JPS638095B2 - - Google Patents

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JPS638095B2
JPS638095B2 JP54008072A JP807279A JPS638095B2 JP S638095 B2 JPS638095 B2 JP S638095B2 JP 54008072 A JP54008072 A JP 54008072A JP 807279 A JP807279 A JP 807279A JP S638095 B2 JPS638095 B2 JP S638095B2
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JP
Japan
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methacrylic acid
methacrolein
oxidation step
oxidation
reaction
Prior art date
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Application number
JP54008072A
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English (en)
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JPS55100333A (en
Inventor
Akihisa Yamamoto
Kinichi Okumura
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP807279A priority Critical patent/JPS55100333A/ja
Publication of JPS55100333A publication Critical patent/JPS55100333A/ja
Publication of JPS638095B2 publication Critical patent/JPS638095B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なメタクリル酸の製造方法に関
し、さらに詳しくは、イソブチレン及び/又はタ
ーシヤリーブタノールを触媒の存在下に2段で気
相接触酸化してメタクリル酸を効率よく製造する
方法に関する。
近年、イソブチレン及び/又はターシヤリーブ
タノール(以下、原料イソブチレン等と呼称す
る)を分子状酸素により気相接触酸化してメタク
ロレインを製造し(以下、前段酸化工程と呼称す
る)、得られたメタクロレインを更に分子状酸素
により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する
(以下、後段酸化工程と呼称する)方法に関する
研究がさかんである。
その製造プロセスとしては、前記2工程を各々
独立に行う方法及び2工程を直接接続する前後段
直結法が知られており(例えば特開昭50−111017
号公報、特開昭53−53613号公報参照)、なかでも
後者の方法は、問題の多いメタクロレインの単離
精製工程を省略できることから工業的製造方法と
して基本的に有利と考えられている。しかしなが
らこの後者の方法の場合には、前記2工程共に原
料の転化率やメタクロレインまたはメタクリル酸
の収率を高める必要があるにもかかわらず、特に
後段酸化工程において前段酸化工程を導出した反
応混合物中に含まれるイソブチレンや副生物(例
えばベンゼン、トルエン、キシレン、ジイソブチ
レンなどの不飽和炭化水素類及びタール状物質)
によつてメタクロレイン転化率が低下し、それに
伴いメタクリル酸収率も低下するという欠点があ
つた。
そこで本発明者らは、先に後段酸化工程を複数
