JPS6364918A - ジルコニアの製造方法 - Google Patents

ジルコニアの製造方法

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JPS6364918A
JPS6364918A JP20798386A JP20798386A JPS6364918A JP S6364918 A JPS6364918 A JP S6364918A JP 20798386 A JP20798386 A JP 20798386A JP 20798386 A JP20798386 A JP 20798386A JP S6364918 A JPS6364918 A JP S6364918A
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JP
Japan
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zirconium
acid
zirconia
slurry
leachate
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JP20798386A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Matsubara
宏之 松原
Yoshiharu Kobayashi
小林 美春
Yutaka Konose
豊 木ノ瀬
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はジルコニアの製造方法に関し、更に詳しくは堅
い染果物を含有しない、分散性の良好な高純度のジルコ
ニア微粉末の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、ジルコニアの微粉体は強銹電体、圧電体、触媒担
体、固体電解質、耐熱材、耐摩耗材、研摩材等の焼結体
原料、あるいは光学ガラス添加剤、溶射材、顔料等の幅
広い分野に利用されている。これらの用途に使用されて
いるジルコニア賀微粉体は、ジルコニア単独成分よりな
るもの、およびマグネシア、カルシア、イツトリア等の
安定化剤を含む複数成分よりなるものがある。
一方、近年、ファインセラミクスに関する研究開発が活
発化している中て、ジルコニア質セラミックスの優れた
物性か注目され、高機能性電子セラミック材料、高強度
、高しん性セラミック材料等としての用途が広まりつつ
あり、これらの原料となる高品質のジルコニア微粉体の
需要が増加している。
従来、ファインセラミクス用としての高純度のジルコニ
アの一般的な製造方法としては、出発原料としてオキシ
塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等のジルコニウム
塩を使用し、これらの塩の水溶液から中和反応、あるい
は加水分解反応によりジルコニウムの水酸化物や水和物
の沈殿を生成し、これを脱水、乾燥、焼成する方法か提
案されてきた。その具体的な方法としては、オキシ塩化
ジルコニウムの水溶液にアンモニア水等のアルカリを添
加して中和し水酸化物を生成し、これをか過、洗浄、乾
燥し、更に焼成する方法か行われている。
しかしながら、この方法では、アルカリで中和してジル
コニウムの水酸化物の沈殿を生成する際に、オキシ塩化
ジルコニウム中に不純物として存在する、Fe、 Ai
’、 Ti、 Si等が水酸化物としてジルコニウムの
沈殿に同伴して混入するために、精製された原料を使用
しなければならず、通常は再結晶により不純物を除いた
オキシ塩化ジルコニウムを出発原料として使用していた
また、ジルコニウムの水酸化物の沈殿を脱水、乾燥する
過程で、粒子か互いに強く結合した堅い擬集塊を形成し
、この形状が焼成後も保持されるために十分な粉砕操作
を加えなければジルコニアの微粉体を得ることができず
、また得られたジルコニアの微粉体もファインセラミク
ス原料として満足な品質を有するものではなかった。
このためジルコニウムの水酸化物の沈殿を脱水乾燥する
過程において、堅い凝集塊の形成を防ぐ目的で、ジルコ
ニウムの水酸化物の沈殿を有機溶媒に分散させ蒸留して
