JPS641046Y2

JPS641046Y2 -

Info

Publication number: JPS641046Y2
Application number: JP3593884U
Authority: JP
Priority date: 1984-03-13
Filing date: 1984-03-13
Publication date: 1989-01-11
Also published as: JPS60146715U

Description

【考案の詳細な説明】この考案はエジエクタ装置を備えるとともに圧
縮成形とトランスフア成形の両方を行なうことが
できるようにした樹脂成形機に関する。

SMC（Sheet molding compound）成形（液状
の不飽和ポリエステル樹脂と、ガラス繊維を用い
て数mm厚のシート状成形材料を製作し、これを金
型によりプレス成形する方法）等に用いるととも
にエジエクタ装置を備えた成形機の一従来例とし
て、第１図ないし第３図に示す成形機Ａが知られ
ている。

上記成形機Ａは、下型を取り付けるボルスタ１
を上面に備えたベツド２と、このベツド２の上面
に立設されたサイドフレーム３の上端に固定され
た天盤４と、この天盤４の下にビストンロツド５
ａを出して天盤４に固定されたマスタシリンダ５
と、上記ピストンロツド５ａの下端に取り付けら
れ下面に上型が取り付けられる可動盤６と、以下
に説明するエジエクタ装置７を主体として構成さ
れたものである。上記エジエクタ装置７は、ボル
スタ１を上下に貫通した複数の挿通孔１ａの各々
に挿通されたエジエクタピン７ａと、ボルスタ１
の下方のベツト２の内部に設けられ、ボルスタ１
の下面に垂設されたガイドバー７ｂ…によつて水
平に支持された固定盤７ｃと、この固定盤７ｃの
中央にピストン棒７ｄを上にして固定された油圧
シリンダ７ｅと、上記ピストン棒７ｄの上端に取
り付けられ、上記ガイドバー７ｂに案内される移
動盤７ｆとから構成されたものである。すなわ
ち、上記成形機Ａは、移動盤７ｆを下げてエジエ
クタピン７ａの上端を第２図に示すように挿通口
１ａの中に入れた状態でボルスタ１の上の下型と
可動盤６の下の上型とによつて成形材料を圧縮成
形し、その後にエジエクタ装置７を作動させ、油
圧シリンダ７ｅによつて第３図に示すように移動
盤７ｆを上昇させ、エジエクタピン７ａ…を挿通
孔１ａから出して図示略の下型内の成形品を下型
から外すようになつている。

ところで、上記従来の成形機Ａは、主に、
SMC成形の目的として構成されており、上記の
ようにボルスタ１にエジエクタピン７ａが挿通さ
れ、ボルスタ１の下にエジエクタ装置７が設けら
れていて、構造的にトランスフア成形には使用で
きないため、BMC（Bulk molding compound）
成形（ガラス繊維と樹脂、充填剤、化学増粘剤、
顔料、離型剤、触媒などを混練して塊状の成形材
料を作成し、これをトランスフア成形機等によつ
て成形するもの）を行うためには、従来、新たに
トランスフア成形機をも設けなくてはならない問
題があつた。

この考案は上記問題に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、エジエクタ装置を備え
た上でSMC成形機のプレス成形と、BMC等を用
いたトランスフア成形の両方をできるようにした
樹脂成形機の提供にある。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第４図ないし第６図はこの考案の一実施例の成
形機に組み込まれるエジエクタ装置Ｅとボルスタ
１０を示している。なお、この実施例の成形機の
他の部分は従来の成形機Ａと同じ構成であり、エ
ジエクタ装置Ｅとボルスタ１０以外の部分の説明
は省略する。

ボルスタ１０にはボルスタ１０を上下に貫通す
る挿通孔１０ａが、ボルスタ１０の上面中央部を
除き、かつ、ボルスタ１０の上面部の周囲を矩形
状に囲んで複数形成され、各挿通孔１０ａの上端
は逆円錐台状に切り抜かれた開口部１０ｂにされ
ている。また、上記各挿通孔１０ａには、皿リベ
ツト状のエジエクタピン１１がその頭部１１ａを
挿通孔１０ａの開口部１０ｂに嵌入し、かつ、そ
の下端１１ｂをボルスタ１０の下方に出して挿入
されている。そして、ボルスタ１０の上面中央部
には、ボルスタ１０を上下に貫通し、透孔１０ｃ
があけられるとともに、この透孔１０ｃには上記
挿通孔１０ａより内径の大きなロツド孔１０ｄを
有する円筒状のブツシユ１０ｅが嵌合されてい
る。

一方、上記ブツシユ１０ｅの下の移動盤７ｆの
上面中央には、突部１２ａが形成され、この突部
１２ａの上部には、上記ブツシユ１０ｅと同軸位
置にねじ孔１２ｄが形成されていて、上記突部１
２ａのねじ孔１２ｄとによつて取付部１２が構成
されている。また、第５図に示す１３は、上記ブ
ツシユ１０ｅに摺動自在に挿通可能で、かつ下部
に上記ねじ孔１２ｂに螺合可能なねじ部１３ａを
形成したトランスフアロツドであり、第４図に示
す１４は、ブツシユ１０ｅのロツド孔１０ｄの上
部開口面を閉じた蓋体である。

すなわち、上記ガイドバー７ｂと、固定盤７ｃ
と、ピストン棒７ｄと、油圧シリンダ７ｅと、移
動盤７ｆと、ボルスタ１０と、エジエクタピン１
１と、取付部１２と、トランスフユロツド１３
と、閉塞ピン１４とによつてエジエクタ装置Ｅが
構成される。

