JPS641521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ポンプおよびタンク等からなる圧油
供給部とアクチユエータおよび制御弁を含む油圧
操作部とを頭上配管で接続するようにした油圧回
路の改良に係り、特に前記油圧操作部に近い位
置、好ましくは直前において、該操作部と圧油供
給部とを連結する圧力回路およびタンク回路、好
ましくはドレーン回路等のすべての回路にパイロ
ツト式開閉弁を設け、前記油圧操作部を修理等の
ために分解して油圧回路を開放したとき、頭上配
管されている前記圧力回路やタンク回路等から作
動油が流出することを防止し得るようにした自動
シヤツトオフ機能を有する油圧回路に関する。

従来、一般に、ポンプおよびタンク等からなる
圧油供給部と前述のような油圧操作部とを頭上配
管で接続する油圧回路においては、該頭上配管端
すなわち油圧操作部の直前に手動式の止め弁を設
け、修理等のために油圧操作部を分解するとき、
前記配管内の作動油が流出し、かつ該配管内に空
気を吸込ませないようにするため、前記止め弁を
締めて配管端を閉じるようにしている。ところが
しばしば、この止め弁を締めずに制御弁やアクチ
ユエータを分解してしまうことがあり、前記頭上
配管の作動油が流出してしまい、多量の作動油が
流出して機械、製品等を汚損し、また油圧回路に
おいてきらう空気を配管内に多量に吸込ませてし
まうなどの問題を生ずることがあつた。

本考案は、前述したような問題を解決するた
め、アクチユエータおよび該アクチユエータへの
作動油の給排等の各種の制御を行なう弁を含む油
圧操作部と圧油供給部を連結する少なくとも圧力
回路およびタンク回路を含む各回路の途中を前記
油圧操作部より高い頭上配管、とした油圧回路に
おいて、前記の各回路の油圧操作部に近い位置
に、前記圧力回路の圧力によつて開となり、該圧
力が作用しないとき前記各回路から油圧操作部側
への作動油の流出をそれぞれ阻止するパイロツト
式開閉弁を設けた自動シヤツトオフ機能を有する
油圧回路を提供することにある。

以下本考案の一実施例を示す第１図について説
明する。Ａは圧油供給部で、１はタンク、２はモ
ータＭによつて駆動されるポンプである。Ｂは油
圧操作部で、３ａ，３ｂ，３ｃはアクチユエー
タ、４ａ，４ｂ，４ｃは電磁弁、４ｄは減圧弁で
ある。５はポンプ２と油圧操作部Ｂを頭上接続す
る圧力回路、６は油圧操作部Ｂとタンク１を同じ
く頭上接続するタンク回路、７は油圧操作部Ｂ中
の各ドレーンポートをタンク１へ同じく頭上接続
するドレーン回路である。

８ａ，８ｂ，８ｃはパイロツト式開閉弁（図で
はパイロツトチエツク弁を示してあるが、スプー
ル式等の開閉弁でもよい）で、油圧操作部Ｂと各
回路５，６，７の接続部に近い位置、好ましくは
直前すなわち第２図および第５図に示してある如
く配油板４０に取付けられている。これはパイロ
ツト式開閉弁と油圧操作部との間の管路を短く
し、分解時の油の流出量を少なくするためであ
る。これらのパイロツト式開閉弁８ａ，８ｂ，８
ｃは、共に圧力回路５のパイロツト式開閉弁８ａ
より上流側の圧力をパイロツト圧力として導き、
該圧力回路５に圧力が作用しているときはその圧
力によつて開かれ、該開閉弁８ａ，８ｂ，８ｃ中
を作動油が自由に流れるようにし、他方、該圧力
回路５に圧力が作用していないときは閉じ、圧油
供給部Ａ側の各回路５，６，７中の作動油が油圧
操作部Ｂ側へ流出しないように構成されている。

次いで本装置の動作について説明する。ポンプ
２が運転状態にあり、圧力回路５に例えば５Kg／
cm²以上等の所定値以上の圧力が作用しているとき
は、該圧力により各パイロツト式開閉弁８ａ，８
ｂ，８ｃはそれぞれ開かれる。そこで、通常の運
転時には、パイロツト式開閉弁８ａ，８ｂ，８ｃ
がない場合とほとんど等しく、圧油供給部Ａと油
圧操作部Ｂとの間の作動油の給排が行われる。

ところで、電磁弁および減圧弁などの制御弁４
ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄまたはアクチユエータ３
ａ，３ｂ，３ｃを分解して修理する必要が生じた
ような場合には、まずポンプ２を停止させ、その
後分解等の修理作業に入るのが通常であるが、前
記ポンプ２を停止させれば、これに伴つて圧力回
路５の圧力は自然にタンク圧に低下する。この圧
力回路５の圧力低下により各パイロツト式開閉弁
８ａ，８ｂ，８ｃは自動的に閉じ、各回路５，
６，７中の作動油が油圧操作部Ｂ側へ流出するこ
とを未然に防ぐ。そこで、ただちに油圧操作部Ｂ
を分解することができ、分解しても各回路５，
６，７中から作動量が流出し、またこの作動油の
流出に伴つて空気が各回路５，６，７中に入つて
しまうこともない。

