JPS6363648B2 - - Google Patents

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JPS6363648B2
JPS6363648B2 JP26457785A JP26457785A JPS6363648B2 JP S6363648 B2 JPS6363648 B2 JP S6363648B2 JP 26457785 A JP26457785 A JP 26457785A JP 26457785 A JP26457785 A JP 26457785A JP S6363648 B2 JPS6363648 B2 JP S6363648B2
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spinner
pitch
spinning nozzle
spinning
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はピツチ繊維遠心紡糸装置に係り、より
詳しくは、石油または石炭のピツチを出発原料と
する等方性またはメソフエース系ピツチを原料と
して用い、これを加熱溶融し遠心紡糸することに
より炭素繊維の前駆体であるピツチ繊維を製造す
る遠心紡糸装置におけるピツチ繊維の遠心紡糸用
スピンナー装置に関する。 (従来の技術) ピツチ繊維の遠心紡糸用スピンナー装置は、一
般的に、頂壁、底壁、及び複数の紡糸ノズル孔が
形成された側壁からなるスピンナーデイスクを備
え、該スピンナーデイスク内に溶融ピツチを供給
しながら、このスピンナーデイスクの底壁の中心
部に取付けられた回転駆動軸を回転させてスピン
ナーデイスクを高速回転することにより、溶融ピ
ツチを紡糸ノズル孔を通してピツチ繊維へと紡糸
するようになつている。すなわち、溶融ピツチは
スピンナーデイスクの高速回転により生じる遠心
力で紡糸ノズル孔より吐出され、吐出された溶融
ピツチはスピンナーデイスクの高速回転によりそ
の周囲に生じる空気摩擦により延伸され、繊維化
され、ピツチ繊維となる。 このような遠心紡糸用スピンナー装置において
は、一般的に、スピンナーデイスクの側壁は概ね
平面的な外周面になつており、その外周面に紡糸
ノズル孔を開口させており、その一例が特開昭58
−203105号公報の第1図に示されている。 (発明が解決しようとする問題点) 石油または石炭のピツチを出発原料とする等方
性ピツチは、第8図に示すように温度変化に対す
る粘性変化が大きく、温度が低下すると急速に粘
性が増大するという傾向を示す。このことはメソ
フエース系ピツチについてもほぼ同様である。従
つてこのようなピツチを原料として上記従来の遠
心紡糸用スピンナー装置で紡糸した場合は、スピ
ンナーデイスク側壁の紡糸ノズル孔から吐出され
た後の溶融ピツチは急速に低温化し高粘性とな
り、空気摩擦による充分な延伸を受けないうちに
固化してしまうことがある。このためピツチは第
9図に示すようにビーズ状のかたまり(シヨツト
という)になつたり、繊維状になつても太い径の
繊維化されないものが得られたりする。 このような問題点を解決するため本願発明者
は、先に、本願と同じ出願人により昭和60年11月
1日に出願をした特開昭60−246085号(特開昭62
−110920号公報)の「ピツチ繊維の遠心紡糸装置
用の紡糸スピンナー装置」と題する発明を提案し
た。この発明におけるピツチ繊維の遠心紡糸装置
用の紡糸スピンナー装置は、第10図に示すよう
に、スピンナーデイスク6の側壁6cに、該側壁
の円周方向に沿つて延在すると共に、紡糸ノズル
孔8から吐出される溶融ピツチコーンCを挟むよ
うに互いに対向して位置決めされた熱輻射面10