に分割し、その各酸化工程の間にメタクリル酸の
分離工程を設置するという新規なプロセスを開発
し、これによつて前後段直結法に見られるかかる
欠点を解決した(特開昭53−53613号公報)。この
方法によれば、従来方法に比較してはるかに効率
よくメタクリル酸を製造することができるが、そ
の反面後段酸化工程を二以上に分割しているため
に設備費が増大するという欠点は避けられなかつ
た。
而して本発明の目的は、簡略化された工程によ
り効率よくメタクリル酸を製造する方法を提供す
ることにあり、かかる本発明の目的は、イソブチ
レン及び/またはターシヤリーブタノールを分子
状酸素で気相接触酸化してメタクロレインとし、
次いで生成したメタクロレインを分子状酸素で気
相接触酸化してメタクリル酸とするメタクリル酸
の製造方法において、(1)イソブチレン及び/また
はターシヤリーブタノール及び分子状酸素を供給
して気相接触酸化反応を行うことによりメタクロ
レインを製造する前段酸化工程、(2)該、酸化工程
から得られたガス状反応混合物を後記後段分離工
程から導出するメタクリル酸及びメタクロレイン
を含む溶液がその一部又は全部である吸収溶剤と
向流接触せしめることによりメタクロレインを気
相中に残留及び放散せしめると同時にメタクリル
酸及び高沸点副生物を凝縮せしめて液相中に残留
及び吸収せしめる前段分離工程、(3)該分離工程か
ら導出するメタクロレイン及び分子状酸素含有ガ
ス状混合物を供給して気相接触酸化反応を行うこ
とによりメタクリル酸を製造する後段酸化工程及
び(4)該酸化工程で得られたガス状反応混合物から
メタクリル酸及び未反応メタクロレインを凝縮せ
しめて溶液として分離し、その溶液を前記前段分
離工程に供給する後段分離工程とから成るプロセ
スを採用し、前記前段分離工程(2)で得られたメタ
クリル酸、高沸点副生物及び吸収溶剤を含有する
吸収液からメタクリル酸を精製取得することによ
つて達成される。
本発明においては、メタクリル酸の原料として
イソブチレン、ターシヤリーブタノール及びこれ
らの混合物が使用される。これらの原料イソブチ
レン等は純度の高いものほど好ましいが、前段酸
化工程及び後段酸化工程において本質的な阻害要
因とならない範囲内であれば、他のパラフイン類
やオレフイン類を含むものであつてもよい。
かかる原料イソブチレン等はまず前段酸化工程
に供給され、ここで常法に従つてメタクロレイン
が合成される。すなわち原料イソブチレン等と分
子状酸素または空気とを触媒を用いて水蒸気、窒
素、炭酸ガス等の不活性ガスの存在もしくは不存
在下に気相接触酸化することによつてメタクロレ
インが得られる。
この際の反応条件は使用する触媒の種類などに
よつて異なり一律には定められないが、通常は原
料イソブチレン等の濃度0.5〜10容量%、原料イ
ソブチレン等対酸素のモル比1:1.5〜10、反応
温度250〜550℃、空間速度(SV)200〜
10000hr-1(STP基準)、反応圧力常圧〜10気圧で
あり、とくに希釈剤として5容量%以上の水蒸気
を含むことが好ましい。また前段酸化工程におけ
る原料イソブチレン等の転化率はとくに限定され
ないが、未反応のイソブチレンが多量に存在する
と後段酸化工程での触媒活性を阻害するので、後
段酸化工程に供給するガス混合物中のイソブチレ
ン含量が0.5容量%以下となるように前段酸化工
程の反応条件を設定することが好ましい。
また前段酸化工程で用いられる触媒は原料イソ
ブチレン等をメタクロレインに酸化する機能を有
するものであればいずれでもよいが、なかでもモ
リブデン、ビスマス及び鉄を必須成分とする酸化
物触媒、とくに一般式Mo−Bi−Fe−Co及び/
又はNi−Q−R−X−O(ここで、Qは無添加又
はP、As及びBから選ばれる少くとも1種以上
の元素、Rはアルカリ金属、アルカリ土類金属及
びTlから選ばれる少くとも1種以上の元素、X
は無添加又はCr、V、Nb、Ta、W、Sb、Th、
Ce、Ti、Te、Zn、Ge、Sn、Ga、La、In、Al、
