JPS63700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は乗客コンベヤの移動手すりを駆動す
る装置の改良に関するものである。

エスカレータ、移動通路等の乗客コンベヤの移
動手すり及び踏段は、主わく内に設けられた各鎖
歯車によつて駆動される。そして、所定の踏段幅
に対する乗客コンベヤの全幅を縮小するため、例
えば特開昭57−4875号公報に示されるように、鎖
歯車の配置について工夫が払われている。これを
第１図〜第４図に示す。

図中、１は乗客コンベヤの骨格を形成するトラ
ス、２はトラス１に固着立設された欄干、３は欄
干２の外周に配置された移動手すり、４，５はト
ラス１内に上階から下階にわたつて敷設された踏
段レール、６は無端状に連接され上端に固着され
た軸７に前輪８が装着され下端に固着された軸９
に後輪１０が装着され、これらが踏段レール４，
５上を転動することにより移動する踏段、１１は
トラス１の上階側の機械室に設置され電動機、減
速機、電磁ブレーキ等で構成された駆動機、１２
はトラス１に回転自由に支持された駆動軸、１３
は駆動軸１２に固着され鎖１４を介して駆動軸１
１により駆動される駆動鎖歯車、１５は軸１２に
左右一対固着された踏段鎖歯車、１６は踏段鎖歯
車１５に巻き掛けられすべての踏段６の軸７が結
合された踏段鎖、１７は駆動軸１２に左右一対固
着され踏段鎖歯車１５と駆動鎖歯車１３の間に配
置された第１手すり鎖歯車、１８は第１手すり鎖
歯車１７に巻き掛けられた鎖、１９はトラス１に
固着された軸、２０は軸１９に回転自由に左右一
対装着され鎖１８が巻き掛けられた第２手すり鎖
歯車、２１は第２手すり鎖歯車２０に固着されこ
れと一体的に回転する一対の第３手すり鎖歯車、
２２は第３手すり鎖歯車２１に巻き掛けられた
鎖、２３はトラス１に回転自由に複数個（図では
４個）装着され移動手すり３の帰路側に沿つて配
置された第４手すり鎖歯車、２４は第４手すり鎖
歯車２３により駆動され移動手すり３と接触して
これを駆動する手すり駆動輪、２５は第３手すり
鎖歯車２１、鎖２２、第４手すり鎖歯車２３及び
手すり駆動輪２４により構成された手すり駆動機
である。

すなわち、駆動機１１が駆動されると、鎖１４
を介して駆動鎖歯車１３は回転し、踏段鎖歯車１
５は駆動される。これで、鎖１６を介して踏段６
は前輪８が踏段レール４に、後輪１０が踏段レー
ル５に案内されることにより、欄干２，２の間を
移動する。一方、駆動鎖歯車１３の回転により、
第１手すり鎖歯車１７も回転し、鎖１８を介して
第２手すり鎖歯車２０は駆動される。これで、第
３手すり鎖歯車２１も回転し、鎖２２を介して第
４手すり鎖歯車２３は回転し、手すり駆動輪２４
は駆動される。その結果、移動手すり３は欄干２
の外周を踏段６の移動と同期して移動する。

このようにして、第１手すり鎖歯車１７を踏段
鎖歯車１５と駆動鎖歯車１３の間に配置すること
により、トラス１の幅を縮小しようとするもので
ある。

しかし、第１手すり鎖歯車１７が左右一対設け
られる関係上、第２手すり鎖歯車２０及び鎖１８
もそれぞれ左右１個ずつ必要となり、製造コスト
も高くなり、鎖１８の取付け、調整等にも手間が
掛かる。

特に、手すり駆動機２５を移動手すり３の帰路
側（トラス１内を通過する部分）に沿つて複数個
配置する場合がある（例えば特公昭51−4911号公
報）。これらの手すり駆動機２５を鎖歯車及び鎖
を用いて連結する場合には、上記製造コストの増
大、鎖の取付け、調整等の手間の増加は著しくな
る。

この考案は上記不具合を改良するもので、第１
手すり鎖歯車を片側１個とし、第２及び第３手す
り鎖歯車を同軸上に固着し、かつ各手すり駆動機
を連結する鎖を左右交互に配置することにより、
製造コストが安く、据付、調整、保守等の手間を
減らし、長行程のものに適用できる乗客コンベヤ
の手すり駆動装置を提供することを目的とする。

