JPS64214B2 - - Google Patents
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- JPS64214B2 JPS64214B2 JP7706781A JP7706781A JPS64214B2 JP S64214 B2 JPS64214 B2 JP S64214B2 JP 7706781 A JP7706781 A JP 7706781A JP 7706781 A JP7706781 A JP 7706781A JP S64214 B2 JPS64214 B2 JP S64214B2
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
本発明は建材、家具用材、各種パネルの面材或
いは絶縁材その他の一般工業用資材として有用な
強度、防火性、断熱性、加工性等の諸性能に優れ
た繊維板およびその製造方法に関するものであ
る。 従来から、ロツクウール、スラグウール等の鉱
物質繊維を抄造してなる繊維板は、防火性、断熱
性が極めて良好であることから、断熱材、防火
材、吸音材として建材用途をはじめ工業用資材に
まで広く利用されている。 しかしながら、鉱物質繊維板は木質繊維板のよ
うに、繊維の絡み合いや熱等の作用による化学的
結合が殆んど期待できないために、曲げや衝撃力
に対して弱く、又、繊維自体が脆弱であることか
ら圧締して高密度化すると繊維が破壊(破断)し
てしまつて強度低下を招くという欠点があり、薄
い板材或いは大版サイズの板材に形成すると取扱
い時に割れや欠けが生じ易くて使用できなくなつ
てしまうため、通常、比重が0.3〜0.35程度で厚
さが10〜30mmの厚い板材に形成して小版の天井材
或いはダクトの内張材その他耐火板等のあまり強
度が要求されない部材として用いられており、薄
く且つ強靭であることが要求されるフラツシユパ
ネルの面材やキヤビネツト用材等のパネル材には
利用困難であつて用途的に大きな制約があつた。 又、鉱物質繊維板は、表面がポーラスで毛羽立
つた状態であるから、化粧加工性が悪くてグラビ
ア印刷等の精巧で緻密な印刷模様を施すことが困
難であり、化粧板用基材として用いる場合にはそ
の化粧加工性の点でも制約を受けるという問題点
があつた。 さらに、鉱物質繊維板は、その表面にクロス等
の化粧シートを貼着する際においても、接着剤の
伸びが悪くて接着不良が生じ、又、接着後も基板
の繊維同志の結合力が弱いために、接着した化粧
シートが剥離し易くてクロス下地材やラミネート
化粧板用基材等として利用が難しいものであつ
た。 一方、このような欠点を除去する方法として、
例えば、鉱物質繊維板表面に多量の樹脂液を塗布
含浸させ、該樹脂を硬化させることにより表面平
滑性および強度を向上させることが考えられる
が、この方法によると繊維板全体が硬質化してし
まつて切断等の加工性が悪くなると共に繊維板の
断熱性を低下させ、又、コスト高になるという問
題点があつた。 本発明は上記従来の欠点および問題点に鑑みて
なされたものであり、ロツクウール等の鉱物質繊
維板のスラリーを抄造して成板する際に、抄き上
げた鉱物質繊維の湿潤マツトの両面に引張強度に
優れたクラフトパルプを主体とするパルプスラリ
ーを抄き合わせて三層構造の湿潤マツトを形成
し、次いでこのマツトを熱圧して乾燥し、全体を
一体化して比重を0.4〜0.8にすることによつて鉱
物質繊維よりなるコアー層の両面に強靭なクラフ
トパルプを主体としたスキン層を一体に形成し、
薄くて軽量であり且つ曲げ強度、耐衝撃性、表面
化粧性、加工性等の諸性能に優れた繊維板および
その製造方法を提供するものである。 本発明の実施例を図面について説明すると、1