水分を除去した後、有機溶媒を分離して焼成する方法、
噴霧乾燥する方法または凍結乾燥する方法等種々の製造
方法か提案されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも特殊な装置を必
要としたり、有機溶媒を多量に使用する等、工業的製造
方法としてはコスト高となる欠点を有していた。
また、従来法のうち、ジルコニウム塩を加水分解して水
酸化物や水和物を生成するいわゆる加水分解法では、一
般に加水分解の反応速度か非常に遅いために、分解反応
に加熱下で数十時間〜数日間を要し、また分解生成物の
収率も低い、更に、分解反応時のジルコニウム濃度も0
.5モル/R又はそれ以下と低いために、生産量に比し
て大容量の反応槽を必要とし、反応効率が低いために工
業的に有利な方法とは言えずコスト高となる欠点を有し
ていた。
他方、ジルコニウムのアルコキシド、例えばジルコニウ
ムイソプロホキシト等のアルコキシドを原料として、こ
れを有機溶媒中で加熱して加水分解する方法かあるが、
この方法は原料価格が高く、コスト高になり、工業的な
ジルコニアの製造方法として不利である。
一方、最近、ジルコン砂と石灰質粉末との混合物をベレ
ット化して焼成し、得られたクリンカーを比較的濃い塩
酸に溶解した後、中和してジルコニアを製造する方法か
提案されている。(特公昭61−25658号公報) しかしながら、この方法はジルコニアを回収率よく大量
に経済的に製造することを目的とするもので、回収され
たジルコニアにはジルコン砂の鉱石中の不純物が製品に
随伴してくるためにその分離か不充分であり、純度にお
いて満足すべき結果を得ることができない欠点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記の様な従来法の欠点を克服し、通常の工業
的操作により、ファインセラミクス用を始めてとして前
記の各種用途に使用することができる粒子径の小さい、
堅い二次凝集物を含有しない、分散性の良好な、焼結性
の優れた高純度のジルコニアの微粉体を、不純物含有ジ
ルコニウム原料浸出液より直接得ることのできる工業的
に有利な方法を提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段]及び[作用コ本発明者
等は、従来法の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果
、ジルコンサンドに石灰等のカルシウム源を混合し、電
融急冷して得られるジルコニウム含有生成物を塩酸で浸
出し、得られたジルコニウム含有浸出液に硫酸を加えて
ジルコニウムの沈殿を析出させ、これをアンモニアて中
和した後脱水、洗浄、乾燥、焼成することにより、ファ
インセラミクス用原料として使用可源な高純度で、かつ
粒子径の小さい、堅い凝集物を全く含有しない分散性の
良いジルコニアの微粉体か得られることを見い出して本
発明を完成した。
即ち、本発明はジルコンサンドとCaO含有原料との原
料混合物を加熱溶融した後、急冷および粉砕して酸可溶
性溶融生成物を得る溶融生成工程、次いで該酸可溶性溶
融生成物と稀塩酸水溶液とを接触させて生成した酸可溶
性溶融生成物スラリーからジルコン酸カルシウム分と珪
酸カルシウム分を選択的に溶出分離するジリコニウム分
の濃縮工程、次いで該ジルコン酸カルシウム分を濃塩酸
と接触溶解してジルコニウム浸出液を回収する浸出工程
、次いでジルコニウム浸出液に硫酸を添加して不溶性の
ジルコニウム塩の沈殿を生成させるジルコニウム回収工
程、次いで該ジルコニウム塩の沈殿の分離および洗浄後
のスラリーをアルカリで中和して水酸化ジルコニウムと
して回収する水酸化工程、次いで該水酸化ジルコニウム
を乾燥、焼成および粉砕してジルコニア粉末とするジル
コニア工程からなることを不溶化するジルコニアの製造
方法である。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明に係わるジルコニアの製造方法は、まず、溶融生
成工程において、出発原料のジルコンサンドとCaO含
有原料との原料混合物を加熱溶融した後、急冷および粉
砕して酸可溶性溶融生成物1を得る。
