JPS63759Y2 - - Google Patents

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JPS63759Y2
JPS63759Y2 JP1983127681U JP12768183U JPS63759Y2 JP S63759 Y2 JPS63759 Y2 JP S63759Y2 JP 1983127681 U JP1983127681 U JP 1983127681U JP 12768183 U JP12768183 U JP 12768183U JP S63759 Y2 JPS63759 Y2 JP S63759Y2
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gas
heat treatment
chamber
heating chamber
heating
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  • Furnace Details (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、歯車、シヤフト、ピン、軸受、ボル
ト・ナツト等各種の機械部品類や金型の浸炭、窒
化、浸炭窒化、復炭及び焼入、焼ならし、焼戻し
等の熱処理に用いると共に、その他亜鉛鍍金の表
面処理、ステンレス鋼板や特殊合金鋼の光輝焼鈍
又は焼準処理、金属焼結処理、各種金属のロウ付
等、更にその他各種金属の熱処理に用いる熱処理
設備に関する。
第1図は最も代表的な従来の熱処理設備を示す
もので、処理品aは搬送装置b1により洗浄機c1
に搬送され、該洗浄機c1内にて液体によりその表
面に付着している油脂分等の汚れを洗浄された
後、搬送装置b2,b3を介し挿入室d1に搬送され
る。この挿入室d1にはガス変成炉h1より供給弁h2
又は供給弁h3と加熱室e1を介しキヤリア用の雰囲
気ガスが供給され、該ガスには酸化防止用に通常
可燃性のガスが用いてあるので、大気側と接する
挿入ドアd2を開いて処理品aを挿入する場合には
カーテン用バーナkにより大気侵入を防止するよ
うにしている。そして処理品aはガス変成炉h1
り供給弁h3を介し供給された可燃性ガスにより運
転初期においては操業可能条件までにアイドル運
転された加熱室e1内に挿入装置fにより挿入され
る。更に加熱室e1内には浸炭剤又は窒化剤等の硬
化剤供給容器i1より供給弁i2を介し供給された硬
化用ガスが入つており、処理品aはこの状態で加
熱され、しかる後冷却又は焼入室g1内にて処理さ
れ搬送装置b4にて所定の場所に搬送される。尚図
中c2,c3,e2,e3,g2は夫々各室のドアである。
斯かる従来設備は、機械加工時等により処理品
aの表面に付着している油脂分等の汚れを落す熱
処理前の洗浄工程が必要であり、現在は洗浄液に
よる洗浄方法が最も多く使用されている。しかし
ながら該方式にあつては、 () 洗浄機c1に主として人体に有害なトリク
レン又はアルカリの溶液を使用しているため、
使用取扱いと廃液の処理から公害防止対策が必
要であり、また金属腐蝕性を有するため関連設
備の腐蝕防止対策が必要となる。
() 液体を用いた洗浄方法は複雑な形状及び
微細な隙間内まで完全に清浄することができな
いので、このような形状で精度を要する処理品
の場合、特に浸炭又は窒化を要する場合は、清
浄の不均一性による浸炭又は窒化のむらが生じ
てその機能を充分発揮できない問題があり、従
つて精密品には不適である。
() 洗浄液を加熱しなければならないため余
分な熱を要する。
() 洗浄及び乾燥工程と搬送工程が追加され
るので、設備の据付スペースを余分に必要とす
る。
等の問題点を有していた。
一方、前記液体洗浄方法の欠点を解決するた
め、最近、加熱洗浄方法が開発されている。この