は鉱物質繊維を主体とした厚さ3〜15mmのコアー
層で、その表裏両面にクラフトパルプを主体とし
た厚さ0.2〜1mmのスキン層2,3が抄き合わせ
により一体的に層着させ且つ全体の比重が0.4〜
0.8に圧締成板されてある。 このような繊維板を得るには、まず、ロツクウ
ール或いはスラグウール等の鉱物質繊維を主体と
するスラリーを抄き上げて厚さ8〜30mmの湿潤マ
ツトを形成し、次いでこの湿潤マツトの両面にク
ラフトパルプを主体としたパルプスラリーを抄き
合わせる。 鉱物質繊維スラリーには、フエノール樹脂等の
合成樹脂或いはスターチ等が結合剤として5〜15
%添加されており、必要に応じて故紙、木材パル
プ、合成繊維等の補強繊維が添加される。又、こ
れらの添加材以外に耐水剤、定着剤等が加えらら
れる。 パルプスラリーは、クラフトパルプを主体とし
て適宜サイズ剤、定着剤、補強剤等を混合して調
整したもので、その他に50%以下のグランドパル
プを混入しておいてもよい。 抄き合わせる方法としては、第1図に示すよう
に、鉱物質繊維スラリー1aを丸網式抄造機4に
よつて抄き上げた際に、抄き上げた鉱物質繊維の
湿潤マツト1bの表面(上面)にパルプスラリー
2aを供給して該スラリーを丸網のシリンダーの
吸引力でもつて湿潤マツト1b上に吸着堆積させ
ることにより湿潤マツト1bの表層にパルプスキ
ン層2を層着させる。さらに、湿潤マツト1bの
搬送途上で該マツトの下方に近設した吸引ボツク
ス5上を循回するメツシユベルト6上にパルプス
ラリー3aを層状に吸着堆積させたのち、メツシ
ユベルト6による搬送終端で該スラリー層を湿潤
マツト1bの裏面(下面)に連続的に送り出して
積層させることによりパルプスキン層3を設け
る。 この実施例においては、鉱物質繊維を主体とし
たスラリーを抄き上げる途中でその表面にシリン
ダーの吸引力を利用してパルプスラリーを層着し
たが、第2図に示すように抄き上げ形成した湿潤
マツト1bの搬送途中で該マツト表面にパルプス
ラリー2bを供給し、湿潤マツト1bの裏面側よ
り吸引ボツクス5aで吸引積層することもでき
る。 さらに、第3図に示すように、抄き上げた鉱物
質繊維の湿潤マツト1bの両面に第1図で示した
下面側の抄き合わせ方法と同じ設備を配設してパ
ルプスキン層2,3を積層してもよい。 第4図は更に別な実施例を示すもので、回転ロ
ール7,8間に無端状に掛け渡されて巡回するメ
ツシユベルト9上に該ベルトの移動方向に沿つて
パルプスラリー槽12a、鉱物繊維スラリー槽1
1a、パルプスラリー槽13aを順次配設すると
共に夫々のスラリー槽の下方におけるメツシユベ
ルト9の内面側に吸引ボツクス10を配設してメ
ツシユベルト9上にパルプスラリー2a、鉱物質
繊維スラリー1a、パルプスラリー3aの順に順
次吸着堆積させて抄き合わせることにより湿潤マ
ツト1bの両面にクラフトパルプスキン層2,3
が層着してなる三層構造を得るものである。 抄き合わせ方法としてはこのような種々の方法
が採用できるが、この場合、各スラリーの抄き合
わせ界面に第1〜4図に示すように合成樹脂液或
いは澱粉等の接着剤をスプレー14等で散布して
各層間の結合力を高めてもよい。この時の接着剤
塗布量としては、固形分換算で10〜100g/m2の
割合で行うのが、経済上、更には繊維板の断熱
性、加工性を低下させないので好ましい。 又、クラフトパルプを主体とするパルプスラリ
ーの抄合わせ量は、乾燥時のパルプ坪量で湿潤マ
ツトの表裏面に夫々60〜180g/m2の割合で抄き
合わせるのが好ましい。なんとなれば、60g/m2
未満では得られる繊維板に充分な強度の向上が望
めないばかりでなく抄き合わせむらが生じて均一
なパルプスキン層の調整が困難なためであり、又
