JPS637069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は図面に示すように表生地と裏生地、或
は表生地と補強材及び裏生地とを重ねて形成さる
側板部材と蓋体とを備え、該側板部材と蓋体との
接合部に開閉部材を設けて、開閉口を形成した鞄
において、開閉口側側板部材の端に合成樹脂製の
雌帯状体８と、この雌帯状体８の先端に開設した
空洞６に嵌合する突起４を有する合成樹脂製の雄
帯状体５とを設け、雌帯状体８の後端を表生地
１、又は表生地１と補強材１３との間に挿入接合
し、雄帯状体８の後端を裏生地２と接合せしめ、
これによつて表生地１、裏生地２、又は表生地
１、補強材１３及び裏生地２とを一体に連結した
ことを特徴とする鞄に係るものである。

第１図は複数の務歯９，９が相互に歯合するス
ライドフアスナー１０によつて開閉する鞄開閉口
部の断面を示す図面で、表生地１は断端を折り返
へし一対のスライドフアスナー１０の一方と共に
雌帯状体８の端部と適宜の手段で結合され、合板
シート等の鞄補強材１３を帯状体８に設けた凹溝
に挿入される。一方裏生地２の端部３と結合せし
めた雄帯状体５は他端に凸起６が設けられて居り
雌帯状体８の端部に開設した空洞６内にこの凸起
６を圧入することによつて雌雄勘合して容易に引
く離なされることがない。

雄帯状体５を図のようにＬ字状に曲げ裏生地が
良く鞄内面に沿うようにしかつ鞄使用時に裏生地
２に負荷される力によつて勘合が外ずれないよう
にしたものである。

スライドフアスナーの他の一方９は、前述と同
じ構造の一対としてもよく又図のように従来の玉
縁を用い裏生地と結合する構造でも差しつかえな
い第２図は雌帯状体８を左右一対として一方を１
２のように凸状とし他をこれと嵌合する凹状とし
て雌帯状体自体を鞄口金として用いることも出来
る。

かくのごとく本案は雄帯状体の屈曲凸起部４を
雌帯状体８の空洞６内に圧入するだけで極めて簡
単に裏生地２を強固に固着することが出来、鞄口
部の体裁も良く又スライドフアスナーを使用する
場合毛羽立ち等で繊維くずなどがフアスナーにく
いこみその開閉を不良にすることがない。

従来この種の鞄においては側板部材の開閉口側
の端は、その表生地、裏生地、補強材の端を、直
線状に揃えて縫合されており、例えばスライドフ
アスナーのような開閉部材をその使用時に開閉す
る際にフアスナーの金属部等が側板部材の端部に
接触引つかかりを起して、この端部が摩滅損傷す
るため、長期間の使用に耐えられない等の欠点が
あつた。

さらに該側板部材の端部は鞄の開閉口部でもあ
り、外観を美しく仕上げるため、その表生地、補
強材、裏地のそれぞれ端部を三重にして、接合し
なければならず、しかもそれぞれ部材は原材料の
相違から伸縮性が異なり、そのため接合技術は非
常に高度の熟練を要し、多大の労力、時間、費用
を要していた。

本考案は、かかる従来の欠点を除去し、美しい
仕上げを保持しつつ、簡単な構造で容易に製造で
きる鞄を提供する効果を有するものである。

なお本案に謂う、鞄蓋体とは第１図では、フア
スナー１０によつて開口する右側であり、第２図
では、左右どちらでも良い。

又、鞄表生地が剛性を有する合成樹脂のような
場合、或はソフトタイプの鞄の場合は補強材を必
要としないのは当然である。

【図面の簡単な説明】

第１図はスライドフアスナーを用いた鞄の開閉
口の断面図。第２図は雌帯状体を鞄口金とした鞄
口部断面図。 １……表生地、２……裏生地、３……裏生地端
部、４……突起、５……雄帯状体、６……空洞、
７……膨大部、８……雌帯状体、９，９′……務
歯、１０……スライドフアスナー、１１……玉縁
を有する表生地、１２……口金、１３……補強
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表生地と裏生地、或は表生地と補強材及び裏生
   地とを重ねて形成さる側板部材と蓋体とを備え、
   該側板材部と蓋体との接合部に開閉部材を設け
   て、開閉口を形成した鞄において、開閉口側の側
   板部材の端に合成樹脂製の雌帯状体と、この雌帯
   状体の先端に開設した空洞に嵌合する突起を有す
   る合成樹脂製の雄帯状体とを設け、雌帯状体の後
   端を表生地、又は表生地と補強材との間に挿入接
   合し、雄帯状体の後端を裏生地と接合せしめ、こ
   れによつて表生地、裏生地、又は表生地、補強材
   及び裏生地とを一体に連結したことを特徴とする
   鞄。