JPS6370221A - 眼用レンズの製造方法 - Google Patents

眼用レンズの製造方法

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JPS6370221A
JPS6370221A JP61214688A JP21468886A JPS6370221A JP S6370221 A JPS6370221 A JP S6370221A JP 61214688 A JP61214688 A JP 61214688A JP 21468886 A JP21468886 A JP 21468886A JP S6370221 A JPS6370221 A JP S6370221A
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hydrophobic
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hydroxyl group
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Toshiji Yoshikawa
吉川 利治
Takanori Shibata
柴田 孝則
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Toyo Contact Lens Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は眼科で処方される眼用レンズのなかでもコンタ
クトレンズ、眼内レンズや人工角膜などのようにとくに
長期間にわたって安定した表面親水性が必要とされる眼
用レンズの製造方法に関する。
[従来の技術] 近年、酸素透過性が良好なコンタクトレンズや柔軟な眼
内レンズ材料には、主としてシリコーン系の素材が用い
られている。しかしながら、シリコーン系の素材は一般
に疎水性を呈すが、とくにその表面は撥水性を呈すため
、そのままでは生体(眼組織)に直接接触させるレンズ
材料としては不適当なものであった。
そこでその表面に親水性を付与させるために前記シリコ
ーン系の素材に放電処理を施したり、シリコーン系のモ
ノマーと親水性のモノマーを共重合させるなど種々の改
良案の提案がなされている。
しかしながら、上記のような放電処理により表面の親水
化を施したばあい、使用しているうちに親水性が低下す
るという問題があった。またシリコーン系のモノマーと
親水性のモノマーを共重合させるばあい、シリコーン系
のモノマーと親水性のモノマーとの相溶性がわるく、と
くにポリオルガノシロキサンのような高分子量の疎水性
が強いモノマーは、えられる眼用レンズ材料に充分な親
水性を付与するだけの相当量の親水性モノマーと均一に
混合させることがきわめて困難であるという問題があっ
た。もし、混合が不均一のまま重合させれば不透明な共
重合体しかうろことができず、眼用レンズとして使用す
ることができない。そこで上記のような問題を解決する
ためにシリコーン系のモノマーに親水性基を導入して他
のモノマーと重合させる方法が提案されているが、根本
的には素材の疎水性が改良されるには至っていない。
そこで本発明者らは、すでに特開昭61−138613
号公報に開示されているごとく、同一の分子側鎖に重合
性基および親水性基を有するポリオルガノシロキサンと
他のモノマーとを共重合させる際に、水酸基を有する親
水性モノマーの水酸基をトリメチルシリル基で保護した
モノマーを使用して、同一の分子側鎖に重合性基および
親水性基を有するポリオルガノシロキサンと親水性モノ
マーとの相溶性を改良して共重合し、しかる後に脱シリ
ル化(加水分解処理)を施すことによりえられる、ミク
ロ的には、疎水性ドメインと親水性ドメインとの「海−
島」構造ををするが、マクロ的には均一で透明である酸
素透過性軟質コンタクトレンズ用材料を提案している。
一方で、ポリオルガノシロキサンを主体とする材料は、
通常常温(室温)では、軟質であり、通常の切削加工方
法では加工が困難もしくは不可能であるので、鋳型によ
る成形方法がもっとも有効な装造手段であると考えられ
ている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、たとえばポリプロピレン製の鋳型などの
ように疎水性表面を有する鋳型を使用して重合性基を有
するポリオルガノシロキサンと水酸基をトリメチルシリ
ル基で保護したモノマーを共重合させたばあい、加水分
解を施しても表面が疎水性のままで親水性が付与されな
いという問題があった。
その原因は、とくにヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートなどのようなエステル結合を有する水酸基を有す
るモノマーでは、トリメチルシリル基のようにエステル
結合に比べて保護基(protective grou
p)の疎水性が弱いと、該保護基の疎水性よりもエステ
ル結合の親水性のほうが強く作用し、疎水性基で保護し