第２図ないし第４図は、圧力回路５とタンク回
路６のみでドレーン回路を有しない油圧回路に本
考案を適用した場合の一具体例を示すもので、圧
力回路５とタンク回路６にそれぞれ通ずる流路５
ａ，６ａを弁本体８０に設け、同流路５ａ，６ａ
中に圧力回路５とタンク回路６に対応したパイロ
ツト式開閉弁８ａ，８ｂを組込み、各回路の全体
に対して一体構造のパイロツト式開閉弁８とし、
これを電磁弁などの制御弁４ａ，４ｂ，４ｃを搭
載している配油盤４０の流入および流出口が開口
している前面４０Ａに取付けたものであり、４１
はオイルパンである。なお、配油盤４０は、各制
御弁４ａ，４ｂ，４ｃを搭載した個々の配油盤４
０ａ，４０ｂ，４０ｃを連結して１つの配油盤を
構成したものである。この配油盤は制御弁に対す
る作動油の給排路を形成するものであるから制御
弁の一部とみなすことができ、この意味から特別
に配油盤を有しない制御弁の場合には、その前面
に直接取付ければよいことは言うまでもない。

第３図および第４図において、８１ａ，８１ｂ
は流路５ａ，６ａの途中に形成されたシート部８
２ａ，８２ｂにバネ８３ａ，８３ｂにて押圧可能
になされたポペツト、８４ａ，８４ｂは前記ポペ
ツト８１ａ，８１ｂに対向するロツド９１ａ，９
１ｂを有するパイロツトピストン、８５はパイロ
ツト通路で流路５ａ中の前記シート部８２ａより
ポンプ側に一端を開口し、他端は分岐してそれぞ
れパイロツトピストン８４ａ，８４ｂの第３およ
び４図において右側のパイロツト室８６ａ，８６
ｂに開口している。パイロツトピストン８４ａ，
８４ｂの他側の室８７ａ，８７ｂは通路８８ａ，
８８ｂにて流路６ａ中の前記シート部８２ｂより
タンク側に開放されている。またポペツト８１
ａ，８１ｂの背圧室８９ａ，８９ｂは通孔９０
ａ，９０ｂにて流路５ａ，６ａのシート部８２
ａ，８２ｂよりポンプ側とタンク側にそれぞれ連
通されている。

このパイロツト式開閉弁８の動作について説明
すれば、第１図に示したポンプ２から作動油が供
給されず、流路５ａのシート部８２ａより上流側
に圧力が作用していないときは、パイロツト室８
６ａ，８６ｂも共に圧力を受けないため、パイロ
ツトピストン８４ａ，８４ｂをポペツト８１ａ，
８１ｂに向けて押圧する力は作用せず、両ポペツ
ト８１ａ，８１ｂはバネ８３ａ，８３ｂにてシー
ト部８２ａ，８２ｂに押圧されて流路５ａ，６ａ
をしや断し、該シート部８２ａ，８２ｂよりポン
プ側およびタンク側の圧力回路５およびタンク回
路６から配油盤４０側への作動油の流出を阻止す
る。

他方、ポンプ２から作動油が供給され、圧力回
路５に圧力が生ずると、この圧力がパイロツト通
路８５を介して両パイロツト室８６ａ，８６ｂに
同時に導かれ、パイロツトピストン８４ａ，８４
ｂを押出し、ロツド９１ａ，９１ｂによりポペツ
ト８１ａ，８１ｂをバネ８３ａ，８３ｂに抗して
押込み、シート部８２ａ，８２ｂを十分開放す
る。そこで、圧力回路５からの作動油は自由に配
油盤４０へ流入可能となり、また配油盤４０から
の戻り油はタンク回路６へ自由に流出可能とな
る。

このように各回路に対応したパイロツト式開閉
弁８ａ，８ｂを１つの弁本体８０中に組合せてお
けば、回路へ組み付けが容易にでき、しかも配油
盤等の流入および流出口部に合せてこれを製作し
ておけば、容易かつコンパクトに回路を構成でき
る。

第５図および第６図は、ドレーン回路７を有す
る他の具体例を示すものである。なお、第５図に
おいて４ｄは減圧弁、４２はその圧力調整部、４
３は圧力計でその後に電磁弁などの制御弁４ａが
接続されている。

この具体例におけるパイロツト式開閉弁８は、
第６図に示すように、圧力回路５、タンク回路
６、ドレーン回路７に対応してそれぞれ設けた流
路５ａ，６ａ，７ａをしや断するためのポペツト
８１ａ，８１ｂ，８１ｃを同軸上に配置し、１つ
のパイロツトピストン８４にてすべてのポペツト
８１ａ，８１ｂ，８１ｃを同時に開放し得るよう
に構成したものである。すなわち、パイロツトピ
ストン８４のロツド９１は同図において左方のポ
ペツト８１ａ，８１ｂを貫通して右端のポペツト
８１ｃの先端に対向し、ポペツト８１ａ，８１ｂ
の先端に対応する位置に該先端に当接可能なツバ
９２ａ，９２ｂを有し、パイロツトピストン８４
の右行により、該ツバ９２ａ，９２ｂおよびロツ
ド９１の先端にて各ポペツト８１ａ，８１ｂ，８
１ｃをそれぞれ開放するようにしたものである。

