JPS638781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は消極ドビー機の綜絖枠復帰装置にお
ける復帰レバーのリフテイング装置に関する。

一般に消極ドビー機ではばね群を使用した綜絖
枠復帰装置が配設されている。この綜絖枠復帰装
置を設置するとき、あるいはワイヤロープや綜絖
枠を取換えるとき、綜絖枠から綜絖枠復帰装置の
ロープ吊り具の取付け取外し作業が行われてい
る。

従来、消極ドビー機では綜絖枠復帰装置におけ
る揺動可能な復帰レバーをアーム長さを調整でき
る工具を使用して１枚１枚綜絖枠に取付け取外し
するか、またはロープ吊り具をばね群の弾性力に
対抗して引張り上げて綜絖枠に取付け取外してい
る。このような取付け取外し作業は(1)織機の下部
の挟いスペースで行われること、(2)相当の労力を
必要とすることなど、作業性が悪く、取付け取外
しに長時間を要する等の欠点がある。

この考案の的は、上記にかんがみて綜絖枠復帰
装置を綜絖枠へ取付け取外す場合の作業性を改善
し、短時間に取付け取外しできる復帰レバーのリ
フテイング装置を提供することである。

この考案の要旨は、復帰レバーを軸支する固定
軸の装設位置と異なる位置に、上記復帰レバーを
回動させるカムを具備する回転軸を装設してな
り、該回転軸を回転すると上記復帰レバーが一斉
に所定位置へ回動され、該復帰レバーに取着した
ロープを弛緩させて綜絖枠に掛止め掛外しでき、
つぎに上記カムの逆回転によりロープが緊張さ
れ、ついで復帰レバーが元の位置へ復帰すると浮
動状態となるように構成したことである。

以下この考案の実施例を示す第１および第２図
にもとづいて構成を説明する。

これらの図において、１は綜絖枠Ｆの下方に配
設したばね群である。２ａはばね群１の一端を把
持するハンガーで機枠Ｂ２に掛止めされている。
２ｂはばね群１の他端を把持するハンガーで復帰
レバー４へ掛止めされている。３は復帰レバー４
を軸支する固定軸で機枠Ｂ１に固着されている。
５は機枠Ｂに取着装設した回転軸で、この回転軸
５には偏心カム６が固着されている。Ｒは一端を
復帰レバー４に掛止めされ、他端に吊り具７を吊
着した所定長さのロープである。８は綜絖枠Ｆと
一体に構成したピンで、吊り具７をこのピン８へ
掛止めすると綜絖枠Ｆと復帰レバー４とがロープ
を介して連動可能である。１１は復帰レバー４と
当接するように所定位置へ配設した報知手段とし
てのリミツトスイツチで、標示灯１２との間を導
線１３で接続している。Ｄはドビー機で、ワイヤ
ロープＷを介して綜絖枠Ｆを駆動させる。なお機
械Ｂ１，Ｂ２は機枠Ｂと一体に形成されている。

つぎに上記のように構成したこの考案の作動態
様を説明する。

第１図に示す回転軸５の一端に図示しないハン
ドルを取着し、これを時計方向へ手動回転すると
偏心カム６は復帰レバー４に当接し、該復帰レバ
ー４は時計方向へ回動される。これによつてばね
群１はますます緊張状態になる一方、ロープＲは
自由状態になる。その後上記復帰レバー４がリミ
ツトスイツチ１１へ接触すると標示灯１２が点灯
する。これによつて上記復帰レバー４が所定位置
へ到達したことを確認して上記ハンドルの手動回
転操作を停止させ、直ちに自由状態にあるロープ
Ｒの吊り具７をピン８へ掛止める。

その後、図示しないハンドルを反時計方向へ手
動回転させると偏心カム６および復帰レバー４も
反時計方向へ回動する。これによつて復帰レバー
４はリミツトスイツチ１１から離れて標示灯１２
は消灯するとともにばね群１はもとの緊張状態へ
復帰する。ついで第２図に示すように偏心カム６
が元の位置へ復帰すると復帰レバー４は浮動状態
になるため、上記ハンドルの手動回転操作を停止
する。その後ドビー機Ｄにより綜絖枠Ｆを駆動さ
せる。また、上記復帰レバー４の所定回動範囲を
あらかじめペンキ等で目印を付けることも上記報
知手段と同様に有効である。なお、上記復帰レバ
ー４は綜絖枠Ｆと一対であるから通常複数個の復
帰レバー４は上記回動手段によつて一斉に所定位
置へ回動される。なお、上記標示灯１２が点灯中
織機を停止させる制御手段を付設すると、ロープ
Ｒの掛止め掛外し作業中の安全性が確保できる。

以上の説明で明らかなとおり、この考案によれ
ば復帰レバーに掛止めしたロープをきわめて簡単
に綜絖枠へ掛止めまたは掛外しできるため、綜絖
枠復帰装置を綜絖枠へ取付け取外す作業が従来例
にくらべて著く簡単で短時間に完了できる効果は
著大である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は復帰レ
バーと偏心カムとの当接状態を示す正面図、第２
図は復帰レバーと偏心カムとの当接解放状態を示
す正面図である。 １……ばね群、３……固定軸、４……復帰レバ
ー、５……回転軸、６……カム、１１，１２，１
３……報知手段（１１……リミツトスイツチ、１
２……標示灯、１３……導線）、Ｂ……機枠、Ｆ
……綜絖枠、Ｒ……ロープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 綜絖枠に連結するばね群を配設し、該ばね群
   の一端を機枠に掛止めし、他端を固定軸に軸支
   させて揺動可能な復帰レバーの一端に掛止め
   し、該復帰レバーの他端を前記綜絖枠と連動す
   るロープに掛止めした綜絖枠復帰装置におい
   て、前記固定軸の装設位置と異なる位置に、前
   記復帰レバーを回動させるカムを具備する回転
   軸を装設したことを特徴とする消極ドビー機の
   綜絖枠復帰装置における復帰レバーのリフテイ
   ング装置。 (2) 回転軸の一端に手動回転用のハンドルを装着
   してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   消極ドビー機の綜絖枠復帰装置における復帰レ
   バーのリフテイング装置。 (3) 復帰レバーが所定位置へ到達したことの報知
   手段を付設してなる実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の消極ドビー機の綜絖枠復帰装置にお
   ける復帰レバーのリフテイング装置。