JPS6131029Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は乗客コンベアの踏板支持装置の改良
に関するものである。

空港、駅などにおいて、多数の人を連続的にか
つ安全に輸送する手段としては踏板を有する乗客
コンベアが使用されるが、従来この種の乗客コン
ベアにおいて、２条の並行する走行用リンクチエ
ーン間に横架軸着した踏板軸に踏板を支持させる
場合は、相隣接する一方の踏板軸に一端を植込み
ボルト等により固着し、他端を相隣接する他方の
踏板軸に回動リンクを介して連結したブラケツト
により取付けるようにしていた。

しかし、上記のような踏板支持装置にあつて
は、踏板軸へのブラケツトの取付構造が複雑にな
るため、ブラケツトを含めた踏板の踏板軸への組
付けおよび分解に手数がかかり、かつその保守、
点検も面倒で時間がかかる欠点があつた。

この考案は上記のような従来の欠点を除去する
ためになされたもので、踏板リンクチエーンの相
隣接する踏板軸間に取付けられる踏板用ブラケツ
トの一端側を鰐口形状にして踏板軸を相対回転可
能に係合し、これによりブラケツトの踏板軸への
取付けおよび、その取外しを容易にするととも
に、踏板軸と接触する鰐口部内に耐摩耗性の埋金
を着脱可能に設けることにより耐摩耗性の向上と
保守コストの低減を計るようにした乗客コンベア
の踏板支持装置を提供するにある。

以下この考案の一実施例を第１図〜第４図につ
いて説明する。第１図はこの考案にかかる踏板支
持装置を適用した乗客コンベアの全体図を示すも
ので、床面下に水平に配設した主枠１内の上下部
にはそれぞれ往路用のガイドレール２と帰路用の
ガイドレール３が主枠１の長手方向に水平に配設
されているとともに、このような往路用および帰
路用ガイドレール２，３は、図示しないが主枠１
内に左右対称に設けられている。また、上下ガイ
ドレール２，３の内側には両者にまたがつてその
全長に亘る長さのエンドレス状の踏板リンクチエ
ーン４が配置され、この踏板リンクチエーン４も
左右のガイドレールに対向して対称に設けられ、
そしてこの左右の踏板リンクチエーン４，４間、
すなわち左右の踏板リンクチエーンを構成する各
リンクプレート４ａの相対向する連結点間には、
第２図に示す如くこれを貫通する踏板軸５が回転
可能に軸架されているとともに、各踏板軸５の両
端には踏板動輪６ａ，６ｂを回転自在に取付け、
この踏板動輪６ａ，６ｂを左右の往路および帰路
用ガイドレール２，３上に転動可能に係合させる
ことにより踏板リンクチエーン４を走行可能に支
持するようになつている。

上記左右の踏板リンクチエーン４，４間に軸架
した相隣接する踏板軸５，５′間には一対の踏板
用ブラケツト７，７′が横架固定されている。す
なわち、第４図に示す如く一方の踏板軸５に対す
るブラケツト７の一端部には、踏板軸５に応じて
ほぼ半円形に切欠かれた鰐口部８が形成され、こ
の鰐口部８を一方の踏板軸５のブツシユ９の外周
に嵌合することでブラケツト７の一端を踏板軸５
に対し相対回転可能に保持させるようになつてい
るとともに、ブツシユ２９の外周面と接触する鰐
口部８の内壁上下面には各別のスタツドボルト１
０，１１により耐摩耗性の埋金１２，１３が着脱
可能に取付けられている。また、他方の踏板軸
５′に対するブラケツト７の他端には、踏板軸
５′の径に応じた半円状の凹部１４ａを有する支
持部１４が一体に設けられ、この支持部１４の凹
部１４ａ側に対向して半円状の凹部１５ａを有す
る締付部材１５の一端をブラケツト７の他端にピ
ン１６により回動可能に枢着せしめ、そして支持
部１４の凹部１４ａを踏板軸５′に係合し、かつ
締付部材１５の凹部１５ａを反対側から踏板５′
に係合した後、締付部材１５の他端をボルト１７
によつて支持部１４に締付固定することによりブ
ラケツト７の他端を踏板軸５′に固定するように
なつている。