たのにもかかわらず、保護基で保護された親水性モノマ
ーがポリプロピレン性の鋳型のような疎水性モールド表
面に接近しに<<、そのかわりに疎水性の強いポリオル
ガノシロキサンが疎水性モールド表面に接近した共重合
成形物がえられ、結果的に該成形物に加水分解を施して
も表面が疎水性の眼用レンズしかえられないものと考え
られる。
一方、ポリプロピレンなどの合成樹脂から作製される疎
水性の鋳型は、射出成形によって所望の形状に作製する
のが容易であり、眼用レンズに要求される精度のよい表
面を与えるような鋳型成形面においても精度よく作製で
き、しかも入手しやすいという数々の利点があり、眼用
レンズ用鋳型として捨てがたいものであった。
そこで本発明者らは、前記疎水性鋳型の表面をプラズマ
照射などにより親水性に表面改質することにより、表面
親水性の良好な眼用レンズをえようと試みたが、眼用レ
ンズ材料と鋳型表面とのあいだに水素結合などのような
強力な親和力が増し、逆に離型することが困難になって
しまい、無理に離型させようとすると成形物が破損して
しまうという問題があった。さらに電子線照射やプラズ
マ照射を鋳型に施すと、鋳型の成形面の精度がわるくな
り、眼用レンズとして良好な表面形状を有する成形物か
えられなくなってしまうという短所もあった。
そこで本発明者らは、上記のような従来技術の問題点に
鑑みて鋭意研究を重ねた結果、かかる問題点をことごと
く解決しうる製造方法を見出し、本発明を完成するに至
った。
つまり、本発明の目的とするところは、ポリオルガノシ
ロキサンなどを主成分とする眼用レンズを鋳型により製
造するにあたり、表面の水濡れ性がよく、親水性が長期
にわたって安定しており、他の良好な物性、たとえば酸
素透過性、機械的強度や柔軟性などを損なうことのない
眼用レンズの製造方法を提供することにある。
また、鋳方からレンズを脱離させる際の離型性も良好で
あり、離型に伴なう眼用レンズの破損の危険性がほとん
どない眼用レンズの製造方法を提供することである。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は重合性基を有するポリオルガノシロ
キサンと、疎水性の鋳型表面と親和性を呈する疎水性シ
リル基で水酸基を保護したモノマーを含有するシリル化
された水酸基を有するモノマーとを主成分とする眼用レ
ンズ材料を合成樹脂製の疎水性表面を有する鋳型中で共
重合することによりえられる共重合体成形物を脱シリル
化することを特徴とする眼用レンズの製造方法に関する
[作 用] 本発明によれば、合性樹脂製の疎水性表面を有する鋳型
と該鋳型の疎水性表面と親和性のある疎水性シリル基で
水酸基を保護したモノマーとの親和性がよいために、該
モノマーの疎水性シリル基が鋳型表面に接近した状態で
共重合かなされ、表面に該疎水性シリル基が多く存在す
る共重合体成形物かえられる。そして、該成形物に加水
分解処理を施して脱シリル化すれば、成形物の表面に水
酸基が生成して、表面が親水性で水濡れ性のよい眼用レ
ンズかえられるのである。また、かくしてえられた眼用
レンズは、その表面だけでなく内部にも親水性部分が脱
シリル化により生成して存在するために、電子線やプラ
ズマなどによる親水化処理を施すばあいとは異なり、眼
用レンズの使用中における摩耗などによる表面親水性の
劣化の懸念はなく、長期間にわたって安定した親水性を
保つことができる。
しかも、結果的には眼用レンズの他の良好な物性、たと
えば酸素透過性、機械的強度、柔軟性などが損なわれる
ことがない。
また、鋳型表面も成形物表面も疎水性であるので、両者
のあいだで水素結合のような強力な親和力(結合)を生
じることがないので、離型性も良好であり、離型に伴な
う眼用レンズの破損の危険性がきわめて小さい。
[実施例] 本発明においては重合性基を有するポリオルガノシロキ
サンおよび鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水
酸基を保護したモノマーを含有するシリル化された水酸
基を有するモノマーが眼用レンズ材料の主成分として使
用される。
前記重合性基を有するポリオルガノシロキサン(以下、
ポリオルガノシロキサン(A)という)は、酸素透過性
のよい材料または柔軟性のよい材料をうる成分としてと
くに有用なものであるが、かかるポリオルガノシロキサ
ン(A)としては、一般式(I): (式中、R1、R2、R3は同一または異種のC1〜C
4のアルキル基、トリメチルシロキシ基、フェニル基か
ら選ばれた基、Aは重合性基、p、qは重合性基の含有
率を表わすための数でp+9 を示す)で表される構造単位を有するポリシロキサンが
あげられる。
重合性基を存するポリオルガノシロキサンの平均分子量
は、およそ5.000〜200,000の間にあるのが
好ましい。分子量がこの範囲よりも小さすぎると、重合
性基を含有しないポリオルガノシロキサンも混在するこ
とになり、重合もしくは架橋しにくくなる(もしくは不
可能)になるために、成形能が劣る(眼用レンズとして
成形しにくくなる)ことになる。そこで分子量が小さい
