JPS6364845B2 - - Google Patents

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JPS6364845B2
JPS6364845B2 JP9008782A JP9008782A JPS6364845B2 JP S6364845 B2 JPS6364845 B2 JP S6364845B2 JP 9008782 A JP9008782 A JP 9008782A JP 9008782 A JP9008782 A JP 9008782A JP S6364845 B2 JPS6364845 B2 JP S6364845B2
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powder
zinc
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、導電ペースト(paste)に関し、更
に詳細には、磁器コンデンサ、磁器バリスタ等を
形成するための磁器に、焼成即ち焼付で電極導電
層を形成するのに好適な導電ペーストに関するも
のである。 従来は磁器に電極を形成するために、主として
銀粉末とガラスフリツト(frit)とビヒクル
(vehicle)とから成る銀ペーストを使用してい
た。このような銀ペーストを使用して例えば磁器
コンデンサ電極を作ると、所望の静電容量、誘電
正接(tanδ)、及び電極の引張り強度を有する磁
器コンデンサを比較的容易に得ることが出来る。
しかし、銀は貴金属であつて高価であり、必然的
に磁器電気部品のコストも高くなつた。 そこで、本発明の目的は、実用可能な性質を有
した比較的低コストの磁器に使用するための導電
ペーストを提供することにある。 本発明の別の目的は磁器に対して十分な接着強
度を有する導電層を形成することが可能な導電ペ
ーストを提供することにある。 上記目的を達成するための本発明は、100重量
部の亜鉛(Zn)粉末と、0.01〜10重量部のガラス
粉末と、0.01〜14.99重量部の有機チタン化合物
と、ペースト状態にするために要求される適当量
のビヒクルと、から成り、且つガラス粉末の重量
部と有機チタン化合物の重量部との和が15重量部
以下とされていることを特徴とする磁器に焼成で
導電層を形成するための導電ペーストに係わるも
のである。 本発明の好ましい具体例では亜鉛(Zn)粉末
として、0.1μm〜15μmの球状Zn粉末が使用され
ている。しかし粒径が30μm以下で、平均粒径が
約0.1〜30μmの球状亜鉛粉末を使用することが可
能である。 本発明に於けるガラス粉末及び有機チタン化合
物は、両方とも無機結合剤及び亜鉛酸化防止剤と
して働く。ガラス粉末0.01〜10重量部、有機チタ
ン化合物0.01〜14.99重量部の範囲に於いて、
夫々の量を変えることが可能であるが、両者の合
計の重量部が0.02重量部より少ない場合には、無
機結合剤及び酸化防止剤としての効果が得られな
くなり、且つ均一に混合することが不可能になつ
て量産時に特性のバラツキが生じる。また、両者
の合計が15重量部よりも多い場合には、導電層の
電気抵抗が大きくなる。また、ガラス粉末及び有
機チタン化合物が0.01重量部より少ない範囲では
両者の相乗効果が得られない。またガラス粉末が
10重量部を越えた場合、及び有機チタン化合物が
14.99重量部を越えた場合には導電層の電気抵抗
が大きくなる。 尚、ガラス粉末と有機チタン化合物との好まし
い範囲を、横軸(X軸)をガラス粉末の重量部、
縦軸(Y軸)を有機チタン化合物の重量部として
示すと次の通りである。即ち、X=10とY=0.01
の点、X=9とY=3の点、X=8とY=6の
点、X=6とY=9の点、X=3とY=12の点、