2a,102bを設けたことを特徴とする構成と
なつている。この発明によれば、スピンナーデイ
スク側壁6cの紡糸ノズル孔8から吐出された直
後の溶融ピツチコーンCは、熱輻射面102a,
102bからの上下の熱輻射により温められるの
で、急速に冷却されることが防がれることにな
る。スピンナーデイスク側壁の熱輻射面の間の空
間ではスピンナーデイスクの高速回転により生ず
る空気摩擦が多少弱められることになるが、熱輻
射面の外方には依然として高い空気摩擦が発生す
る。従つて吐出直後の溶融ピツチPは低粘性を保
ちながら周囲空気の空気摩擦により引つぱられて
充分に延伸され、繊維化されながら接線方向に飛
ばされることになる。 従つてこの先願発明は上述した従来技術の問題
点を大幅に解消している。 しかしながら本願発明者は、この先願発明をさ
らに研究した結果、この先願発明にも次のような
問題点があることが見い出された。 即ち上記先願発明の紡糸スピンナー装置におい
ては、紡糸ノズル孔8から吐出された溶融ピツチ
又はピツチ繊維Fからは大気に開放されたために
ピツチ材料中の軽質成分が蒸発し、この蒸発した
軽質成分が熱輻射面102a,102bの出口端
部の角に蒸着し、この蒸着物が次第に成長しかつ
遠心力の作用により半径方向外方に延びる棒状の
蒸着物Vに形成される。この蒸着物Vはある程度
大きくなると、それが原因となるシヨツト(以下
蒸着シヨツトと称する)を発生するようになる。
この蒸着シヨツトは主に次の三通りが考えられ
る。まず蒸着物Vが遠心力により熱輻射面102
a,102bからはがされ、それ自体が単独でシ
ヨツトになるものと、遠心力によりはがされた蒸
着物Vに吐出されたピツチ繊維Fが接触し、それ
を切断しながら蒸着物とピツチ繊維とが合体して
形成されるシヨツトと、熱輻射面102a,10
2bに付着した状態にある蒸着物Vに吐出された
ピツチ繊維Fが接触しそのピツチ繊維を切断する
と共に蒸着物もはがされ、両者が合体して飛ばさ
れて形成されるシヨツトとである。このような蒸
着シヨツトの発生はピツチ繊維の生産性を高める
のに障害となる。このような蒸着シヨツトの発生
を防止するため熱輻射面の間隔を広くすることも
考えられるが、この間隔が広いと熱輻射面の本来
のピツチの加熱効果が弱くなり、溶融ピツチの急
冷却によるシヨツトの発生を防止するという機能
が果せなくなる。 従つて本発明の目的は、上述した熱輻射面を備
えたピツチ繊維の遠心紡糸用スピンナー装置にお
いて、本来の輻射加熱効果を損なうことなく蒸着
シヨツトの発生を減少させることのできるものを
提供することである。 (問題点を解決するための手段) 本発明におけるピツチ繊維の遠心紡糸用スピン
ナー装置は、上記問題点を解決するためスピンナ
ーデイスクの側壁の外周面に、該側壁の円周方向
に延在すると共に、紡糸ノズル孔の中心軸線の延
長線を挟むよう対向配置された第1の対向熱輻射
面及び第2の対向熱輻射面を形成し、該第1の対
向熱輻射面を紡糸ノズル孔の出口に隣接配置し該
第2の対向熱輻射面をその第1の対向熱輻射面に
隣接配置しかつ第2の対向熱輻射面間の間隔を第
1の対向熱輻射面の間隔よりも広くし、これによ
り二段階構造の熱輻射面を形成したことを特徴と
する構造になつている。 (作用) 第1の対向熱輻射面は紡糸ノズル孔から吐出さ
れた溶融ピツチがピツチ繊維へと紡糸される時紡
糸ノズル孔の出口に形成される溶融ピツチコーン
を加熱しそれが適度の粘性勾配をもつて徐々に冷
却されるようになし、溶融ピツチコーンからピツ
チ繊維への繊維化を円滑に行ない、第2の対向熱
輻射面は溶融ピツチコーンの加熱を補助すると共
にそれから離れほぼ繊維化されたピツチ繊維を加
熱しそれが徐々に冷却されるようになしその断面
構造を調整する。従つて急冷却によるシヨツトの
