JPS638094B2 - - Google Patents

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JPS638094B2
JPS638094B2 JP53047404A JP4740478A JPS638094B2 JP S638094 B2 JPS638094 B2 JP S638094B2 JP 53047404 A JP53047404 A JP 53047404A JP 4740478 A JP4740478 A JP 4740478A JP S638094 B2 JPS638094 B2 JP S638094B2
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JP
Japan
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methacrolein
oxidation
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methacrylic acid
separation step
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JP53047404A
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Akihisa Yamamoto
Kinichi Okumura
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なメタクリル酸の製造方法に関
し、さらに詳しくは、メタクロレインまたはメタ
クロレイン含有混合物を触媒の存在下で気相接触
酸化することによつてメタクリル酸を製造する方
法の改良に係るものである。
本発明で用いる用語の定義は次の通りである。
「前段酸化工程」……イソブチレン、ターシヤリ
ーブタノールなどのC4化合物を気相接触酸化
してメタクロレインを製造する工程。
「後段酸化工程」……メタクロレインまたはメタ
クロレイン含有混合物を気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造する工程。
「第1段酸化工程」……後段酸化工程のなかで、
最初に気相接触酸化反応を行う工程。
「第1段分離工程」……第1段酸化工程での反応
生成物からメタクリル酸を分離する工程。
「第2段酸化工程」……第1段分離工程で得られ
る未反応メタクロレイン含有反応混合物を気相
接触酸化する工程。
「第2段分離工程」……第2段酸化工程での反応
生成物からメタクリル酸を分離する工程。
「前後段直結法」……前段酸化工程で得られるメ
タクロレイン含有混合物を分離回収及び精製な
どの処理を施すことなくそのまま後段酸化工程
に導入し、メタクリル酸を製造する方法。
近年、気相接触酸化法によるメタクリル酸の製
造に関する研究がさかんであり、メタクロレイン
を原料とする単独後段酸化法及びイソブチレンや
ターシヤリーブタノールを原料とする前後段直結
法のいずれの方法についてもともに提案がなされ
ている。これらの方法のなかでは、後者の方法の
方が工業的規模でメタクリル酸を製造する場合に
基本的に有利であると考えられているが、公知の
後段酸化触媒を用いてかかる方法を実施すると、
前段酸化工程の反応混合物中に含まれるイソブチ
レン等の未反応原料やタール状の副生成物などに
よつてメタクリル酸の収率が低下する(特開昭50
−111017号参照)ため、一般的には前者の方法が
とられている。
また公知の後段酸化触媒では、いずれもメタク
ロレインの転化率が40〜90%の範囲にある時にメ
タクリル酸の収率や選択率に優れることが知られ
ており、効率よくメタクリル酸を製造するには未
反応メタクロレインを再び反応帯へもどす必要が
あつた。このため未反応メタクロレインを含む反
応混合物からメタクロレインを分離回収及び精製
する工程が必要とされていた。この工程は通常溶
剤による吸収や深冷等の手段によつてメタクロレ
インを分離回収し、これを蒸留やストリツピング
等により精製することによつて行われるが、反応
混合物中に含まれるメタクロレインは一般に低濃
度であるため効率よく回収することがむずかし
