JPS5928069Y2 - 穴あき柄を有する伸縮性経編地 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は地組組織のネット変化と、連結用挿入糸による
変化によって多種多様の変化を可能ならしめたポーラ調
穴あき柄を有する伸縮性経編地の考案に関する。

従来、ブラジャー、ガードル、ボディスーツなどに使用
されている伸縮性経編地のうち、メツシュ生地は春、夏
物には欠かすことのできない有望な素材であるが、柄物
としては殆どが浮かせ柄であり、それ以上の変化に乏し
く、安定した需要はあるとしても、高級感ならびに斬新
性の点において今、−歩の感を免れなかった。

殊に近時、ファツション性に対する認識の昂まりと共に
需要者の志向が一段と高級志向となり、多彩な変化に対
するのみならず、季節に対するイメージの強烈さをも要
求し、これに対する新規な開拓、展開がひとしく追求さ
れている。

本考案は、かかる時代の趨勢に対応し、春夏のイメージ
感を強くすると共に、高級感と変化とを併せ現わし得る
伸縮性経編地の提供を目的とするものであり、地組組織
を比較的大きなメツシュ目を有する経編組織で編成する
ことによって大小種種の穴の変化を実現し、更に連結用
挿入糸を使用し、そのウエール方向の編み込み変化によ
り繰返し変化又は花の形の変化を図ることを特徴とする
もめである。

以下、本考案編地の具体的な実施の態様を添付図面を参
照しつつ詳述する。

第１図は本考案編地の１例を示す組織図、第２図は同分
解図である。

これら各図において、１，２は夫々ナイロン、ポリエス
テルなどの合成繊維糸条からなる地編糸であり、図示組
織例ではこれら地編糸１，２を２ウエールを単位とする
各単位ウエールの各地編糸として、所要ウエールにわた
って使用し、メツシュ目を有する経編組織に編成せしめ
ることによって地組部を構成している。

即ち、同組織の該地編糸１，２は２ウエールを単位とし
て所要ウエールの各単位ウエールａ１〜ａｎ（但しｎは
整数）において適宜間隔をおいて互いに交叉し、その間
の１乃至複数の部分において１回以上、互いに相反する
方向に振られて該相反する方向側の隣接単位ウエールの
隣接ウエール地編糸、例えば単位ウエールａ２の地編糸
１の場合は隣接単位ウエールａ１の地編糸２また地編糸
２の場合は隣接単位ウエールａ３の地編糸１と互いに交
叉してウエール方向において繰り返され、前記相反する
方向への振りによるメツシュ部分を断続的に間隔をおい
て形成している。

一方、３，４，５，６は前記編成された地編部に挿入さ
れる各連結挿入糸で、前記地組部に形成されたメツシュ
目を填めてゆく役目を有し、３本以上の複数本単位で使
用され、図では各単位ウエールａ１〜ａｎに対し１本の
割合で４本を単位として編み込まれている。

即ち、これら連結挿入糸３，４，５，６は伺れも各単位
ウエールにおいて、その一方のウエールの側方よりコー
スに沿って他方にウエール側に挿通され、他方のウエー
ルにおいて２コースにわたってＳ字状に編み込まれ、次
コースで隣接単位ウエールの隣接側ウエールにＵ状に編
み絡められて当初の単位ウエールの他方ウエール側で再
び２コースにわたりＳ字状に編み込まれ、次いで、次の
コースで当初の一方側つエールにＵ状に編みつけられ、
爾後これを繰り返す６コース毎の繰り返しとなっている
が、その間において中間の連結挿入糸４，５，６は所要
の個所で隣接ウエールへの連結を行なうことなく、同一
ウエールで次コースに編み込むようにして編組織面に穴
あき部分Ａを形成している。

勿論、図示における６コースの繰り返しはこれに限られ
るものではなく３〜６又はそれ以上の連結挿入糸用柄筬
を使用することにより繰り返しの変化を付与することも
任意であり、またウエール方向に連結を行なわない個所
を選択することにより穴あき部分Ａを変え、適宜花柄の
形状、配置を変えることも容易である。

なお、連結挿入糸としては種々の繊維糸条が使用可能で
、これによって風合に異質感を与えることができるが、
ウーリーナイロンなどの捲縮加工された合成繊維糸を使
用すれば嵩高性もあり、好適である。

又、図中、７，８はポリウレタン弾性糸などの弾性伸縮
性糸条であり、前記地組部の各ウエールに対し、そのウ
エール方向にジグザグ状に編み込まれており、編地に伸
縮性を付与している。

そして、上記の如き、経編地は通常、シングルラッセル
の多筬機を使用することにより編成され、地組部のメツ
シュ目の変化により大小の穴となり、これに連結挿入糸
のウエール方向の変化などを加味して種々の雅趣ある経
編地を形成することができる。

就中、最も一般的な糸使いとして地糸１，２に７０デニ
ールナイロン糸を使用し連結挿入糸３゜４．５，６に７
０デニールウーリーナイロン糸を使用し、弾性糸７，８
にスパンデックス２８０デニールＸ線６０／１のカバリ
ング糸を使用して編成したものはブラジャー、ガードル
、ボディスーツなどの作成に使用して頗る好適であり、
それら製品のフィツト性のみならず美麗感を高めること
ができる。

本考案は以上の如く、地組部をメツシュ目を有するネッ
ト状編地となし、これに連結挿入糸を一部メッシュ目を
残しながら編み込み編地面に穴あき柄を設けたもので、
弾性伸縮性糸条挿入と共に斬新な経編伸縮地を形成し、
従来、メツシュ地としては春、夏物にはかかせない素材
であるとしても、柄物としては殆どが浮かせ柄で新味に
乏しかったのに対し、そのイメージを一層してポーラ調
の穴あき柄を有する多棟な変化に富む絹地を提供するこ
とができ、春夏の感覚を一層強くして高級感を与えるこ
とができる利点があり、殊に前記の如く地組部のメツシ
ュ目の大きさ、連結挿入糸のウエール方向の変化をとり
入れることにより編地面に形成する花柄など、穴あき部
分の変化を容易に現出させることができ、編地に多様性
をもたせ、用途に応じた経編地を作成できることは実用
的効果の面から頗る好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る経編地の１例を示す組織図、第２
図は前記組織の分解説明図である。 １．２・・・・・・地組に３，４，５，６・・・・・・
連結挿入糸、７，８・・・・・・伸縮性糸条、Ａ・・・
・・・穴あき部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地組織が地編糸によって比較的大きなメツシュ目を有す
   る経編組織に編成されていると共に、該地組織には連結
   挿入糸が、適宜個所における一部のメツシュ目を残し、
   他のメツシュ目を横切るように編み込まれて、前記残し
   た部分によって編地面に穴あき柄を形成しており、かつ
   絹地ウエールに伸縮性糸条が編み込まれて伸縮性が付与
   されていることを特徴とする穴あき柄を有する伸縮性経
   編地。