JPS637622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はコンクリート製落し板に関するもので
ある。

＜従来技術＞ コンクリート製落し板は重量もあり、かつ長尺
の長方体状をしており、従来このコンクリート製
落し板を吊り上げて移動するには、型枠脱型用の
生し線をそのまま、吊り上げの際の係止部として
利用していたが、滑る恐れがあり非常に危険であ
つた。

また、ワイヤーロープをコンクリート製落し板
に巻き付けて吊り上げ、移動することも実施され
ていたが、落し板の組立施行上作業能率が悪く、
かつ中心位置にバランスよく巻付けることも困難
であり、さらには巻き付けたワイヤーロープから
落し板が擦り抜けることもあり、危険性の高いも
のであつた。

＜考案の目的＞ かくして本考案はこの様な従来の問題点に対処
すべく案出されたものであつて、コンクリート製
落し板を吊り上げて移動することがきわめて容易
で作業能率が高く、さらには安全性も高い吊り上
げ穴付きコンクリート製落し板を提供することを
目的とするものである。

＜考案の構成＞ 本考案による吊り上げ穴付きコンクリート製落
し板は、 略円筒状の本体と、この本体が貫通する係止板
とを備えた補強板をコンクリート製落し板内に埋
設してなり、 前記略円筒状の本体の両端に存する開口は、前
記コンクリート製落し板の両側壁に形成された透
孔と連通して吊り上げ穴を形成して構成されてい
るものである。

＜実施例＞ 以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。

図面において符号３は補強板を示す。該補強板
３は中空部を有する略円筒パイプ状の本体４と、
この本体４が貫通する係止板とを備えて構成され
ている。ところで係止板は略円板状をなし、複数
の切欠き部及び突片によつてアンカー部が形成さ
れているが、該形状の係止部に限定されるもので
はなく、本体４より外方に向つて突出するアンカ
ー部が形成されてあるものであれば構わない。

ところで本考案で示すコンクリート製落し板は
長尺の長方体形状として形成されているものであ
るが、前記補強板３はこの落し板の略中央部に埋
設されるものである。

そして前記補強板３の略円筒状の本体４におけ
る両端の開口が前記コンクリート製落し板の両側
壁１，１に形成された透孔と連通する様にして埋
設され、吊り上げ穴２が形成されるものである。

以上において本考案の使用状態につき、第１図
を参照して説明すると、コンクリート製落し板に
埋設された補強板３等によつて形成された吊り上
げ穴２に鋼棒Ａを挿通させる。次いで落し板に挿
通した鋼棒Ａの両端に吊索を係止させ、その状態
から吊索を引張り上げて落し板を吊り上げる。そ
して所定位置まで移動させればよい。尚、落し板
を吊り上げたとき、この落し板の重量により補強
板３の本体４内面と鋼棒Ａとが密接し、吊り上げ
移動時に落し板が前記鋼棒Ａの長手方向にスライ
ドすることはない。よつて安全かつバランスよい
吊り上げ移動ができる。

＜考案の効果＞ かくして本考案は以上の構成より成る。そして
本考案による吊り上げ穴付きコンクリート製落し
板であれば、簡単な作業でかつ安全迅速に落し板
を吊り上げ、所定位置まで移動することができ、
その結果構築物の施行能率を大きく向上させるこ
とができるというすぐれた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使用状態図、第２図はコンク
リート製落し板の一部破断した斜視図、第３図は
補強板の正面図及び側面図である。 １……側壁、２……吊り上げ穴、３……補強
板、４……本体、Ａ……鋼棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略円筒状の本体と、この本体が貫通する係止板
   とを備えた補強板をコンクリート製落し板内に埋
   設してなり、 前記略円筒状の本体の両端に存する開口は、前
   記コンクリート製落し板の両側壁に形成された透
   孔と連通して吊り上げ穴を形成してなることを特
   徴とする吊り上げ穴付きコンクリート製落し板。