なお、この第６図に示すものは、ロツド９１と
ポペツト８１ａ，８１ｂとの係合部のすき間から
作動油がもれる可能性があり、この点では第３図
および第４図に示したものに比較して劣るが、こ
のパイロツト式開閉弁８が閉じるのは各回路に圧
力が作用しない場合であるから、前記油もれの心
配はほとんどなく、この意味からパイロツト式開
閉弁の構造を前記のようなチエツク弁方式とせ
ず、スプール弁方式としてもよいことは言うまで
もなく、特に第６図に示すように各パイロツト式
開閉弁を同軸上に配置したものにおいてスプール
弁方式とすれば、構造をきわめて簡素化し得るこ
とはもちろんである。

以上述べたように本考案によれば、ポンプを停
止させることなどにより、油圧操作部に通ずる圧
力回路の圧力をなくすことにより、頭上配管によ
つて油圧操作部と圧油供給部とを連結する圧油回
路およびタンク回路を含む各回路が自動的に閉じ
られ、また油圧操作部を分解するに際して圧力回
路に圧力が作用しないようにポンプを停止させる
などの操作を忘れることはほとんど皆無であるた
め、前記の各回路から作動油が流出してしまうよ
うな不測の事故を確実に防止できると共に、通常
の運転時には前記パイロツト式開閉弁は自動的に
開かれて、作動油の通過を自由にするため、圧力
損失および発熱等の問題もほとんど生じないと共
に、再運転に際しては開け忘れの心配もないの
で、安全な運転ができる等、頭上配管を要する油
圧回路であつて特に分解等に時間が掛る集積弁を
用いた油圧回路において大なる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動シヤツトオフ機能を
有する油圧回路の一実施例を示す概要図、第２図
はパイロツト式開閉弁と制御弁部の一具体例を示
す正面図、第３図は第２図の−線による拡大
断面図、第４図は第３図の−線による断面
図、第５図はパイロツト式開閉弁と制御弁部の他
の具体例を示す正面図、第６図は第５図に示した
パイロツト式開閉弁の弁軸心上における拡大縦断
面図である。 Ａ…圧油供給部、１…タンク、２…ポンプ、Ｂ
…油圧操作部、３ａ，３ｂ，３ｃ…アクチユエー
タ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ…制御弁、５…圧力
回路、６…タンク回路、７…ドレーン回路、８，
８ａ，８ｂ，８ｃ…パイロツト式開閉弁、４０…
配油盤、４１…オイルパン、８０…パイロツト式
開閉弁の弁本体、８１ａ，８１ｂ，８１ｃ…ポペ
ツト、８４，８４ａ，８４ｂ…パイロツトピスト
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ アクチユエータおよび該アクチユエータへの
   作動油の給排等の各種の制御を行なう弁を含む
   油圧操作部と圧油供給部を連結する少なくとも
   圧力回路およびタンク回路を含む各回路の途中
   を前記油圧操作部より高い頭上配管とした油圧
   回路において； 前記の各回路の油圧操作部に近い位置に、前
   記圧力回路の圧力によつて開となり、該圧力が
   作用しないとき前記各回路から油圧操作部側へ
   の作動油の流出をそれぞれ阻止するパイロツト
   式開閉弁を設けてなる自動シヤツトオフ機能を
   有する油圧回路。 ２ 油圧操作部と圧油供給部を連結する少なくと
   も圧力回路およびタンク回路を含む各回路にそ
   れぞれ対応した流路を有する弁本体と、ポンプ
   およびタンク側から油圧操作部側へ向かう流れ
   を阻止可能に前記弁本体内にそれぞれ設けられ
   た開閉弁と、同開閉弁より上流側の圧力回路の
   圧力を受け前記各開閉弁をそれぞれ押開くパイ
   ロツトピストンとからなる一体構造のパイロツ
   ト式開閉弁を用いた実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の自動シヤツトオフ機能を有する油圧
   回路。 ３ パイロツト式開閉弁がパイロツト式チエツク
   弁である実用新案登録請求の範囲第１または２
   項記載の自動シヤツトオフ機能を有する油圧回
   路。 ４ パイロツト式開閉弁がスプール型の弁である
   実用新案登録請求の範囲第１または２項記載の
   自動シヤツトオフ機能を有する油圧回路。 ５ パイロツト式開閉弁が同軸上に配列され、１
   つのパイロツトピストンで開閉するように構成
   されている実用新案登録請求の範囲第２，３ま
   たは４項記載の自動シヤツトオフ機能を有する
   油圧回路。