のに重合性基の数を増やすと、えられる眼用レンズの柔
軟性が失われ、脆い材料となってしまう。一方、分子量
は先の範囲よりも大き過ぎるとポリオルガノシロキサン
の粘度が高くなり、シリル化された水酸基を有するモノ
マーやその他のモノマーなどが均一に混合しにくくなっ
てしまうといった取り扱いの面で不都合が生じてしまう
該ポリオルガノシロキサン(A)は、分子側鎖に少なく
とも1個の重合性基を有するので、他の種々のモノマー
との共重合が可能であり、所望の眼用レンズに適した物
性を有する材料をうろことができる。ポリオルガノシロ
キサン(A)の分子側鎖に少なくとも2個の重合性基を
有するばあいには、その共重合体自身が架橋させる能力
(架橋性能)を有しており、架橋することによって共重
合体自身の機械的(力学的)強度、形状安定性や耐久性
などを向上させることができる。
また他のモノマーとの相溶性を向上させ、マクロ的には
透明で均質な眼用レンズをうるためには前記ポリオルガ
ノシロキサン(A)としては、一般式(■); RI       R3 (式中、R1、R2、R3、I)Sq4およびAは前記
と同じ、Xは親水性基含有部分を示す)で表される構造
単位を有するポリシロキサンを使用してもよい。
親水性基含有部分としては、たとえば式:%式%) のように水酸基やエーテル結合を有する部分、またはア
ミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド結合、
尿素結合、ウレタン結合、スルホニル基、ラクタム環な
どを含有する部分が考えられる。
ポリオルガノシロキサン(具体的に好ましくはポリジメ
チルシロキサン)に重合性基として(メタ)アクリロイ
ル基、ビニル基、アリル基などの重合性不飽和二重結合
を含有する官能基を導入したものなどがあげられる。と
くに一般式(l[)で表わされる構造単位を有するポリ
オルガノシロキサン(A)としては、たとえば分子側鎖
に少なくとも1個のエポキシ基(好ましくはグリシジル
基を有するポリオルガノシロキサン(以下、ポリオルガ
ノシロキサン(B)という)と、重合性基含有化合物(
不飽和二重結合などの不飽和基含有化合物、たとえば(
メタ)アクリル酸との反応によりえられるものがあげら
れ、より具体的には、下記構造単位; CR3CR3 一ν〜 SiO5IO−/−V−JX l CH3(CH2)3 を含有するものなどがあげられる。
前記疎水性の鋳型表面と親和性を呈する疎水性シリル基
で水酸基を保護したモノマーを含有するシリル化された
水酸基を存するモノマーにおいて、とくに鋳型表面と親
和性を呈する疎水性シリル基で水酸基を保護したモノマ
ーが用いられるのは、合成樹脂製の疎水性表面を有する
鋳型と、該鋳型表面と親和性を呈する疎水性シリル基で
水酸基を保護したモノマーとの親和性がよくなり、該モ
ノマーの疎水性シリル基が鋳型表面に接近した状態で共
重合がなされ、表面に該疎水性シリル基が多く存在する
共重合体成形物かえられるからである。そして、該成形
物に加水分解処理を施して脱シリル化すれば、成形物の
表面に水酸基が生成し、表面が親水性を呈する水濡れ性
のよい眼用レンズかえられるのである。しかも結果的に
眼用レンズの他の良好な物性、たとえば酸素透過性、機
械的強度、柔軟性などが損なわれることがない。さらに
鋳型表面も成形物表面も疎水性を呈し、双方とも水素結
合のような強力な親和力(結合力)を有しないので、離
型性が良好であり、しかも離型に伴なう眼用レンズの破
損の危険性も小さい。
前記鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基としては、
たとえば一般式(2): %式%([) (式中、R4、R5およびR6は同一でも異なっていて
もよく、炭素数が1以上の置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよいフェニル基またはケイ素数
が1以上の置換されていてもよいオルガノシロキシ基を
示す。ただし、R4、R5およびR6が同時にメチル基
のばあいを除く)で示されるようなトリメチルシリル基
よりも分子量の大きい疎水性シリル基があげられ、かか
る疎水性シリル基の具体例としては、トリエチルシリル
基、t−ブチルジメチルシリル基、n−オクチルジメチ
ルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメチルシ
ロキシジメチルシリル基などがあげられる。
上記のような疎水性シリル基で水酸基を保護したモノマ
ーは、前記疎水性シリル基を水酸基含有親水性モノマー
に導入することによりえられる。
すなわち、前記疎水性シリル基で水酸基を保護したモノ
マーは水酸基含有親水性モノマーをアセトン、トルエン
、キシレンなど水酸基を有しない無極性溶媒中で、一般
式〇V):Y−S l−Rs          ■(
式中、Yはハロゲン原子、R4、R5およびR6は前記
一般式(2)のR4、R5およびR6と同じ)で表わさ
れるトリオルガノシリルノ10ゲン化合物もしくは、ヘ
キサオルガノジシラザンと反応させることによりえられ
る。