Cd、Pd、Mn、Pb、Ag、Zr、Cu、Nd、U、Si、
Se、Hg、Au及びSmから選ばれる少くとも1種
以上の元素をそれぞれ表わす)で示される触媒、
更には一般式Moa Bib Fec Cod Nie Qf Rg
Xh Yi Oj(ここで、QはP、As及びBから選
ばれた少くとも一種の元素を表わし、RはK、
Rb、Cs及びTlから選ばれた少くとも一種の元素
を表わし、XはBe、Nd、Ag、Pb及びAuから選
ばれた少くとも一種の元素を表わし、YはCe、
Ti、Te、Zn、Ge、Sn、Cr、Ga、La、In、Al、
Cd、Pd、Mn、V、Pb、Nb、Zr、Cu及びか
ら選ばれた少くとも一種の元素を表わし、a、
b、c、d、e、f、g、h、i及びjはそれぞ
れMo、Bi、Fe、Co、Ni、Q、R、X、Y及び
Oの原子数であり、a=12とした場合、b=0.1
〜10、c=0.5〜40、d=0〜12、e=0〜12、
d+e=0.5〜15、f=0〜5、g=0.01〜5、
h=0.1〜35、i=0〜12の値をとり、jは他の
元素の原子価を満足する酸素の原子数である。)
で示される触媒が酸化率を高めるうえで好まし
い。
前段酸化工程から導出したガス状反応混合物
は、そのまままたは必要に応じ150〜250℃に冷却
された後、前段分離工程に導入される。ここで該
反応混合物は、後述する後段分離工程から導出す
るメタクリル酸及びメタクロレインを含む溶液
(以下、後段分離工程導出液と呼称する)がその
一部または全部である吸収溶剤と向流に接触され
る。該反応混合物中には、生成したメタクロレイ
ンの他、未反応の原料イソブチレン等、酸素、不
活性希釈剤、副生したメタクリル酸、酢酸、炭酸
ガス、一酸化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジイソブチレン、タール状物質などが含まれ
ているが、かかる各成分のうちメタクロノイン、
酸素、未反応イソブチレン、不活性希釈剤、炭酸
ガス及び一酸化炭素は、上記操作により実質的全
量が気相中に残留し、それと同時に後段分離工程
導出液に含まれるメタクロレインの実質的全量も
気相中に放散し、これらは該工程から気体として
導出される。一方、メタクリル酸酢酸、高沸点副
生物(ベンゼン、トルエン、キシレン、ジイソブ
チレン、タール状物質など)は、吸収溶剤に吸収
され、吸収溶液中に残留した後段分離工程導出液
に含まれるメタクリル酸とともに液体としては該
工程から導出される。この導出液を常法により精
製することにより、メタクリル酸が得られる。
前段分離工程で用いられる装置や操作条件は、
前記したごとき分離機能を有するものであればい
ずれでもよく、その装置としては、例えば充填
塔、段塔、スプレー塔、濡れ壁塔、これらを組み
合せた塔などが例示される。この分離操作は吸収
溶剤を塔頂または塔の中段より供給し、前段酸化
工程からの反応混合物を塔の下部から供給して行
われるが、その際の操作条件は塔頂温度60℃以
上、好ましくは65〜150℃、塔底温度65℃以上、
好ましくは70〜180℃、吸収溶剤の供給温度20〜
150℃、塔内の圧力常圧〜10気圧、好ましくは常
圧〜4気圧であり、塔頂温度が60℃を下まわると
液相中にメタクロレインが残留または移行しやす
くなり、塔底温度が65℃を下まわると塔底溶液中
に含まれる微量メタクロレインの揮散が不充分と
なつたり、希釈剤として水蒸気を使用する場合に
はその凝縮が生じエネルギー効率が低下する。
吸収溶剤としては後段分離工程導出液を使用す
るが、必要に応じこれを希釈してもよく、また後
段分離工程導出液に加えて別の吸収溶剤を別の供
給口から供給してもよい。この場合、希釈剤また
は別の吸収溶剤としては、例えば水、エステル
類、アルコール類、ケトン類、有機酸類などが例
示され、なかでも水または炭素数2〜10の脂肪族
カルボン酸の水溶液が賞用される。
前段分離工程からのメタクロレインを含む導出
気体は、次いでガス状のまま後段酸化工程に供給
され、ここで常法に従つてメタクリル酸の合成が
