JPS6362411B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は棒材や管状材などの長尺材を結束す
るための装置に関するものである。

従来の技術 棒鋼や鋼管などの結束には、従来、ライン全体
の自動化を図るうえから、自動結束機が用いられ
ている。この種の結束機は、対象材が長尺材であ
るために結束線の先端部を何らかの治具で引張つ
て被結束材の周囲に巻き回す構造とすることが困
難であるから、送り出した結束線を環状のガイド
によつて案内することにより、被結束材の周囲に
巻き回す構成が一般的である。すなわち従来の結
束機としては、番線やフープなどの結束線を、正
逆回転させられるフイードホイールの外周に押え
ローラによつて押し付けつつフイードホイールを
正回転させて送り出し、その結束線の先端部を環
状のガイドによつて被結束材の周囲にループ状に
巻き回すとともに、ガイドの所定個所に配置した
クランパーによつて結束線の先端部を固定し、結
束線が更にフイードホイールによつて送り出され
ることに伴う弛みを弛み検出器で検出し、かつそ
の出力信号によりフイードホイールを逆回転させ
ることにより結束線を引き戻して被結束材を締め
付け、その状態で結束線を結束ユニツトによつて
結び付けるとともに、カツタによつて切断する構
成の装置が知られている。

発明が解決しようとする問題点 上述した従来の結束機は、結束線をフイードホ
イールによつて後方から送つてガイドにより被結
束材の周囲にループ状に巻き回す構成であるか
ら、結束線の先端部がクランパーに到る間に、前
記ガイドの途中や、クランパーの前段に配置され
ているカツタとガイドの間のギヤツプ、さらには
結束線を結び付ける結束ユニツト等に突掛る場合
が生じる。このような場合、上記従来の結束機で
は、結束線の弛みの発生によつてフイードホイー
ルを逆回転させる構成であるから、クランパーが
結束線の先端部を固定する以前に、上記のような
突掛りに伴う結束線の弛みによつてフイードホイ
ールが逆回転を開始してしまい、その結果結束線
の先端部がフイードホイールから抜け出てしまう
事態が生じる。結束線のフイードホイールに対す
る導入は、手動によらざるを得ないから、上記の
ような事態が生じた場合には、フイードホイール
の逆回転を停止させて、作業者が手作業によつて
結束線をフイードホイールに導入し、しかる後再
起動をさせており、ラインの自動化が阻害される
のみならず、自動結束機を設置した目的が没却さ
れる問題があつた。また従来の装置には、結束線
の先端部をクランパーが固定する以前にフイード
ホイールが逆回転を開始する事態を有効に防止す
る手段が設けられていないため、結束成功率が大
幅に低下し、またそのような事態が多発する都度
結束機を一旦停止させなければならないので、稼
働率が悪い問題があつた。

この発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、結束線のフイードホイールからの抜け出しを
効果的に防止し、結束成功率を従来になく向上さ
せることのできる自動結束機を提供することを目
的とするものである。

問題点を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、結
束線の有無を検出する監視センサを、弛み検出器
と結束線を被結束材の周囲にループ状に案内する
ガイドとの間に配置するとともに、結束線を検出
しないことに伴う監視センサの出力信号に基づい
てフイードホイールを逆回転から正回転に反転さ
せる制御器を設けたことを特徴とするものであ
る。

作 用 すなわちこの発明においては、結束線が正常に
送られてその先端部がクランパーに到達し、固定
された状態では、フイードホイールが逆回転した
場合に結束線に張力がかかつて被結束材を締め付
け、かつ結束ユニツトが動作して結束線を結び付
けるとともに、カツタが結束線を切断する。その
場合、監視センサの位置には、結束線が通つてい
るから監視センサは動作しない。これに対し、結
束線の先端部がその送り出しの途中でガイド等に
突掛り、クランパーに固定されずに弛みが生じた
場合、弛み検出器の出力信号に基づいてフイード
ホイールが逆回転を開始する。その場合、結束線
の先端部が固定されていないから、結束線が引き
戻されてしまう。その結果、結束線が監視センサ
の位置から後方に抜け出ると、監視センサが信号
を出力し、その出力信号が制御器に入力されるこ
とによりフイードホイールが逆回転から正回転に
反転され、結束線が再度環状のガイドおよびクラ
ンパーに向けて送り出される。このような動作
は、結束線の送り出しの途中での抜掛りが生じな
くなるまで繰返し行なわれ、したがつて装置に特
別な異常がない限り最終的には結束線の先端部が
クランパーに到達して固定され、適正な結束が行
なわれる。