発生は少なくなる。また第1の対向熱輻射面はス
ピンナーデイスクの側壁の内部に位置し、比較的
高温に維持されているため溶融ピツチから蒸発し
た軽質分はほとんど蒸着せず、第2の対向熱輻射
面は間隔が広いので蒸発した軽質分は大気中に逃
げ易く、それに接触する可能性が小さくなり、そ
の蒸着も減少する。さらに第2の対向熱輻射面は
間隔が広いので紡糸されたピツチ繊維が接触する
可能性も小さくなる。従つて蒸着シヨツトの発生
も少なくなる。 (実施例) 以下図面を参照して本発明の好適実施例を参照
する。 第1図は本発明の遠心紡糸用スピンナー装置の
要部断面を示し、第2図はその全体を示す。第2
図において本発明の遠心紡糸用スピンナー装置は
全体的に符号2で示され、遠心紡糸用スピンナー
装置2は、中央開口4を有する頂壁6a、底壁6
b、及び頂壁6aと底壁6bとの間に位置しかつ
複数の紡糸ノズル孔8を備えた側壁6cからなる
スピンナーデイスク6と、スピンナーデイスク6
の底壁6bの中心部にボルトなどで取付けられた
中空の回転駆動軸(以下中空回転軸という)10
とを備えている。頂壁6a、底壁6b、側壁6c
は例えば真鍮でできている。 スピンナーデイスク6の頂壁6a及び底壁6b
の外表面には、Ni−Cr合金などの通電発熱材料
からなる面状発熱体12a,12bを接触固定状
態に取付けられている。図示実施例では、面状発
熱体12a,12bのその取付けは、面状発熱体
12a,12bをステンレスなどでできたカバー
プレート14a,14bで覆い、頂壁6a及び底
壁6bとカバープレート14a,14bとの間を
適当数のボルト16a,16b(第3図及び第4
図参照)で締着することによりなされている。な
お面状発熱体の取付けはこれに限られるものでは
ない。下側カバープレート14bの中央部には中
空回転軸10の中央孔10aより大きめの開口1
8があけられている。 スピンナーデイスク6の側壁6cの外周面に
は、側壁6aの円周方向に延在すると共に、紡糸
ノズル孔8の中心軸線の延長線を挟むように対向
配置された第1の対向熱輻射面100a,100
b及び第2の対向熱輻射面102a,102bが
形成されており、第1の対向熱輻射面100a,
100bは紡糸ノズル孔8の出口に隣接してその
中心軸線の延長線からほぼ等距離離れて位置し、
第2の対向熱輻射面102a,102bは第1の
対向熱輻射面100a,100bに隣接してやは
り紡糸ノズル孔8の中心軸線の延長線からほぼ等
距離離れて位置し、かつその間隔W2は第1の対
向熱輻射面100a,100bの間隔W1より広
くなつている。従つて第1及び第2の対向熱輻射
面100a,100b,102a,102bは、
紡糸ノズル孔8から吐出され、紡糸ノズル孔8の
出口に溶融ピツチコーンCを形成しながらピツチ
繊維Fへと紡糸される溶融ピツチに対する二段階
構造の熱輻射面を構成している。 図示実施例では第1及び第2の熱輻射面100
a,100b,102a,102bは、スピンナ
ーデイスク6の側壁6cの外周面に、紡糸ノズル
孔8の出口が底部に開口する第1の円周溝100
と、この第1の円周溝100が底部に開口しかつ
その溝幅W1よりも広い溝幅W2を有する第2の円
周溝102とを形成し、これら第1及び第2の円
周溝100,102の対向側壁で形成されてい
る。第1の対向熱輻射面100a,100bの深
さ即ち第1の円周溝100の深さD1は好ましく
は紡糸ノズル孔8の出口に形成される溶融ピツチ
コーン(メニスカス)Cの長さとほぼ同じにされ
ており、第2の対向熱輻射面102a,102b
の深さ即ち第2の円周溝102の深さD2は好ま
しくは第1の円周溝100の深さD1より大とさ
れている。 なお第1図の実施例では、紡糸ノズル孔8はス