方法はバーナからの燃焼熱ガスを処理品に吹き付
け、表面に付着している汚れの主成分である油脂
分を気化燃焼させて取除くものであるが、 () 処理品に付着している汚れの燃えた後の
煤等が表面に付着または残留し、特に微細な隙
間や孔を有する個所に残るため、重要である精
密な部分において浸炭むらや窒化等の熱処理の
加工むらが生ずる。
() 汚れが気化又は燃焼する温度まで処理品
を燃焼ガスで加熱するため、処理品の表面に酸
化が生じ、又加熱洗浄後、炉までの搬送中にも
処理品が大気に触れるため酸化してしまい、且
つ安全な作業性上望ましくない。
() 汚れを気化させ、そして燃焼させて排出
するため、これに要するバーナ熱量は処理品の
加熱量よりはるかに多い。又加熱された処理品
を大気中に搬送する過程の熱損失も多い。
等の問題点を有していた。
又、前記従来設備においては、ガス変成炉h1
使用しており、このガス変成炉h1では、メタン、
プロパン等の炭化水素系のガスと空気とを混合し
て加熱変成したガスを発成させ、これを加熱炉e1
のキヤリアガスとして使用しているので、 () 空気混合して変成させる必要があるため
発生したガスに露点(水分:H2O)が高く生
じ易く、この露点が高いと、特に浸炭熱処理の
場合にその機能を発揮できず、又品質上有害と
なる。更にこの露点を変成ガスの使用変動、即
ち流量変動に追従して安定させるには、現状で
は非常に困難であり、依つて通常は一定流量の
ガスを発生させ、使用量減少時に発生する余分
のガスを貯蔵する設備費に問題があり、現状で
無益に消費している。
() 操業前に露点を安定させるためには変成
炉及び熱処理炉をも含めると数時間以上のアイ
ドル運転が必要となり、稼働率が悪い。
() アイドル運転のための時間及び熱損失、
加熱したガスを再冷却させるため熱損失、及び
使用量減少時に余分ガスの発生による損失とな
り、省エネルギー及び省資源に即応しなくなつ
ている。
等の問題点を有していた。
更に、前記設備においては、炉気置換装置がな
いため、 () 雰囲気ガス熱処理の場合、複合熱処理が
困難である。例えば、浸炭熱処理を行つた後引
き続き同一炉内で窒化熱処理を行うためには、
炉内の雰囲気ガスを浸炭用ガスから窒化用ガス
に置換する必要があるが、ガスの置換装置がな
いので、浸炭用ガスに窒化用ガスを希釈し乍ら
パージして窒化用雰囲気ガスの条件に達するま
でかなりの時間が掛かり、且つ実使用の熱処理
に効を奏しないガスの消費量が頗る大きく、実
用に即しない。
() 炉の操業運転開始前のアイドル運転も長
時間必要とする。即ち炉内の定期点検や補修を
行つた後に炉内の空気や湿気又は汚れを脱気す
るに要する時間は前記の雰囲気ガスの置換と同
様に長時間要し、且つそのためのガスの消費が
大きい。
等の問題点を有していた。
又、特公昭53−29136号公報に記載された熱処
理設備も一般に知られているが、斯かる設備の場
合、グロー放電による加熱を利用しているため、
600℃以下の低温の条件下に限定されてしまう。
即ち、高温下でグロー放電を行うと、イオンが処
理品に衝突して発生する熱によつて局部的に処理
品が過熱され侵される。換言すれば、局部加熱処
理にしか適さない。従つて、800〜1050℃の高温
では使用できない。特に微細又は精密部品の処理
には不適である。又このような設備において高温
での熱処理を行えるよう放電室に単にヒータを設
けようとしても、ヒータが侵されるため、放電装
置とヒータを完全に分離遮蔽する構造としなけれ
ば不可能である。更に斯かる設備の場合、中間ド
アが一体構造であるため、熱遮蔽機及び真空気密
機能が充分でない。
本考案はこれら実情に鑑みなしたもので、加熱
ヒータを有する熱処理室の上流側に、所定間隔に
て配置された熱遮蔽部及び真空気密部より成る中
間ドアを介し加熱装置を有する前処理室を連設し
て該両室を密閉可能に構成し、前記両室に、真空
