JPS63971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横置エンジンの自動車等に採用され
ている排気管の接続構造の改良に関するものであ
る。

一般に、上記の如き横置エンジン車では、クラ
ンクシヤフトの軸方向と直交する方向に排気管を
伸長させる必要があり、クランクシヤフトの振動
等横置エンジンの種々の振動を受合うため、排気
管にも揺動自在、摺動自在な接続構造が採用され
ている。

従来のこの種の排気管の接続構造としては、第
１図に示すように、エンジン側に接続された一方
の排気管１の端部付近に、プレス成形によりシー
ルフランジ２を形成し、端部には外面に球状摺動
面３ａを有するシーリングリング３を嵌合する一
方、他方の排気管４の先端には、球状摺動面３ａ
と同じ曲率半径の球状被摺動面５ａを有する嵌合
部５を設けて、シーリングリング３と嵌合部５と
を摺動自在、揺動自在に嵌合し、両方の排気管
１，４に夫々嵌合固定した接続フランジ６，７
は、ボルト８とナツト９とで相対的に接近・離反
可能に結合し、常時は、ボルト８の頭部と接続フ
ランジ７との間に介装した円錐スプリング１０で
両接続フランジ６，７を接近する方向に付勢した
ものが知られている（特開昭53−54615号公報、
米国特許第4097071号明細書参照）。

しかしながら、上記従来の接続構造を採用した
場合、排気管は通常車両のフロアパネル下方に露
出して配置されるため、泥水や砂が両接続フラン
ジ６，７の間に入り込み、入つた泥水や砂が、両
排気管１，４間の相対的な揺動や軸方向の摺動に
際してシーリングリング３と嵌合部５との間の摺
動面に侵入し、シーリングリング３の耐摩耗性、
耐久性を著しく損なう問題があつた。

本考案は、かかる問題を解消すべくなされたも
のであつて、シーリングリングを外部に対してカ
バーするバツフルを、排気管の揺動に際して相手
排気管の接続フランジと干渉しないように設け、
このバツフルにより、排気管の揺動を許容しつ
つ、泥水や砂等の異物に対してシーリングリング
を保護し、シーリングリングの耐久性を確保する
ことができる車両用エンジンの排気管接続構造を
提供することを目的としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具
体的に説明する。

第２図に示すように、一方の排気管１の端部
に、シールフランジ２に基端を当止めた状態に嵌
合したシーリングリング３に対して、一方の排気
管１側に固定する接続フランジ６の外周縁部に、
他方の排気管４の接続フランジ７に向けて突き出
したバツフル１１を一体に形成し、シーリングリ
ング３を外部に対してカバーする。

このバツフル１１は、他方の排気管４の接続フ
ランジ７の外周を僅かな間隙をおいて囲繞するよ
うに形成し、シーリングリング３の球状摺動面３
ａに他方の排気管４の嵌合部の被摺動面５ａを密
着させた状態にボルト・ナツト８，９および円錐
コイルスプリング１０で接続フランジ６，７を結
合したときに、バツフル１１の突出縁１１ａが他
方の排気管４の外周面の外側に位置するようにし
ている。なお、第２図において、１２は他方の接
続フランジ７を補強する補強板である。

その結果、両排気管１，４はバツフル１１に支
障されることなく相対変位できるように接続さ
れ、シーリングリング３と被摺動面５ａとの間の
摺動は、密着状態を保つたまま、円錐コイルスプ
リング１０の変位として受合われ、また、シーリ
ングリング３はバツフル１１によつて常時外部に
対してカバーされているため、泥水や砂等の異物
が両接続フランジ６，７間に侵入することがな
く、シーリングリング３はこれらの異物に対して
安全に保護される。

なお、上記のようにバツフル１１を接続フラン
ジ６と一体に形成した場合には、このバツフル１
１によつて接続フランジ６を補強することができ
るから、接続フランジ６は薄肉とすることがで
き、第１図に示した如き補強板を省略することが
できる。

また、具体的に図示しないが、バツフルは必ず
しも、接続フランジと一体成形する必要はなく、
バツフル部材を別に設けてこれを接続フランジに
固定するようにしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、他方の排気管に設けた被摺動面を摺動させる
球状摺動面を有するシーリングリングを外部に対
してカバーするバツフルを排気管の接続フランジ
を利用して相手接続フランジとは径方向にずらせ
て設けたから、排気管の揺動に干渉することなし
に泥水や砂等の異物のシーリングリングへの侵入
を防ぐことができ、したがつて、シーリングリン
グを安全に保護することができ、その耐久性を良
好に維持することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用エンジンの排気管接続構
造を示す断面図、第２図は本考案の一実施例に係
る排気管接続構造を示す断面図である。 １……一方の排気管、３……シーリングリン
グ、３ａ……球状摺動面、４……他方の排気管、
５ａ……被摺動面、６，７……接続フランジ、８
……ボルト、９……ナツト、１０……円錐コイル
スプリング、１１……バツフル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方の排気管と他方の排気管との間にシーリン
   グリングを介在させるとともに、両排気管に夫々
   取付けた接続フランジを互いに近接させるスプリ
   ングを設け、これら排気管を揺動自在に接続する
   ようにした車両用エンジンの排気管接続構造にお
   いて、 一方の排気管に球状摺動面を有するシーリング
   リングを嵌合し、他方の排気管に上記球状摺動面
   と摺動する被摺動面を形成し、シーリングリング
   の外側で上記接続フランジ間の間隙を外部に対し
   てカバーするバツフルを、排気管の揺動の際に相
   手側の接続フランジ側部材と干渉しないように径
   方向にずらして、少なくとも一方の接続フランジ
   に設けたことを特徴とする車両用エンジンの排気
   管接続構造。