伸、湿熱延伸した後に必要に応じて乾燥、乾
熱延伸および又は乾熱処理を行つて、カセイソー
ダ0.4g/での水中溶解温度を40〜95゜とする。
ローラー延伸は50〜150%程度がよく又湿熱延伸
は通常1浴と同組成の飽和無機塩浴中で行い、好
ましくは60〜95℃の温度でローラー延伸を含めた
倍率が200〜400%となるように延伸する。水中溶
解温度が40〜95℃の場合、このまま切断するかあ
るいは切断を容易にするために乾燥した後切断し
て、バインダー繊維として供すればよい。水中溶
解温度が40℃以下の場合は乾燥後熱延伸、あるい
は熱処理のみを常法によつて行つた後切断する。
カセイソーダ0.4g/の水中溶解温度を40〜95
℃とした理由は、40℃以下では抄紙中のバインダ
ー溶出分が増加し好ましくなく、又95℃以上では
ドライヤーでのバインダーの溶解が不充分とな
り、バインダー効果が低下するからである。尚水
中溶解温度は次のようにして測定するものであ
る。即ち単繊維25本を取り出し、引揃えた上で総
繊度の1/500グラムのおもりを一端につけて、目
盛板上におもりより10cmのところに固定し、0.4
g/のカセイソーダ水溶液のはいつたガラス容
器中に垂直にして浸漬する。常温より1分間に1
℃の速度で昇温、繊維束が溶断する温度を測定
し、この温度を水中溶解温度とするものである。 又繊度は10デニール以下が好ましく、より好ま
しくは0.2〜2デニールである。10デニール以上
ではシリル変性バインダー繊維中に存在するシリ
ル基の主体繊維との反応度合が小さく、好ましい
結果が得られない。 E 本発明の効果 かくして得られるシリル基を含有し、本願で規
定する性能を有するPVA系バインダー繊維は、
無機質との接着性にすぐれていると共に良好な抄
紙性を付与するので、無機質紙のバインダーとし
て非常に効果的である。即ち無機質等に少量の本
発明のバインダー繊維を添加するのみで安定な抄
紙が可能となり、加えて無機質本来の長所が生き
た不燃で寸法安定性のすぐれた、しかも紙力の高
い安価な紙を提供できる。 F 本発明の適用 本発明のバインダー繊維が有効に作用する典型
的な無機質はガラス繊維であるが、ロツクウー
ル、スラグウール、セラミツク繊維等にも有効で
あり、さらにはガラス粉、マイカ、バーミユキユ
ライト、シラスバルーン、炭酸カルシウム等の無
機質にも有効である。又増量剤の併用も可能であ
り、さらに用途によつては紙に一般的に利用され
ている天然、合成のパルプ、レイヨン、ビニロ
ン、アクリル、ポリプロピレン等の有機繊維との
併用も可能である。 以上適用例のほんの一部を述べたが、要はシリ
ル基と反応性を有する物質含む湿式不織布に幅広
く適用できるし、又同様な原理で乾式不織布用途
にも適用可能である。 G 実施例 以下実施例をもつて本発明を詳細に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2 変性単量体にビニルメトキシシランを用い、メ
タノールを溶媒として、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリルの開始剤のもとに酢酸ビニルと共重
合させた後、常法によりケン化し、未反応物を除
去した上で乾燥して、重合度1600、ケン化度99.0
%のシリル変性PVAを得た。 変性度はビニルメトキシシランの共重合量をか
えて0.3モル%(実施例1)、0.6モル%(実施例
2)、3モル%(実施例3)、7モル%(実施例
4)、0.05モル%(比較例1)、12モル%(比較例
2)とした。 かかるシリル変性PVAを適量のカセイソーダ
を加えて常法により溶解し、それぞれ14%の紡糸
原液とした。該紡糸原液を孔径0.07mm孔数10000
の口金より硫酸5g/の飽和芒硝浴へバインダ
ーの単繊維繊度が1デニールになるように吐出さ
せて糸篠を形成せしめた。しかる後100%の冷延
伸、さらに100%の湿熱延伸を行い、乾燥した後
熱処理し、0.4g/カセイソーダ浴中の水溶解
温度がそれぞれ60±3℃にして、4mmに切断し
た。なお紡糸性は口金面を観察し、出遅れ現象の