180g/m2を越えると、鉱物質繊維に対するパル
プ量の割合が増加して防火性が低下してしまうた
めである。 なお、パルプスラリーを鉱物質繊維の湿潤マツ
トの両面に抄き合わせる理由は、片面のみの抄き
合わせでは得られる繊維板の表裏面側での吸湿等
による伸縮率に差が生じて反りが発生し、大版サ
イズに形成した場合にこの反りの影響が大きくな
つてパネル等の面材として利用できなくなるため
であり、その上、抄き合わせた面の平滑性、接着
適性等は得られても、強度、特に耐衝撃性の点で
大きく劣り、壁等のクロス下地材や家具用パネル
材等として利用ができなくなるためである。 次に、このようにして抄き合わせて形成した三
層構造の湿潤マツト15を必要に応じてロールプ
レス等の脱水プレス16により脱水して含水率を
低下させたのち、カツター17によつて適宜寸法
毎に裁断し、しかるのち、この積層マツトAをホ
ツトプレスの上下熱板18,19間に挿入して全
体の比重が乾燥後の比重に換算して0.4〜0.8にな
るように熱圧する。この時、各層間において鉱物
繊維とクラフトパルプとの各繊維同志が密に絡み
合いを生じて一体化されると共に各層間の接着剤
が硬化される。 こゝで、積層マツトAを湿潤な状態で熱圧する
理由は、該マツトを一旦乾燥して熱圧すると、鉱
物質繊維の破壊が生じて強度低下を招くと共に乾
燥して柔軟性を失なつたクラフトパルプでは抄き
合わせ時の絡み合いの状態のまゝで圧縮されるだ
けで鉱物質繊維との絡み合いがそれ以上向上でき
ないために層間の結着力が弱くなるためであり、
これに対して湿潤な状態のまゝで熱圧すると鉱物
質繊維の破壊が生じることなく圧縮でき、しかも
鉱物質繊維とクラフトパルプとの絡み合いを向上
させることができるためである。 この時のプレス条件は乾燥後のマツト全体の比
重が0.4〜0.8になるような圧力で行う。これは、
比重が0.4未満では各層間の繊維の絡み合いの向
上が少なくなつて結合力が向上しないためであ
り、又、比重が0.8を超えると鉱物質繊維よりな
るコアー層1の繊維の破壊が生じて強度低下を招
き、さらに断熱性、加工性を損うためである。 このようにして熱圧された積層マツトAはその
まゝ熱板間で乾燥するか或いはドライヤー20等
で所望の含水率まで乾燥され、目的とする繊維板
を得るものである。 次に、パルプスラリー及び鉱物質繊維スラリー
の夫々の組成分を種々に調整したものを実施例1
〜5とし、鉱物質繊維スラリーのみと該繊維スラ
リーの片面にのみパルプスラリーを設けたものを
夫々比較例1、比較例2とし、前述した方法によ
り得た製品(繊維板)の物性を下表に示す。な
お、抄き合わせ界面には各々澱粉液を固型分換算
で50g/m2塗布した。
いは絶縁材その他の一般工業用資材として有用な
強度、防火性、断熱性、加工性等の諸性能に優れ
た繊維板およびその製造方法に関するものであ
る。 従来から、ロツクウール、スラグウール等の鉱
物質繊維を抄造してなる繊維板は、防火性、断熱
性が極めて良好であることから、断熱材、防火
材、吸音材として建材用途をはじめ工業用資材に
まで広く利用されている。 しかしながら、鉱物質繊維板は木質繊維板のよ
うに、繊維の絡み合いや熱等の作用による化学的
結合が殆んど期待できないために、曲げや衝撃力
に対して弱く、又、繊維自体が脆弱であることか
ら圧締して高密度化すると繊維が破壊(破断)し
てしまつて強度低下を招くという欠点があり、薄
い板材或いは大版サイズの板材に形成すると取扱
い時に割れや欠けが生じ易くて使用できなくなつ
てしまうため、通常、比重が0.3〜0.35程度で厚
さが10〜30mmの厚い板材に形成して小版の天井材
或いはダクトの内張材その他耐火板等のあまり強
度が要求されない部材として用いられており、薄