排気装置と不活性ガス供給装置とを夫々弁を介在
せしめて接続し、又前記熱処理室に、該熱処理室
内に配置したガス分析装置によつて制御される給
気弁を介し熱処理剤供給装置を接続したことを特
徴とする金属熱処理設備に係るものである。
以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。
第2図に示す如く、内部に加熱ヒータ1を備え
た熱処理加熱室2の入口部3前方に、内部に加熱
ヒータ4を備えた前処理室5を連設すると共に、
昇降装置29の操作によつて加熱室2からの処理
品11を下部に備えた焼入油槽28に入れられる
ようにした後処理冷却室24を前記加熱室2の出
口部23後方に連設し、加熱室2の入口部3と前
処理室5の出口部6との間及び加熱室2の出口部
23と冷却室24の入口部31との間に、所定間
隔に配置した熱遮蔽部及び真空気密部より成る中
間ドア7,25を設け、又前処理室5の入口部8
と冷却室24の出口部32に真空ドア9,33を
各々設け、そして各室と各ドアとの間に密閉用シ
ール10を介在せしめ、更に前記前処理室5の前
方に前処理室5内に処理品11を挿入するための
挿入テーブル12を配設すると共に該挿入テーブ
ル12の前方に搬送装置13を配置し、且つ前記
冷却室24の後方にも搬送装置30を配置せしめ
る。
又、前処理室5には内部と連通する給排管14
を設けると共に該給排管14には真空弁15aを
介し真空ポンプ16aを連結し、且つ前記給排管
14には給気弁17を介し窒素ガス容器18を接
続し、一方加熱室2には内部と連通するガス配管
19を設けると共に該ガス配管19には、熱処理
剤供給装置21を連結する。熱処理剤供給装置2
1は、浸炭剤容器21a、窒化剤容器21b、酸
素ガス容器21c等と該各容器の供給弁20a,
20b,20c等とから成つている。又前記ガス
配管19には、給気弁22を介し前記窒素ガス容
器18を、真空弁15bを介し真空ポンプ16b
を夫々連結し、更に前記冷却室24に、内部と連
通するガス配管26を接続すると共に、該ガス配
管26には給気弁27を介し前記窒素ガス容器1
8を接続する。
前記構成の熱処理設備を用いての処理品11の
熱処理工程を説明するに、先ず、トレイ又はバケ
ツト等の治具に入つた処理品11が搬送装置13
を介し挿入テーブル12上に搬送されてきたら、
前処理室5の入口部8の真空ドア9を開き、挿入
テーブル12により処理品11を前処理室5内に
移送し、真空ドア9を閉じる。次に真空弁15a
を開いて前処理室5内のガスを給排管14を介し
真空ポンプ16aによつて、排気し、前処理室5
内を1000Pa以下、望ましくは100Pa以下の可及的
高真空圧にする。そして処理品11の汚れを洗浄
するために同時に処理品11をヒータ4によつて
250℃以上500℃以下、望ましくは約300〜450℃位
の可及的に炭化又は焼成しない範囲の均一温度に
て加熱する。この加熱は次工程の熱処理のための
予熱の機能をも兼ねる。尚処理品11の加熱と真
空引きとは同時でも或いは加熱後真空引きを行う
ようにしてもよい。又特にガス循環による熱伝導
を高めて短時間に且つ均一に加熱を必要とする場
合には、加熱中又は加熱前に給気弁17を開いて
窒素ガス容器18より窒素ガスをゲージ圧にて前
処理室5内の圧力を0.1〜1Kg/cm2G、望ましく
は0.5〜0.8Kg/cm2Gまで加圧して、或いは前処理
室5内ガスをフアン、バツフル等のガス循環装置
(図示せず:例えば実公昭52−31687号に記載され
たもの)を用いて処理品11内部に接しているガ
スを循環させ乍ら加熱した後、真空引きを行うよ
うにすることもできる。更に特殊例として真空引
きによる減圧と給気による加圧とを繰返し乍ら加
熱して洗浄効果を可及的に高めることもできる。
前処理室5内での加熱及び真空引きが完了した
ら、加熱室2内の圧力を大気圧より高い圧力、望