く、また分離回収及び精製を行うための加熱や凝
縮により消費されるエネルギー損失が大きく、さ
らにはきわめて重合性にとむメタクロレインが液
状で単離されるとその重合を防止することが困難
であることに加えて、極度な刺激臭をもつメタク
ロレインを高濃度で扱わねばならないなどといつ
た欠点があつた。
本発明者等は、かかる欠点のあるメタクロレイ
ンの分離回収及び精製工程を一切省くと同時に、
メタクロレインから効率よくメタクリル酸を製造
する事によつて該反応の工業的実施を可能ならし
める様に鋭意研究を行つた結果、次のような事
実、すなわち (1) 前段酸化工程の反応混合物中に含まれるイソ
ブチレン等の未反応原料やタール状の副生成物
が後段酸化工程に導入されるとメタクリル酸の
収率が低下する現象は、主としてメタクロレイ
ンの転化率が低下する事に起因し、メタクリル
酸の選択率の低下は比較的小さいこと (2) 後段酸化工程における未反応メタクロレイン
の分離回収及び精製工程を省略するために空間
速度(SV)を小さくしたり反応温度を高くす
る等の反応条件の選択によつてメタクロレイン
の転化率を高めても、触媒帯の中で生成したメ
タクリル酸の一部は更に逐次的な分解反応や酸
化反応等によつて酢酸、一酸化炭素、二酸化炭
素及びタール状物質等となり、メタクリル酸の
選択率は低下し大きな収率の向上にはつながら
ないばかりでなく、後段酸化触媒の劣化を早め
る結果となることに着目し、本発明を完成する
に到つた。
本発明の主な目的はメタクロレインを効率よく
酸化してメタクリル酸を製造する方法を提供する
ことにあり、他の目的は操業上のトラブルやエネ
ルギー損失が少なく、かつ簡略化された工程でメ
タクリル酸を製造する方法を提供することにあ
り、さらに他の目的は従来困難とされていた前後
段直結法に適したメタクリル酸の製造方法を提供
することにある。
本発明のこれらの目的は、メタクロレインまた
はメタクロレイン含有混合物を分子状酸素と気相
接触酸化してメタクリル酸を製造するに際し、メ
タクロレインまたはメタクロレイン含有混合物及
び分子状酸素を供給して酸化反応を行う第1段酸
化工程(1)、得られた反応生成物から生成したメタ
クリル酸を吸収溶剤により分離する第1段分離工
程(2)、該分離工程から得られる未反応メタクロレ
インを含む反応混合物を供給して再び酸化反応を
行う第2段酸化工程(3)及び該酸化工程で得られた
反応生成物から生成したメタクリル酸を吸収溶剤
により分離する第2段分離工程(4)とから成り、必
要に応じて同様の酸化工程及び分離工程が第2段
分離工程(4)に付加的に順次継続しており、かつ分
離工程に供給する吸収溶剤として炭素数2〜10の
脂肪族カルボン酸の水溶液を使用する多段酸化工
程によつてメタクロレインまたはメタクロレイン
含有混合物を酸化することによつて達成される。
本発明においてはメタクリル酸の原料として、
メタクロレインまたはメタクロレイン含有混合物
が使用される。ここでいうメタクロレイン含有混
合物とは、イソブチレンやターシヤリーブタノー
ルなどのC4化合物を気相接触酸化してメタクロ
レインを製造する、いわゆる前段酸化工程で得ら
れるメタクロレインの他に未反応原料、不活性ガ
ス、副生成物等を含むものであり、メタクロレイ
ンを単離することなしにガス状のままで後段酸化
工程に供給される。前段酸化工程におけるメタク
ロレイン含有混合物の製造については従来から種
種の方法が開発されているが、本発明においては
公知の方法によるものであればとくに制限はな
く、例えばC4化合物と分子状酸素または空気と
を公知の触媒を用いて水蒸気、窒素、炭酸ガス等
の不活性ガスの存在もしくは不存在下に反応温度
250〜700℃、反応圧力常圧〜10気圧、全供給原料
混合物の空間速度(SV)200〜10000hr-1などの
条件下で気相接触酸化することによつて得られる
メタクロレイン含有混合物が使用される。なかで
もC4化合物としてイソブチレン、ターシヤリー
ブタノールまたはこれらの混合物を使用し、また
触媒としてMo−Bi−Fe−Co及び/又はNi−Q
−R−X(ここで、Qは無添加又はP、As及びB
から選ばれる少くとも1種以上の元素、Rはアル
カリ金属、アルカリ土類金属及びTlから選ばれ
る少くとも1種以上の元素、Xは無添加又はCr、
V、Nb、Ta、W、Sb、Th、Ce、Ti、Te、Zn、
