JPS6365326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両等の座席におけるリクライニング
装置に関し、特にシートフレームの内側空隙部に
リクライニング装置を内蔵したものである。

従来車両用座席においてシートバツクを前後に
傾斜移動させるリクライニング装置は第１図に示
す如く、クツシヨンフレーム１とバツクフレーム
２に固着されたブラケツト３にビス４により取付
けられる固定側ブラケツト５及び可動側ブラケツ
ト６に傾動調節機構及び前倒れ機構を組込んで構
成されており、このリクライニング装置７をシー
トフレームコンプリート、即ちクツシヨンフレー
ム１とバツクフレーム２との間に組付けることに
より座席のシートクツシヨンとシートバツクとを
連結していた。

しかし、この構成においてはシートフレームコ
ンプリートとリクライニング装置は別個に製作さ
れるのでこのシートフレームとリクライニング装
置の部品は重複し、ま両者に取付部分が必要とな
り、材料、工数も多く要し、重量も増加し、品質
にも強度上の問題があり、コスト高になる欠点が
あり、さらにリクライニング装置は座席の側部に
組付けられるので、幅広となり狭い車室内では好
ましくなく座席幅を犠性にせざるを得ない欠点が
あつた。

本発明はかかる欠点を解消すると共に安全性燃
費節約のための重量軽減及びコストの低減等の要
求に応えるべくなされたもので、リクライニング
装置の各機構の大部分をシートフレームの内部空
間に収納し、しかも従来別個に製作してクツシヨ
ンフレームの下面側に装着していたスライドレー
ルの可動側レールを併せてクツシヨンフレーム空
間に内設できるようにして、重量の軽減、工数及
びコストの低減コンパクト化ならびに強度の増大
をはかり、しかも従来のように、座席幅が広がる
ことのないリクライニング装置を提供するもので
ある。

以下第２図乃至第６図について本発明の実施例
を説明するに、本例はバツクフレームの片側ロツ
クの場合である。

先ず第２図は本発明を適用したシートフレーム
コンプリートの分解斜視図、第３図はその要部の
斜視図で図において１１はクツシヨンフレーム、
１２はバツクフレームを示し、クツシヨンフレー
ム１１は閉鎖断面の両側中空フレーム部１１ａ，
１１a′、管材を〓状に屈曲して成る前部フレーム
部１１ｂ及び断面コ字状のチヤンネル材から成る
後部フレーム部１１ｃとから形成されている。そ
の一方側の中空フレーム部１１ａの後部に後述す
るリクライニング装置１３が内蔵され、その操作
軸１４及び回動軸１５を中空フレーム部１１ａの
外面側に突出させると共に回動軸１５にセレーシ
ヨン輪１６を嵌着し、他方側の中空フレーム部１
１a′の後部にはフリーヒンジの軸受け１７が設け
られ、さらに両側中空フレーム部１１ａ，１１
a′の下面側にスライドレール１８，１８′が配設
されている。

またバツクフレーム１２の一方の下端部にはク
ツシヨンフレーム１１のリクライニング装置１３
を内蔵した側の中空フレーム部１１ａと対応して
ブラケツト１９が固着され、この内面側にリクラ
イニング装置１３の回動軸１５のセレーシヨン輪
１６と噛合するセレーシヨンリング２０が固定さ
れており、また他方の下端部にはフリーヒンジの
軸支部２１が形成されている。

このように形成されたクツシヨンフレーム１１
とバツクフレーム１２とは、バツクフレーム１２
側のセレーシヨンリング２０をクツシヨンフレー
ム１１側の回動軸１５のセレーシヨン輪１６に噛
合させると共にブラケツト１９をボルト２２によ
り、回動軸１５に固着し、一方バツクフレーム１
２のフリーヒンジ軸支部２１をクツシヨンフレー
ム１１の軸受け１７に軸ピン２３を介して軸着す
ることにより連結する。

次に第４図乃至第６図についてリクライニング
装置１３を説明する。このリクライニング装置１
３はクツシヨンフレーム１１の一方側の中空フレ
ーム部１１ａの内空部に基板２４を介して取付け
られる。

即ち中空フレーム部１１ａの外側面から基板２
４の透孔２４ａを貫通する回動軸１５に扇形歯車
２５を回転方向に係合固定し、この扇形歯車２５
の歯形２５ａに対向して基板２４に案内枠２６が
固定されて、この案内溝２６ａ内に歯形２５ａに
噛合される歯板２７が摺動自在に嵌挿され、案内
枠２６の表面側に固定された押え板２８により押
えられている。歯板２７にはピン２９が突設され
て押え板２８の長孔２８ａから突出されており、
このピン２９が案内枠２６の基部側から中空フレ
ーム部１１ａの外側面に突出される操作軸１４の
内端部に軸着された係止片３０の偏心長孔３１に
係合されて係止片３０の回動に伴い歯板２７は案
内枠２６内を扇形歯車２５の歯形２５ａに対して
接離方向に摺動される。