X=0.01とY=14.99の点を順次に結ぶ線と、X
軸と、Y軸と、で囲まれた領域である。 本発明で使用するガラス粉末の粒径は好ましく
は325メツシユパスであり、その軟化点は好まし
くは400〜800℃の範囲である。従つて実施例では
325メツシユのフルイを通過する大きさの粒径を
有し且つ軟化点が560℃のPbO―B2O3―SiO2ガラ
ス粉末が使用されている。しかし、軟化点が約
430℃のPbO―B2O3ガラス粉末、軟化点が約620
℃のZnO―B2O3―SiO2ガラス粉末等であつても
よい。更にPb3O4、PbO、BaO、SiO2、B2O3
ZnO、ZrO2、CaCO3、Al2O3、Bi2O3等から選択
された複数の金属酸化物から成る軟化点が400〜
800℃の範囲の公知のガラス粉末即ちフリツトを
使用することができる。 本発明の実施例では、有機チタン化合物として
テトラキスステアロキシチタンTi(O―C17H354
の粉末が使用されている。しかし、テトラブトキ
シチタンTi(O―C4H94液等であつてもよい。即
ち、約500℃〜900℃の範囲の焼成で有機物が分解
し、チタン酸化物が生じるものであれば、どのよ
うな有機チタン化合物であつても使用可能であ
り、例えば一般式Ti(OR)4(但しRはアルキル基
又はアリール基)で表わされるチタン酸エステル
から選択された物質の溶液を使用してもよい。尚
粉末の有機チタン化合物を使用する場合は、粒径
が30μm以下であることが望ましい。また液状の
有機チタン化合物を使用する場合には、有機チタ
ン化合物の溶剤の分だけビヒクルの溶剤を少なく
する。 実施例ではTi(O―C17H354と軟化点が560℃
のPbO―B2O3―SiO2ガラス粉末との組み合せが
示されているが、500℃〜900℃の範囲の焼成で有
機物が分解してチタン酸化物が生じる種々の有機
チタン化合物と、軟化点が400℃〜800℃の範囲の
PbO―B2O3ガラス粉末、ZnO―B2O3―SiO2ガラ
ス粉末等とを組み合せても同様な効果が得られ
る。 本発明に使用することが可能なビヒクルは、好
ましくは、有機結合剤としての機能を有するエチ
ルセルロースを2〜20重量%の範囲で含むα―タ
ーピネオール液、又はニトロセルロース又はポリ
ビニルアルコールを2〜20重量%の範囲で含むα
―ターピネオール液等である。尚、溶剤として、
α―ターピネオールの代りに、ブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート、フタル酸ジ
オクチル等を使用することも可能である。要する
に、ビヒクルは電極形成時のペーストの焼成によ
つて消失し、導電層には実質的に残存しないの
で、公知の種々の有機ビヒクルを使用することが
可能である。このビヒクルの量は、ペースト状態
にするために要求される適当量であつて、亜鉛粉
末とガラス粉末と有機チタン化合物と必要に応じ
て付加する付加物質との合計重量(100重量%)
に対して10〜50重量%の範囲、好ましくは15〜25
重量%の範囲、最も好ましくは約19〜21重量%で
ある。なおビヒクルが10重量%より少なくなると
ペーストの粘度が高くなり過ぎ、50重量%を超え
るとペーストの粘度が低くなり過ぎる。 ところで、本発明に於いては、従来の銀ペース
トの銀粉末の代りに亜鉛粉末を使用している。こ
のように亜鉛粉末を使用することは、亜鉛粉末の
焼成状態の研究の結果決定された。これを第1図
を参照して説明すると、磁器基板1に亜鉛粉末を
含むペーストを塗布して亜鉛粉末の融点(419.5
℃)以上の温度で数十分間焼成した場合、亜鉛粒
子2の表面には酸化膜4が生じるが、ガラス及び
有機チタン5によつて粒子2が覆われるので、粒
子2の内部3に深く酸化が進行しないこと、及び