行われる。この際、必要に応じてメタクロレイ
ン、酸素、水蒸気、その他の不活性物質等を適宜
供給して反応条件を調節することができる。この
際の反応条件は使用する触媒の種類などによつて
異なるが、通常はメタクロレイン濃度0.1〜25容
量%、メタクロレイン対酸素のモル比1:0.1〜
25、反応温度200〜500℃、空間速度(SV)100〜
10000hr-1(STP基準)、反応圧力常圧〜10気圧で
ある。またこの反応は、メタクロレインの転化率
が高くなるにつれて生成したメタクリル酸の重合
反応、分解反応、さらにはタール状物質の副生を
惹起しやすくなるため、メタクロレインの転化率
を95%以下、好ましくは85%以下にとどめるのが
適切である。また後段酸化工程では希釈剤として
水蒸気を使用することが好ましいが、前段分離工
程において吸収溶剤に水が必要量以上含まれてい
る場合には、その工程の温度を適宜制御すること
によつて後段酸化工程で必要とされる水蒸気を供
給することもできる。
後段酸化工程で用いられる触媒はとくに制限さ
れるものではないが、リン及びモリブデンを必須
成分とする触媒またはリン及びアンチモンを必須
成分とする酸化物触媒が好ましく、その例として
成えば(1)P−Mo−R−O(RはTl、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属元素の少くとも一種を示
す)系又はこれに更にSi、Cr、Al、Ge、Ti、
V、W、Bi、Nb、B、Ga、Pb、Sn、Co、Pd、
As、Zr、Sb、Te、Fe、Ni、In、Cu、Ag、Mn、
La、Nb、Ta及びSm等から選ばれた少くとも一
種の元素を含有する酸化触媒、(2)P−Mo−As−
O系酸化触媒、(3)P−Mo−As−アルカリ金属元
素−O系又はこれに更にV、W、Cu、Fe、Mn、
Sn等の少くとも一種の元素を含有する酸化触媒、
(4)P−Mo−Sb−O系又はこれに更にW、Fe、
Co、V、Al、Pb、Cr、Sn、Bi、Cu、Ni、Mg、
Ca、Ba、Znなどの少くとも一種の元素を含有す
る酸化触媒、(5)P−Mo−Pd−O系酸化触媒、(6)
P−Pd−Sb−O系又はこれに更にBi、Pd、Cr、
Fe、Ni、Co、Mn、Sn、U、Baなどの少くとも
一種の元素を含有する酸化触媒、又はこれらの触
媒において更にアンモニウム基を含有する触媒な
どが挙げられる。
なかでも(1)の触媒系が好適である。
これらの触媒系は、他の公知の触媒系に比較し
て反応混合物中に混入する未反応イソブチレンの
影響を受けにくいという利点を有するが、それで
も多量のイソブチレンが存在すると急速に活性が
低下するので、系内におけるイソブチレン濃度は
0.5容量%以下とするのが好ましい。
後段酸化工程で得られたガス状反応混合物は、
次いで必要に応じて100〜250℃に冷却したのち、
後段分離工程に導入され、ここで未反応メタクロ
レイン及び生成したメタクリル酸が溶液の形で分
離される。この際の手法としては、例えば反応混
合物を冷却して液化する方法、反応混合物を吸収
溶剤と向流に接触させメタクリル酸及びメタクロ
レインを吸収分離する方法、これらを結合した方
法などがあるが、本発明においては反応混合物か
らメタクリル酸及びメタクロレインを溶液の形で
分離しうる方法であればいずれでもよい。
この工程で回収される溶液中には、メタクリル
酸及びメタクロイレンの他、副生した酢酸、ター
ル状物質、酸化反応によつて生成した水、希釈剤
として使用した水などが含まれているが、この溶
液は前記したごとく前記分離工程に供給され、そ
こでメタクロレインは放散されて後段酸化工程系
内に循還し、メタクリル酸は酢酸やタール状物質
とともに溶液として系外に導出される。一方、こ
の工程で気相中に残留した成分は、主として酸
素、副生した炭酸ガスや一酸化炭素、不活性希釈
剤などであり、これらのガス混合物は系外に廃棄
される。しかし、必要に応じてこのガス混合物を
直接または適宜な処理を施したのち、前段酸化工
程または後段酸化工程に循還再使用することもで