ましくは10〜100mmAqの圧力まで給気弁17を開
いて前処理室5内に窒素ガスを給気する。このこ
とは各ドア9,7が開いた際に前処理室5内へ外
部からのガス又は空気の流入を可及的に防止する
ためである。しかる後中間ドア7を開き前処理室
5内の処理品11を前記の給気した窒素ガスと共
に加熱室2内に移送し、中間ドア7を閉じる。こ
の場合の窒素ガスは加熱室2の基(キヤリア)ガ
スとしての利用をも兼ねる。そして前処理室5の
真空ドア9を開いて挿入テーブル12より次の処
理品11を挿入し、真空ドア9を閉じ、同様に前
処理室5での加熱及び真空引きのサイクルを繰返
す。
加熱室2内へ移送した処理品11は加熱ヒータ
1によつて熱処理の種類の目的とする所定の温度
まで均一に加熱する。この場合加熱室2内の基ガ
スは窒素ガス容器18からガス配管19を介して
入れた窒素ガスであり、且つ通常の操業中におい
ては、各々の熱処理条件の目的とする温度条件と
室内のガス条件は常時熱処理剤供給装置21によ
つて調整される。尚、加熱室2内のガスの均一化
と処理品11の均一加熱のために、加熱室2にも
前処理室5と同様に炉内ガス循環フアンとガス流
のガイド用バツフルが設けてある(図示せず)。
加熱室2内の処理品11に対し、例えば浸炭熱
処理を行う場合には、鋼種及び浸炭の条件にも依
るが、処理品11を前処理室5で予熱された温度
域以降より850〜1050℃、望ましくは900〜950℃
まで均一に加熱し、且つ給気弁20aを開いて浸
炭剤容器21aより浸炭剤をガス配管19を通し
て加熱室2内へ供給する。この浸炭剤としては、
メタン、プロパン等の炭化水素系のガス、或いは
アルコール類、アニリン類、エステル類等の有機
液体を用いる。
又、浸炭の後に加熱室2内のガスの成分変更を
行い、即浸炭を停止させて拡散処理を行えば、次
工程の焼入のための準備熱処理を可能とする。
又、加熱室2内の処理品11に対し、ガス軟窒
化熱処理を行う場合には、鋼種及び浸炭の条件に
も依るが、処理品11を前処理室5で予熱された
温度域以降より400〜600℃、望ましくは500〜550
℃まで均一に加熱し、且つ熱処理剤供給装置21
内の各給気弁20a,20b,20cを開いて浸
炭剤容器21dから浸炭剤を、窒化剤容器21b
から窒化剤を、酸素ガス容器21cから酸素ガス
をガス配管19を介し加熱室2内へ各々供給す
る。この場合、窒化熱処理の促進剤として酸素ガ
スを加熱室2内にて0.3〜2%、望ましくは0.5〜
1%の量を添加することが一つの特徴であり、こ
のことが可能なように、熱処理剤供給装置21に
酸素ガス容器21cを設けてある。尚酸素ガスと
しては一般用として圧縮空気を用いる。
更に、加熱室2内の処理品11に対し、浸炭と
窒化とを同時に行う場合、即ち浸炭窒化を行う場
合には、給気弁20aと20bを開いて浸炭剤容
器21aからの浸炭剤と窒化剤容器21bからの
窒化剤とを加熱室2内に同時に供給し、750〜870
℃、望ましくは750〜800℃まで加熱することによ
り達成できる。
又、加熱室2内の処理品に対し、浸炭熱処理に
引き続き窒化熱処理を行う場合、即ち複合熱処理
を行う場合には、真空ポンプ16bを作動させ真
空弁15bを開き、加熱室2内の浸炭用ガスをガ
ス配管19を介して排出する。そして基ガスとし
て給気弁22を開いて窒素ガス容器18から窒素
ガスを、又給気弁20bを開いて窒化剤容器21
bから窒化剤を各々ガス配管19を介して加熱室
2内へ供給する。この間に加熱室2内には、浸炭
熱処理温度から窒化熱処理温度として鋼種及び窒
化条件にもよるが、400〜600℃、望ましくは500
〜550℃まで温度変更が行われ、浸炭熱処理から
窒化熱処理条件へ設定変更が即可能となる。
ところで、加熱室2は、通常操業時には10〜50
mmAqの圧力が掛かるが、加熱室2内のガスの置
換の真空引き時には1000Pa以下、望ましくは