酸化膜4で覆われた亜鉛粒子2の内部3が溶融
し、内部3の体膨張率が焼成時間の経過と共に酸
化膜4の体膨張率よりも大きくなり、粒子2の内
部3から溶融亜鉛が酸化膜4を破つて飛び出し、
隣りの亜鉛粒子2と溶融結合(完全な焼結反応と
は異なる)し、導電層6が形成されることに着目
して本発明が完成した。 本発明に従う亜鉛粉末を使用した導電ペースト
(以下亜鉛ペーストと呼ぶ)のコストは、亜鉛粉
末のコストが銀粉末のコストの約1/200であるの
で、銀ペーストに比較して大幅に安くなる。 また、本発明に係わる導電ペーストで導電層を
形成する際の焼成を大気中で行うことが可能であ
るので、導電ペーストの使用方法が特別に難しく
ならず、量産に適したものとなる。 また好ましい実施例に示すように、本発明の導
電ペーストでSrTiO3系磁器半導体コンデンサの
電極を形成すると、銀ペーストを使用した磁器コ
ンデンサよりも、静電容量が大きくなる。従つて
コンデンサの小型化が可能になる。また本発明の
好ましい実施例で示すように、TiO2磁器バリス
タの電極を本発明に従う亜鉛ペーストで形成した
場合に於いても、電気的及び機械的特性の優れた
バリスタ(varistor)を得ることが出来る。 本発明に係わるペーストに、更にPb、Pb化合
物、Bi、Bi化合物、Pr、Pr化合物、Cu、Cu化合
物、Cd、及びCd化合物からなる群から選択され
た少なくとも1種の付加物質を0.01〜5重量部の
範囲で混入すると、導電層と磁器基板との結合状
態が良くなり、引張り強度が大きくなる。またコ
ンデンサの場合には、静電容量が大きくなり、
tanδが小さくなる。 尚、好ましい具体例では、上記付加物質とし
て、粒径が約0.1μm〜15μmのPb3O4(四三酸化
鉛)、Bi2O3(酸化ビスマス)、Pr6O11(11酸化6プ
ラセオシウム)、CuO(酸化銅)、CdO(酸化カドミ
ニウム)から成る群から選択された少なくとも1
種の金属酸化物を使用している。しかし、これに
限ることなく金属の単体であつてもよい。金属の
単体の場合は、磁器に導電層を形成する際の焼成
によつて酸化物に変換される。また上記金属酸化
物の代りに、PbO、PbO2、Pb(CH3COO)4、Pr2
(C2O43(シユウ酸プラセオジム)Cu2O、
BiC6H5O7(クエン酸ビスマス)、更に各金属の水
酸化物、炭酸塩や蓚酸塩等の塩、過酸化物等を使
用することが出来る。要するに、導電層を形成す
る時の例えば500℃〜900℃、10〜50分の焼成によ
つて最終的に金属酸化物になるものであれば、ど
のようなものでも使用可能である。 金属酸化物等の付加物質が0.01重量部未満であ
ると、静電容量、tanδ、引張り強さ等の改良効果
が実質的に現われなくなると共に、量産時にバラ
ツキが生じる。また5重量部よりも多くすると、
引張り強度が小さくなり、またコンデンサのtanδ
等が悪くなる。 以下、本発明の実施例について述べる。 実施例 1 亜鉛粉末100重量部(一定)に、第1表に示す
如く、ガラス粉末0.01〜10重量部及び有機チタン
化合物0.01〜14.99重量部加え、更に、ビヒクル
を亜鉛粉末とガラス粉末と有機チタン化合物との
和(100重量%)に対して約20重量%加えて15時
間撹拌混合し、試料番号1〜5の亜鉛ペーストを
作つた。 但し、上記亜鉛粉末には、粒径が0.1〜15μmの
球状粉末を使用した。またこの亜鉛粉末には、カ
ドミニウム(Cd)、鉄(Fe)等の不純物が約0.01
重量%含まれている純度のものを使用した。尚こ
の後に述べる各実施例に於いても同一のものを使
用した。またガラス粉末として、6重量部のPbO
と2重量部のB2O3と2重量部のSiO2とから成る、
軟化点が560℃で、粒径が325メツシユのフルイを