きる。
後段分離工程で用いられる装置や操作条件はと
くに限定されるものではないが、冷却液化により
分離する場合には間接冷却凝縮器による方法、冷
却液化された溶液をさらに間接冷却し、これと向
流に接触させて冷却液化する方法などがあり、吸
収溶剤を使用して吸収分離する場合には前段分離
工程の場合と同様の装置が用いられる。ただし、
後段分離工程においてはメタクリル酸及びメタク
ロレインの実質的全量を回収する必要があること
から、吸収塔内の温度は60℃以下、さらには0〜
30℃、圧力は常圧〜10気圧、さらには常圧〜4気
圧とすることが好ましい。
また使用される吸収溶剤はメタクリル酸及びメ
タクロレインを吸収しやすい溶剤であればいずれ
でもよく、例えば水、エステル類、アルコール
類、ケトン類、有機酸類などが例示され、なかで
も水または炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸の水
溶液が賞用される。さらに後段分離工程における
吸収溶剤として前段分離工程からの導出液を循還
使用することもでき、また後段分離工程が複数の
冷却塔または冷却塔から成る場合には一つの塔か
らの導出液を他の塔の吸収溶剤として使用するこ
ともできる。
本に本発明方法の一具体例を第1図によつて説
明する。
まず管1よりメタクロレイン製造原料(原料イ
ソブチレン等、空気、及び必要によりその他の物
質)が反応塔2(前段酸化工程)に導入される。
ここで気相接触化されて得られた反応混合物は、
管3を通つて吸収塔4(前段分離工程)に供給さ
れ、ここで管17及び必要に応じて管18より供
給される吸収溶剤と向流接触される。これにより
前段酸化工程で副生されたメタクリル酸、酢酸及
びその他の高沸点化合物は管17からの吸収溶剤
にはじめから含まれているメタクリル酸と共に管
19及び管20を通つて工程外に導出され、メタ
クリル酸の精製工程に送られる。この際、一部は
管13を経て吸収塔10の溶剤として使用するこ
ともできる。
一方、溶剤に吸収されなかつたメタクロレイ
ン、イソブチレン、酸素、窒素、水蒸気等を含む
気体状の反応混合物は、管17より導入される溶
剤から放散したメタクロレインと共に管5を通つ
て反応塔6(後段酸化工程)に導入される。管2
1からは、必要に応じ酸素、窒素、水蒸気、メタ
クロレインなどが導入される。
反応塔6で得られた反応混合物は、管7を通つ
て後段分離工程に送られる。本図では冷却塔8及
び吸収塔10がこの工程に該当する。管7から導
入した反応混合物は、冷却塔8で管24から供給
される間接冷却された凝縮液と向流接触して冷却
され、反応混合物に含まれるメタクロレイン、メ
タクリル酸、水蒸気等の一部又は全部が冷却液化
する。この冷却液化した液は管16より取り出さ
れ、管17を通つて前段分離工程に導入される。
管22は、冷却塔8を吸収塔として使用する場合
に必要に応じて溶剤を供給する管であり、また管
23は冷却塔8をバイパスする場合に使用され
る。
冷却塔8から導出した反応混合物にまだメタク
ロレイン、メタクリル酸等の有用成分が含まれて
いるときは、管9を通つて吸収塔10に導入さ
れ、溶剤と向流接触し、混合物中に含まれるメタ
クロレイン及びメタクリル酸の全量が吸収され
る。得られた吸収液は管15を経て前段分離工程
である吸収塔4に送られる。管14は溶剤の環流
ラインである。溶剤は、管12及び管13のいず
れか又は両方から供給される。管12から供給す
る溶剤には前記のごときものの他、管16より得
られる液を使用することもできる。塔4,8、及
び10に取付けられる溶剤の供給口の位置は、溶
剤の内容により適宜決定される。かくして有効成
分の処理を終えた反応混合物は、管9又は管11
より廃棄される。
かかる本発明方法によれば、第1に取扱いの困
難なメタクロレインを分離回収及び精製する工程
を必要としない簡略化された工程によつて、高転
化率かつ高収率でメタクリル酸とすることができ
ること、第2に前段酸化工程において副生する少
