JPS638792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、のれんの材料、帽子等の身体着用品
の飾り玉、或はカーテン等の装飾用フリンジ材等
として広範囲の用途に供せられる所謂「ぼんて
ん」の改良に関し、主に繊維産業の分野で利用さ
れるものである。

（従来の技術） 従来のぼんてんは、例えば、数百本の多数の糸
条を集束し、この集束体を所要の間隔を保つて複
数個所で結束糸条により緊縛した後、各緊縛個所
の中間を切断し、各切断物の切断糸条の先端部分
を、全体の形状が丸くなるように刈込んで製作さ
れている。

したがつて、その製作に非常な手間と熟練を要
するため能率的に量産できないことは勿論、手作
業であるため大きさを統一し難く、均斉品を製作
できない問題があると共に、個々の糸条は腰が弱
いため変形し易く、ぼんてんとしての当初の丸み
を保持し難いため外観を損ない易く、したがつて
洗濯及び後染めができないという問題があるのみ
でなく、使用中に集束した糸条が抜脱して全体が
崩形する場合を生じる等の多大な欠点がある。

また、実公昭35−32778号公報及び実開昭50−
95152号公報等にも上記のものとは構造を異にす
るぼんてんが示されているが、そのいづれの場合
も、ぼんてん本体が長い１本の糸条を器具に捲回
して形成されていること、各ループが編組織に組
込まれていないことなどの理由から、結束力乃至
は保形性が弱く、糸条の１個所が切断されると忽
ち崩形し易い等の問題がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の欠点を除去するために開発完
成されたもので、形成されたぼんてんは、刈込み
等を施さなくても当初から美しい球形を確実に保
有し、且つ独自の形状に基いて素材である糸条は
腰が強く、糸条が抜脱しないという構造上の特徴
と相俟つて変形、崩形のおそれがなく、したがつ
て洗濯、後染めを支障なく行ない得ると共に、所
望にして均斉な大きさのぼんてんを容易に提供す
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案に係るぼ
んてんは、小間隔を保つて配列した両側の耳糸に
複数本の糸条を絡合させつゝジグザグ状に組込ん
で細い帯状の基材を形成すると共に、該基材の両
耳糸及び絡合糸条に装飾用糸条を各別に絡合させ
つゝ基材の両側縁に所要長さの多数のループから
成るループフリンジを各別に密に形成してループ
付きブレードを形成し、該ブレードを長手方向に
捲込むと共に、基材の中間部分を結束糸条により
緊縛して基材の周囲に多数のループを密に形成
し、この密成ループにより球状体を構成したこと
を特徴としている。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面に基いて説明すれ
ば、１は複数本の糸条２を引揃え、所要の小間隔
を保つて配列した２本の耳糸３，３に絡合させ
つゝジグザグ状に長く編成して形成した細い帯状
の基材、４，４は複数本の装飾用糸条（例えば着
色毛糸）５を引揃え、該基材１の耳糸３，３及び
糸条２に絡合させつゝ、基材１の両側に所要の間
隔を保つて張設した捨糸Ｙ，Ｙを介しループ状に
連続的に組込んで、基材の両側縁に密に形成した
一定長のループ６から成るループフリンジであつ
て、上記捨糸Ｙ，Ｙを抜取つて形成したループ付
きブレードＢを長手方向に密に捲込んだ後、基材
１の中間部分を結束糸条７により強く緊縛するこ
とにより、基材１の周囲に全方位的に多数のルー
プ６を密成し、この密成ループにより球状体８を
形成したぼんてんを構成したものであり、且つ結
束糸条７の余端部分を外部に引出して他物への取
付けの便宜を計つてある。

なお、上記装飾用糸条５の色彩、材質及び使用
本数は自由に選択できるものであるが、ぼんてん
としての外観、風合を良好に保つためには、多数
本の毛糸を用いることが望ましく、また、耳糸３
には細くても強いナイロンテグスを用いることが
望ましい。

（本考案の効果） 上記のように構成した本考案によれば、次の諸
効果を奏し得るものである。

(1) 装飾糸条を腰の強いループで構成しているた
め、その密生群で形成された球状体は変形、崩
形し難く、確実にその美しい丸みを保持し得
て、ぼんてんとしての装飾効果を良好に保ち得
る。

(2) 各ループは両側の耳糸に複数本の糸条を絡合
させつゝジグザグ状に組込んで形成した細い帯
状の基材の、該両耳糸及び絡合糸条に両側から
装飾用糸条を各別に絡合させつゝ連続的に組込
まれて、基材と一体的に編成されているので、
使用中に抜脱するおそれが全くなく、上記(1)の
効果を一層向上でき、したがつて洗濯、後染め
を支障なく行ない得る。

(3) 装飾糸条の使用本数、基材への組込み密度及
びループの長さを変えることにより、ぼんてん
の固さ、大きさを所望に調節できる。

(4) ぼんてんとしての丸みを出すために、従来の
ように刈込みを施す必要がないので、大きさの
均斉な優良品を能率的に量産できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う１部省
略断面図、第３図は素材であるブレードの概略組
織図である。 １……基材、２……絡合糸条、３……耳糸、４
……ループフリンジ、５……装飾用糸条、６……
ループ、７……結束糸条、８……球状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小間隔を保つて配列した両側の耳糸に複数本の
   糸条を絡合させつゝジグザグ状に組込んで細い帯
   状の基材を形成すると共に、該基材の両耳糸及び
   絡合糸条に装飾用糸条を各別に絡合させつゝ基材
   の両側縁に所要長さの多数のループから成るルー
   プフリンジを各別に密に形成してループ付きブレ
   ードを形成し、該ブレードを長手方向に捲込むと
   共に、基材の中間部分を結束糸条により緊縛して
   基材の周囲に多数のループを密に形成し、この密
   成ループにより球状体を構成したことを特徴とす
   るぼんてん。