Ge、Sn、Sa、La、In、Al、Cd、Pd、Mn、Pb、
Ag、Zr、Cu、Nd、U、Si、Se、Hg、Au及び
Smから選ばれる少くとも1種以上の元素をそれ
ぞれ表わす)系触媒を必要に応じ担体に担持した
り、または希釈して使用すると、C4化合物の転
化率を高めることができるため、後段酸化工程で
の酸化反応がより効率よく進行する。とくにMoa
Bib Fec Cod Nie Qf Rg Xh Yi Oj(こ
こで、QはBe、Nd、Ag及びAuから選ばれた少
くとも一種の元素を表わし、RはK、Rb、Cs及
びTlから選ばれた少くとも一種の元素を表わし、
XはP、As及びBから選ばれた少くとも一種の
元素を表わし、YはCe、Ti、Te、Zn、Ge、Sn、
Cr、Ga、La、In、Al、Cd、Pd、Mn、V、Pb、
Nb、Zr、Cu及びUから選ばれた少くとも一種の
元素を表わし、a、b、c、d、e、f、g、
h、i及びjはそれぞれMo、Bi、Fe、Co、Ni、
Q、R、X、Y及びOの原子数であり、a=12と
した場合、b=0.1〜10、C=0.5〜40、d=0〜
12、e=0〜12、d+e=0.5〜15、f=0.1、
35、g=0.01〜5、h=0〜5、i=0〜12の値
をとり、jは他の元素の原子価を満足する酸素の
原子数である。)なる組成式で示される触媒を使
用する場合には、C4化合物の転化率を高めると
同時にタール状物質等の副生をも極力抑制するこ
とができ、後段酸化工程での酸化反応をきわめて
効果的に行うことができる。
メタクロレインまたはメタクロレイン含有混合
物はまず第1段酸化工程に供給され、ここでメタ
クロレインの一部が通常の方法に従つて気相接触
酸化されてメタクリル酸となる。例えば前段酸化
工程における場合と同じように、メタクロレイン
と分子状酸素または空気とを公知の触媒を用いて
水蒸気、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスの存在も
しくは不存在下に気相接触酸化することによつて
容易にメタクリル酸が得られる。この際、好まし
い反応条件はメタクロレイン濃度0.001〜25容量
%、メタクロレイン対酸素のモル比1:0.1〜25、
反応温度250〜500℃、空間速度(SV)100〜
10000hr-1(STP基準)、反応圧力常圧〜10気圧で
ある。この反応は転化率が高くなるにつれてメタ
クリル酸の逐次反応の増大により分解反応やター
ル状物質の生成が進行しやすくなるため、本発明
においては第1段酸化工程でのメタクロレインの
転化率を90%以下、さらには85%以下にとどめる
のが好ましい。
第1段酸化工程において生成した反応混合物は
次いで第1段分離工程に供給され、ここで吸収溶
剤によりメタクリル酸が分離される。
第1段酸化工程で得られた反応混合物からメタ
クリル酸を分離した残りの未反応メタクロレイン
を含む混合物は、通常ガス状のまま第2段酸化工
程に供給される。この際、必要に応じてメタクロ
レイン、酸素、水蒸気、その他の不活性物質等を
適宜供給して反応条件を調整することができる。
第2段酸化工程の反応条件は、メタクロレインを
メタクリル酸に気相接触酸化しうる条件であれば
第1段酸化工程のそれと同一であつても異なつて
いてもよく、この工程に適した条件が任意に選択
される。
第2段酸化工程において、未反応で残つていた
メタクロレインの大部分がメタクリル酸に酸化さ
れる。従来法によつてメタクロレインを高転化率
になるまで酸化すると、系中に生成するメタクリ
ル酸の逐次的分解や酸化によつて酢酸、一酸化炭
素、タール状物質などを多量に副生するが、本発
明方法においては第1段酸化工程で生成するメタ
クリル酸を第1段分離工程で分離しているため、
このような副生物を極力抑えることができ、また
酸化触媒の劣化を防止することもできる。この段
階において通常はメタクロレインの転化率をほぼ
100%近くまで反応することができる。しかし、
第1段酸化工程でのメタクロレイン転化率が低い
場合のようにメタクロレインの転化率を第2段酸
化工程で一挙に高めることが不利であつたり困難
であつたりする場合には、第2段分離工程を経た
後、さらに第3段酸化工程に供給することができ
る。
第2段酸化工程で得られた反応混合物は、第2
段分離工程に送られて第1段酸化工程と同様にし