量のメタクリル酸をも有効に回収することができ
ること、第3に前段分離工程において操作条件を
制御することによつてすでに導入されている水蒸
気を凝縮することなく、更に必要に応じ吸収溶剤
に含まれる水の一部を水蒸気にすることにより有
効に利用することができること、第4に吸収溶剤
として各段分離工程の導出液を使用することによ
り効率的に高濃度のメタクリル酸溶液を得ること
ができ、分離工程の小型化を図れることなど多く
の効果を奏することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例における反応は第1図に
示すプロセスにより行い、各物質の転化率、収率
は、炭素基準で計算した。また、使用した触媒組
成中の酸素の比率については簡略化のため省略し
た。
実施例 1 前段酸化触媒の調製: 硝酸ビスマス48.5g、硝酸コバルト116.5g、
硝酸ニツケル29.1g、硝酸第二鉄484.8g、硝酸
カリウム10.1gを150mlの水に加えて加温溶解し、
これをA液とした。一方、モリブデン酸アンモニ
ウム212gを400mlの水に加温溶解し、更に85%リ
ン酸5.76gを加えて、これをB液とした。A液を
加温撹拌しながらB液を加え、充分撹拌しながら
蒸発乾固し、これを120℃で8時間乾燥した後、
300℃で3時間焼成後、50メツシユ以下に粉砕し、
触媒60重量%に対し40重量%の微粉末のシリコン
カーバイドを混入し、水及び滑剤を加えて充分混
練した後、直径3.5mm、長さ約10mmに押し出し成
型した。これを乾燥した後、600℃で8時間空気
気流中で焼成し、下記組成の触媒を得た。
Mo12Bi1Fe12Co4Ni1P0.5K1 後段酸化触媒の調製: 特公昭50−10846号公報明細書の記載に従つて、
Mo12P2Cs2Cr2なる組成の触媒を調製した。触媒
は直径約5mmの球状に成型し、480℃で6時間焼
成した。
前段酸化工程: 反応塔2は内径25mm、長さ3000mmのステンレス
製反応管4本からなる多管式反応器で、これに前
段酸化触媒6を充填し、溶融塩で360℃に加熱
した。管1からイソブチレン:空気:水蒸気を
4:60:36のモル比で含む気体混合物を空間速度
3000hr-1で供給し、反応塔2を通過させた。その
結果、供給されたイソブチレンに対してイソブチ
レン転化率97.5%、メタクロレイン収率67.1%、
メタクリル酸収率1.8%、一酸化炭素収率3.6%、
二酸化炭素収率11.6%、酢酸収率3.1%及び後段
酸化触媒の触媒性能に影響を及ぼさないホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、フラン、アセト
ン、アクロレイン、ジアセチル、ギ酸、アクリル
酸等の含酸素副生成物の合計収率5.5%、後段酸
化触媒の活性低下を惹起するタール状物質、不飽
和炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、
ジイソブチレン等)及び未確認高沸点物の合計収
率4.8%であつた。
前段分離工程: 吸収塔4は内径150mm、長さ3000mmのステンレ
ス製充填塔であり、磁性ラシヒリングを充填し、
塔頂圧力1.6気圧、塔頂温度92℃、塔底温度105℃
に制御した。前段反応混合物を約200℃に間接冷
却した後、管3を通つて吸収塔4の下部に導入
し、管17を通つて塔の中段より供給されるメタ
クロレイン及びメタクリル酸を含む後段分離工程
導出液及び管18を通つて塔頂より供給される重
合禁止剤を含む水と向流接触させた。
その結果、管19からの導出液中には、メタク
ロレインは検知されなかつた。また管5を通過す
る反応混合物中には、メタクリル酸、酢酸、アク
リル酸、タール状物質、不飽和炭化水素類及び未
確認高沸点物は検知されなかつた。またこの反応
混合物に含まれる水蒸気の濃度は45.5容量%、イ
ソブチレンの濃度は0.1容量%であつた。
後段酸化工程: 反応塔6は反応塔2と同一構造とした。これに
