JPS641349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラチエツト機構を有する巻付ローラ
を有する紐又は帯紐用ウインチに関する。

物品の輸送では、例えば、トラツクまたは船の
運動で積荷が移動しない様に積荷を安全に保持す
ることは、当局と個々の個人との両者の安全要件
を満足するために必要である。積荷のこの保持な
いし結束は、単に手で予め緊張された紐又は帯紐
でよく行われるが、現在では、通常、或る型式の
ウインチで緊張される。このウインチは、通常、
フレームに固定された巻付ローラの形態のもの
で、重力またはばねで作動されるロツク用爪が係
合するラチエツトホイールを有している。この型
式のウインチは、満足に作用するが、その使用を
制限する欠点を有している。又は、紐又は帯紐の
寸法がウインチの大きさで制限されるために、限
定された牽引力を達成し得るに過ぎないこと。更
に、保持力がロツク用爪とラチエツトホイールと
の間の当接面で定められるので、保持力が比較的
小さいことである。又、保持力は大きくできな
い。保持力を大きくすると許容できないウインチ
寸法の増大を来たすからである。また、従来技術
のウインチはハンマまたはバールで操作されると
きの積荷の荷下しの場合の如く、その機能が危く
なる様な荒い取扱いをよく受ける。

上述の型式のウインチは、例えば、米国特許第
3038740号、第3181886号、第3428331号に図示説
明されている。

本考案の目的は、従来技術のウインチに固有の
上述の欠点を排除し、著しく大きい牽引力と保持
力とを有し解放する目的に対して僅かな牽引力ま
たは押圧力での作動を要するに過ぎない要易に解
放可能で保護されたラチエツト機構を備えるウイ
ンチを得ることである。しかしながら、該ウイン
チは、例えば、引ずり、投出しまたは取落しの様
な日常の毎日の取扱いにその機能に対する如何な
る危惧をも生じることなく全体として耐え得ねば
ならない。この目的は、フレームが、横要素で相
互に離隔されて保持される２つの板の形態を有
し、該要素の１つが、フレームの据えつけ用部材
を横成し、他の要素が、紐又は帯紐の一端に結合
可能であることによつて達成される。更に、巻付
ローラは、横要素間で板に支承され、紐又は帯紐
の固定部分を有している。最後に、ラチエツト機
構は、巻付けローラと同心状に１つの板に位置
し、ハウジング内に位置する放射状ロツク面を有
している。

紐又は帯紐の両端がフレームに結合可能なた
め、２重の帯紐ないし紐の強度が得られる。保持
力は、ラチエツト機構が放射状ロツク面を有する
ことで何倍にも増加可能である。本考案の他の特
徴により、フレーム板が楕円形であれば、ウイン
チは、損傷の恐れなく容易に引きずり可能であ
り、最大可能な程度に保護される如くウインチの
部品が位置していることで、損傷の恐れが更に低
減される。

ラチエツト機構は、そのハウジング内に保護さ
れ、これにより、その機能は保証され、該機構
は、相互に対して当接するがクラツチリングで容
易に分離し得る鋸歯形突起を有する２つのラチエ
ツト板から成り、これは、激しい取扱いを不必要
にする。本考案のウインチは、更に、簡単な態様
に構成され、従つて、低価格での製造を可能にす
る。

本考案の本質とその特徴とは、添附図面を参照
する下記の説明によつて明瞭になる。

第１図に示すウインチは、２つの楕円形板１
１，１２を有するフレーム１０を備え、板１１，
１２は、板１２を貫通して板１１の対向するねじ
孔と板１１の外側に夫々位置する環状ねじ付部材
１５，１６とへねじ込まれるボルト１３，１４に
より、相互に対して所定の距離に保持される。板
１１，１２間のスペーサ装置１７，１８は、夫々
ボルト１４，１３上に位置している。関連する部
材１６，１７を有するボルト１４は、例えば、船
の甲板に固定されて設けられているフツクでフレ
ーム１０を据えつけるのに使用される。部材１
５，１８を有するボルト１３は、当該技術で周知
の型式、例えばナイロン織物の帯紐１９に対する
固定装置として作用し、帯紐１９は、板１１，１
２間の空間内でボルト１３のまわりに装着され、
第２図に示す如く、計算された最大牽引力に依る
距離にわたり一体に縫合わされる。