て吸収溶剤によりメタクリル酸が分離される。
本発明において使用される吸収溶剤は、炭素数
2〜10の脂肪族カルボン酸の水溶液である。かか
る吸収溶剤を使用すると、反応混合物中に副生す
るタール状物質やメタクリル酸以外の酸類をも吸
収分離するため、以降の酸化工程でのメタクロレ
インの酸化反応を効果的に実施することができ、
また最終の分離工程においては未反応のまま残存
するメタクロレインをも吸収分離するため、後述
するごとき利点を得ることができる。
用いられる脂肪族カルボン酸水溶液は、通常
0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜30重量%であ
り、濃度が低くなるにつれてメタクロレインの吸
収能力に劣り、逆に濃度が高くなるにつれてメタ
クロレインの損失が生じたり、メタクロレインと
ともに脂肪族カルボン酸の一部が放散されること
により以降の酸化工程での負荷を増大させる傾向
にある。
使用される脂肪族カルボン酸の例としては、例
えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、吉草酸、マレイン酸、フマル酸、シ
ユウ酸、マロン酸、コハク酸、オクチル酸などが
あり、なかでも炭素数2〜4の脂肪族カルボン
酸、とくにメタクロレインの酸化反応において生
成する酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタク
リル酸は最終的に分離する必要があるものである
ことから、これらの酸を使用することがプロセス
上有利である。
分離工程において供給される吸収溶剤は事前に
調製された脂肪族カルボン酸水溶液であつてもよ
いが、分離工程における塔底からの導出液には反
応で生成したメタクリル酸、副生した酢酸、プロ
ピオン酸、アクリル酸などが通常0.2〜30重量%
の濃度で存在しているので、この導出液を吸収溶
剤として適宜使用することができる。例えば、第
1段分離工程における吸収溶剤として第2段分離
工程での導出液を使用するように、ある分離工程
の吸収溶剤としてその次の段の分離工程における
導出液を使用することができる。
このような場合には、プロセスの簡略化という
利点に加えて、最終分離工程でメタクリル酸とと
もに吸収分離されたメタクロレインがその前段の
分離工程において塔頂より分離され、再び酸化工
程に供給されることによつてメタクロレインの損
失を防ぐことができ、また各段の酸化工程で生成
したメタクリル酸をすべて第1段分離工程に集中
させて高濃度のメタクリル酸溶液とし、以降のメ
タクロレイン回収工程での操作を容易にすること
ができる。この際、メタクリル酸とメタクロレイ
ンの分離は、分離工程出口における反応混合ガス
の温度を適宜制御することにより行うことができ
る。
また、第1段分離工程での導入液の一部を最終
分離工程の吸収溶剤として循環させることもで
き、この場合にはプロセスがさらに簡略化され、
しかも分離に際してのメタクリル酸溶液の濃度を
さらに高めることができる。
本発明方法の一例を第1図によつて示すと次の
とうりである。
まず管1よりメタクロレイン製造原料が反応塔
2(前段酸化工程)に導入され、ここで気相接触
酸化して得られたメタクロレイン含有混合物は管
3を通つて後段酸化工程の反応塔4(第1段酸化
工程)に導入され、ここでメタクロレインの一部
がメタクリル酸に酸化される。反応混合物は管5
を通つて分離塔6(第1段分離工程)に送られ、
ここで管14及び必要に応じ管19より供給され
る溶剤に吸収されたメタクリル酸は管16より回
収され、未反応メタクロレインを含む混合物は管
7を通つて反応塔8(第2段酸化工程)に導入さ
れる。ここで未反応メタクロレインはほとんど酸
化される。反応混合物は管9を通じて分離塔10
(第2段分離工程)に送られ、ここで管12及び
必要に応じ管20より溶剤を供給し、メタクリル
酸及びメタクロレインを吸収した溶剤は管14を
通つて分離塔6に送られる。第2段分離工程で未
反応メタクロレインが充分吸収されず無視できな
い程度に残存する場合には、第2段分離塔10よ
り管11を通つて導出したメタクロレイン含有混
合物をさらに第3段酸化工程に導入する。管17
及び管18からは、それぞれ反応管4及び反応塔
8に必要に応じてメタクロレイン、空気、酸素、
水蒸気、その他の不活性物質等を適宜導入するこ