通過したガラス粉末(以下、ガラス粉末(A)と呼
ぶ)を使用した。また有機チタン化合物として、
粒径30μm以下のテトラステアロキシチタンTi
(OC17H354の粉末を使用した。 ビヒクルは、有機バインダ(binder)としての
エチルセルロースを5重量%添加したα―ターピ
ネオール液を使用した。尚この後に述べる各実施
例に於いても同一のものを使用した。 上述の如き組成の亜鉛ペーストの良否を判断す
るために、SrTiO3系半導体磁器基板に、上記亜
鉛ペーストを塗布し、焼成することによつて、第
2図に示すように、円板状磁器基板1にコンデン
サ電極としての導電層6を作り、この磁器コンデ
ンサの静電容量C(nF)、誘電正接tanδ
(dielectric loss tangent)、及び引張り強度T
(Kg)を測定した。 磁器コンデンサ、及びその製造方法及び特性測
定方法を更に詳細に説明すると次の通りである。
上記SrTiO3系半導体磁器基板1は、98.8モル%
のSrTiO3と、0.8モル%のGeO2と、0.4モル%の
Nb2O5とから成る磁器材料に、有機バインダとし
てポリビニールアルコールを付加して混合したも
のを約1トン/cm2の圧力で成形し、この成形品を
N2(98容積%)+H2(2容積%)のガス雰囲気炉
で1420℃、約3時間焼成し、直径8mm、肉厚0.4
mmの円板状半導体磁器を形成し、更にこの磁器の
主面にPbO―B2O3―BiO2系ガラスのペーストを
塗布して1200℃、3時間の熱処理で上記ガラス成
分を磁器中に拡散させて粒子間の絶縁化を図つた
ものである。 この半導体磁器基板1に亜鉛ペーストで導電層
6を形成する際には、まず、200メツシユのテフ
ロン(米国デユポン社の商標)製スクリーン
(screen)を使用して磁器基板1の一方の主面に
亜鉛ペーストを印刷した。次に、これを乾燥炉に
入れて150℃、10分間の乾燥処理を施した。次に、
一方の主面と同様に磁器基板1の他方の主面にも
亜鉛ペーストを印刷し、乾燥させた。次に、鉄製
の網に載せてトンネル型加熱炉に入れ、亜鉛ペー
スト塗布層を大気雰囲気中で、亜鉛の融点
(419.5℃)以上の約700℃の温度で10分間焼成し
た。この際、昇温及び降温時間を含めて合計で約
40分間トンネル炉の中に磁器基板1を入れた。こ
れにより、磁器基板1に第2図に示す如く直径約
7.8mm、厚さ約15μmの導電層6が完成した。とこ
ろで、大気雰囲気中で昇温を開始すると、第1図
に示す如く亜鉛粒子2の表面に酸化膜4が形成さ
れる。しかし、粒子2がガラス及びチタン化合物
5に囲まれているので、亜鉛粒子2の酸化の進行
が制限される。本実施例では、銀ペーストのよう
に銀の融点以下の焼成ではなく、亜鉛の融点
(419.5℃)以上に加熱するので、酸化膜4で囲ま
れた内部3が溶融し、ついには隣接する粒子と溶
融結合される。即ち第1図に模式的に示すよう
に、粒子2の一部が溶融結合した状態となる。尚
磁器基板1との接触領域及び露出面に酸化膜4が
存在するが、薄いために実質的に問題とならな
い。また半田付け等で問題となる場合には表面の
酸化膜4を除去し、この上に酸化しにくい金属層
を設ければよい。上述の如き焼成時に、ガラス粉
末は軟化し、またビヒクルは消失し、また有機チ
タン化合物は分解してその全部又は一部が酸化チ
タン(TiO2)になる。従つて、ガラス粉末と有
機チタン化合物は無機結合材及び酸化防止剤とし
て利用されている。 完成した磁器コンデンサの静電容量C及び誘電
正接tanδの測定は1kHzで行つた。従つて第1表
及びその後に述べる各実施例のC(nF)で示す欄
の値は、測定周波数1kHzによる静電容量値を単
位nFで示し、またtanδで示す欄の値は誘電正接
×100で示されている。従つて実際のtanδは10-2