く且つ強靭であることが要求されるフラツシユパ
ネルの面材やキヤビネツト用材等のパネル材には
利用困難であつて用途的に大きな制約があつた。 又、鉱物質繊維板は、表面がポーラスで毛羽立
つた状態であるから、化粧加工性が悪くてグラビ
ア印刷等の精巧で緻密な印刷模様を施すことが困
難であり、化粧板用基材として用いる場合にはそ
の化粧加工性の点でも制約を受けるという問題点
があつた。 さらに、鉱物質繊維板は、その表面にクロス等
の化粧シートを貼着する際においても、接着剤の
伸びが悪くて接着不良が生じ、又、接着後も基板
の繊維同志の結合力が弱いために、接着した化粧
シートが剥離し易くてクロス下地材やラミネート
化粧板用基材等として利用が難しいものであつ
た。 一方、このような欠点を除去する方法として、
例えば、鉱物質繊維板表面に多量の樹脂液を塗布
含浸させ、該樹脂を硬化させることにより表面平
滑性および強度を向上させることが考えられる
が、この方法によると繊維板全体が硬質化してし
まつて切断等の加工性が悪くなると共に繊維板の
断熱性を低下させ、又、コスト高になるという問
題点があつた。 本発明は上記従来の欠点および問題点に鑑みて
なされたものであり、ロツクウール等の鉱物質繊
維板のスラリーを抄造して成板する際に、抄き上
げた鉱物質繊維の湿潤マツトの両面に引張強度に
優れたクラフトパルプを主体とするパルプスラリ
ーを抄き合わせて三層構造の湿潤マツトを形成
し、次いでこのマツトを熱圧して乾燥し、全体を
一体化して比重を0.4〜0.8にすることによつて鉱
物質繊維よりなるコアー層の両面に強靭なクラフ
トパルプを主体としたスキン層を一体に形成し、
薄くて軽量であり且つ曲げ強度、耐衝撃性、表面
化粧性、加工性等の諸性能に優れた繊維板および
その製造方法を提供するものである。 本発明の実施例を図面について説明すると、1
は鉱物質繊維を主体とした厚さ3〜15mmのコアー
層で、その表裏両面にクラフトパルプを主体とし
た厚さ0.2〜1mmのスキン層2,3が抄き合わせ
により一体的に層着させ且つ全体の比重が0.4〜
0.8に圧締成板されてある。 このような繊維板を得るには、まず、ロツクウ
ール或いはスラグウール等の鉱物質繊維を主体と
するスラリーを抄き上げて厚さ8〜30mmの湿潤マ
ツトを形成し、次いでこの湿潤マツトの両面にク
ラフトパルプを主体としたパルプスラリーを抄き
合わせる。 鉱物質繊維スラリーには、フエノール樹脂等の
合成樹脂或いはスターチ等が結合剤として5〜15
%添加されており、必要に応じて故紙、木材パル
プ、合成繊維等の補強繊維が添加される。又、こ
れらの添加材以外に耐水剤、定着剤等が加えらら
れる。 パルプスラリーは、クラフトパルプを主体とし
て適宜サイズ剤、定着剤、補強剤等を混合して調
整したもので、その他に50%以下のグランドパル
プを混入しておいてもよい。 抄き合わせる方法としては、第1図に示すよう
に、鉱物質繊維スラリー1aを丸網式抄造機4に
よつて抄き上げた際に、抄き上げた鉱物質繊維の
湿潤マツト1bの表面(上面)にパルプスラリー
2aを供給して該スラリーを丸網のシリンダーの
吸引力でもつて湿潤マツト1b上に吸着堆積させ
ることにより湿潤マツト1bの表層にパルプスキ
ン層2を層着させる。さらに、湿潤マツト1bの
搬送途上で該マツトの下方に近設した吸引ボツク
ス5上を循回するメツシユベルト6上にパルプス
ラリー3aを層状に吸着堆積させたのち、メツシ
ユベルト6による搬送終端で該スラリー層を湿潤
マツト1bの裏面(下面)に連続的に送り出して
積層させることによりパルプスキン層3を設け
る。 この実施例においては、鉱物質繊維を主体とし
たスラリーを抄き上げる途中でその表面にシリン
ダーの吸引力を利用してパルプスラリーを層着し