100Pa以下の可及的低圧まで真空圧とするので、
前処理室5と同様に真空引きによる減圧から1
Kg/cm2Gの加圧にまで耐える構造とする。
加熱室2内にて所要の熱処理を施した処理品1
1は次に冷却室24に搬送されることになるが、
該冷却室24は、操業開始前の初期時においての
み中間ドア25を開いて加熱室2と連通させ、内
部に残留している空気等の熱処理に有害なガスを
同時に真空引きによりパージしておく。その場
合、ガス配管19を介し、真空弁15bを開いて
真空ポンプ16bによつて排出する。そして真空
弁15bを閉じ、給気弁22を開いて加熱室2の
初期基ガスの給気に合わせて冷却室24も窒素ガ
スに置換される。冷却室24へのガスの給気は操
業開始初期のみであつて操業開始以降は、特殊の
場合を除いて加熱室2の排ガスが必要に応じて使
用される。
中間ドア25を開閉操作して冷却室2内に搬送
した処理品11に対し、例えば油焼入を行う場合
には、処理品11を昇降装置29によつて直ちに
下降し、下部に設けてある焼入油槽28の中へ浸
漬して急冷することにより行う。しかる後昇降装
置29を再上昇し、焼入油の付着している処理品
11を暫くの間放置して油切りを行い、その後ド
ア33を開いて処理品11を搬送装置30上へ移
送し、ドア33を閉じる。尚前記焼入油槽28に
は、図示してないが、均一な油温とするよう加熱
ヒータ、熱交換器、油循環装置等が設けてあり、
熱油による冷却、即ちマルクエンチによる焼入或
いは焼戻も可となつている。
一方、油による焼入を行わないで、処理品に対
しガス冷却又は放冷による除冷を行いたい場合に
は、昇降装置29を使用せずに、周囲のガスの熱
伝導を介して冷却する。更に、鋼種によつてガス
冷却による焼入又はガスによる可及的急冷却を行
いたい場合には、冷却室24内のガス循環フアン
及びガスの熱交換器(いずれも図示せず)を作動
させて行う。又ガスによる冷却能力を高めるため
に、給気弁27を開いて窒素ガスを窒素ガス容器
18からガス配管26を介し冷却室24内へ給気
し、ガス圧を1Kg/cm2G以下、通常は0.7Kg/cm2
Gの圧力まで上げ、ガスの密度、即ち熱伝達率を
高めて冷却することも可能である。
尚、前述の前処理室5、加熱室2、冷却室24
の圧力は別途に設けられた圧力検出器(図示せ
ず)によつて検出され、各々の給気弁が制御され
るようになつており、尚又、加熱室2内の熱処理
ガスが各々の目的に合つた成分となるように別途
設けられた室内ガスサンプリング装置及びガス分
析装置(いずれも図示せず:例えば特公昭54−
28378号に記載されたもの)の出力信号によつて
熱処理剤供給装置21の各給気弁20a,20
b,20cが各々の熱処理条件が最適となるよう
制御されている。
前述の熱処理工程をまとめてみるに、先ず、処
理品11を前処理室5内において加熱と真空引き
とを行うことが重要な点である。即ち、処理品1
1の汚れの主成分は機械加工時に付着する切削油
等の油脂分であるから、炭化しない程度に加熱す
ることにより油脂分の蒸気圧を高め、真空にする
ことにより処理品11の表面からの発散を促進さ
せると同時に取除き、気化したガス体を分子流と
することによつて粘性流に見られるような微細な
隙間や孔内の流れの抵抗を無くして完全に洗浄す
る。そして形状の複雑さに関係なく均一に洗浄す
ることによつて精密な部品でもむらなく熱処理を
可能とした。
又、露点の低い窒素ガスを前処理室5と加熱室
2とに使用することも重要な点である。即ち、露
点の低い窒素ガスを前処理室5より使用するた
め、真空引きに有害な水分の流入がなくなり、依
つて早く真空引きが促進されるので洗浄効果が充
分発揮され、そしてこのガスを再び前処理室5に
給気して処理品11と共に加熱室2に送り、加熱
室2では基ガスとしても兼用する。依つて運転の
露点の変動もなく、操業開始前のアイドル時間の
短縮と省エネルギーが達し得られ、同時に品質の