を掛けた値である。T(Kg)で示す欄は、引張り
強度を単位Kgで示すものである。尚引張り強度T
の測定は次の方法で行つた。第3図に示す如く、
上下の導電層6の上に、直径0.6mm、長さ35mmの
軟銅線7,8をその先端約4mmの所でくの字形に
折り曲げて当接させ、ここを導電層6に約50mgの
半田で夫々固着した。尚この半田付けは超音波振
動を与えながら行つた。しかる後一方の軟銅線7
を保持した状態で他方の軟銅線8をバネ計りで矢
印9で示す方向にゆつくり引張つて軟銅線7又は
8と共に導電層6が磁器基板1から剥離する時の
力を測定し、これを引張り強度T(Kg)とした。
尚第1表及びその他の表に於けるC、tanδ、Tの
測定値は、10個の試料の平均値を示す。 比較のために、0.1〜3μmの球状銀粉末60重量
%と、軟化点550℃のPbO―B2O3―SiO2ガラス粉
末2重量%と、ビヒクル20重量%とから成る銀ペ
ーストを使用して、本発明の実施例と同一の
SrTiO3系半導体磁器基板に直径7.8mm、厚み3μm
の銀導電層を銀粉末の融点以下で焼成する公知の
方法で作り、実施例と同一条件でC、tanδ、Tを
測定したところ、Cは47(nF)、tanδは0.56×
10-2、Tは1.5Kgであつた。尚この銀導電層を有
するSrTiO3系半導体磁器コンデンサ(以下単に
従来のコンデンサと呼ぶ)の特性等を考慮し、C
が47(nF)以上、tanδが1.5×10-2以下、Tが0.5
Kg以上の特性を有するSrTiO3系半導体磁器コン
デンサを良品の基準とした。
【表】 第1表から明らかなように、亜鉛粉末100重量
部、ガラス粉末(A)0.01〜10重量部、有機チタ
ン化合物0.01〜14.99重量部、及びビヒクルから
成るペーストによつて実用可能なコンデンサ電極
を形成することが可能である。そして、特に、ガ
ラス粉末が0.5〜1重量部、有機チタン化合物が
1〜5重量部の範囲では従来のコンデンサに比較
し、静電容量Cが大きくなり、且つ引張り強度T
が大きくなる。従つて、コンデンサの小形化が可
能になる。 また、従来のコンデンサに使用する銀粉末に比
較し、亜鉛粉末のコストは約1/200であるので、
導電ペースト及び磁器コンデンサのコストダウン
が可能になる。 また、亜鉛粉末の融点以上に加熱する焼成時
に、ガラス及び有機チタン化合物が亜鉛粒子の表
面を覆つて酸化の進行を制限するので、大気中で
焼成することが可能になり、コンデンサの量産が
容易である。尚ガラス粉末と有機チタン化合物と
の合計が0.01重量部未満及び15重量部超過となる
と、tanδが悪くなるので、両者の合計が0.01〜15
重量部であることが望ましい。 実施例 2 100重量部(一定)の亜鉛粉末に第2表に示す
如く、0.5〜1重量部の実施例1と同一のガラス
粉末と0.5〜1重量部の実施例1と同一の有機チ
タン化合物と、夫々が0.1重量部のPb3O4
Bi2O3、Pr6O11、CuO、CdOとからなる群から選
択された1種以上の金属酸化物(付加物質)とを
加え、これらの総和に対して20重量%のビヒクル
を加え、実施例1と同一方法でペーストを作り、
更に実施例1と同一方法でコンデンサを作つて同
一方法で特性を測定したところ、第2表の結果が
得られた。この結果から明らかなように、付加物
質を加えることにより、引張り強度Tが大きくな
る。尚、第2表には亜鉛粉末100重量部、有機チ
タン化合物1〜5重量部、ガラス粉末0.5〜1重
量部、0.1重量部の少なくとも1つの付加物質か
ら成るペーストを使用したコンデンサの特性が示
されている。しかし、この範囲に限ることなく、
亜鉛粉末が100重量部、ガラス粉末と有機チタン
化合物との和が0.02〜15重量部、付加物質が0.01
〜5重量部の組成のペーストに於いても良品基準
