JPS638668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は工作機械から排出される切り粉等の
搬出に好適なコイルコンベヤに関する。

従来の技術 従来のコイルコンベヤはコイル線条の断面形状
が一般に丸形又は長方形であり、そのため搬送物
がＵ形断面の溝の内面とコイル間に入り込み、コ
イルが溝の底から浮上つたり、搬送抵抗が大なる
場合にコイルが圧縮や捩れによる撓みを生じたり
して搬送効率が低下し、甚だしい場合はコイルの
飛び出しや停止に至るという問題があつた。

考案が解決しようとする問題点 従来の上記問題はコイル線条の搬送方向前方の
側面が溝内面に対し直角であることに原因するか
ら、本案はこの原因を除去することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 本案は、コイル線条の搬送方向前方の側面を溝
底内面に対し搬送方向後方へ傾斜させたコイルを
用いる。

作 用 コイル回転時に、コイル線条の搬送方向前方の
側面は搬送物を溝内面よりコイル軸心方向へ斜め
に押上げる分力を生ずるので、搬送物は溝内面と
コイル間に入り込むことがなくなつてコイルの回
転を円滑ならしめる。

実施例 第１図、第２図において、１は内面が断面Ｕ形
の溝２を有する切り粉受け樋であり、その一端１
ａは開放した排出口となり、他端に固定した軸受
部３にモータ４を取付ける。溝２内にコイル５を
設置し、その一端を軸受部３に回転可能に支持し
てモータ４によりコイル５を回転駆動する。受け
樋１はコイル軸心より下方の部分を包んで上方に
立上るＵ形部分１ｂとその上方のＶ形に開いた傾
斜取入部１ｃとを有する。

コイル５は例えば連続螺旋状の切り粉が落ち込
み得るピツチ及びこれと同程度以上の外径とを有
するのが望ましい。またコイル５の回転方向はコ
イル５が溝２内で固定されたときコイル径が減少
する方向とする。

第３図はコイル５の部分縦断面図であり、コイ
ル５が同図の右方からみて反時計方向に回転され
ると、切り粉Ｍはコイル５の搬送方向前方の側面
である掻取面６により矢印方向へ押送される。コ
イル５を形成するコイル線条５ａの断面形状は、
掻取面６となる搬送方向（矢印）前方の側面が溝
底内面７に対し搬送方向後方に傾斜しており、該
傾斜により掻取面６は切り粉Ｍを溝底内面７より
上方にすくい上げる作用をして、切り粉Ｍがコイ
ル５と受け樋１との隙間に入り込むことを防止す
る。コイル５が正逆回転する場合は、第３図に示
す如き梯形断面のコイル線条を用いる。

第４図は本案コイル線条５ａと従来のコイル線
条５ｂとの断面形状の比較図であり、コイル５に
対する搬送物の絡み等を考慮するとａ＜ｂ、ｄ＜
ｂとするのがよく、また断面積及び高さが同一な
らばａ＜ｄとするのがよい。このようにｄを大に
すれば受け樋１に対するコイルの面圧が低下し、
溝２の内面の摩耗に対して有利である。

第５図イ〜ホはコイル線条５ａの各種の断面形
状を示し、イ，ロ，ハは矢印方向に移動するも
の、ニ，ホは正逆回転形である。

考案の効果 本案は上記構成を有し、搬送物が傾斜した掻取
面により溝底内面から上方にすくい上げられるの
で、搬送物がコイルと溝内面との間隙に入り込む
ことが防止され、したがつて、該間隙内に入り易
いものや溝底内面に付着し易いものでも容易に掻
き取つて搬送し得る効果があり、また搬送抵抗が
減少するためコイルの過負荷、変形を解消乃至軽
減し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例の立面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面図、第３図はコイルの部分縦
断面図、第４図は本案コイル線条と従来のコイル
線条との断面対比図、第５図は本案コイル線条の
各種実施例の断面図である。 ２……溝、５……コイル、５ａ……コイル線
条、６……側面、７……溝底内面、Ｍ……搬送
物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 搬送物を受け入れるＵ形断面の溝内に設置し
   たコイルの回転により該溝内の搬送物をコイル
   軸方向に搬送するコイルコンベヤにおいて、コ
   イル線条の搬送方向前方の側面が溝底内面に対
   し搬送方向後方に傾斜していることを特徴とす
   るコイルコンベヤ。 (2) コイル線条のコイル軸方向の両側面が溝底内
   面に対し搬送方向後方に傾斜している実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のコイルコンベヤ。