本発明において使用される原料のジルコンサンドは、市
販品をそのまま使用することができるか、必要に応じて
粉砕操作を加えても良い。
また、CaO含有原料としては、生石灰、消石灰、各種
の炭酸カルシウムなどが使用でき、必要に応じて粗砕、
あるいは造粒して使用することができる。
本発明に8いて、ジルコンサンドとCaO含有原料との
混合割合は重要であり、溶融生成物の組成を考慮して定
める必要かある0本発明では、ZrO□とCaOのモル
比が一定の値になるように原料を混合し1次いで溶融急
冷する。この場合の溶融生成物内の反応は、基本的には
下記の式(I)に示す反応に従うものと考えられる。
Zr5iO,+ 3C’aO→Zr(:aO,+2Ca
O−8iOt ・・−(I )上記の式(1)に示され
るように、ジルコンサンドと生石灰の割合はZrozl
モルに対してCa03モルであるが、実際の反応におい
ては原料に含有されている不純物、原料混合の多少の不
均一性等があるので、Zr021モルに対してCaOを
2.5モル以上、好ましくは2.8〜4モルが望ましい
次いで、原料混合物を1500〜2600℃、好ましく
は1700〜2400℃に加熱溶融したのち、溶融生成
物を水砕等により急冷する。この操作は、通常、タップ
口を備えたアーク炉を使用し、溶融生成物はタップ口よ
り流出し、これに高圧水流を吹きつけて水砕急冷する。
水砕急冷することにより、溶融生成物中のジルコニア成
分を酸可溶性にすることができ、急冷アモルファス化又
は酸可溶性ジルコン酸カルシウム(CaZrOs)を得
ることができる。
本発明者等の研究によれば、ジルコンサンドと生石灰を
使用してZr0.1モルに対してCaOを2.5モル以
上、例えば3モル混合して溶融し、溶融生成物を水砕し
て急冷した場合は、X線回折分析ではCaZr03(J
CPDSカート 35−790.1985年)のX線回
折ピークのみか現れ、2CaO・Sin、は非晶質化し
ている。これに対して溶融生成物を徐々に冷却した場合
は、CaZrO3のX線回折ピークの他に、0.8SZ
rOa ・0.l5CaO(JCPDSカード 26−
341.1976年)又はZr02(JCPDSカート
 17−923.1967年)類似のXMA回折ピーク
が出現する。
他方、Zrozlモルに対してCaOを2.5モル未満
混合して溶融し、溶融生成物を水砕して急冷した場合に
は、CaZrO3の他に0.85ZrOt・0.15C
aO、あるいはZrO2類似のピークが出現する。また
、Zr021モルに対してCa02モルを混合して溶融
した場合、溶融生成物の急冷量には、もはや(:aZr
OxのX線回折ピークは出現せず、0.852rO□・
0.15CaO又は2rO□類似のピークのみとなる。
ここで0.85ZrO,・0.15CaOとZrO,は
、はとんど類似のX線回折パターンを示しており、実際
はZrO2に対してCaOが0〜0.15モル固溶した
ものが生成していると推定される。
さらに、本発明者等は、各種溶融生成物について、その
中のジルコニア成分の塩酸に対する溶解(溶出)性につ
いて検討した。その結果、X線回折分析でCaZrO3
のみが認められた溶融生成物は、2N以上の塩酸でほぼ
100%ジルコニア成分か溶出することが判明した。こ
れに対してX線回折分析でCaZrO3の他に0.8S
ZrOz ・0.l5CaO又はZr0aか認められた
溶融生成物は、0.8SZr02・0.15CaO又は
ZrO□のピーク強度が大きくなるにつれてジルコニア
成分の溶出率が低下することか判明した。そして溶融生
成物中にCaZr0iの回折ピークが無く、Q、85Z
rOz ・0.15CaO又はZrO,の回折ピークの
みの場合は2N〜IINの塩酸に溶解した場合でもジル
コニウム成分の溶出率は50%以下であった。
以上の知見より、ジルコンサンドとCaO含有原料の混
合物を溶融して、溶融生成物中のジルコニア成分を酸可
溶性にするには、溶融生成物がX線回折分析で非晶質あ
るいはCaZrO3結晶相のみが得られる組成物にする
ことが特に!l!ffであり、そのためにはCaOを1
r02に対して2.5モル以上になるように添加混合し
、かつ溶融生成物を急冷して、0.85ZrOa ・0
.15CaO又はZr02の生成を防ぐことが必要であ