巻付ローラ２０は、２つのボルト１３，１４の
間に回転自在に支承され、板１１，１２の間に帯
紐１９の他端に対する巻付部分２１を有し、帯紐
１９は、この部分２１を貫通するスロツト２３に
おいて通常の態様でこの部分２１に固定される。
ローラ２０の回転のため、ローラ２０は、板１１
の外側に６角頭２２を有し、該頭に適当なスパナ
が係合可能である。巻付ローラの他端は、ケーシ
ングないしハウジング２５で包囲されたラチエツ
ト装置２４に係合する如く板１２の外側へ突出し
ている。ハウジング２５は、それに設けられた耳
２６のねじ孔２７に係合して板１２を貫通する皿
頭ねじ（図示せず）で板１２の外側に強固に保持
される。

ラチエツト機構は、巻付ローラ２０と同心状に
該ローラに固着された円板２８を有している。円
板２８は、巻付部分２１から離隔して面する側部
に放射状ロツク面４１を有する鋸歯形突起３０を
備えている。鋸歯形突起３１と、ロツク面４２と
を有する対応して構成されたラチエツト円板４０
は、ラチエツト円板２８に係合する。２つの円板
２８，４０が、鋸歯形突起３０，３１を相互に当
接させて設置されたとき、相互に対して１つの回
転方向へは回転し得るが反対方向へは回転し得な
いことは明瞭である。第４図から特に明瞭な如
く、楔形斜面３２は、円板４０の外周にわたり設
けられ、その理由は、下記の説明で明瞭になる。
円板４０は、巻付ローラ２０から離隔して面する
ハウジング２５の限定面に固定され或る角度に曲
つたストリツプ３４で限定される溝３５内へ円板
４０の後側に設けられた突出部３３を配置させ
て、ハウジング２５内に設置される如く意図され
ている。螺旋ばね３６は、円板４０と、この限定
面との間に位置する如く意図されている。

第４図により、巻付ローラ２０が板１１，１２
に装着され、ラチエツト円板４０がばね３６を円
板４０とハウジング２５の限定面との間に位置さ
せてハウジング２５内に設置され、ハウジング２
５が板１２の外側に固定されたとき、円板４０
は、円板２８に向いばねで付勢され、これによ
り、巻付ローラ２０は、一方向へ回転可能である
が、反対方向へは回転不能であり、従つて、巻付
ローラ２０に係合する帯紐１９を緊張可能なこと
は明瞭である。しかしながら、帯紐１９を解放し
得ることも望ましく、この目的のため、クラツチ
リング３７は、円板２８，４０の間に位置し、該
リング内周にわたつて延びる３つの内方に向くク
ラツチ部分３８を備えている。ラチエツト円板４
０の楔形斜面３２は、その数が同様に３つであ
り、クラツチリング３７の部分３８がこれ等の斜
面３２間に該斜面に接触することなく位置し得る
様な長さを有している。クラツチリング３７は、
ラチエツト円板２８，４０間で回転自在であり、
リング３７が回転されると、部分３８は、楔形斜
面３２の上端へ向う方向へ円板４０の斜面３２の
上を摺動して上昇し、円板４０は、ばね３６の作
用に抗してハウジング２５の限定面に向う方向へ
付勢されることは明瞭である。特定の回転の後、
ロツク面４１，４２は、相互に対して離脱し、巻
付ローラ２０は解放される。ラチエツト円板４０
と、ばね３６とをハウジング２５内で中心を整合
させるため、巻付ローラは、ラチエツト円板２８
から突出してラチエツト円板４０を貫通しばね３
６内に突出する中心短軸２９を有している。クラ
ツチリング３７は、ラチエツト円板４０の平滑な
外周と、フレームの板１２の外面との間に該面に
極く隣接して位置する如く支承され、これによ
り、腕３９の意図しない操作と、腕３９の損傷と
が防止される。腕３９の外端は、幾分外方へ彎曲
して開口部を有し、これにより、例えば、ロツク
作用をウインチからある距離で解放し得る如く引
紐を固定し得る。