このようにして踏板軸５，５′間に取付けたブ
ラケツト７，７間には、第２図、第４図に示す如
く一対の支持部材１８，１８′が差渡され、その
両端部はボルト・ナツト１９により一体に取付け
られ、この支持部材１８，１８′上には踏板２０
が一体に取付けられている。

また、上記主枠１内には左右の踏板リンクチエ
ーン４の中央に位置して駆動装置２１が設置され
ており、この駆動装置２１は踏板リンクチエーン
４を往路レール２、帰路レール３に沿つて走行駆
動するためのもので、一対の鎖歯車２１ａ，２１
ｂと、この両鎖歯車２１ａ，２１ｂ間に巻き掛け
され上記踏板リンクチエーン４のスプロケツト歯
４ｂに噛合するローラチエーン２１ｃと、鎖歯車
２１ａ，２１ｂを回転駆動する電動機２１ｄとか
ら構成されている。２２は上記踏板２０の走行方
向に沿つて主枠１上に配設された移動手摺であ
る。

上記構成の乗客コンベアにおいて、駆動装置２
１が起動され、かつローラチエーン２１ｃが走行
されると、このローラチエーン２１ｃの走行動作
に伴つて、その上下水平部と噛合する踏板リンク
チエーン４の往路側および帰路側がそれぞれ第１
図の矢印Ａ，Ｂ方向に往路および帰路用ガイドレ
ール２，３で案内されながら走行され、同時に踏
板２０も同一方向に運行されることになる。

また、乗客コンベアの据付けに際して、ブラケ
ツト７を相隣接する踏板軸５，５′に取付ける場
合は、まずブラケツト７の鰐口部８を一方の踏板
軸５にその径方向から嵌合し、しかる後ブラケツ
ト他端の支持部１４の凹部１４ａを他方の踏板軸
５′に係合する。次いでブラケツト７にヒンジ結
合した締付部材１５を支持部１４と反対の側から
踏板軸５′に係合させた後、その自由端をボルト
１７により締付ければ良い。また、ボルト１７を
緩めて他方の踏板軸５′との結合を解くだけでブ
ラケツト７を踏板軸から容易に取外すことができ
る。したがつて埋金１２，１３の交換が簡便とな
る。

以上のようにこの考案によれば、乗客コンベア
用踏板リンクチエーンの相隣接する踏板軸間に取
付られる踏板用ブラケツトの一端側を鰐口形状に
して踏板軸にその径方向から相対回転可能に係合
連結できるようにしたので、ブラケツトの踏板軸
への取付けおよび、その取外しが容易となるとと
もに、踏板軸と接触する鰐口部内には耐摩耗性の
埋金を着脱可能に設けたので、ブラケツトの耐摩
耗性を向上でき、かつ埋金が摩耗したときの埋金
の交換保守コストも低減できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる踏板支持装置を適用
した乗客コンベアの全体を示す概略側面図、第２
図はこの考案における踏板支持機構部の平面図、
第３図はその正面図、第４図は第２図の−線
に沿う拡大図である。 １……主枠、２……往路用ガイドレール、３…
…帰路用ガイドレール、４……踏板リンクチエー
ン、５，５′……踏板軸、６ａ，６ｂ……踏板動
輪、７……ブラケツト、８……鰐口部、１２，１
３……埋金、１４……支持部、１５……締付部
材、１７……ボルト、１８，１８′……支持部
材、２０……踏板、２１……駆動装置。なお、図
中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 並設された走行用チエーン間に横架軸着された
   複数の軸と、これら軸のうちの隣接された一対の
   軸間に架設固定されるブラケツトと、上記一対の
   軸間に位置するよう上記ブラケツトに装着された
   踏板とを有する乗客コンベアの踏板支持装置にお
   いて、 上記ブラケツトの一端を鰐口形状とし、この鰐
   口を上記一対の軸のうちの一方の軸にその径方向
   から回動可能に係合させ、 上記ブラケツトの他端を上記一対の軸のうちの
   他方の軸に、上記ブラケツトの他端とによつて径
   方向から上記他方の軸を挾持する締付部材を介し
   て分解可能に締結し、 上記鰐口の内部の上記一方の軸との接触面に耐
   摩耗性の埋金を着脱可能に設けた ことを特徴とする乗客コンベアの踏板支持装置。