る。
このようにして得られた酸可溶性溶融生成物は、粉砕し
て、粒度150μ■以下、好ましくは100μ■以下の
粉末にr!R整することが望ましい。
粒度が150μmをこえる場合には、次工程の稀塩酸で
の溶出想理の際に、粒子表面にSiO2のコロイドの凝
集か生じて溶出速度および分離性か悪くなる。
次に、ジルコニウム分の濃縮工程において、前記酸可溶
性溶融生成物と稀塩酸水溶液とを接触させて生成した酸
可溶性溶融生成物スラリーからジルコン酸カルシウム分
と珪酸カルシウム分を選択的に溶出分離する。f4塩酸
水溶液に酸可溶性溶融生成物を分散したスラリー中のH
ClJ 6度が2N未満の条件下で溶出を行うことによ
り、酸可溶性溶融生成物中のカルシウム分やシリカ分を
できるだけ多く溶出することができる。その反応式は下
記の式(II)で示すとおりである。
Ca1rOx+ 2CaO−3iO,+ 48Cf  
−一→CaZrO3+ 2CaCRz+ 5iOa+ 
2H20−(TI )具体的には、上記の式(II)に
示される反応式のIC1)の当量の1.0〜1.2倍の
量を使用し、水で希釈して2N未満の濃度の塩酸水溶液
に調製して溶出を行い、溶出残渣のジルコン酸カルシウ
ム分を分離して回収する。
次いで、ジルコニウム分の浸出工程において、前記溶出
工程で得られたジルコン酸カルシウム分を濃塩酸と接触
溶解してジルコニウム侵出液を回収する。ジルコン酸カ
ルシウム分を濃塩酸水溶液に浸漬し、スラリー中のHC
I!W度が2N以上の条件下で浸出を行い、ジルコニウ
ム分を浸出する。
具体的には、前記工程の溶出残渣のジルコン酸カルシウ
ム分に下記の式(m) CaZr03+ 4HCi!−)ZrOCj)、+ 2
8.0+ CaC1’z・・・(m) で示される反応式のHCl)の当量の1.0〜1.2倍
の量を使用し、2N以上の塩酸濃度で浸出を行う。
また、上記の濃縮工程および浸出工程のいずれの工程に
おいても、溶出液または浸出液中のスラリー濃度につい
ては特に限定はなく、所望の塩酸濃度か満たされていれ
ばよい。
この場合の溶出または浸出については、特に限定はない
ものの、一般に加温したほうが溶出または浸出速度は早
いよってあり、50〜100℃が好適である。
尚、前記酸可溶性溶融生成物を塩酸で進出する場合、2
N以上の塩酸で一段階で浸出することも可能であるか、
この場合は浸出液中にジルコニウムと共にカルシウムや
シリカも浸出され、このうちシリカについては一旦浸出
液中に溶存したものが加水分解により不溶性のシリカ沈
殿となり、その後の固液分離が非常に困難になる。
したがって、酸可溶性溶融生成物を塩酸で浸出する場合
は、本発明における様に、あらかじめ2N未満の塩酸で
浸出して溶融生成物中のカルシウム分やシリカ分をでき
るだけ多く溶出させ、次いて浸出残渣な2N以上の塩酸
に溶解してジルコニウム分を浸出する二段階浸出が工業
的には有利な方法であり、本発明の特徴の1つである。
次に、ジルコニウム回収工程において、前記の浸出工程
により得られたジルコニウム浸出液に硫酸を添加して不
溶性のジルコニウム塩の沈殿を生成せしめる。
前記の浸出工程により得られたジルコニウム含有浸出液
中には、まだジルコニウムの他にカルシウムや更にジル
コンサンド中の不純物としてA2゜Fe、 Ti、 S
t等が含有されている0本発明のジルコニアの製造方法
は、この不純物含有ジルコニウム浸出液より高純度ジル
コニアを直接得ることに特徴を有するものであるが、そ
のためには浸出液中に硫酸を添加して、酸性の下でジル
コニウムの沈殿を析出させる。
本発明において使用される硫酸の添加量は、不純物を含
有するジルコニウム浸出液中のZrO,1モルに対して
0.2〜0.6モル、好ましくは0.3〜0.4モルが
望ましい。添加量が0.2モル未満の場合には、不溶性
ジルコニウムの沈殿は生成せず、外観的にはシリカゾル
に似たうすい乳白色の溶液のままであり、また添加量か
0.6モルをこえると硫酸使用量が増加するにもかかわ
らず、それに見合う効果は期待できず、逆に硫酸濃度の
上昇につれて不溶性ジルコニウムの沈殿の再溶解がはじ
まる。
この様に本発明のジルコニアの製造方法における沈殿生
成反応はZrO□に対する)1.SO,の添加量が0.
