JPH0565166B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、スライドフアスナーを用いて開閉自
在とされる鞄などの開口部の構造に関するもので
ある。

［従来の技術］ 鞄などの開口部の開閉にはスライドフアスナー
が多く用いられている。

従来、前記スライドフアスナーを前記鞄などの
開口部に取付ける場合、スライドフアスナーの左
右テープの外縁部を鞄などの開口縁部の表面側に
直接縫着していた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上述した従来の鞄などの開口部
の構造には、下記のような問題がある。

すなわち、鞄などの開口縁部の表面側に直接前
記スライドフアスナーの左右テープの外縁部が縫
着されているので、前記スライドフアスナーのス
ライダーをスライドさせて鞄の開口部を開けたと
きに、鞄の開口部の端面が外側から見えてしまう
為に見栄えが悪く、意匠性に欠けるという問題が
ある。

また、縫製工程において、鞄などの開口縁部と
左右テープとの位置決めが比較的困難であり、縫
製時間がかかるという問題点があつた。

そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、その目的は、鞄などの開口縁
部への縫着が容易に行え、鞄の開口部の開口時に
意匠性を損なうことのない開口部の構造を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明による開口部
の構造は、左右テープ４，４と、該左右テープ
４，４の対向内縁部に互いに頭部を咬合状態とし
てスライダー３により咬合開離自在とされた左右
務歯列６，６とを有するスライドフアスナー２が
取付けられる開口部の構造において、可撓性を有
し、かつ帯板状に形成された左右側板５，５は、
その断面形状が略Ｓ字形に折返し状に成形されて
内方および外方の折返し溝部５ａ，５ｂを形成
し、該向合う内方の折返し溝部５ａ，５ａには前
記左右テープ６，６の外縁部が押出し成形により
圧着され、外方の折返し溝部５ｂ，５ｂは鞄１な
どの開口縁部１ａ，１ａが挿入固定されることを
特徴としている。

［作用］ したがつて、スライドフアスナー２の左右テー
プ４，４にＳ字形に形成された側板５，５が押出
し成形で圧着され、その側板５，５の外方の折返
し溝部５ａ，５ａに鞄１などの開口縁部１ａ，１
ａが挿入固定される。

これにより、スライドフアスナー２を鞄１に取
付ける縫着工程において、鞄１の開口部への位置
決めが容易に行なえる。また、取付けられた鞄１
などの開口部の端面が覆い隠される。

［実施例］ 第１図は本発明による開口部の構造の一実施例
を示す開口時の部分拡大斜視図、第２図は同開口
部の構造の拡大側断面図、第３図は同開口部の構
造が適用される鞄の全体構成を示す一部切欠斜視
図、第４図は他の実施例を示す開口部の構造の拡
大側断面図である。

この実施例の開口部の構造は、鞄１などの開口
縁部１ａにスライドフアスナー２が縫着されてい
るものであり、鞄１の開口部は該スライドフアス
ナー２のスライダー３をスライドすることにより
開閉自在となつている。該スライドフアスナー２
は、既製のフアスナー本体２ａの左右テープ４，
４の外縁部のみに、帯板状の側板５，５が務歯列
６と平行に設けられた形状となつている。この左
右の側板５，５は、ゴム等の可撓性を有する熱可
塑性の合成樹脂材料で形成されている。また前記
左右の側板５，５は、その断面形状が略Ｓ字形状
を成し、それぞれ上下に内方及び外方の折返し溝
部５ａ，５ｂを形成している。そして互いに向合
う内方の折返し溝部５ａ，５ａは前記左右テープ
４，４の外縁部に押出し成形により圧着されてい
る。

このスライドフアスナー２を第３図に示すよう
な鞄１に取付けるには、前記左右の側板５，５の
外方の折返し溝部５ｂ，５ｂに鞄１の開口縁部１
ａ，１ａを第２図に示すように挿入し、この側板
５，５ごと縫着すればよい。

したがつて、第３図に示すような鞄１の開口縁
部１ａ，１ａに前述したスライドフアスナー２を
縫着して形成された開口部の構造によれば、フア
スナー本体２ａに圧着された側板５，５の外方の
折返し溝部５ｂ，５ｂが鞄１の開口縁部１ａ，１
ａを覆い隠すことになるので、鞄１の開口部を開
けたときに鞄１の開口部の端面が見えなくなり見
栄えがよくなる。

また、スライドフアスナー２を鞄１に取付ける
ときに、側板５，５の外方の折返し溝部５ｂ，５
ｂを鞄１の開口縁部１ａ，１ａに差込むだけで位
置決めが完了し、この状態で縫着することができ
るので、縫製作業が容易に行える。このことか
ら、開口部が屈曲した鞄１の開口縁部１ｃへの取
付けも容易に行うことができる。

なお、本実施例では、鞄１の開口縁部１ａ，１
ａの表面側にスライドフアスナー２を取付けた開
口部の構造の例について述べたが、例えば第４図
に示すように側板５，５を左右逆に取付けたスラ
イドフアスナー７を用いることにより、鞄１の開
口縁部１ａ，１ａの内周側にスライドフアスナー
を取付けても上述した実施例の開口部の構造と同
様な効果を得ることができる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明による開口部の構造
によれば、鞄の開口縁部に取付けられるスライド
フアスナーがフアスナー本体の左右テープの外縁
部に可撓性を有する略Ｓ字形の側板を圧着して形
成されていることにより、該側板の外方の折返し
溝部を鞄の開口縁部に挿入するだけで用意に位置
決めができる。また、位置決めされた状態で用意
に縫着することができるので縫製工程において縫
製時間を短縮することができるという効果があ
る。

また、前記外方の溝部が鞄の開口部の端面を覆
い隠すので、該鞄の開口部を開けたときに開口部
の端面が見えず見栄えがよくなるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による開口部の構造の一実施例
を示す開口時の部分拡大斜視図、第２図は同開口
部の構造の拡大側断面図、第３図は同開口部の構
造が適用される鞄の全体構成を示す一部切欠斜視
図、第４図は他の実施例を示す開口部の構造の拡
大側断面図である。 １……鞄、１ａ……開口縁部、２……スライド
フアスナー、３……スライダー、４，４……左右
テープ、５……側板、５ａ……内方の溝部、５ｂ
……外方の溝部、６……務歯列。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 左右テープと、該左右テープの対向内縁部に
   互いに頭部を咬合状態としてスライダーにより咬
   合開離自在とされた左右務歯列とを有するスライ
   ドフアスナーが取付けられる開口部の構造におい
   て、 可撓性を有し、かつ帯板状に形成された左右側
   板は、その断面形状が略Ｓ字形に折返し状に成形
   されて内方および外方の折返し溝部を形成し、該
   向合う内方の折返し溝部には前記左右テープの外
   縁部が押出し成形により圧着され、外方の折返し
   溝部は鞄などの開口縁部が挿入固定されることを
   特徴とする開口部の構造。