ピンナーデイスク6の側壁6cに円周方向に一列
にあけたものを示したが、第5図に示すように円
周方向に複数列例えば三列の紡糸ノズル孔8a,
8b,8cをあけ、このような紡糸ノズル孔の中
心軸線の延長線を挟むように第1及び第2の対向
熱輻射面100a,100b,102a,102
bを形成するようにしてもよい。 また第1図及び第5図の実施例では第1及び第
2の対向熱輻射面100a,100b,102
a,102bは二種類の幅の円周溝100,10
2を形成することにより形成したが、第6図に示
すようにスピンナーデイスク6の側壁6cの外周
面に紡糸ノズル孔8の出口に隣接しその中心軸線
からほぼ等距離離れて位置する1対のつば104
a,104bを固設し、それぞれのつば104
a,104bの内面を、紡糸ノズル孔の出口に隣
接する第1の内面100a,100bとこの第1
の内面に隣接しかつ紡糸ノズル孔8の中心軸線か
らの距離が第1の内面より大きい第2の内面10
2a,102bとで二段階形状に構成し、その第
1及び第2の内面で形成するようにしてもよい。 さらに第1及び第2の対向熱輻射面100a,
100b,102a,102bのそれぞれの出口
端部は、後述する蒸発軽質物の蒸着をさらに減少
させるため適当な曲面で丸味をつけてもよい。 再び第2図を参照して、中空回転軸10はベア
リング20a,20bを介して中空固定軸22内
に回転自在に軸持されている。中空回転軸10の
頂部にはプーリ24が取付けられ、第7図に示す
ようにこのプーリ24とモータ26の出力軸に取
付けられたプーリ28との間に巻掛けられたベル
ト29を介して、モータ26により中空回転軸1
0を回転駆動するようになつている。 固定中空軸22の下端部は、半径方向外方に突
出した円周フランジ22aが形成され、この円周
フランジ22aは、スピンナーデイスク6の頂壁
6aの開口縁部にわずかの隙間を持つてその中央
開口4を閉じ、それに対する上ぶたの役割をして
いる。また円周フランジ22aには溶融ピツチの
供給管30が取付けられ、その出口がスピンナー
デイスク6内に配置されている。 面状発熱体12a,12bにはそれぞれ1対の
電流供給端子32a,32b,34a,34bが
接続され、かつスピンナーデイスク6には温度検
出手段として熱電対36が接続されている。電流
供給端子32a,34aはリード線38aに接続
され、電流供給端子32b,34bはリード線3
8bに接続され、熱電対36はリード線38c,
38dに接続されており、これらリード線38a
〜38dは中空回転軸10の中央孔10aを通つ
て上方に延びている。 中空回転軸10及び中空固定軸22の上方部分
には、中空固定軸22の外側から中空回転軸10
内のリード線38a〜38dに電流が供給できる
ようこれらリード線に電気的に接続された回転通
電機構40が設けられている。 回転通電機構40は、図示実施例では、中空回
転軸10の外周に装着された、それぞれ導電部4
2a,42b,42c,42dを有する通電リン
グ44a,44b,44c,44dと、中空固定
軸22に装着された絶縁材料でできた保持器46
a,46b,46c,46d内に収納され、通電
リング44a〜44dの導電部42a〜42dに
押圧接触するようばねにより半径方向内方に付勢
されている通電ブラシ48a,48b,48c,
48dとを備えた通電ブラシ機構からなつてい
る。中空回転軸10及び通電リング44a〜44
dの導電部42a〜42dに対応する位置には導
電部42a〜42dを中空回転軸10の中央孔1
0aに露出させる横孔50a,50b,50c,
50dがあけられており、前述したリード線38
a〜38dがこの横孔50a〜50dを通して導
電リングの導電部42a〜42dに接続されてい
る。通電ブラシ48a〜48dにはそれぞれ図示