2〜0.6モルと少ないにもかかわらず、ジルコニウム
浸出液中のジルコニウムの95%以上の沈殿析出か可能
である。したがって、生成する不溶性のジルコニウムの
沈殿はジルコニウム硫酸塩の沈殿生成反応より得られた
ものたけてはなく、ジルコニウム水和物の加水分解生成
反応に近いものも同時に生成していると思われる。この
場合、硫酸の添加効果については十分明らかではないが
、ジルコニウム硫酸塩の沈殿生成に消費されると共に、
ジルコニウム浸出液中ではジルコニウムはいくつかのジ
ルコニウムイオンから構成される多核錯イオンの状態で
存在しているものと思われ、この多核錯イオン間の反応
を触媒的に促進して加水分解反応を促進させる効果があ
るものと思われる。
1tL酸を添加してジルコニウム浸出液より不溶性のジ
ルコニウムの沈殿を生成させる反応の温度については、
特に限定はないが、加熱状態のほうが反応が早く進行す
るため、通常50〜100℃の間か望ましい。
また反応時間については、反応温度との関連により決定
されるが、通常1〜4時間で十分である。1時間未満で
は沈殿生成反応がまた十分に進行しておらず、また4時
間をこえて反応を継続した場合でも沈殿の析出率は頭打
ちとなり収率の向上にはほとんど寄与しない、なお、本
発明において、反応待間か1〜4時間でよいと云うこと
は、通常の加水分解反応と比べて極めて短時間で終了す
ると云う特徴を有する。
また、硫酸を添加するジルコニウム浸出液中のジルコニ
ウム濃度はZrO,で3〜15重量%、好ましくは5〜
10重量%の範囲が望ましく、3重量%未満の場合には
生成する不溶性の沈殿が極めて微細なものとなり、固液
分離が困難になり、また分離した沈殿を乾燥した場合、
シリカゲル状の堅い凝集塊を生ずる等の問題を有し、ま
た15重量%をこえると沈殿生成反応が遅く、ごく僅か
しか沈殿が生成しない。
このようにして得られた不溶性ジルコニウムの沈殿生成
物は強酸性領域から析出しているので、浸出原料液中の
Ail、 Ti、 Fe、 Si、 Ca等の不純物は
液偏に溶存したままであり、極めて純度の高いものか得
られる。
次に、水酸化工程において、前記回収工程で生成した不
溶性のジルコニウム塩の沈殿の分離および洗浄を行った
後のスラリーをアルカリで中和して水酸化ジルコニウム
として回収する。
具体的には、前記回収工程で得られた不溶性のジルコニ
ウムの沈殿を固液分離した後、水にリパルプし、使用し
た硫酸に対して出量の1.0〜1.2倍量のアンモニア
水を加えて中和後、ジルコニウムの水酸化物として固液
分離して回収する。
次に、ジルコニア工程において、前記水酸化ジルコニウ
ムを乾燥、焼成および粉砕してジルコニア粉末を得る。
乾燥は通常の加熱乾燥法の外、噴霧乾燥、凍結乾燥等任
意の方法で行うことができる。
本発明によって得られる乾燥物は、堅い髪集塊を全く含
まず、指圧により容易にほぐれる分散性の良い粉末であ
り、この特性は乾燥後の焼成操作後も保持される。
焼成は通常200〜1000℃の温度で30分〜数時間
行う、この様にして得られるジルコニア微粉体は強固に
結合した堅い凝集塊を全く含まず、カサの大きい分散性
の良好な粉末である。
本発明の方法によって得られるジルコニア微粉体は、各
種焼結体の原料として、そのまま使用することができる
が、これを粉砕することにより、粉体特性を改良するこ
とも可能である。この場合の粉砕方法としては乾燥法、
あるいは湿式法のいずれでも良く、その他の公知の方法
を任意に実施することができる。
[実施例] 以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する