前記水酸基含有親水性モノマーの具体例としては、たと
えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(
メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、 2.3−ジヒドロキシ−2−メチルプ
ロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなどのジヒドロキンアルキ
ル(メタ)アクリレート;2−ジヒドロキシ−3−(メ
タ)アクリロイルオキシナフタレンなどのヒドロキシア
リール(メタ)アクレート;ジエチレングリコールモノ
 (メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ
 (メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ 
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(ポリ)アルキ
レングリコールモノ (メタ)アクリレート;ジグリセ
ロールモノ (メタ)アクリレートなどの(ポリ)グリ
セロールモノ (メタ)アクリレート;2−エチルヘキ
ソキングリセロールモノ(メタ)アクリレートなどのア
ルコキシ(ポリ)グリセロールモノ (メタ)アクリレ
ート、フェノキシグリセロールモノ(メタ)アクリレー
トなどのアリールオキシ(ポリ)グリセロールモノ(メ
タ)アクリレート;式: (式中、R7は水素原子またはメチル基である)で示さ
れるモノマーなどで代表される水酸基含有(メタ)アク
リレートや、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン
酸などがあげられる。
前記鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水酸基を
保護したモノマー以外のシリル化された水酸基を有する
モノマーは共重合体成形物を脱シリル化(加水分解)し
た後の眼用レンズの表面親水性(水濡れ性)を向上させ
、水中での透明性を維持するために添加されるが、該モ
ノマーを添加したばあい、さらに眼用レンズの機械的(
力学的)強度を向上させることができる。該モノマーは
前記水酸基含有親水性モノマーを前記疎水性シリル基で
水酸基を保護したモノマーをうる際に用いた溶媒中で、
たとえばトリメチルクロロシランなどのようなトリアル
キルシリルハロゲン化物と反応させることによりえられ
る。
なお、水酸基含有親水性モノマー中の水酸基のシリル化
は下記の反応式■のとおり、進行する。
■イへ〇〇−+−O8!−R(VD (式中、Rは前記R4〜R6のいずれかと同じかまたは
メチル基である)。
シリル化した水酸基を有するモノマーは、その全てが疎
水性の鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水酸基
を保護したモノマーであってもよく、前記鋳型表面と親
和性のある疎水性シリル基で水酸基を保護したモノマー
とその他のシリル化した水酸基を有するモノマーを併用
してもよい。ただし併用するばあいには、全シリル化し
た水酸基を有するモノマー100重量部に対して、鋳型
表面と親和性のある疎水性シリル基で水酸基を保護した
モノマーを10重量部以上、好ましくは20〜70重量
部の割合で使用するのがよい。鋳型表面と親和性のある
疎水性シリル基で水酸基を保護したモノマーの使用割合
が10重量部よりも少ないばあい、合成樹脂製の疎水性
表面を有する鋳型に接するところに強い疎水性を呈する
ポリオルガノシロキサンが多く集まり、脱シリル化(加
水分解)しても親水性の表面を有する眼用レンズかえら
れなくなる。
前記重合性基を有するポリオルガノシロキサンとシリル
化した水酸基を有するモノマーの使用割合(重合性基を
有するポリオルガノシロキサン/シリル化した水酸基を
有するモノマー)は重二比で50150〜9515、好
ましくは70/30〜90/10が好適である。前記重
合性基を有するポリオルガノシロキサンの使用割合が5
0重量部よりも少なくなると、酸素透過性または柔軟性
を充分に有する材料かえられなくなるとともに非含水性
または低含水性が維持されなくなり、通常の含水性材料
(たとえば、主成分としてヒドロキシエチルメタクリレ
ートからなるポリマー)と同等の含水性を有することに
なってしまったばあい、必要に応じて煮沸などによる消
毒を施さなければならないようになる。また前記重合性
基ををするポリオルガノシロキサンの使用割合が95重
量部よりも多くなると、その分相対的にシリル化した水
酸基を有するモノマーの使用割合が少なくなり、結果的
に表面が親水性を呈する眼用レンズかえられにくくなる
重合性基を有するポリオルガノシロキサンおよびシリル
化した水酸性を有するモノマー以外に、必要に応じて、
たとえばスチレンやα−メチルスチレン、t−ブチルス
チレン、イソプロピルスチレンなどのアルキルスチレン
あるいはベンジルメタクリレートのような芳香環を有す