係止片３０の縁部には歯板２７を扇形歯車２５
の歯形２５ａから離隔させるように回動した状態
で係止されるように係止部３２が形成されてお
り、この係止片３０はスプリング３３により操作
軸１４と共に歯板２７を歯形２５ａに噛合させる
方向に回動偏倚されている。この係止片３０の係
止部３２の形成側縁部と対向して係止保持片３４
が軸支されており、この係止保持片３４の自由端
側の半部位は扇形歯車２５の表部面と重合するよ
うに位置され、係止片３０に対向する一側縁には
係止部３２と係合せる係止突子３５が形成されて
いる。また係止保持片３４の他側縁部には隆起部
３６が形成されて扇形歯車２５に固着された当接
片３７と対向され、更にこの係止保持片３４は軸
支部に備えたスプリング３８により係止片３０よ
り離隔されるように偏倚されて係止突子３５が常
時係止片３０より離隔されている。

また回動軸１５と中空フレーム部１１ａとの間
にはリターンスプリング３９が巻装されて回動軸
１５に常時前方への回動力を付与させてあり、中
空フレーム部１１ａの外面側に突出される操作軸
１４の外端部にはレバー４０が取付けられてい
る。

以上のように構成されるリクライニング装置１
３の動作を説明する。

先ず不動作状態においては歯板２７と扇形歯車
２５の歯形２５ａとが噛合されて回動軸１５は回
動されず、バツクフレーム１２はクツシヨンフレ
ーム１１に対して係止保持されている。

この状態においてレバー４０を引き上げ操作軸
１４を回動すると係止片３０が回動され、その偏
心長孔３１の移行によりピン２９が押圧されて歯
板２７が摺動され、扇形歯車２５の歯形２５ａと
の噛合が解除される。そのため回動軸１５はリタ
ーンスプリング３９の偏倚力により前方へ回動さ
れ、これと同時にバツクフレーム１２が前方へ傾
動されることになるが、このバツクフレーム１２
をリターンスプリング３９の偏倚力に抗して後方
へ押圧し、所望の角度に傾斜回動させる。

このようにしてバツクフレーム１２を所望の角
度に傾斜回動した状態でレバー４０の引き上げを
解除すると操作軸１４と共に係止片３０がスプリ
ング３３により復帰回動される。その回動に伴い
歯板２７はピン２９を介して扇形歯車２５方向に
押圧され、その歯形２５ａに噛合されて回動軸１
５は係止されバツクフレーム１２は所望の傾斜角
度に保持される。

また後部座席への乗降の場合等においてバツク
フレーム１２を前倒するには上述の場合と同様に
操作軸１４により係止片３０を回動して歯板２７
を扇形歯車２５から離隔させその噛合を解除した
状態にすると、回動軸１５はリターンスプリング
３９により前方へ大きく回動され、バツクフレー
ム１２は前倒される。

またこの際、扇形歯車２５も回動軸１５と一体
に回動され、この扇形歯車２５に固着された当接
片３７が係止保持片３４をその隆起部３６を押圧
してスプリング３８の偏倚力に抗して回動させ
る。この係止保持片３４の回動により、その係止
突子３５が係止片３０の係止部３３に係合され、
そのため係止片３０は復帰回動されず歯板２７は
扇形歯車２５より離隔した状態に保持される。

この状態からバツクフレーム部１２をリターン
スプリング３９の偏倚力に抗して引き起すと、扇
形歯車２５の当接片３７は、係止保持片３４の隆
起部３６より離隔し、そのため係止保持片３４は
スプリング３８の偏倚力により回動されてその係
止突子３５と係止片３０の係止部３２との係合が
解除される。係止片３０はスプリング３３の偏倚
力により復帰回動されて歯板２７は扇形歯車２５
方向に摺動され、その歯形２５ａに噛合されて、
バツクフレーム１２は再び起立傾斜状態に保持さ
れる。

以上のようにしてリクライニング装置１３は傾
動調節動作と、前倒れ動作が行われる。

また、本例においてはクツシヨンフレーム１１
の両側中空フレーム部１１ａ，１１a′の中空部下
部にスライトレール１８，１８′のアツパーレー
ル１８ａ，１８a′を内設して中空フレーム部１１
ａ，１１a′と一体化し、床面側に固定されるロア
レール１８ｂ，１８b′に対して摺動可能に嵌挿さ
れている。