とができる。また管13及び管15は溶剤の還流
ラインである。
本発明によれば、第1に取扱いの困難なメタク
ロレインを分離回収及び精製する工程を必要とし
ない簡略化された工程によつて、高転化率かつ高
収率でメタクリル酸とすることができること、第
2に前後段直結法によつてメタクリル酸を製造す
る場合には、前段酸化工程において副生する少量
のメタクリル酸をも有効に回収することができる
こと、第3に分離塔の塔頂温度を制御することに
よつてすでに導入されている水蒸気を凝縮するこ
となしに有効に利用することができること、第4
に溶剤を酸溶液とすることによつて最終的に廃気
される微量のメタクロレインをも回収し、有効に
メタクリル酸に転化することができること、第5
に第1段分離工程での導出液の一部を吸収溶剤と
して使用することにより高濃度のメタクリル酸溶
液を得ることができ、分離工程の小型化が図れる
こと、その他に後段酸化工程が多段化されている
ため、各段の反応条件を適宜選択することにより
副生物の生成を抑制し、かつ触媒活性を充分に発
揮させることができることなどの効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。
実施例 1 イソブチレンを原料とし下記の反応条件に従つ
て前後段直結法によるメタクリル酸の製造を行つ
た。
前段酸化工程:Mo−Bi−Fe−Co−Ni−Be−P
−K系触媒〔Mo:Bi:Fe:Co:Ni:Be:
P:K=12:1:12:4:1:3:0.5:1.0:
(原子比)、600℃焼成、触媒径4〜8メツシユ〕
(特願昭51−93661号参照)の100mlを内径2.5
cm、長さ60cmのステンレス製反応管に充填し、
金属浴で340℃に加熱し、これにイソブチレ
ン:空気:水蒸気のモル比が4:55:41である
供給ガスを空間速度2000hr-1で通過させる。
後段酸化(第1段酸化)工程:Mo−P−Cs−Cr
系触媒〔Mo:P:Cs:Cr=1:0.16:0.16:
0.16(原子比)、450℃焼成、触媒径4〜8メツ
シユ〕(特公昭50−10846号参照)100mlを内径
2.5cm、長さ60cmのステンレス製反応管に充填
し、金属浴で335℃に加熱し、これに前段酸化
工程で得られたメタクロレインを含む反応混合
物をそのまま通過させる。
第1段分離工程:第1段酸化工程を導出した未反
応メタクロレインを含む反応混合物を分離塔に
送り、塔の上部より第2段分離塔から導出した
メタクリル酸12.7重量%、酢酸4重量%及びメ
タクロレイン0.5重量%を含む水溶液を約83℃
に保ちながら供給して向流に接触させ、メタク
リル酸、酢酸及びその他の副生する酸を塔底よ
り吸収分離する。
後段酸化(第2段酸化)工程:第1段分離工程か
ら導出される未反応メタクロレインを含む混合
物をそのまま第1段酸化工程と同様の反応器に
同様の触媒100mlを充填し、金属浴で320℃に加
熱した触媒層を通過させる。
第2段分離工程:第2段酸化工程を導出した反応
混合物を分離塔に送り、塔の上部より第1段分
離工程での留出液の一部を約2℃に保ちながら
供給して向流に接触させる。
この様にして本発明を実施したところ、後段酸
化工程におけるメタクロレインの酸化率は99.6モ
ル%、メタクロレイン基準によるメタクリル酸収
率は75.4モル%、メタクリル酸選択率は75.7%で
あつた。またイソブチレンの転化率は100モル%、
イソブチレン基準によるメタクリル酸収率は58.8
モル%であり、この時得られたメタクリル酸水溶
液の濃度は18.3重量%であつた。
実施例 2 第1段分離工程及び第2段分離工程の条件を次
の様にしたこと以外は、実施例1と全く同様の方
法で反応を行つた。
第1段分離工程:第1段酸化工程を導出した未反
応メタクロレインを含む反応混合物を分離塔に
送り、塔の上部より第2段分離塔から導出した
酢酸4.8重量%、メタクリル酸0.5重量%及びメ
タクロレイン0.45重量%を含む水溶液を約83℃
に保ちながら供給して向流接触させ、メタクリ
ル酸、酢酸及びその他の副生する酸を塔底より
吸収分離する。
第2段分離工程:第2段酸化工程を導出した反応
混合物を分離塔に送り、塔の上部より供給する
約2℃の酢酸5重量%水溶液と向流接触させ
る。
このようにして本発明を実施したところ、後段