向上、安定を改善できる。
更に、加熱室2内のガスの置換を真空引きによ
つて即可能としたことも重要な点である。即ち、
従来の希釈パージによる置換方法に比べて時間及
びガスの消費量が約1/3〜1/6になると共に、基ガ
スの消費量は、変成炉ガスのように常時加熱室2
に一定量又は準定量的に流す必要がなくなつて、
操業開始初期と複合熱処理を行う場合の切換え時
のみとなり、熱処理条件にもよるが加熱室2用で
は変成炉ガス法の約1/3〜1/6の消費量となる。し
かもここで使用する窒素ガスは最も経済的且つ工
業的に製造できる99%以上の純度のもので十分で
あるため、極めて安価になる。
又、他の重要な点は基ガスを有効に消費された
必要最小限の量だけ補給する点である。即ち、従
来の熱処理加熱室内のガスの成分調整は常時流入
される変成炉ガスの基ガスの中で相対成分比及び
各熱処理ガスの流量の調整を行うため各熱処理剤
の添加する量も、冶金上の実質消費量に比べて非
常に多量に必要としていた。しかし本考案におい
ては、基ガスは通常は常時殆んど供給せず、熱処
理剤が冶金上の化学反応により実質的に消費され
たためによつて変る加熱室2内のガスの成分の変
化を補う分量だけ補給すればよいことになる。ち
なみに変成炉ガス法の約1/5〜1/10の消費量であ
る。
更に、別の重要点は、加熱室2内のガス制御方
法である。即ち、特公昭54−28378号に記載され
た方法、例えば雰囲気のメタンガス(CH4)濃度
制御系とガス添加剤と雰囲気制御系とを用いて加
熱室2内のガス化学反応によつて生ずるガスの圧
力と成分の変化とを両面から制御し、最適の熱処
理ガスの条件を高精度に維持することである。特
にメタン濃度制御法は、メタン以外の例えばプロ
パンや有機液体を使用しても熱及び化学反応によ
つて生ずる途中の生成物となるメタンガスを制御
することにより効果的且つ容易に加熱室2内のガ
ス制御を行うことができる。
尚、本考案は前記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、例えば、 加熱室内の処理品の数は第2図では3個であ
るが、設備の処理能力に応じて変更してもよい
こと、 処理品の条件によつては加熱及び真空による
洗浄工程を加熱室内で途中工程として行つても
よいこと、 前処理室及び加熱室への処理品の挿入及び移
送方向は、前方からの挿入以外に側面又は底部
或いはそれ以外の方向からでもよく、又移送方
式は、プツシヤ、ローラコンベア、ウオーキン
グハース等のいずれの方式でもよいこと、 真空ポンプの設置は1台としてもよく、又補
助ポンプを更に追加するようにしてもよいこ
と、 客室内の給排管を分離独立型としてもよいこ
と、 熱処理剤供給装置内の各熱処理剤供給容器及
び給気弁の設備型には限定はなく、例えば同種
熱処理の浸炭剤としてはプロパン、ブタン、又
はアルコール類と多種の浸炭剤を設備してもよ
く、更に気体状での熱処理剤でも液体状での熱
処理剤でもよいこと、 基ガスとしては窒素ガスの他にアルゴン等の
不活性ガスを使用してもよく、又各ガスを独立
して共に設備してもよいこと、 各供給弁は、特に供給精度を正確に行いたい
場合において初期又は置換時の大流量用と通常
操業時の小流量用との複数型とし各々の熱処理
剤に別途に設けて流量範囲に応じて使い分けて
もよいこと、 熱処理剤としては、例えば浸炭剤と窒化剤と
を予め混合してあるものを供給してもよいこ
と、又特に操業初期用には基ガスと浸炭剤、及
び又は窒化剤を予め混合したものを供給しても
よいこと、 等、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内で
種々変更を加え得ることは勿論である。
如上のように本考案によれば、 (i) 加熱及び真空下による気化洗浄方式の採用に
より洗浄効果が高まり、熱処理効果、特にガス
の化学反応による熱処理の均一化により品質向