後段触媒6を充填し、溶融塩で320℃に加熱し、
吸収塔4の塔頂から得られる反応混合物を通過さ
せた。その結果、供給されたメタクロレインに対
し、一回通過当りのメタクロレインの転化率70.0
%、メタクリル酸収率54.5%、メタクリル酸選択
率77.9%であつた。
後段分離工程: 塔8は内径125mm、長さ1500mmのステンレス製
充填塔であり、磁性ラシヒリングを充填した。塔
10は吸収塔4と同一構造とした。後段反応混合
物を約200℃に間接冷却した後、管7を通つて塔
8の下部に送り、塔8の上部より循環供給される
33℃の凝縮液と向流接触せしめた。これにより反
応混合物中の水蒸気の約80%が凝縮し、メタクロ
レインの一部とメタクリル酸の大部分が液相に移
行した。ここで得られた液は、塔底から管16及
び17を通つて吸収塔4に供給した。塔頂から導
出した残留メタクリル酸及びメタクロレインを含
む反応混合気体は、管9を通つて塔10の下部に
送り、塔の上部に設けた管13より供給する1℃
に冷却した吸収塔4からの導出液と向流接触させ
て、メタクロレイン及びメタクリル酸を全量吸収
分離し、吸収液は管15及び17を通つて吸収塔
4に供給し、有効成分を含まない塔頂からの反応
混合気体は通常の排気処理を行つた後、管11か
ら排気した。
その結果、管11を通る気体中には、メタクリ
ル酸は検知されず、又メタクロレインは微量が検
知された程度であつた。
運転経過: この様にして全工程が定常状態となつたことを
確認後、15日間継続して運転を行つたが、運転は
非常に安定しており、製造工程上のトラブルは生
じなかつた。また定常状態時における管20から
得られるメタクリル酸の収率は、管1から供給す
るイソブチレンに対し53.5%であり、管11から
散逸するメタクロレインは前段酸化工程で製造さ
れたメタクロレインの1%以下であつた。尚、前
記各工程で示した結果は、もちろん全工程が定常
状態となつた事を確認後に分析した結果である。
比較例 1 第1図のプロセスにおいて、前段酸化工程の反
応塔2から導出する反応混合物を直ちに後段酸化
工程の反応塔6に導入したこと、及び塔10の吸
収溶剤として管12から1℃に冷却した水を供給
したこと以外は、実施例1と全く同様の操作で運
転を行つた。
その結果、後段酸化工程は反応が不安定とな
り、供給されたメタクロレインに対し、メタクロ
レインの転化率65.8%、メタクリル酸収率47.7
%、メタクリル酸選択率72.5%であり、管17か
ら得られるメタクリル酸の収率は管1から供給す
るイソブチレンに対して32.0%であつた。また管
17からのメタクリル酸溶液には、多量のメタク
ロレインが含まれていた。
比較例 2 第1図のプロセスにおいて、前段酸化工程の反
応塔2から導出する前段反応混合物を直ちに後段
酸化工程の反応塔6に導入したこと、塔10の吸
収溶剤として管12から1℃に冷却した水を使用
したこと、及び塔10で放散されたメタクロレイ
ンを含む気体混合物を管21から反応塔6に循還
した以外は、実施例1と全く同様の操作で運転を
行つた。
その結果、後段酸化工程は非常に不安定とな
り、触媒層内の最高温度(ホツトスポツト)は実
施例1の場合に較べて50℃以上高くなつたばかり
でなく、運転開始当初でも供給されたメタクロレ
インに対し、一回通過当りのメタクロレインの転
化率は59.2%、メタクリル酸収率43.1%、メタク
リル酸選択率72.8%であり、しかも時間の経過と
共に触媒性能は低下し、工程系内の液中に含まれ
るメタクロレインは増加し、管11及び管20か
ら散逸するメタクロレインは極端に増加してい
き、2日後には運転を停止せざるを得なかつた。
実施例 2 A液に硝酸鉛33.1gを更に加えた他は、実施例
1と全く同様にしてMo12Bi1Fe12Co4Ni1Pb1P0.5
K1なる組成の前段酸化触媒を調製した。また後
段酸化触媒として、特開昭50−82013号公報明細
書の記載に従つてMo12P2V1Cs2なる組成の触媒
を調製し、直径約5mmの球状に成型し、450℃で