たが、第2図に示すように抄き上げ形成した湿潤
マツト1bの搬送途中で該マツト表面にパルプス
ラリー2bを供給し、湿潤マツト1bの裏面側よ
り吸引ボツクス5aで吸引積層することもでき
る。 さらに、第3図に示すように、抄き上げた鉱物
質繊維の湿潤マツト1bの両面に第1図で示した
下面側の抄き合わせ方法と同じ設備を配設してパ
ルプスキン層2,3を積層してもよい。 第4図は更に別な実施例を示すもので、回転ロ
ール7,8間に無端状に掛け渡されて巡回するメ
ツシユベルト9上に該ベルトの移動方向に沿つて
パルプスラリー槽12a、鉱物繊維スラリー槽1
1a、パルプスラリー槽13aを順次配設すると
共に夫々のスラリー槽の下方におけるメツシユベ
ルト9の内面側に吸引ボツクス10を配設してメ
ツシユベルト9上にパルプスラリー2a、鉱物質
繊維スラリー1a、パルプスラリー3aの順に順
次吸着堆積させて抄き合わせることにより湿潤マ
ツト1bの両面にクラフトパルプスキン層2,3
が層着してなる三層構造を得るものである。 抄き合わせ方法としてはこのような種々の方法
が採用できるが、この場合、各スラリーの抄き合
わせ界面に第1〜4図に示すように合成樹脂液或
いは澱粉等の接着剤をスプレー14等で散布して
各層間の結合力を高めてもよい。この時の接着剤
塗布量としては、固形分換算で10〜100g/m2の
割合で行うのが、経済上、更には繊維板の断熱
性、加工性を低下させないので好ましい。 又、クラフトパルプを主体とするパルプスラリ
ーの抄合わせ量は、乾燥時のパルプ坪量で湿潤マ
ツトの表裏面に夫々60〜180g/m2の割合で抄き
合わせるのが好ましい。なんとなれば、60g/m2
未満では得られる繊維板に充分な強度の向上が望
めないばかりでなく抄き合わせむらが生じて均一
なパルプスキン層の調整が困難なためであり、又
180g/m2を越えると、鉱物質繊維に対するパル
プ量の割合が増加して防火性が低下してしまうた
めである。 なお、パルプスラリーを鉱物質繊維の湿潤マツ
トの両面に抄き合わせる理由は、片面のみの抄き
合わせでは得られる繊維板の表裏面側での吸湿等
による伸縮率に差が生じて反りが発生し、大版サ
イズに形成した場合にこの反りの影響が大きくな
つてパネル等の面材として利用できなくなるため
であり、その上、抄き合わせた面の平滑性、接着
適性等は得られても、強度、特に耐衝撃性の点で
大きく劣り、壁等のクロス下地材や家具用パネル
材等として利用ができなくなるためである。 次に、このようにして抄き合わせて形成した三
層構造の湿潤マツト15を必要に応じてロールプ
レス等の脱水プレス16により脱水して含水率を
低下させたのち、カツター17によつて適宜寸法
毎に裁断し、しかるのち、この積層マツトAをホ
ツトプレスの上下熱板18,19間に挿入して全
体の比重が乾燥後の比重に換算して0.4〜0.8にな
るように熱圧する。この時、各層間において鉱物
繊維とクラフトパルプとの各繊維同志が密に絡み
合いを生じて一体化されると共に各層間の接着剤
が硬化される。 こゝで、積層マツトAを湿潤な状態で熱圧する
理由は、該マツトを一旦乾燥して熱圧すると、鉱
物質繊維の破壊が生じて強度低下を招くと共に乾
燥して柔軟性を失なつたクラフトパルプでは抄き
合わせ時の絡み合いの状態のまゝで圧縮されるだ
けで鉱物質繊維との絡み合いがそれ以上向上でき
ないために層間の結着力が弱くなるためであり、
これに対して湿潤な状態のまゝで熱圧すると鉱物
質繊維の破壊が生じることなく圧縮でき、しかも
鉱物質繊維とクラフトパルプとの絡み合いを向上
させることができるためである。 この時のプレス条件は乾燥後のマツト全体の比
重が0.4〜0.8になるような圧力で行う。これは、
比重が0.4未満では各層間の繊維の絡み合いの向