しないリード線が接続され、保持器46a〜46
dの外側に引き出され、それぞれ必要な機器に接
続されている。なお回転通電機構40はこの構造
に限られるものではない。 遠心紡糸用スピンナ装置2は第7図に示すよう
なピツチ繊維遠心紡糸システムの1部を構成す
る。即ちこのシステムは溶融部Mと紡糸部Sとよ
りなり、紡糸部Sに遠心紡糸用スピンナー装置2
が配置されている。 溶融部Mはホツパー52を有し、このホツパー
52の中に、材料である石炭あるいは石油のピツ
チを出発原料とする等方性またはメソフエース系
の固形ピツチが投入される。ホツパー52は固形
ピツチ投入後、内部の空気を追い出し、窒素ガス
を注入し、固形ピツチを窒素ガスにさらすように
なつている。 ホツパー52の底部には加熱スクリユー54a
を内蔵したスクリユー式加熱装置54が接続さ
れ、加熱スクリユー54aはモータ54bによつ
て回転駆動される。ホツパー52に投入された固
形ピツチは加熱スクリユー54aの回転により
300〜350℃の温度に加熱溶融されながら、一定の
速度でスクリユー先端の出口54cに送られる。
スクリユー先端の出口には溶融タンク56が接続
されており、加熱溶融されたピツチは溶融タンク
56に流入し一定のヘツドに頂められる。溶融タ
ンク56の下部にはモータ56aによつて駆動さ
れるギヤポンプ56bが設けられ、溶融ピツチは
このギヤポンプ56bによつて前述した供給管3
0に送られる。供給管30に達した溶融ピツチは
そこから遠心紡糸用スピンナー装置2のスピンナ
ーデイスク6内に流入する。 固形ピツチの溶融は、不活性雰囲気中であれ
ば、溶融タンク56の中で直接行なつてもよく、
この場合はバツチ式となる。 ホツパ52及びスクリユー式加熱融装置54の
使用により固形ピツチの連続溶融が可能となる。 溶融部Mにおける固形ピツチの溶融はピツチが
熱分解を起さない程度の温度で行なわれる。 遠心紡糸用スピンナー装置2による溶融ピツチ
の遠心紡糸は次のように行なわれる。まず供給管
30からスピンナーデイスク6内への溶融ピツチ
の流入に先立ち、供給管30から窒素ガスをスピ
ンナーデイスク内に供給しその中の空気を追い出
し窒素雰囲気にする。図示しない電流供給源か
ら、回転通電機構40の通電ブラシ48a,48
bを通じて、これらブラシにリード線38a,3
8bを介して接続されている端子32a,34a
及び32b,34bに電流が供給され、面状発熱
体12a,12bは発熱し、スピンナーデイスク
6の頂壁6a及び底壁6bさらには側壁6cを加
熱する。スピンナーデイスク6の側壁6c近傍の
紡糸部分の温度は熱電対36によつて検知され、
その電流がリード線38c,38dを介して回転
通電機構40の通電ブラシ48c,48dから図
示しない制御部に送られ、端子32a〜34dに
対する電流供給量を制御し、スピンナーデイスク
6の側壁6c近傍の紡糸部の温度を例えば約300
〜360℃の一定の温度に制御する。 このようにしてから供給管30から溶融ピツチ
をスピンナーデイスク6内に供給すると同時に、
プーリ24,28及びベルト29を介してモータ
26で中空回転軸10を回転することによりスピ
ンナーデイスク6を約1400〜2500rpmの高速度で
回転する。これによりスピンナーデイスク6内に
流入した溶融ピツチは側壁6cの紡糸ノズル孔8
に達し、ここから遠心力により外部へ吐出され、
スピンナーデイスク6の高速回転により、誘起さ
れるその周囲の空気摩擦により繊維化され、ピツ
チ繊維Fへと紡糸される。 上述したように面状発熱体12a,12b及び
熱電対36によりスピンナーデイスク6の側壁6
c付近の紡糸部分の温度は約300〜360℃の一定の
温度に制御されるが、面状発熱体12a,12b