酸化工程に於けるメタクロレインの転化率は99.2
モル%、メタクロレイン基準によるメタクリル酸
収率は75.1モル%、メタクリル酸選択率は75.7モ
ル%であつた。またイソブチレンの転化率は100
モル%、イソブチレン基準によるメタクリル酸収
率は58.6モル%であつた。この時得られたメタク
リル酸水溶液の濃度は6.5重量%であつた。
比較例 1 実施例2における第2段分離工程の吸収溶液と
して水を使用すること以外は実施例2と全く同様
にして反応を行つた。但し、水の使用量はメタク
ロレインの吸収量を実施例2の値に合わせるた
め、実施例2における酸水溶液の約5.5倍量であ
つた。
その結果、メタクロレインの転化率及びメタク
リル酸収率は実施例2とほゞ同様の値であつた
が、得られたメタクリル酸水溶液の濃度は1.5重
量%ときわめて低濃度であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は前後段直結法によつてメタクリル酸を
製造するプロセスの一具体例を示すものである。 4……第1段酸化工程、6……第1段分離工
程、8……第2段酸化工程、10……第2段分離
工程。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタクロレインまたはメタクロレイン含有混
    合物を分子状酸素と気相接触酸化してメタクリル
    酸を製造するに際し、メタクロレインまたはメタ
    クロレイン含有混合物及び分子状酸素を供給して
    酸化反応を行う第1段酸化工程(1)、得られた反応
    生成物から生成したメタクリル酸を吸収溶剤によ
    り分離する第1段分離工程(2)、該分離工程から得
    られる未反応メタクロレインを含む反応混合物を
    供給して再び酸化反応を行う第2段酸化工程(3)及
    び該酸化工程で得られた反応生成物から生成した
    メタクリル酸を吸収溶剤により分離する第2段分
    離工程(4)とから成り、必要に応じて同様の酸化工
    程及び分離工程が第2段分離工程(4)に付加的に順
    次継続しており、かつ分離工程に供給する吸収溶
    剤として炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸を0.1
    〜60重量%含有する水溶液を使用することを特徴
    とする多段酸化方式によるメタクリル酸の製造方
    法。 2 各段の分離工程において供給される吸収溶剤
    がその次の段の分離工程における塔底からの導出
    液である特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 最終分離工程において供給される吸収溶剤が
    第1段分離工程における塔底からの導出液である
    特許請求の範囲第2項記載の方法。 4 メタクロレイン含有混合物がイソブチレン、
    ターシヤリーブタノールまたはこれらの混合物を
    気相接触酸化して得られる反応混合物である特許
    請求範囲第1項記載の製造方法。 5 第1段酸化工程におけるメタクロレインの転
    化率が90モル%以下である特許請求の範囲第1項
    記載の製造方法。
JP4740478A 1978-04-21 1978-04-21 Preparation of methacrylic acid Granted JPS54141719A (en)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5625219A (en) * 1979-08-08 1981-03-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Manufacture of magnetic head

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5625219A (en) * 1979-08-08 1981-03-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Manufacture of magnetic head

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