上が少なくなつて結合力が向上しないためであ
り、又、比重が0.8を超えると鉱物質繊維よりな
るコアー層1の繊維の破壊が生じて強度低下を招
き、さらに断熱性、加工性を損うためである。 このようにして熱圧された積層マツトAはその
まゝ熱板間で乾燥するか或いはドライヤー20等
で所望の含水率まで乾燥され、目的とする繊維板
を得るものである。 次に、パルプスラリー及び鉱物質繊維スラリー
の夫々の組成分を種々に調整したものを実施例1
〜5とし、鉱物質繊維スラリーのみと該繊維スラ
リーの片面にのみパルプスラリーを設けたものを
夫々比較例1、比較例2とし、前述した方法によ
り得た製品(繊維板)の物性を下表に示す。な
お、抄き合わせ界面には各々澱粉液を固型分換算
で50g/m2塗布した。
【表】
上記実施例及び比較例から明らかなように、鉱
物質繊維よりなるコアー層の表裏両面にクラフト
パルプを主体としたスキン層を一体的に設けてな
る繊維板は鉱物質繊維板のみ或いは該繊維板の片
面にクラフトパルプを主体としたスキン層を設け
てなる繊維板に較べて強度、反り等の物性に優れ
た性能を示した。 又、上記実施例1により得た繊維板にグラビア
印刷により木目模様を印刷したところ、印刷むら
は全く無く、良好な印刷柄の化粧板が得られた。
次いで、この化粧板を枠材に接着して長尺の和室
向け天井板を形成したところ、反りの発生がな
く、接着性も良好であり、軽量で且つ不燃性、断
熱性を有する天井材を得ることができた。 特に、実施例5により得た繊維板は強度的に優
れており、壁下地材上に釘と接着剤を併用して張
設してクロス貼り下地材として用いたところ、表
面への接着剤の伸びが良好であつてクロス貼りを
良好に行うことができ、接着むらやクロスの剥離
は見られなかつた。 このように本発明の繊維板は、鉱物質繊維より
なるコアー層の両面にクラフトパルプを主体とし
たスキン層が抄き合わせにより一体に設けられ且
つ乾燥後の全体の比重が0.4〜0.8になるように圧
締成板されているものであるから、コアー層であ
る鉱物質繊維によつて断熱性、防火性、吸音性が
良好であるのは勿論、このコアー層の両面にクラ
フトパルプを主体としたスキン層が抄き合わせに
より一体に設けられているので、コアー層とスキ
ン層との繊維の絡み合いによつて層間が強固に結
合してコアー層からスキン層が剥離する虞れもな
く、しかもコアー層の表裏両面が強靭なクラフト
パルプよりなるスキン層に被覆されて曲げや衝撃
力に対する強度が著しく大となり、薄い繊維板で
あつても割れや欠けの発生を防止できて薄く且つ
強靭であることが要求されるパネル材に最適であ
り、さらに、クラフトパルプよりなるスキン層に
よつて表面が平滑面に形成されてグラビア印刷等
の精巧で緻密な印刷模様を施すことが可能とな
り、その上、接着剤の伸びも良好となつて優れた
表面化粧性を有すると共に表裏のスキン層により
反りの発生をなくして加工性が良くなるものであ
る。 又、本発明の繊維板の製造方法は、鉱物質繊維
を主体とするスラリーを抄造してなる湿潤マツト
の両面にクラフトパルプを主体としたパルプスラ
リーを抄き合わせて三層構造の湿潤マツトを形成
し、次いでこの湿潤マツトを乾燥後の全体の比重
が0.4〜0.8になるまで熱圧して乾燥し、全体を一
体化することを特徴とするものであるから、鉱物
質繊維マツトをコアー層としてその表裏面にクラ
フトパルプを主体としたスキン層を能率良く抄き
合わせることができると共に抄き合わせた三層構
造の湿潤マツトを全体の比重が0.4〜0.8になるま
で熱圧するので、各層間の繊維が互いに絡み合つ
て結合力が大となり、表裏のクラフトパルプ層が
剥離することのない繊維板を得ることができるも
のであり、又、コアー層を形成する鉱物質繊維の