が、本発明の方法はこれに限定されるものではない。
実施例1 ZrO2とCaOのモル比が1=3になるように、ジル
コンサンドと生石灰を秤量し、均一に混合した後、電炉
で溶融した。このときの溶融物の加熱溶融温度は230
0℃であった。つぎに溶融物に水流をあてて急冷し、乾
燥粉砕して溶融生成物を得た。
この溶融生成物を分析した結果、Zr0t 34.8%
、Ca047.7%、5if216.9%の組成を有し
、粒度は篩により ISOIAM以下全通とした。また
X線回折分析ではCa7.rOsの回折ピークのみが同
定された。
次に、■of!ガラス製ビーカビ−カー、5!Q、35
%塩酸750gを入れ、攪拌しながら溶融生成物粉砕品
350gを加えて加温し、90℃で2時間保持した0次
いて、このスラリーを炉別し、ろ液中のZroae度を
測定したところ95ppmであり、溶融生成物中の組成
分析結果より計算すると、ZrO2の浸出率は0.67
%であった。
炉別により得られた浸出残渣を少量の水でI!!ビーカ
ーに洗い出し、35%塩酸250 gを加えて全量を5
001にしたのち攪拌しながら加熱し、 90”Cで2
時間保持した0次いで、このスラリーを炉別し、濾過ケ
ーキを洗浄してジルコニウム含有浸出液600■2を得
た。浸出液中のZrO2濃度を測定したところ20.1
%であり、溶融生成物中の組成分析結果より計算すると
ZrO,の浸出率は99.0%であった。なお浸出液中
にはCa、 Fe、^j)、 Ti、 Si等の不純物
が含まれており、定量した結果、ZrO,に対する酸化
物換算で、Ca03:1.2%、^1)2030.60
%、Fe、030.07%、Na、00.旧%、5iO
J、74%、Tie。
034%であった。
次に、li!ビーカーに、この浸出液184gと水30
0gを入れて攪拌しながら加熱し、50℃になったとき
、98%硫酸9gを添加した。更に攪拌を継続して80
℃になったとき、ジルコニウムの不溶性沈殿が生成した
。更に、80〜90℃で1時間保持した後、反応を停止
した。固液分離した後、ろ液中のZrO2を分析したと
ころ1100pp■であり、溶存ジルコニウムのうち9
8.5%が沈殿析出した。
不溶性沈殿を固液分離し、濾過ケーキを水にリパルプし
て、更に28%アンモニア水13gを加えて中和し、得
られたジルコニウムの水酸化物を固液分離し、洗浄して
付着する硫酸根を除去した。
水酸化ジルコニウムの濾過ケーキは電気オーブン中て 
110°Cで8時間乾燥した。乾燥粉末はゆるく凝集し
たカサ高いものであり、指圧により容易にほぐすことが
できた。この乾燥品を800℃で1時間焼成した。得ら
れた焼成品は堅い凝集塊を全く含まず、分散性の良い単
斜晶系ジルコニアであり、X線回折より求めた結晶粒子
径は約180人、カサ密度0.75g/cm’、タップ
密度1.28g/cm’、比表面植は26m”/gであ
った。また、ZrO,中の主な不純物はAR20z 3
2ppm、 Fed311ppm、 Tie、 960
ppm。
Ca0114ppm、 5in2240ppmであった
実施例2 500■Pビーカーに実施例1と同様のジルコニウム含
有浸出液(ZrOt 20.1%) 184 gと水1
77gを入れ攪拌しながら加温し、40℃になったとき
98%硫酸9gを添加した。更に攪拌を継続して、5分
間保持したとき、ジルコニウムの不溶性沈殿が生成し始
めた。沈殿が生成してから、80〜90°Cで2時間保
持した後、反応を停止した。固液分離した後、ろ液中の
ZrO,を分析したところ0.73%であり、溶存ジル