る疎水性モノマーや、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ドデシ
ル(メタ)アクリレートなどの置換されていてもよいア
ルキル(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレン
グリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシ(ポ
リ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;ジメ
チルイタコネート、ジエチルイタコネートなどのアルキ
ルイタコネート;プロピルクロトネートなどのアルキル
クロトネート; N、N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ビニルピロリドンなどを添加してもよい。
前記その他のモノマーの全モノマー成分100重量部に
対する使用量は、0〜25重量部であり、強度を向上さ
せるという面からは少なくとも5型口部含有させること
が望ましい。
これらモノマーのうち芳香環を有する疎水性モノマーを
前記重合性基を有するポリオルガノシロキサン(A)お
よびシリル化した水酸基を有するモノマーに加えて使用
したばあい、とりわけシリル化した水酸基を有するモノ
マーと芳香環を存する疎水性モノマーを併用したばあい
、その相乗効果により飛躍的に材料の強度を向上させる
ことができる。
また、とくに芳香環を有する疎水性モノマーを使用する
ばあい、該モノマーの効果を充分に発揮させるためには
、シリル化したモノマーと芳香環ををする疎水性モノマ
ーの使用割合(シリル化した水酸基を有するモノマー/
芳香環を存する疎水性モノマー)は重量比で1/1〜3
/1の範囲にあるのが望ましい。
前記重合性基を有するポリオルガノシロキサン、シリル
化した水酸基を有するモノマーおよび所望により前記そ
の他のモノマーからなる眼用レンズ材料の重合成形方法
は通常のモールド法により行なわれる。すなわち、前記
眼用レンズ材料を混合し、これに重合開始剤を添加して
均一に混合してなる配合液を凹型内へ静かに注入し、凹
型上に凸型をのせてクランプなどで挟むか重しを鋳型の
上にのせるかなどして凹型と凸型を適度に締付けて、該
鋳型を適当な重合用容器に入れ、加熱するかもしくは電
磁波を照射するなどして配合液を重合させる。加熱する
ばあいは、約40〜90°Cにて数時間〜数十時間加熱
して重合させればよく (温度が約90℃よりも高いば
あい、合成樹脂製の鋳型が変形してしまうおそれがある
)、必要に応じて段階的に昇温しで重合させてもよい。
重合を良好に完結させるために、たとえば前記重合用容
器内に脱酸素剤を入れて減圧にして重合させてもよい。
重合完了後、鋳型を冷却し、凹型と凸型を分離し、鋳型
からレンズ状に成形された共重合体成形物を剥離する。
このばあい、必要に応じてアルコール、アセトンなどの
眼用レンズ材料に悪影響を与えない溶媒中でレンズを鋳
型から外してもよいO 前記鋳型としては、合成樹脂製の疎水性表面を有する鋳
型が使用されるが、その材質としては、たとえばポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン
などがあげられるが、これらのなかでもポリプロピレン
が好ましい。前記ポリプロピレンなどの合成樹脂から作
製される疎水性の鋳型は、鋳型形状に射出成形しやすく
、眼用レンズに要求される精度のよい表面を与えるよう
な鋳型を精度よく作製することができ、しかも入手しや
すいという種々の利点があり、眼用レンズ用鋳型として
大変有用なものである。該鋳型は、その内面が目的とす
る眼用レンズかえられるような規格(曲率半径、直径、
厚さなど)の成形面を有し、凹型および凸型を一組とし
てたとえば射出成形などによって作製される。
かくしてえられた共重合体成形物にはつぎに脱シリル化
が施される。
脱シリル化(加水分解処理)はえられた共重合体成形物
を通常のアルコール水溶液中で加熱することにより行な
われる。さらに抽出器を用いてアルコール水溶液中など
で眼用レンズを加熱し、重合反応における未反応物や脱
シリル化で生成した不要な反応生成物などを抽出除去す
る。この処理によってシリル基を脱離させて水酸基を生
成させることにより、眼用レンズに長期間安定した表面
親水性(水濡れ性)を付与することができる。
脱シリル化反応に用いられるアルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、プロパツールなどがあげられ、こ
とに無極性溶媒にもっとも性質が近いイソプロパツール
などが好ましい。
前記アルコール水溶液とは、水を約1〜40%含有する
アルコールのことであり、アルコール水溶液か使用され
る理由は、アルコール水溶液は疎水性のポリオルガノシ
ロキサンや疎水性シリル基と親和性がよく、しかもレン
ズを多少膨潤させるためにレンズ内まで効率よく脱シリ
ル化を進行させることができ、また重合反応の未反応物
や脱シリル化による不要な生成物の抽出除去が容易にで