に合格するコンデンサが得られることが確められ
ている。
【表】 上述のような亜鉛ペーストを使用して形成した
導電層6に対する半田付け性は、銀ペーストで作
つた導電層に比較して劣る。従つて、半田を容易
に付着させたい場合には、亜鉛よりもイオン化傾
向の小さい金属例えば銅又はニツケル等を無電解
メツキによつて導電層6上に付着させて第4図に
示すように金属層10を導電層6の上に形成すれ
ばよい。勿論、銅、ニツケルに限ることなく、
金、銀等をメツキ、蒸着、塗布等をすることによ
つて金属層10を形成しても差支えない。貴金属
を金属層10に使用しても、金属層10を極めて
薄くしても差支えないので、コストの上昇は少な
い。 実施例 3 ガラス粉末としてPbO(70重量部)―B2O3(30
重量部)からなる軟化点約410℃のガラス粉末を
使用することができることを確かめるために、実
施例1のガラス粉末(PbO―B2O3―SiO2)の代
りに上記のPbO―B2O3を種々の添加量で使用し
た他は、実施例1と同一の方法で磁器コンデンサ
を作り、その特性(C、tanδ、T)を測定したと
ころ、第3表に示す結果が得られた。
【表】 実施例 4 ガラス粉末としてZnO(30重量部)―B2O3(20
重量部)―SiO2(50重量部)から成る軟化点約
610℃のガラス粉末を使用することができること
を確かめるために、実施例1のガラス粉末を種々
の添加量の上記ZnO―B2O3―SiO2ガラス粉末に
置き換えた他は実施例1と同一の方法で磁器コン
デンサを作り、その特性(C、tanδ、T)を測定
したところ、第4表に示す結果が得られた。
【表】 実施例 5 実施例1の有機チタン化合物をTi(O―C4H94
に置き換えた他は実施例1と同一の方法で磁器コ
ンデンサを作り、特性(C、tanδ、T)を測定し
たところ、第5表に示す結果が得られた。なお、
ガラス粉末と有機チタン化合物の添加量を種々変
化させた。
【表】 以上の実施例1〜5から明らかな如く、ガラス
粉末及び有機チタン化合物として種々の物質を使
用することができる。 実施例 6 磁器バリスタの電極として使用可能であるか、
否かを調べるために、TiO299.6モル%、
Nb2O50.2モル%、MnO20.2モル%から成る混合
物に、有機結合剤としてのポリビニールアルコー
ル溶液を付加したものを用意し、これを円板状に
成形し、還元雰囲気中で焼成し、外径8mm、肉厚
0.8mmのTiO2系磁器バリスタ基板を複数個作り、
実施例1及び2の亜鉛ペーストを夫々塗布し、ト
ンネル式加熱炉に入れて大気雰囲気中で750℃、
10分間の焼成を行つた。尚昇温、降温時間を含め
てトンネル炉に合計40分間磁器基板を置いて焼成
を行つて電極を形成した。そしてバリスタの一対
の電極に電圧を加えて10mAの電流が流れる時の
電圧(以下E10値と呼ぶ)を測定した。またバリ
スタに1mAの電流が流れる時の電圧(以下E1
と呼ぶ)を測定した。またバリスタの一方の電極
の中央に長さ60mm、直径0.6mmの銅線を垂直に置
き、これを約50mgの半田で固着した。尚この半田
付けは超音波振動を与えながら行つた。しかる後
バリスタ磁器基板を固定して、銅線をバネ計りで
ゆつくり垂直方向に引張り、磁器基板が導電層即
ち電極が剥離する時の力T(Kg)を測定した。ま
たE10とE1とから、α=1/logE10/E1を計算し、非 直線係数αを求めた。第3表は上記測定結果を実
施例1及び2の群で示すものである。即ち各実施
例に於ける多数のペーストで作つた多数のバリス
タ特性をまとめて示すものである。 比較のために、実施例1で示した従来の銀ペー
ストを使用して同一のバリスタ磁器基板に電極を
作り、同一の測定を行つたところ、E10は1.5V、