以下、第５図〜第７図によりこの考案の一実施
例を説明する。

図中、１９Ａ，１９Ｂ…はそれぞれ適当な間隔
を置いて配置されトラス１に回転自由に装着され
た軸、２０Ａ，２０Ｂ…はそれぞれ軸１９Ａ，１
９Ｂに左右一対固着されその一つに鎖１８が巻き
掛けられた第２手すり鎖歯車、２１Ａ，２１Ｂ…
はそれぞれ第２手すり鎖歯車２０Ａ，２０Ｂ…に
固着された一対の第３手すり鎖歯車、２２Ａ，２
２Ｂ…はそれぞれ第３手すり鎖歯車２１Ａ，２１
Ｂ…に巻き掛けられた鎖、２３Ａ，２３Ｂ…はそ
れぞれ第１図の第４手すり鎖歯車２３と同様の第
４手すり鎖歯車、２４Ａ，２４Ｂ…は同じく手す
り駆動輪２４と同様の手すり駆動輪、２５Ａ，２
５Ｂ…は同じく手すり駆動機２５と同様の手すり
駆動輪、２６Ａ，２６Ｂ…はそれぞれ前後の第３
手すり鎖歯車２０Ａ，２０Ｂ…の同側のもの同士
に巻き掛けられた鎖である。上記以外は第１図〜
第４図と同様である。

駆動機１１が回転し、駆動鎖歯車１３が駆動さ
れると、第１手すり鎖歯車１７及び鎖１８を介し
て第２手すり鎖歯車２０Ａは回転し、軸１９Ａを
介して第３手すり鎖歯車２１Ａも駆動され、鎖２
２Ａ及び第４手すり鎖歯車２３Ａを介して手すり
駆動輪２４Ａは駆動される。一方、第２手すり鎖
歯車２０Ａの回転により、鎖２６Ａを介して次段
の第２手すり鎖歯車２０Ｂも回転され、第３手す
り鎖歯車２１Ｂ、鎖２２Ｂ及び第４手すり鎖歯車
２３Ｂを介して手すり駆動輪２４Ｂは駆動され
る。以下同様にして、各軸１９Ａ，１９Ｂ…は駆
動され、手すり駆動機２５Ａ，２５Ｂ…は動作し
て移動手すり３は欄干２の外周を移動する。第１
手すり鎖歯車１７及び鎖１８は１個ずつであり、
鎖２６Ａ，２６Ｂ…は第２手すり鎖歯車２０Ａ，
２０Ｂ…の左右交互に配置されているので、各軸
１９Ａ，１９Ｂ…につき１個ずつである。したが
つて、乗客コンベヤの行程が長く、手すり駆動機
２５Ａ，２５Ｂ…の数が多いときも、製造コス
ト、据付等に有利であることは言うまでもない。

なお、実施例では、第１手すり鎖歯車１７を駆
動鎖歯車１３と踏段鎖歯車１５の間に設けたが、
駆動鎖歯車１３の反対側（第６図の左側）の相当
位置に設けてもよい。

以上説明したとおりこの考案では、駆動鎖歯車
と踏段鎖歯車の間又はそれに対応する反対の位置
に第１手すり鎖歯車を固着し、第１手すり鎖歯車
により駆動される複数個の第２手すり鎖歯車と、
移動手すりを駆動する複数個の第３手すり鎖歯車
とをそれぞれ同軸上に固着し、第２手すり鎖歯車
の内前後のものをそれぞれ鎖によつて左右交互に
巻き掛けたので、第１及び第２手すり鎖歯車とこ
れらを連結する鎖、並びに第２手すり鎖歯車同士
を連結する鎖はそれぞれ１個で済み、製造コスト
を安くし、据付、調整、保守等の手間を減らすこ
とができると共に、長行程の乗客コンベヤに適用
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の乗客コンベヤの手すり駆動装置
を示す縦断側面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は第１図の−線断面図、第４図
は第１図の−線断面図、第５図はこの考案に
よる乗客コンベヤの手すり駆動装置の一実施例を
示す縦断側面図、第６図は第５図の−線断面
図、第７図は第５図の−線断面図である。 ３……移動手すり、６……踏段、１１……駆動
機、１２……駆動軸、１３……駆動鎖歯車、１５
……踏段鎖歯車、１７……第１手すり鎖歯車、１
９Ａ，１９Ｂ……軸、２０Ａ，２０Ｂ……第２手
すり鎖歯車、２１Ａ，２１Ｂ……第３手すり鎖歯
車、２３Ａ，２３Ｂ……第４手すり鎖歯車、２６
Ａ，２６Ｂ……鎖。なお、図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機械室に設置された駆動機、この駆動機により
   駆動される駆動鎖歯車、この駆動鎖歯車が固着さ
   れた軸に一対固着され踏段を駆動する踏段鎖歯
   車、上記駆動鎖歯車と上記踏段鎖歯車の間又はそ
   れに対応する反対の位置に配置されそれらが固着
   された軸に固着された第１手すり鎖歯車、移動手
   すりの帰路側に複数個配置されそれぞれ同軸上に
   一対固着され上記第１手すり鎖歯車により駆動さ
   れる第２手すり鎖歯車、この第２手すり鎖歯車が
   固着された軸にそれぞれ一対固着され上記移動手
   すりを駆動する第３手すり鎖歯車、及び上記第２
   手すり鎖歯車の内前後のものにそれぞれ巻き掛け
   られかつ左右交互に配置された鎖を備えてなる乗
   客コンベヤの手すり駆動装置。