きるからである。
ついでえられた眼用レンズは、抽出処理に使用した溶媒
などを除くために、いったん乾燥させ、その後生理食塩
水などの水溶液中に浸漬することにより保存される。
つぎに本発明の眼用レンズの製造方法を実施例に基づい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
(鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水酸基を保
護したモノマーの合成) 合成例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート33g、トリエチ
ルアミン25g1アセトン 500 mlを三角フラス
コに秤取した。フラスコを氷で冷やしながら攪拌し続け
、そこへt−ブチルジメチルクロロシラン38gをアセ
トン50m1に溶解したものを滴下し、10℃以下に保
ちながらおよそ3時間反応を進行させた。
反応液より反応生成物である( C113C)12 ”
)s N ・HCNを除去したのち、さらに溶媒を取り
除き、蒸留してt−ブチルジメチルシリル化された2−
ヒドロキシエチルメタクリレート17.9g (82℃
10.15mml1g)をえた。赤外線吸収スペクトル
分析などによりt−ブチルジメチルシリル化された2−
ヒドロキシエチルメタクリレートであることを確認した
。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、その
純度は98.1%であった。
合成例2 2−ヒドロキシエチルメタクリレート33g、トリエチ
ルアミン25g1アセトン 500 mlを三角フラス
コに秤取した。フラスコを氷で冷やしながら攪拌し続け
、そこへオクチルジメチルクロロシラン52gを滴下し
、10℃以下に保ちながらおよそ3時間反応を進行させ
た。
参考例1と同様にして、オクチルジメチルシリル化され
た2−ヒドロキシエチルメタクリレート25.5g (
109℃10.2mml1g)をえた。赤外線吸収スペ
クトル分析などによりオクチルジメチルシリル化された
2−ヒドロキシエチルメタクリレートであることを確認
した。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、
その純度は97.4%であった。
合成例3 参考例1と同様にして、トリエチルクロロシラン50g
と2−ヒドロキシエチルメタクリレート44gとを反応
させて、トリエチルシリル化された2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート33.0g(純度98.4%)をえた
(重合性基を有するポリオルガノシロキサンの製造) 合成例4 3つ目フラスコに、分子量約7万の分子側鎖にグリシジ
ル基を有するポリオルガノシロキサン(グリシジル基含
有率0.4%、信越化学工業沖製)60g、メタクリル
酸120g、重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチル
エーテル0.3gを入れ、123〜131℃にて90分
間反応させた。
ついでえられた反応液にn−へキサン4.5ρを加え、
1%水酸化ナトリウム水溶液5gで洗浄した。さらに水
5Ωで洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムを加えて乾
燥させ、硫酸マグネシウムを濾別し、n−ヘキサンを減
圧除去して合成物(重合基を有するポリオルガノシロキ
サン)57.2gをえた。
えられた合成物は粘稠な淡黄色透明な液体(以下、Sl
lという)であった。
実施例1 ポリプロピレン樹脂を用いて射出成形により、所定の形
状(ベースカーブ8.4mm5直径13.5mmのコン
タクトレンズを与えるような形状)を有する凹型、凸型
のレンズ成形用モールド型を作製した。
合成例4でえられたSil 70重量部、合成例1でえ
られたt−ブチルジメチルシリル化した2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート20重責部、スチレン10重量部
および重合開始剤として2.2゛−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)0.4重量部を混合し、混合
液を前記成形用凹型内に気泡をまきこまないように数滴
静かに滴下した。
つぎにその上に凸型をのせたのち該鋳型を重合用の容器
の中に入れて、その上に重しをのせて、該容器の中に脱
酸素剤約Logを入れて減圧にして、熱風式循環乾燥機
中にて50℃で8.5時間加熱したのち、lO°C/9
0分間の割合で段階的に90℃まで昇温させ、およそ1
5時間加熱して共重合させた。
放冷後、鋳型の凸型と凹型とを引き離して鋳型から共重
合体成形物を剥離した。鋳型からの共重合体成形物の剥
離は非常に容易であり、アルコールなどの溶媒に浸漬さ
せて剥離する必要もなく、離型性は良好であった。共重
合体成形物の重合による硬化状態も良好であり、所望の
レンズ形状を有していた。