αは3.3、Tは1.8Kgであつた。この銀ペーストを
使用した従来のバリスタの値と第6表との比較か
ら明らかなように、従来のバリスタとほぼ同一の
特性を得ることが出来る。
【表】 以上、本発明の実施例について述べたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、更に変形可
能なものである。例えば、本発明に係わる亜鉛ペ
ーストは、TiO2系磁器コンデンサ、BaTiO3系磁
器コンデンサ、BaTiO3系磁器サーミスタ、
BaTiO3系磁器圧電素子等の電極としても充分利
用出来ることが確認されている。またバリスタに
於いても、第4図に示すような導電層10を形成
してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係わる磁器コンデン
サの一部を模式的に示す断面図、第2図は本発明
の実施例に係わる磁器コンデンサの断面図、第3
図は第2図の磁器コンデンサに軟銅線を固着し引
張り強度を測定する状態を示す平面図である。第
4図は磁器コンデンサの変形例を示す断面図であ
る。 尚図面に用いられている符号に於いて、1は磁
器基板、2は亜鉛粒子、3は内部、4は酸化膜、
5はガラスとチタン化合物、6は導電層である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 100重量部の亜鉛(Zn)粉末、 0.01〜10重量部のガラス粉末、 0.01〜14.99重量部の有機チタン化合物(但し、
    前記ガラス粉末の重量部と前記有機チタン化合物
    の重量部との合計は15重量部以下である)、及び 前記亜鉛粉末と前記ガラス粉末と前記有機チタ
    ン化合物との合計重量に対して10〜50重量%の範
    囲のビヒクル、 を含むことを特徴とする磁器に焼成で導電層を形
    成するための導電ペースト。 2 前記ガラス粉末は、軟化点が400℃〜800℃の
    範囲のガラス粉末である特許請求の範囲第1項記
    載の導電ペースト。 3 前記ガラス粉末は、軟化点400℃〜800℃の範
    囲の、PbO―B2O3―SiO2ガラス粉末、PbO―
    B2O3ガラス粉末、及びZnO―B2O3―SiO2ガラス
    粉末から選択された少なくとも1つのガラス粉末
    である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の導
    電ペースト。 4 前記有機チタン化合物は、Ti(O―
    C17H354、及びTi(O―C4H94から選択された少
    なくとも1種の有機チタン化合物である特許請求
    の範囲第1項又は第2項又は第3項記載の導電ペ
    ースト。 5 100重量部の亜鉛(Zn)粉末、 0.01〜10重量部のガラス粉末、 0.01〜14.99重量部の有機チタン化合物(但し、
    前記ガラス粉末の重量部と前記有機チタン化合物
    の重量部との合計は15重量部以下である)、 0.01〜5重量部の、Pb、Pb化合物、Bi、Bi化
    合物、Pr、Pr化合物、Cu、Cu化合物、Cd、及び
    Cd化合物の1種又は複数種の付加物質、及び 前記亜鉛粉末と前記ガラス粉末と前記有機チタ
    ン化合物と前記付加物質との合計重量に対して10
    〜50重量%の範囲のビヒクル、 を含むことを特徴とする磁器に焼成で導電層を形
    成するための導電ペースト。 6 前記付加物質は、Pb3O4、Bi2O3、Pr6O11
    CuO、CdOの内の1種又は複数種の金属酸化物で
    ある特許請求の範囲第5項記載の導電ペースト。
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