本考案のウインチの使用の際、ウインチは、初
めに強固に固定され、次に、帯紐１９は、所定の
場所に保持すべき物体のまわりまたは物体の一部
のまわりに結合または設置され、帯紐１９の自由
端は、ウインチまで戻されてスロツト２３に挿入
される。次に、巻付ローラ２０は、所望の程度の
緊張が達成されるまで回転される。積荷の荷下し
の際に緊張を解放しようとするとき、クラツチリ
ング３７の操作用腕３９は、直接作動されるかま
たは引紐等で作動され、帯紐が弛められて積荷が
解放される如く、ロツク作用が除去される。

２重の帯紐は、著しく大きい牽引力を加えるこ
とを可能にする。更に、全体のロツク面は、従来
のものよりも著しく大きく、ロツク作用は、ウイ
ンチからある距離において簡単な態様で除去可能
であり、これは、ウインチの簡単で機能的な構造
と共に、極めて有利な製品を形成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は結合された帯紐を有する本考案のウイ
ンチの上部平面図、第２図は同上の側面図、第３
図は同上のウインチに固着されるラチエツト機構
用ハウジングの図、第４図は同上のウインチの巻
付ローラとラチエツト機構との分解図を示す。 １０……フレーム、１５，１６……環状ねじ付
部材、１１，１２……楕円形板、１７，１８……
スペーサ装置、１３，１４……ボルト、１９……
帯紐、２０……巻付ローラ、２３……ローラのス
ロツト、２４……ラチエツト装置、２５……ハウ
ジング、２８，４０……ラチエツト円板、３０，
３１……鋸歯形突起、３２……楔形斜面、３３…
…突出部、３５……溝、３６……螺旋ばね、３７
……クラツチリング、３８……クラツチ部分、３
９……操作用腕、４１，４２……ロツク面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレーム１０と、ラチエツト装置２４を備えた
   巻付ローラ２０とを有する紐又は帯紐用ウインチ
   において、 前記フレーム１０が横要素１３，１５，１８，
   １４，１６，１７によつて相互に離隔して保持さ
   れた二枚の板の形態であり、前記横要素の一方１
   ４，１６，１７が前記フレーム１０の据えつけ用
   部材を構成し、他方１３，１５，１８が前記紐又
   は帯紐１９の一端への結合用部材を構成し、 前記巻付ローラ２０が前記横要素の間で前記板
   １１，１２に支承されると共に紐又は帯紐固定部
   分を有し、 前記ラチエツト装置２４が、前記巻付ローラ２
   ０と同心状に一方の板１２上に位置し、ハウジン
   グ２５内に位置する放射状軸方向ロツク面４１，
   ４２を有しており、さらに該ラチエツト装置２４
   が、相互に当接すると共に前記巻付ローラと同心
   の二つの円板２８，４０を有しており、該円板が
   前記板の一方１２に固着されたハウジング２５内
   に位置し、該円板の一方２８が前記巻付ローラ２
   ０に固着され、他方４０が前記ハウジング２５内
   において、回転不可で、ばね３６の作用に抗して
   軸方向に変位可能に支承されており、クラツチリ
   ング３７が、前記ラチエツト装置２４の円板２
   ８，４０間で前記ハウジング２５内に回転自在に
   支承され、内方に向くクラツチ部分３８を有し、
   前記軸方向へ変位可能な円板４０が、その外周に
   わたり円周方向の楔形部分３２を有し、前記クラ
   ツチ部分３８が、前記リング３７の回転により、
   前記ばね３６の作用に抗して軸方向へ移動可能な
   円板４０を変位する目的で前記楔形部分３２に係
   合する如く変位可能であり、前記クラツチリング
   ３７が、前記フレームの板１２の外側に隣接して
   ハウジング２５から突出る操作用腕３９を備えて
   いることを特徴とするウインチ。