つぎに共重合体成形物を90%イソプロパツール水溶液
中で煮沸して、加水分解、処理を施してシリル基を脱離
させた。さらに、該共重合体成形物をソックスレー抽出
器を用いて90%イソプロパツール水溶液中で煮沸し、
未反応物や脱シリル化による不要生成物を抽出除去し、
その後、えられたレンズを乾燥し、生理食塩水中にレン
ズを浸漬してコンタクトレンズをえた。
えられたコンタクトレンズは、無色透明で形状安定性が
良好で、曲げに対しても充分な復元力を有しており、レ
ンズの水濡れ性(表面親水性)も良好であった。
えられたコンタクトレンズの接触角、突き抜き荷重、伸
び率、はぼ中央部の厚さ、酸素透過性などをGl定した
結果を第1表に示す。
なお、えられた眼用レンズの各種物性は以下の方法にし
たがって測定した。
(離型性) 共重合体成形物が鋳型から剥離しやすいかどうかを判定
した。アルコールなどの溶媒に浸漬させて剥離する必要
もないほど剥離が容易であるばあい、離型性は良好であ
るとした。アルコールなどの溶媒に浸漬させて剥離する
必要のあるものがあったばあい、離型性はほぼ良好であ
るとし、アルコールなどの溶媒に浸漬させても剥離する
ことが困難もしくは不可能であったばあい、離型性は不
良とした。
(硬化状態) 離型した共重合体成形物の硬化状態(重合が良好に進行
したか否か)を肉眼で観察した。
(形 状) 生理食塩水中の浸漬状態でのレンズの形状を肉眼で観察
した。
(水濡れ性) 生理食塩水中に浸漬状態のレンズを生理食塩水から取り
出し、レンズ表面の濡れの状態を肉眼で観察した。
(接触角) レンズ表面の水に対する接触角(濡れ性)を、気泡法に
より測定した。
(透明性) 生理食塩水中の浸漬状態でのレンズの透明性を肉眼で観
察した。
(突き抜き荷重) インストロン型の圧縮試験機により、生理食塩水中に浸
漬状態で固定されたレンズの略中央部に直径1/16イ
ンチの抑圧針を当て、破断時の荷重を測定した。
(伸び率) 上記突き抜き荷重を測定したときのレンズの破断時のも
との長さに対する伸び率を測定した。
(酸素透過係数) 製科研式フィルム酸素透過率計(理研精機工業■製)に
より、生理食塩水中35℃で測定した。
実施例2〜3 第1表に示すように各種成分を配合し、実施例1と同様
にしてコンタクトレンズを作製した。
ただし、実施例3で使用した鋳型としては、ベースカー
ブ7’、1111 ms、直径12 、05 m11の
コンタクトレンズかえられるように設計された規格のポ
リプロピレン製の鋳型を使用した。
放冷後、鋳型の凸型と凹型とを引き離して鋳型から共重
合体成形物を剥離したが、鋳型からの共重合体成形物の
剥離は非常に容易であり、アルコールなどの溶媒に浸漬
させて剥離する必要もなく、離型性は良好であった。共
重合体成形物の重合による硬化状態も良好であり、所望
のレンズ形状を有していた。
脱シリル化してえられたコンタクトレンズは、全て無色
透明で形状安定性が良好で、曲げに対しても充分な復元
力を有しており、レンズの水濡れ性(表面親水性)も良
好であった。
えられたコンタクトレンズの接触角、突き抜き荷重、伸
び率、略中央部の厚さおよび酸素透過性などを実施例1
と同様にして測定した結果を第1表に示す。
実施例4〜13 第2表に示すように各種成分を配合し、実施例1同様に
してコンタクトレンズを作製した。
ただし、実施例11〜13で使用した鋳型としては、ベ
ースカーブ7.18mm 、直径12.05+nmのコ
ンタクトレンズかえられるように設計された規格のポリ
プロピレン製の鋳型を使用した。
放冷後、鋳型の凸型と凹型とを引き離して鋳型から共重
合体成形物を剥離したが、鋳型からの共重合体成型物の
剥離は非常に容易であり、アルコールなどの溶媒に浸漬
させて剥離する必要もなく、離型性は良好であった。共
重合体成形物の重合による硬化状態も良好であり、所望
のレンズ形状を有していた。
脱シリル化してえられたコンタクトレンズは、全て無色
透明で形状安定性が良好で、曲げに対しても充分な復元
力を有しており、レンズの水濡れ性(表面親水性)も良
好であった。
えられたコンタクトレンズの接触角、突き抜き荷重、伸
び率、略中央部の厚さおよび酸素透過性などを実施例1
と同様にして測定した結果を第2表に示す。
比較例1〜4 第3表に示すように各種成分を配合し、実施例1と同様
にして共重合させた。
ただし、比較例2〜4で使用した鋳型は、ベースカーブ
7.18nua 、直径12.05mmのコンタクトレ
ンズかえられるように設計された規格のポリプロピレン
製の鋳型を使用した。
放冷後、鋳型の凸型と凹型とを引き離して鋳型から共重
合体成形物を剥離した。鋳型からの共重合体成型物の剥
離はほぼ容易であったが、なかにはアルコールなどの溶
媒に浸漬させて剥離する必要があるものもあった。共重
合体成形物の重合による硬化状態も良好であり、すべて
所望のレンズ形状を有していた。
そして、共重合体成形物を90%インプロパツール水溶
液中で煮沸して加水分解処理を施してシリル基を脱離し
た。さらに、該共重合体成形物をソックスレー抽出器を
用いて90%インプロパツール水溶液中で煮沸し、未反