5時間空気気流中で焼成した。
こうして調製した前段酸化触媒及び後段酸化触
媒のおのおの6を使用して、実施例1と同様の
製造工程、同様の操作条件で、40日間継続して運
転を行つた。運転は非常に安定しており、製造工
程上のトラブルは生じなかつた。
定常状態時における各工程の反応成績は、前段
酸化工程では供給されたイソブチレンに対してイ
ソブチレン転化率98.7%、メタクロレイン収率
77.1%、メタクリル酸収率1.5%であり、後段酸
化工程では供給されたメタクロレインに対して一
回通過当りのメタクロレイン転化率75%、メタク
リル酸収率60.5%、メタクリル酸選択率80.7%で
あつた。管20から得られるメタクリル酸は、管
1から供給するイソブチレンに対し63.1%の収率
で得られ、また管11から散逸するメタクロレイ
ンは前段酸化工程で製造されたメタクロレインの
1%以下であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一具体例を示すものであ
る。 2……前段酸化工程、4……前段分離工程、6
……後段酸化工程、8,10……後段分離工程。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イソブチレン及び/またはターシヤリーブタ
    ノールを分子状酸素で気相接触酸化してメタクロ
    レインとし、次いで生成したメタクロレインを分
    子状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸とする
    メタクリル酸の製造方法において、その製造プロ
    セスが(1)イソブチレン及び/またはターシヤリー
    ブタノール及び分子状酸素を供給して気相接触酸
    化反応を行うことによりメタクロレインを製造す
    る前段酸化工程、(2)該酸化工程から得られたガス
    状反応混合物を後記後段分離工程から導出するメ
    タクリル酸及びメタクロレインを含む溶液が、そ
    の一部又は全部である吸収溶剤と向流接触せしめ
    ることによりメタクロレインを気相中に残留及び
    放散せしめると同時にメタクリル酸及び高沸点副
    生物を凝縮せしめて液相中に残留及び吸収せしめ
    る前段分離工程、(3)該分離工程から導出するメタ
    クロレイン及び分子状酸素含有ガス状混合物を供
    給して気相接触酸化反応を行うことによりメタク
    リル酸を製造する後段酸化工程及び(4)該酸化工程
    で得られたガス状反応混合物からメタクリル酸及
    び未反応メタクロレインを凝縮せしめて溶液とし
    て分離し、その溶液を前記前段分離工程に供給す
    る後段分離工程とから成り、前記前段分離工程(2)
    で得られたメタクリル酸、高沸点副生物及び吸収
    溶剤を含有する吸収液からメタクリル酸を精製取
    得することを特徴とするメタクリル酸の製造方
    法。 2 前段酸化工程及び後段酸化工程における反応
    が水蒸気の存在下に実施されるものである特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 3 後段酸化工程に供給するガス混合物はイソブ
    チレン含量0.5容量%以下である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 4 前段酸化工程における反応がモリブデン、ビ
    スマス及び鉄を必須成分とする酸化物触媒の存在
    下に実施されるものである特許請求の範囲第1項
    記載の方法。 5 後段酸化工程における反応がリン及びモリブ
    デンを必須成分とする酸化物触媒またはリン及び
    アンチモンを必須成分とする酸化物触媒の存在下
    に実施されるものである特許請求の範囲第4項記
    載の方法。
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