破壊をなくして充分な強度を有する繊維板が得ら
れるものである。
物質繊維よりなるコアー層の表裏両面にクラフト
パルプを主体としたスキン層を一体的に設けてな
る繊維板は鉱物質繊維板のみ或いは該繊維板の片
面にクラフトパルプを主体としたスキン層を設け
てなる繊維板に較べて強度、反り等の物性に優れ
た性能を示した。 又、上記実施例1により得た繊維板にグラビア
印刷により木目模様を印刷したところ、印刷むら
は全く無く、良好な印刷柄の化粧板が得られた。
次いで、この化粧板を枠材に接着して長尺の和室
向け天井板を形成したところ、反りの発生がな
く、接着性も良好であり、軽量で且つ不燃性、断
熱性を有する天井材を得ることができた。 特に、実施例5により得た繊維板は強度的に優
れており、壁下地材上に釘と接着剤を併用して張
設してクロス貼り下地材として用いたところ、表
面への接着剤の伸びが良好であつてクロス貼りを
良好に行うことができ、接着むらやクロスの剥離
は見られなかつた。 このように本発明の繊維板は、鉱物質繊維より
なるコアー層の両面にクラフトパルプを主体とし
たスキン層が抄き合わせにより一体に設けられ且
つ乾燥後の全体の比重が0.4〜0.8になるように圧
締成板されているものであるから、コアー層であ
る鉱物質繊維によつて断熱性、防火性、吸音性が
良好であるのは勿論、このコアー層の両面にクラ
フトパルプを主体としたスキン層が抄き合わせに
より一体に設けられているので、コアー層とスキ
ン層との繊維の絡み合いによつて層間が強固に結
合してコアー層からスキン層が剥離する虞れもな
く、しかもコアー層の表裏両面が強靭なクラフト
パルプよりなるスキン層に被覆されて曲げや衝撃
力に対する強度が著しく大となり、薄い繊維板で
あつても割れや欠けの発生を防止できて薄く且つ
強靭であることが要求されるパネル材に最適であ
り、さらに、クラフトパルプよりなるスキン層に
よつて表面が平滑面に形成されてグラビア印刷等
の精巧で緻密な印刷模様を施すことが可能とな
り、その上、接着剤の伸びも良好となつて優れた
表面化粧性を有すると共に表裏のスキン層により
反りの発生をなくして加工性が良くなるものであ
る。 又、本発明の繊維板の製造方法は、鉱物質繊維
を主体とするスラリーを抄造してなる湿潤マツト
の両面にクラフトパルプを主体としたパルプスラ
リーを抄き合わせて三層構造の湿潤マツトを形成
し、次いでこの湿潤マツトを乾燥後の全体の比重
が0.4〜0.8になるまで熱圧して乾燥し、全体を一
体化することを特徴とするものであるから、鉱物
質繊維マツトをコアー層としてその表裏面にクラ
フトパルプを主体としたスキン層を能率良く抄き
合わせることができると共に抄き合わせた三層構
造の湿潤マツトを全体の比重が0.4〜0.8になるま
で熱圧するので、各層間の繊維が互いに絡み合つ
て結合力が大となり、表裏のクラフトパルプ層が
剥離することのない繊維板を得ることができるも
のであり、又、コアー層を形成する鉱物質繊維の
破壊をなくして充分な強度を有する繊維板が得ら
れるものである。
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図乃
至第4図は夫々異なる抄き合わせ方法を示す簡略
側面図、第5図は熱圧、乾燥を示す簡略側面図、
第6図は繊維板の一部拡大断面図である。 1…コアー層、2,3…スキン層、1a…鉱物
質繊維スラリー、1b…湿潤マツト、2a,3a
…パルプスラリー、4…丸網式抄造機、18,1
9…上下熱板、A…積層マツト。
至第4図は夫々異なる抄き合わせ方法を示す簡略
側面図、第5図は熱圧、乾燥を示す簡略側面図、
第6図は繊維板の一部拡大断面図である。 1…コアー層、2,3…スキン層、1a…鉱物