次に上記のように構成されたこの考案の作用に
ついて説明する。

上記構成の成形機によつてSMC等の樹脂成形
材のプレス成形を行なうには、まず、トランスフ
アロツド１３を移動盤７ｆから取り外し、第４図
に示すごとく、ボルスタ１０の各挿通孔１０ａに
エジエクタピン１１を挿入するとともに、蓋体１
４によつてブツシユ１０ｅのロツド孔１０ｄを塞
ぎ、次いで、ボルスタ１０の上にプレス成形用の
下型を取り付ける。この後に、可動盤６を下降さ
せて可動盤６の下の上型と上記下型との間に入れ
られた樹脂成形材を、上型と下型とで加圧する。
加圧して成形を終了したならば、上型を上昇さ
せ、油圧シリンダ７ｅにより移動盤７ｆを上昇さ
せ、エジエクタピン７ａ…を押し上げ、成形品を
下型から取り外す。以上の操作によつて成形品を
得ることができる。

また、上記構成の成形機によつてBMC等の樹
脂成形材のトランスフア成形を行なうには、ま
ず、ボルスタ１０から下型を取り外し第５図に示
すごとく、エジエクタピン１１…を挿通孔１０ａ
から全て引き抜くとともに蓋体１４をロツド孔１
０ｄから取り外し、トランスフアロツド１３を移
動盤７ｆ中央のねじ孔１２ｂに螺入する。次い
で、ボルスタ１０にトランスフア成形用の下型で
あつて、上記ロツド孔１０ｄに接続するロツド孔
を有する下型を取り付け、樹脂成形材をトランス
フアロツド１３の上のブツシユ１０ｅ内に入れ、
続いて可動盤６を下げて下型に上型を接触させ
る。そして次に、油圧シリンダ７ｅによつて移動
盤７ｆを上昇させ、トランスフアロツド１３の上
端面でブツシユ１０ｅ内の樹脂成形材を上型と下
型との間のキヤビテイに圧入して成形を行なう。
成形終了後、上型を上昇させて成形品を取り出
す。以上の操作によつて成形品を得ることができ
る。なお、この成形時に使用する下型は、エジエ
クタ機構内臓型のものとし、下型に内臓されたエ
ジエクタピンによつて成形品の取り外しを行うよ
うにする。

すなわち、上記構成の成形機は、エジエクタピ
ン１１…とトランスフアロツド１３との交換、お
よび金型の交換と蓋体１４の着脱によつてプレス
成形とトランスフア成形の両方を行なうことがで
きる。したがつてSMC成形とBMC成形の両方を
行なう工場等に、従来は、圧縮成形機とトランス
フア成形機の両方を設ける必要があつたが、この
考案によれば１台の成形機を設けるのみでよくな
る。

なお、蓋体１４は金型によつて、成形クズ、ゴ
ミ等が入らないようにロツド孔１０ｄが塞がれれ
ば、必ずしも取付けなくても良い。また、エジエ
クタ装置Ｅを可動盤６に取り付けて、ロツド孔１
０ｄを可動盤６に形成することもできる。なおま
た、ボルスタ１０と可動盤６とが水平移動する形
式の成形機にこの考案を適用することもできる。
さらに、皿リベツト状のエジエクタピン１１を棒
状に形成し、この棒状のエジエクタピンの下端に
ねじ部を形成する一方、移動盤７ｆの上面にこの
ねじ部を螺入可能なねじ穴を形成して、エジエク
タピンを移動盤７ｆにねじ込み自在な構成にする
こともできる。

以上説明したようにこの考案は、エジエクタピ
ンを設けたボルスタあるいは可動盤の中央にロツ
ド孔を形成し、このロツド孔に対向するエジエク
タ装置の移動盤の中央に取付部を形成するととも
に、上記取付部にトランスフアロツドを着脱自在
に付設したため、エジエクタピンとトランスフア
ロツドとの交換および金型の交換によつて、プレ
ス成形とトランスフア成形の両方を行なうことが
できる。したがつて、例えばSMC成形とBMC成
形を行なう場合に、従来は、圧縮成形機とトラン
スフア成形機の両方を設ける必要があつたのに比
較して、この考案によれば、１台の成形機を設け
るのみでよくなり、設備費を低減できるといつた
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、従来の成形機の一例を
示すもので、第１図は全体の側面図、第２図はエ
ジエクタ装置の断面図、第３図はエジエクタ装置
の作動状態を示す断面図、第４図ないし第６図は
この考案の一実施例の要部を示すもので、第４図
は圧縮成形に対応した状態を示す断面図、第５図
はトランスフア成形に対応した状態を示す断面
図、第６図はボルスタの平面図である。６……可動盤、１０……ボルスタ、１０ａ……
挿通孔、１１……エジエクタピン、１２……取付
部、１３……トランスフアロツド、１０ｄ……ロ
ツド孔、Ｅ……エジエクタ装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

金型を取り付ける可動盤と、金型を取り付ける
ボルスタと、このボルスタあるいは可動盤に形成
された挿通口に摺動自在に挿通されたエジエクタ
ピンと、上記エジエクタピンを押す移動盤を有す
るエジエクタ装置とが設けられた樹脂成形機にお
いて上記エジエクタピンを設けたボルスタあるい
は可動盤にロツド孔が形成され、上記移動盤の上
記ロツド孔に対向する部分に取付部が形成される
とともに、上記移動盤には移動盤の移動によつて
ロツド孔内を摺動するトランスフアロツドが上記
取付部を介して着脱自在に付設されて成ることを
特徴とする樹脂成形機。