JPS637405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋳造用金型装置に係り、詳しくは砂中
子の造型および中子セツトを行うことができる鋳
造用金型装置に関する。

従来の鋳造用金型装置においては、中子を別に
造型機により造型して手作業により金型にセツト
するのが普通であるが、その金型が200〜300℃の
温度に加熱されてその周囲の気温が高くなつてい
ることもあつて、中子セツト作業は作業者にとつ
て非常に煩わしいものであつた。

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、砂
中子の造型と、その造型された砂中子をセツトし
て鋳造することの両方の作業を成し得る鋳型用金
型装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例について図面に基づき
詳細に説明する。１は垂直割の鋳造用金型で、図
示しない２個の可動ダイベースに取付けられてい
る。そして、該金型１の内部には製品空洞２が、
また割面には前後方向に延びて製品空洞２に貫通
する金型挿入孔３および４がそれぞれ形成されて
いる。また、製品空洞２内には、これの形状と同
一の外形を備えるとともに内部に中子空洞５を有
する垂直割の中子造型用金型６が嵌合されてお
り、該金型６は金型１の割面に形成された貫通孔
２０を貫通して金型１の上面に突出し、上端部が
図示しない可動ダイベースに取付けられていて、
昇降するとともに左右方向に開閉するようになつ
ている。さらに該金型６の割面前後位置には巾木
用貫通孔５ａ，５ｂが設けられている。また、挿
入孔３，４には図示しない可動ダイベースに取付
けられた前金型７および後金型８がそれぞれ挿入
されており、前金型７は先端面に前記貫通孔５ａ
に対応する中子の巾木用凹部９が形成され、後金
型８は先端面に前記貫通孔５ｂに対応する中子の
巾木用凹部１０が形成されているとともに内部に
前後方向に延びて凹部１０に貫通する砂吹込孔１
１が穿設されている。１２および１３は金型１に
設けられた金型押出しピンで、該押出しピン１
２，１３の基部は、図示しない横向きシリンダの
ピストンロツドの先端に固着された押出し板１
４，１５にそれぞれ植設されている。また押出し
板１４，１５にはバーナーチツプ１６，１６を取
付けたバーナープレート１７，１８がそれぞれ装
着されている。１９は後金型８の砂吹込孔１１に
シエル砂を吹込む吹込み装置である。

次にこのように構成された装置の作用について
説明する。図示するように、鋳造用金型１を閉じ
るとともに前・後金型７，８を互いに近ずけてこ
れらの金型１，７，８によつて閉じた状態の中子
造型用金型６を嵌合包囲するととも巾木用凹部
９，１０を備えた中子空洞５および巾木用貫通孔
５ａ，５ｂと凹部９，１０を画成する。そして、
金型１，６，７および８はバーナチツプ１６，１
６からの火炎により所定の温度に加熱されてい
る。この状態の下に吹込み装置１９により後金型
８の砂吹込孔１１から中子空洞５および貫通孔５
ａ，５ｂと凹部９，１０内にシエル砂を吹き込む
と、当該シエル砂は金型６，７，８の熱により焼
成される。シエル砂の焼成完了後、金型１を開く
とともに押出しピン１２，１３を金型６に向け押
して金型６を金型１から分離し、続いて、金型６
を開くとともに上昇させて金型６を焼成造型され
た中子から取り去り、押出ピン１２，１３を元に
戻すとともに再び金型１を閉じる。すると、金型
１内には、前後金型７，８により保持された中子
を有する製品空洞２が構成される。そこで、この
製品空洞２内に所定の溶湯を図示しない湯口から
注入し、溶湯の凝固後に金型１を開くとともに
前・後金型７，８を互いに引き離すと、所定の鋳
造品を得ることができる。

なお、上記の実施例では、鋳造用金型１および
中子造型用金型６は垂直割にしてあるが、水平割
にしてもよい。

また、押出しピン１２，１３および押出し板１
４，１５は適宜省略してもよい。さらに、中子造
型用金型６の外形は製品空洞２の形状と一致する
必要はなく、この場合、金型６を電気ヒーター等
で別に加熱するようにしてもよい。

また、砂吹込孔１１は中子造型用金型６に設け
てもよい。

以上の説明からも明らかなように本考案は、鋳
造用金型の製品空洞内に、中子空洞および巾木用
貫通孔を有する中子造型用金型を入出可能に設
け、さらに前記鋳造用金型に、中子巾木用凹部を
先端部に有する金型を進退可能に設けた鋳造用金
型装置であるから溶湯の注入に先立ち中子を造型
するとともに造型された中子をそのまま保持して
製品空洞を画成することが可能になり、したがつ
て、手作業によらず機械的に中子をセツトできる
ため、労働環境が良くなるとともに生産性が向上
するなどの優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
面図、第２図は横断面図である。 １……鋳造用金型、２……製品空洞、３，４…
…金型挿入孔、５……中子空洞、６……中子造型
用金型、７……前金型、８……後金型、９，１０
……中子巾木用凹部、２０……金型貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製品空洞２を有する鋳造用金型１の割面に、前
   記製品空洞２に貫通する金型貫通孔２０および金
   型挿入孔３，４をそれぞれ形成し、該金型貫通孔
   ２０には中子空洞５および巾木用貫通孔５ａ，５
   ｂを有する中子造型用金型６を該中子空洞５が前
   記製品空洞２内に位置できるよう入出可能に配設
   し、前記金型挿入孔３，４には、先端部に中子巾
   木用凹部９，１０を有する金型７，８を、該凹部
   ９，１０が前記製品空洞２内の前記貫通孔５ａ，
   ５ｂに対応できるよう進退可能に設けたことを特
   徴とする鋳造用金型装置。