質繊維スラリー、1b…湿潤マツト、2a,3a
…パルプスラリー、4…丸網式抄造機、18,1
9…上下熱板、A…積層マツト。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉱物質繊維よりなるコアー層の両面にクラフ
トパルプを主体としたスキン層が抄き合わせによ
り一体に設けられ且つ全体の比重が0.4〜0.8にな
るように圧締成板されてなる繊維板。 2 前記スキン層がコアー層の両面に各々60〜
180g/m2の割合で一体に設けられていることを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の繊維板。 3 鉱物質繊維を主体とするスラリーを抄造して
なる湿潤マツトの両面にクラフトパルプを主体と
したパルプスラリーを抄き合わせて三層構造の湿
潤マツトを形成し、次いでこの湿潤マツトを熱圧
し、乾燥して一体化せしめ全体の比重を0.4〜0.8
に形成することを特徴とする繊維板の製造方法。 4 クラフトパルプを主体とするパルプスラリー
を鉱物質繊維を主体とする湿潤マツトの両面にパ
ルプ坪量で各々60〜180g/m2の割合で抄き合わ
せることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載
の繊維板の製造方法。 5 鉱物質繊維を主体とする湿潤マツトとクラフ
トパルプとの抄き合わせ界面に澱粉或いは合成樹
脂液等の接着剤を固形分で10〜100g/m2塗布す
ることを特徴とする特許請求の範囲第3項又は第
4項記載の繊維板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7706781A JPS57191055A (en) | 1981-05-20 | 1981-05-20 | Fiber board and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7706781A JPS57191055A (en) | 1981-05-20 | 1981-05-20 | Fiber board and its manufacture |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57191055A JPS57191055A (en) | 1982-11-24 |
JPS64214B2 true JPS64214B2 (ja) | 1989-01-05 |
Family
ID=13623448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7706781A Granted JPS57191055A (en) | 1981-05-20 | 1981-05-20 | Fiber board and its manufacture |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57191055A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6299143A (ja) * | 1985-10-25 | 1987-05-08 | 松下電工株式会社 | ロツクウ−ル建築板 |
-
1981
- 1981-05-20 JP JP7706781A patent/JPS57191055A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57191055A (en) | 1982-11-24 |
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