なお、本例はシートバツクを片側ロツクする構
成であるが、両側ロツクの場合はリクライニング
装置１３をクツシヨンフレーム１１の両側中空フ
レーム部１１ａ，１１a′に対称的に内蔵すればよ
い。

また両側中空フレーム部１１ａ，１１a′は閉鎖
断面に限ることなく断面コ字状等中空部を形成し
得る断面形状を有するものであればよく、リクラ
イニング装置が内蔵される部分の形状はシートの
形状に応じて設定できる。

以上の説明はリクライニング装置をクツシヨン
フレーム側に内蔵した場合であるが、これをバツ
クフレーム側に内蔵することができる。即ちバツ
クフレームの側部フレームの少なくとも下部を中
空状に形成し、この中空部にリクライニング装置
を上述のクツシヨンフレームの中空フレーム部に
内蔵する場合と同様に内蔵すればよいので図示及
びその詳細な説明は省略する。

以上のように本発明によればリクライニング装
置は従来の如きブラケツトを省き、クツシヨンフ
レーム又はバツクフレーム内に直接構成部材を組
込んで構成するので、取付け用のナツト、ボルト
等が不要となり、部品点数が削減できると共に組
付け工程が簡略化できてコストを低減することが
でき、しかもフレームに対する取付強度が向上さ
れる。

また本発明装置はフレーム内側を利用すること
により厚さ方向の制約が少く、設計上の自由度が
大となり、またフレーム外側への突出部がないの
で安全性が改善されると共に狭い車室内でも他の
動作等の支障となることなく、フレームの外観上
もすつきりして体裁が良好となる。

そして内部構成は、シートバツクが係合連結さ
れる回動軸のクツシヨンフレーム側に対する係合
を解除する係合解除機構を配すると共にシートバ
ツクの前倒れ回動状態における係合解除保持機構
を配したことにより、シートバツクの傾斜調節は
回動軸の係合解除状態で行い、前倒れにおいては
回動軸の係合解除状態が保持されて、シートバツ
クの傾斜調節を円滑かつ迅速に行うことができる
と共に前倒れ状態からの引き起し回動も何等の抵
抗もなく円滑に行えその作動性が著しく向上され
る。

更に、リクライニング装置自体はクツシヨンフ
レームに対するバツクフレームの回転中心、即ち
回動軸の外周部に係止部が設けられ、この係止部
に対する可動係止部材が回動軸に対して直交方向
に可動して係止動作が行われるので従来の如き可
動係止部材が回動軸に対して軸方向に可動される
ものに比し薄く、しかもコンパクトに構成できて
取付けが簡便になる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用座席のシートフレームの
斜視図、第２図は本発明を適用した車両用座席の
シートフレームの一例の分解斜視図、第３図は同
要部の分解斜視図、第４図は本発明によるリクラ
イニング装置の一例の一部截断した側面図、第５
図は第４図におけるＡ―Ａ線断面図、第６図は同
リクライニング装置の各機構の分解斜視図であ
る。 図中１１はクツシヨンフレーム、１１ａ，１１
a′は中空フレーム部、１２はバツクフレーム、１
４は操作軸、１５は回動軸、２５は扇形歯車、２
７は歯板、２９はピン、３０は係止片、３４は係
止保持片、３７は当接片である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クツシヨンフレームの少なくとも一部を形成
   する中空フレーム部と、 バツクフレームの下部に固定されるブラケツト
   と、 上記中空フレーム部に外端部を突出させて軸支
   され、外端部に係合部が形成された回動軸と、 上記回動軸に上記中空フレーム部内において軸
   着される扇形歯車と、 上記中空フレーム部内に上記扇形歯車に対して
   接離方向に摺動自在に取付けられる歯板と、 上記中空フレーム部に軸支される操作軸と、 上記操作軸に上記中空フレーム部の内側におい
   て軸着され、上記歯板を摺動動作させる係止片
   と、 上記中空フレーム部に回転可能に枢着され、上
   記係止片と係合する係止保持片と、 上記扇形歯車に設けられ、上記係止保持片と当
   接する当接片と、 上記ブラケツトの内面側に固着され上記回動軸
   の外端部の係合部に係合する係合部材とを有し、 上記操作軸により上記係止片を回転させること
   により、上記扇形歯車と上記歯板との噛合を解除
   させて上記回動軸を回動可能となし、シートバツ
   クは後方又は前方へ傾斜調節され、シートバツク
   が所定位置より前方へ回動したとき、上記当接片
   と上記係止保持片が当接し、上記係止保持片を回
   転させて上記係止片と係合させ上記扇形歯車と上
   記歯板との噛合解除状態を保持するようにしたこ
   とを特徴とする車両等の座席におけるリクライニ
   ング装置。