コニウムのうち92.7%か沈殿析出した。
不溶性沈殿を固液分離し、以下実施例1と同様に、リパ
ルプ、中和、洗浄、乾燥、焼成してジルコニア粉末を得
た。
得られた粉末は堅い凝集塊を全く含まず、分散性の良い
単斜晶系ジルコニアであり、x!1回折より求めた結晶
粒子径は約 170人、カサ密度0.78 g/cmコ
、タップ密度1.31g/am3、比表面積は21重”
/gてあった。また、ZrO2中の主な不純物はAl2
O−r 40ppm、 FezO313ppm、Ti0
z 910ppm、Ca083pp■、SiO□180
ppmであった。
比較例1 1r02と CaOのモル比が1=2になるようにジル
コンサンドと生石灰を秤量し、実施例1と同様に電炉て
溶融した。このときの溶融物の温度は1900℃であっ
た。
次に、前記溶融物に水流をあてて急冷し、乾燥粉砕して
溶融生成物を得た。この溶融生成物を分析した結果、Z
r0.40.1%、Ca036.8%、5i020.1
%の組成を有していた。X線回折分析で生成物を同定し
たところCa2rO+の回折ピークは無く、0.85Z
rO,・0.l5CaO又はZrO,の回折ピークのみ
認められた。
次に、5.5N塩#12に、この溶融生成物(篩により
 150μ■以下全通の微粉末)20gを入れ、攪拌し
ながら90〜100℃で2時間かけて2「を浸出した。
スラリーを炉別してか液中のZrO,を分析したところ
、3450pp■てあり、溶融生成物の組成分析結果よ
り計算すると、ZrO,の浸出率は43.0%であった
。このようにZrO,に対するCaOのモル比か2モル
のときは、溶融生成物は0.85ZrO,・O,15C
aO又はZ「02が得られ、このものは塩酸でZr02
を浸出しても浸出率は50%以下であり、ジルコニウム
浸出用の酸可溶性原料としては不十分である。
比較例2 実施例1のジルコニウム含有浸出液(ZrO。
20.1%) 184 gと水300gをIf!のビー
カーに入れ、攪拌しながら加熱し、50℃になったとき
98%硫酸6gを添加した。更に、攪拌を継続し、80
〜90℃で2時間攪拌を継続したが、不溶性ジルコニウ
ム塩の沈殿は生成せず、うすい乳白色の溶液のままであ
った。このように、ZrO2に対するH、SO。
のモル比が0.2モル未満では不溶性の分離可濠なジル
コニウムの沈殿は生成しないことが判明した。
比較例3 実施例1のジルコニウム含有浸出液(ZrO。
20.1%) 184 gと水300 gをl!!ノビ
ーカーニ入れ、攪拌しながら50℃に保持した0次に、
ここへアンモニア水を滴下して中和し、pH7〜8でア
ンモニア水の滴下をやめ、攪拌しながら50℃で1時間
保持した。スラリーを炉別した後、水でパルプし、十分
洗浄した後、濾過し、電気オーブン中で120℃で8時
間乾燥した。
得られた乾燥品はシリカゲル状の極めて堅く結合した凝
集塊であり、乳鉢を用いて磨砕しても均一な微細粉末は
得られず、手ざわりのあるザラザラした粉末であった。
また不純物含有量もAI!、0.1320ppm、Fe
、03470pp−1CaO25ppm、  Sin、
  400ppm、 Tie、  22O40ppであ
った。
[発明の効果] 以上説明した様に1本発明のジルコニアの製造方法は、
不純物を含有する原料のジルコンサンドより通常の工業
的操作により、粒径の小さい、堅い二次凝集物を含有す
ることがなく、分散性の良好な、焼結性の優れた高純度
のジルコニアの微粉体を工業的に安価に提供することか
できる優れた効果がある。
本発明の方法により製造された高純度のジルコニアの微
粉体はファインセラミックス原料を始めとして各種の用