はスピンナーデイスク6の頂壁6a及び底壁6b
に接触固定状態にあるので、頂壁6a、底壁6
b、側壁6cの温度が低下しようとすると、面状
発熱体12a,12bより瞬時に熱が供給され、
その温度を正確に約300〜360℃の一定の温度に制
御する。従つて側壁6c付近の紡糸部分の温度は
溶融ピツチの温度の影響を受けず、側壁6cの紡
糸ノズル孔8に達するまでの溶融ピツチの温度を
低温に保持しても、紡糸ノズル孔8を通る時瞬時
にその部分の温度即ち約300〜360℃の一定の温度
に加熱され、紡糸ノズル孔8を通る溶融ピツチの
温度が正確に制御される。従つてスピンナーデイ
スク6内では溶融ピツチの発泡、分相などの変質
を生じることなく、紡糸ノズル孔8を通して形成
されたピツチ繊維の繊維化が良好に行なわれ、か
つそのバラツキもなく、また炭素繊維とした後の
断面構造の制御も容易に行なえる。このことは紡
糸ノズル孔8からの溶融ピツチの吐出量が変動し
たり吐出量を増加させた場合も同様であり、吐出
量を増加させた場合にはピツチ繊維の生産性を高
めることができる。 また上記遠心紡糸用スピンナー装置2において
は、電流供給端子32a〜34b、及び熱電対3
6に対するリード線38a〜38dを中空回転軸
10の中央孔10aを通し、それを中空回転軸1
0及び中空固定軸22に設けた回転通電機構40
に接続して中空固定軸の外側に連絡するようにし
たので、全体構造が極めてコンパクトであり、広
い設置スペースを必要としない。 なお遠心紡糸用スピンナー装置2のスピンナー
デイスク6に対する加熱手段としては、面状発熱
体12a,12bを設ける代りに、スピンナーデ
イスク6の頂壁6a、底壁6b、側壁6c自体を
Ni−Cr合金などの通電発熱材料で作つてもよく、
この場合も上述したものと同様な直接加熱効果や
スペース節約効果を得ることができる。 また遠心紡糸用スピンナー装置2においては、
紡糸ノズル孔8から吐出された溶融ピツチが、ピ
ツチ繊維Fへと紡糸される時、第1及び第2の対
向熱輻射面100a,100b,102a,10
2bから輻射熱を受けながらピツチ繊維へと紡糸
される。即ち第1及び第2の対向熱輻射面100
a,100b,102a,102bは、スピンナ
ーデイスク6の側壁6cと同様面状発熱体12
a,12b及びスピンナーデイスク6内の溶融ピ
ツチの持込み熱により加熱され輻射熱を放出す
る。このうち第1の対向熱輻射面100a,10
0bから放出された輻射熱は、紡糸ノズル孔8か
ら吐出された溶融ピツチがピツチ繊維Fに紡糸さ
れる時紡糸ノズル孔8の出口に形成される溶融ピ
ツチコーンCに与えられそれを加熱し、それが急
激に冷却されるのではなく適度に冷却され、適度
な粘性勾配となつて繊維化されるようにする。又
第2の対向熱輻射面102a,102bから放出
された輻射熱は溶融ピツチコーンCの適度な冷却
を補助すると共に、それから離れほぼ繊維化され
た溶融ピツチに与えられそれを加熱し、同様にそ
れが適度に冷却されるようにしピツチ繊維Fの断
面構造を調整する。従つて溶融ピツチの急冷却に
よるシヨツトの発生が大幅に減少する。 紡糸ノズル孔8から吐出された溶融ピツチから
は大気に開放されたためにピツチ材料中の軽質分
が蒸発するが、この蒸発した軽質分は上記二段階
構造の熱輻射面100a,100b,102a,
102bにはわずかの量しか蒸着しないことが判
明した。その理由は次のように推測される。即ち
ピツチ材料から蒸発した軽質分は、第1の対向熱
輻射面100a,100bに対してはその部分が
スピンナーデイスク6の側壁6cの内部に位置し
比較的高温に維持されているため蒸着しにくく、
第2の対向熱輻射面102a,102bに対して
は両面間の幅が広く大きく大気に開放されている
ので、ほとんどこれらの面に接触することなく大