応物や脱シリル化による不要生成物を抽出除去し、その
後、えられたレンズを乾燥し、生理食塩水中にレンズを
浸漬してコンタクトレンズをえた。
えられたコンタクトレンズの接触角、突き抜き荷重、伸
び率、略中央部の厚さおよび酸素透過性などを実施例1
と同様にして測定した結果を第3表に示す。
以上のようにポリプロピレン製の鋳型などのような合成
樹脂製の疎水性表面を有する鋳型により眼用レンズを製
造する際、鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水
酸基を保護したモノマーを使用しないと、表面親水性(
水濡れ性)がわるくなることが明らかである。さらにト
リメチルシリル化した水酸基を有する親水性モノマーさ
えも使用しなければ、さらに表面は親水性でなくなるこ
とが比較例4にて明らかである。
比較例5 ベースカーブ8.4111111%直径13.5ma+
のコンタクトレンズかえられるように設計された規格の
ポリプロピレン製の鋳型であって、プラズマ処理を施し
て鋳型表面を親水性にした鋳型を用意した。
81173重量部、トリメチルシリル化した2−ヒドロ
キシエチニルメタクリレート18重量部、スチレン9重
量部および2.2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)0.4重量部を混合し、混合液を上記鋳型に
気泡を抱き込まないように数滴静かに滴下した。以下、
実施例1と同様にして共重合させた。
放冷後、鋳型の凸型と凹型とを引き離して鋳型から共重
合体成形物を剥離しようとしたが、容易に剥離できず、
無理に剥離しようとすると、レンズが破れてしまった。
アルコールなどの溶媒に浸漬させて剥離しようとしたが
、剥離は困難であり、レンズが破損してしまうものが多
かった。
以上のように、プラズマ処理を施して鋳型表面を親水性
にした鋳型を用いて眼用レンズを製造しようとすると、
レンズと鋳型表面とのあいだに強固な親和性が生起し、
剥離性が非常にわるくなることが明らかである。
[以下余白] 第   1  表 ・BDS−HEMA : t−ブチルジメチルシリル化
した2−ヒドロキシエチルメタクリレート 一’ ODS−11EMA :オクチルジメチルシリル
化した2−ヒドロキシエチルメタクリレート ・TBS−HEMA : トリエチルシリル化した2−
ヒドロキシエチルメタクリレート ・St:スチレン ・V−65: 2,2°−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル) 第  3  表 (注)・表中の「部」とは「重量部」を示す。
・TMS−11EMA : トリメチルシリル化した2
−ヒドロキシエチルメタクリレート ・St:スチレン ・V−65: 2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)[発明の効果] 本発明の眼用レンズの製造方法によれば、そのレンズ表
面が親水性を呈し、水濡れ性のよい眼用レンズをうるこ
とができる。しかもえられた眼用レンズはその内部に至
るまで親水性部分が存在するので、レンズ表面の親水性
の劣化の懸念はなく、長期間にわたって安定した親水性
を維持することができる。またえられた眼用レンズは酸
素透過性がよく、機械的強度が良好であるとともに柔軟
性に優れたものである。
さらに鋳型表面および成形物表面はともに疎水性を呈す
るので、両者のあいだで水素結合のような強力な親和力
を生じることがないため、離型性も良好であり、離型に
伴なう眼用レンズの破損の危険性がほとんどない。
したがって本発明の製造方法は、たとえばコンタクトレ
ンズ、眼内レンズおよび人工角膜などの製造に有用であ
り、とくにコンタクトレンズの製造に好ましく適用する
ことができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重合性基を有するポリオルガノシロキサンと、疎水
    性の鋳型表面と親和性を呈する疎水性シリル基で水酸基
    を保護したモノマーを含有するシリル化された水酸基を
    有するモノマーとを主成分とする眼用レンズ材料を、合
    成樹脂製の疎水性表面を有する鋳型中で共重合すること
    によりえられる共重合体成形物を脱シリル化することを
    特徴とする眼用レンズの製造方法。 2 前記重合性基を有するポリオルガノシロキサンが、
    不飽和二重結合を有するものである特許請求範囲第1項
    記載の眼用レンズの製造方法。 3 前記鋳型表面と親和性のある疎水性シリル基で水酸
    基を保護したモノマーを含有するシリル化された水酸基
    を有するモノマーが全シリル化した水酸基を有するモノ
    マー100重量部に対して、鋳型表面と親和性のある疎
    水性シリル基で水酸基を保護したモノマーを10重量部
    以上添加したものである特許請求の範囲第1項記載の眼
    用レンズの製造方法。
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