途に利用することかでき、極めて有利なものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ジルコンサンドとCaO含有原料との原料混合物
    を加熱溶融した後、急冷および粉砕して酸可溶性溶融生
    成物を得る溶融生成工程、次いで該酸可溶性溶融生成物
    と稀塩酸水溶液とを接触させて生成した酸可溶性溶融生
    成物スラリーからジルコン酸カルシウム分と珪酸カルシ
    ウム分を選択的に溶出分離するジリコニウム分の濃縮工
    程、次いで該ジルコン酸カルシウム分を濃塩酸と接触溶
    解してジルコニウム浸出液を回収する浸出工程、次いで
    ジルコニウム浸出液に硫酸を添加して不溶性のジルコニ
    ウム塩の沈殿を生成させるジルコニウム回収工程、次い
    で該ジルコニウム塩の沈殿の分離および洗浄後のスラリ
    ーをアルカリで中和して水酸化ジルコニウムとして回収
    する水酸化工程、次いて該水酸化ジルコニウムを乾燥、
    焼成および粉砕してジルコニア粉末とするジルコニア工
    程からなることを特徴とするジルコニアの製造方法。
  2. (2)原料混合物はモル比CaO/ZrO_2が2.5
    以上の範囲に配合した混合物である特許請求の範囲第1
    項記載のジルコニアの製造方法。
  3. (3)酸可溶性溶融生成物はX線回折上非晶質又はCa
    ZrO_3結晶相のみが認められるものである特許請求
    の範囲第1項記載のジルコニアの製造方法。
  4. (4)酸可溶性溶融生成物は粒度150μm以下の粉末
    である特許請求の範囲第1項又は第3項記載のジルコニ
    アの製造方法。
  5. (5)ジルコニウム分の濃縮工程はスラリー中のHCl
    濃度が2N未満で行う特許請求の範囲第1項記載のジル
    コニアの製造方法。
  6. (6)ジルコニウム浸出工程はスラリー中のHCl濃度
    が2N以上で行う特許請求の範囲第1項記載のジルコニ
    アの製造方法。
  7. (7)ジルコニウム回収工程はモル比H_2SO_4/
    ZrO_2が0.2〜0.6の範囲で硫酸を添加してジ
    ルコニウム分を不溶化する特許請求の範囲第1項記載の
    ジルコニアの製造方法。
  8. (8)中和工程におけるアルカリ剤がアンモニアである
    特許請求の範囲第1項記載のジルコニアの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5229549A (en) * 1989-11-13 1993-07-20 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Ceramic circuit board and a method of manufacturing the ceramic circuit board
EP0708742A4 (en) * 1993-06-30 1997-05-28 Tech Resources Pty Ltd Opacity means based on zirconia
JP2005170719A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Nippon Denko Kk 明度および白色度が高い酸化ジルコニウム粉末、その焼結体及びその製造方法

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