気中に逃げてゆくからである。また溶融ピツチコ
ーンCから離れほぼ繊維化された溶融ピツチ即ち
ピツチ繊維Fは外側の第2の対向熱輻射面102
a,102bの間ではややぶれながら接線方向に
放出されるが、これらの面102a,102bの
間は広くなつているのでぶれてもそれにほとんど
接触することなく放出される。従つて仮に第2の
対向熱輻射面102a,102bの出口端部の角
に蒸発した軽質分が蒸着し蒸着物が形成されたと
しても、ピツチ繊維Fがその蒸着物に接触し切断
される可能性は極めて少なくなる。 従つて熱輻射面に形成された蒸着物が遠心力で
それからはがされることによる蒸着シヨツトの発
生、及びその蒸着にピツチ繊維が接触することに
よる蒸着シヨツトの発生のいずれも大幅に少なく
なる。 第5図及び第6図に示す実施例においても同様
の蒸着シヨツト減少効果があることは明らかであ
ろう。 以下に本発明の遠心紡糸用スピンナー装置によ
りピツチ繊維を紡糸した場合の実施例及び比較例
を示す。実験例(1)及び(2)おいて、遠心紡糸用スピ
ンナー装置としては第1図及び第2図に示すもの
を用い、実験例(3)においては遠心紡糸用スピンナ
ー装置としては第5図及び第2図に示すものを用
い、比較例では先願の第10図に示す熱輻射面を
第2図に示す遠心紡糸用スピンナー装置に組込ん
だものを用いた。原料としては第8図に示すよう
な温度−粘性特性をもつ等方性ピツチを用いた。 下記の表から分かるように、本発明による場合
は、シヨツト率が約2%前後とほとんど変わら
ず、蒸着シヨツト率は8%から2%に減少した。
なお「シヨツト率」は、前述した溶融ピツチの急
冷却により発生するシヨツトに加えて、紡糸ノズ
ル孔から吐出後に繊維と繊維とが絡み合つてかた
まりが生ずることもあるので、このようなかたま
りをも含めて計算し、また「シヨツト」という用
語はそのようなかたまりも含むものとして使用し
た。
【表】 なおシヨツト率はいずれも重量シヨツト率であ
り、シヨツト率=シヨツト重量/(シヨツト+蒸
着シヨツト+繊維)重量で計算し、蒸着シヨツト
率=蒸着シヨツト重量/(シヨツト+蒸着シヨツ
ト+繊維)重量で計算した。 (発明の効果) 以上明らかなように、本発明のピツチ繊維の遠
心紡糸用スピンナー装置によれば、紡糸ノズル孔
の出口に第1の対向熱輻射面とそれよりも間隔の
大きい第2の対向熱輻射面とからなる二段階構造
の熱輻射面を形成したので、紡糸ノズル孔から吐
出された溶融ピツチは急激に冷却されずに適度に
冷却されることになり、繊維化が円滑に行なわ
れ、急冷却による普通のシヨツトの発生を減らす
ことができると共に、蒸着物の発生自体が少なく
なると共にピツチ繊維の蒸着物への接触がほとん
どなくなるので、蒸着シヨツトも大幅に減少し、
従つて高品質のピツチ繊維を効率よく製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるピツチ繊維の
遠心紡糸用スピンナー装置の第1及び第2の対向
熱輻射面を示す断面図であり、第2図は本発明の
一実施例によるピツチ繊維の遠心紡糸用スピンナ
ー装置の全体を示す縦断面図であり、第3図は第
2図に示した装置のスピンナーデイスク部分の左
半分を示す拡大断面図であり、第4図は同じくそ
のスピンナーデイスクの底面図であり、第5図及
び第6図は本発明の他の実施例による遠心紡糸用
スピンナー装置の第1図と同様な断面図であり、
第7図は第2図に示す遠心紡糸用スピンナー装置
を含む遠心紡糸システムの全体を示す概略図であ
り、第8図は原料として使用されるプリメソフエ
ース糸ピツチの温度−粘性特性を示すグラフであ
り、第9図は対向熱輻射面を全く持たない従来の
遠心紡糸用スピンナー装置のスピンナーデイスク