上を図ることができる。従つて微細な隙間或い
は孔を有する精密部品や焼結品の高品質の熱処
理が可能である。
(ii) 窒素ガス等の不活性ガスを基ガスとして使用
するため、加熱室内の露点やガス成分の安定を
迅速に可能とし、且つ各ガスの成分制御が容易
となり、依つて均一な品質の安定を図ることが
できる。
(iii) 加熱室を真空引きによつて熱処理ガスの置換
を迅速に行えるようにしたので、複合熱処理を
工業的生産設備として実用化し得る。
(iv) 別途の洗浄装置とその工程を削除したので、
操業の集約と簡素化を図ることができる。
(v) 公害性のある洗浄剤の削除、大気と接する出
入口部のガスに不活性ガスの使用による爆発性
の防止、そして高熱取扱いの削除等によつて安
全対策が万全となる。
(vi) 加熱室内のガスの置換とガス成分の安定とを
迅速に行えるので、アイドル運転時間が短縮し
且つ操業稼働率が向上し、従つて生産性を向上
させることができる。
(vii) 基ガス及び各種熱処理剤の消費量が必要最小
限で済むので、操業費の低減と省資源に即応
し、且つ実質的に処理品の加熱に供しない無効
加熱の削除により、省エネルギーにも即応する
ことができる。
(viii) 各加熱と冷却の過程において真空から加圧の
広範囲としたので、今後要求される傾向の特殊
且つ広範囲の熱処理条件の要求に対し十分その
機能を満足し得る。
(ix) 熱処理室に、ガス分析装置によつて制御され
る給気弁を介し熱処理剤供給装置を接続したの
で、熱処理室内の熱処理ガスを各々の目的に合
つた成分とすることができ、熱処理条件が最適
に制御される。
(x) 前処理室と熱処理室との夫々に、真空排気装
置と不活性ガス供給装置とを弁を介し接続した
ので、各室を単独に給気・排気でき、各種の熱
処理が広範囲に亘り可能となる。
() 中間ドアが所定間隔にて分離配置され
熱遮蔽部及び真空気密部から成つていて個々の
機能が充分に発揮され、且つ放電を利用しない
ヒータ加熱のため、処理品全体に対し800℃以
上の高温条件にても広範囲の熱処理が可能であ
る。
等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の熱処理設備の一例を示す平面
図、第2図は本考案の熱処理設備を示す平面図で
ある。 1……加熱ヒータ、2……熱処理加熱室、4…
…加熱ヒータ、5……前処理室、7……中間ド
ア、9……真空ドア、11……処理品、15a,
15b……真空弁、16a,16b……真空ポン
プ、17……給気弁、18……窒素ガス容器、2
1……熱処理剤供給装置、22……給気弁。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 加熱ヒータを有する熱処理室の上流側に、所定
    間隔にて配置された熱遮蔽部及び真空気密部より
    成る中間ドアを介し加熱装置を有する前処理室を
    連設して該両室を密閉可能に構成し、前記両室
    に、真空排気装置と不活性ガス供給装置とを夫々
    弁を介在せしめて接続し、又前記熱処理室に、該
    熱処理室内に配置したガス分析装置によつて制御
    される給気弁を介し熱処理剤供給装置を接続した
    ことを特徴とする金属熱処理設備。
JP12768183U 1983-08-18 1983-08-18 金属熱処理設備 Granted JPS5947650U (ja)

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JP2011219814A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Daido Plant Kogyo Kk 連続熱処理装置
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