多少により判断した。 かくして得られたそれぞれのシリル変性PVA
バインダー繊維を用い、前述本願明細書で規定し
た方法によりガラス繊維紙を作成し湿裂断長を測
定すると共に明細書中で説明した方法によつて抄
紙性の評価も行つた。その結果を表−2にまとめ
た。
【表】 実施例は比較例に比し紡糸性、湿裂断長共にす
ぐれている。比較例1は湿裂断長が著しく低く、
又比較例2は紡糸性が悪い上に繊維が著しく着色
しさらに湿裂断長が低い。 実施例5〜6、比較例3 実施例1〜4と同様にして得た1.0モル%シリ
ル変性PVAを通常PVAであるクラレ製PVA−
117(重合度1750、ケン化度98.5モル%)に対して
30重量%(実施例5)、70重量%(実施例6)、10
重量%(比較例3)をそれぞれ混合し、それぞれ
に必要量のカセイソーダを加えて常法により溶解
した15.5重量%の水溶液を紡糸原液とした。該紡
糸原液を実施例1〜4と同方法でバインダー繊維
を作成し評価した。その結果を表−3にまとめ
た。
【表】 実施例7〜8、比較例4〜5 実施例1〜4と同様にして得た0.2モル%のシ
リル変性PVAを常法により溶解し、14.5重量%
の濃度として紡糸原液とした。該紡糸原液を孔径
0.07mm、孔数6000の口金より硫酸濃度3g/の
飽和硫安浴へバインダー繊維の繊度が2デニール
になるように吐出させて糸篠を形成せしめた。し
かる後100%のローラー冷延伸を行い1浴と同組
成の80℃の浴中で100%の湿熱延伸を行なつた。
乾燥した後表−4に示した如く熱処理を行うか行
なわずして0.4g/カセイソーダ浴中の水溶解
温度をそれぞれ50℃(実施例7)、80℃(実施例
8)、35℃(比較例4)、100℃(比較例5)、とし
た。実施例1〜4と同方法にて湿裂断長を測定し
た結果を表−4にまとめた。
【表】 比較例4は抄紙中のバインダー溶解量が多くフ
エルトが著しく汚れ、乾燥ローラーへのはりつき
が多く抄紙性不良であつた。 実施例9〜10、比較例6〜7 実施例1〜4と同様にして得た0.7モル%のシ
リル変性PVAを2.5重量%のカセイソーダと共に
溶解して15.5重量%の紡糸原液とした。該紡糸原
液を凝固浴硫酸濃度を後述の如く変更した以外は
全く同方法でバインダー繊維を作成した。硫酸濃
度は3g/(実施例9)、7g/(実施例
10)、0.2g/(比較例6)、15g/(比較例
7)とした。測定、評価結果を表−5にまとめ
た。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリル基の含有量が0.1〜10モル%のポリビ
    ニルアルコール系繊維であつて、0.4g/カセ
    イソーダ水溶液中での溶解温度が40〜95℃であ
    り、かつ明細書中で規定するガラス繊維紙とした
    ときの湿裂断長が0.5Km以上となるポリビニルア
    ルコール系バインダー繊維。 2 シリル基の含有量が0.2〜3モル%であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のポリ
    ビニルアルコール系バインダー繊維。 3 シリル基の含有量が0.1〜10モル%となるよ
    うに、シリル基変性ポリビニルアルコール単独あ
    るいは該変性ポリビニルアルコールと通常の未変
    性ポリビニルアルコールとの混合物を用い、7〜
    20重量%の水溶液からなる紡糸原液とし、該紡糸
    原液を、酸濃度が0.5〜10g/の強酸性とした
    高濃度無機塩からなる凝固浴中に湿式紡糸し、形
    成せしめた糸篠を延伸し、必要に応じてさらに乾
    燥、乾熱延伸および/または乾熱処理を行なうこ
    とを特徴とするポリビニルアルコール系バインダ
    ー繊維の製造方法。
JP59087438A 1984-04-27 1984-04-27 ポリビニルアルコ−ル系バインダ−繊維及びその製造方法 Granted JPS60231816A (ja)

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