における紡糸状態を示す断面図であり、第10図
は本発明の基礎となつた先願発明における一段の
対向熱輻射面を備えた遠心紡糸用スピンナー装置
の第1図と同様な断面図である。 図中、符号2……遠心紡糸用スピンナー装置、
6……スピンナーデイスク、6a……頂壁、6b
……底壁、6c……側壁、8,8a,8b,8c
……紡糸ノズル孔、100a,100b……第1
の対向熱輻射面、102a,102b……第2対
向熱輻射面、100……第1の円周溝、102…
…第2の円周溝、104a,104b……1対の
つば、C……溶融ピツチコーン、F……ピツチ繊
維。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 頂壁、底壁及び複数の紡糸ノズル孔のあけら
    れた側壁からなるスピンナーデイスク内に溶融ピ
    ツチを供給しながら、該スピンナーデイスクを高
    速回転させることにより、溶融ピツチを前記紡糸
    ノズル孔を通してピツチ繊維へと紡糸するピツチ
    繊維の遠心紡糸用スピンナー装置において、 前記スピンナーデイスクの側壁の外周面に、該
    側壁の円周方向に延在すると共に、前記紡糸ノズ
    ル孔の中心軸線の延長線を挟むよう対向配置され
    た第1の対向熱輻射面及び第2の対向熱輻射面を
    形成し、該第1の対向熱輻射面を紡糸ノズル孔の
    出口に隣接配置し該第2の対向熱輻射面をその第
    1の対向熱輻射面に隣接配置しかつ第2の対向熱
    輻射面間の間隔を第1の対向熱輻射面間の間隔よ
    りも広くし、これにより二段階構造の熱輻射面を
    形成したことを特徴とする遠心紡糸用スピンナー
    装置。 2 前記スピンナーデイスクの側壁の外周面に、
    前記紡糸ノズル孔の出口が底部に開口する第1の
    円周溝と、該第1の円周溝が底部に開口しかつ、
    その溝幅よりも広い溝幅を有する第2の円周溝を
    形成し、前記第1の対向熱輻射面を第1の円周溝
    の対向側壁で形成し、前記第2の対向熱輻射面を
    第2の円周溝の対向側壁で形成した特許請求の範
    囲第1項記載の遠心紡糸用スピンナー装置。 3 前記第1の対向熱輻射面の深さは前記紡糸ノ
    ズル孔の出口に形成される溶融ピツチコーンの長
    さとほぼ同じである特許請求の範囲第1項記載の
    遠心紡糸用スピンナー装置。 4 前記紡糸ノズル孔は円周方向に複数の列をな
    して形成され、前記第1及び第2の対向熱輻射面
    はその複数の列をなす各紡糸ノズル孔の中心軸線
    の延長線を挾むように対向配置されている特許請
    求の範囲第1項記載の遠心紡糸用スピンナー装
    置。 5 前記スピンナーデイスクの側壁の外周面に前
    記紡糸ノズル孔の出口の上下に位置する1対のつ
    ばを固設し、それぞれのつばの内面を、紡糸ノズ
    ル孔の出口に隣接する第1の内面とこの第1の内
    面に隣接しかつ紡糸ノズル孔の中心軸線からの距
    離が第1の内面より大きい第2の内面とにより二
    段階形状に構成し、前記第1の対向熱輻射面を1
    対のつばの第1の内面で構成し、前記第2の対向
    熱輻射面を1対のつばの第2の内面で構成した特
    許請求の範囲第1項記載の遠心紡糸用スピンナー
    装置。
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JPH0229540A (ja) * 1988-07-18 1990-01-31 Sanyo Electric Co Ltd 浴槽給湯装置
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