実施例 つぎにこの発明の実施例を添付の図面を参照し
て説明する。

第１図はこの発明の一実施例を示す略解図であ
つて、フイードホイール１は制御器２の指令信号
により矢印Ａで示す回転および矢印Ｂで示す逆回
転を適宜に行なうよう構成されており、そのフイ
ードホイール１の外周側には、その正回転方向に
沿つて、導入ガイド３、押えローラ４、弛み検出
装置５、監視センサ６および直線ガイド７が順次
配置されている。

導入ガイド３は、所定の位置に配置した収容部
８からガイドローラ９を経て繰り出された番線や
フープからなる結束線１０をフイードホイール１
の外周面に導くよう構成されている。また押えロ
ーラ４は、結束線１０をフイードホイール１の外
周面に押し付けることにより、フイードホイール
１の正逆回転による結束線１０の送り出しおよび
引き戻しを確実ならしめるものであつて、エアー
シリンダ等のアクチユエータ１１によりフイード
ホイール１に対しその半径方向に向けて押圧され
ている。

弛み検出装置５は、結束作業開始後、その終了
信号が出力されるまでの間に、結束線１０に弛み
が生じた場合にその弛みを検出して信号を出力す
るものであつて、第２図に示すように、結束線１
０に接したワイヤー溝のあるガイド１２を、所定
の固定部１３に回動自在に取付けたレバー１４の
先端部に設け、かつガイド１２がフイードホイー
ル１から離れる方向に圧縮スプリング１５によつ
てレバー１４に力を加え、さらにレバー１４が圧
縮スプリング１５によつて第２図の反時計方向に
回動（結束線１０の先端が静止されるとき結束線
１０が第２図に示す如く腰折れを生じレバー１４
が回動）した際にレバー１４によつてオン動作さ
せられるリミツトスイツチやプレツシヤスイツチ
等からなる弛み検出器１６を設けた構成である。
そして弛み検出器１６が前記制御器２に接続さ
れ、結束作業開始後に弛み検出器１６がオン動作
して信号を出力することにより、その出力信号に
基づく制御器２からの指令信号によつてフイード
ホイール１が逆回転するようになつている。

さらに監視センサ６は、結束線１０の有無を検
出し、フイードホイール１が逆回転している際に
結束線１０が無い場合に制御器２に信号を出力
し、フイードホイール１の逆回転を停止させると
ともに、フイードホイール１を再度正回転させて
結束線１０の送り出しを行なうものであつて、例
えばフイードホイール１が逆回転することにより
引き戻される結束線１０の長さを計測することに
より結束線１０が引き戻されてしまつたことを検
出するタイプのもの、あるいは結束線１０の先端
部が接触することにより動作するタイプのものな
どを使用することができる。

またさらに直線ガイド７はフイードホイール１
によつて送り出された結束線１０を後述する環状
ガイド１７に導くものであつて、例えばフイード
ホイール１の接線方向に向けて配置した筒状部材
によつて構成されている。

他方、圧延完了後の棒鋼などの被結束材１８
は、受台１９上に多数本積み重ねられており、そ
の被結束材１８を囲うよう環状ガイド１７が配置
されている。環状ガイド１７は結束線１０を被結
束材１８の周囲にループ状に案内するためのもの
であつて、例えばコ字状断面の部材を内周側に開
口するように、かつ一部切り欠いたほぼ環状をな
すように成形した構成であり、その切り欠いた部
分に、結束線１０同士を結び付ける結束ユニツト
２０と結束線１０を切断するカツタ２１とが配置
され、さらに環状ガイド１７のうち前記直線ガイ
ド７の端部とほぼ対向する端部の近傍に、被結束
材１８の周囲に環状ガイド１７によつてループ状
に巻き回された結束線１０は先端部を固定するク
ランパー２２が設けられている。

つぎに上記のように構成した結束機の作用につ
いて説明する。

所定本数の被結束材１８の圧延の終了あるいは
受台１９上への所定本数の被結束材１８の積み重
ねの終了等に伴う信号に基づいて、フイードホイ
ール１が正回転を開始し、その外周面に押えロー
ラ４によつて押し付けられている結束線１０が、
フイードホイール１の正回転によつて送り出され
る。結束線１０の先端部は、直線ガイド７によつ
て環状ガイド１７に導き入れられるとともに、環
状ガイド１７によつて被結束材１８の周囲にルー
プ状に案内され、最終的にはクランパー２２によ
つて固定される。フイードホイール１はその後も
正回転をし続けるので弛みが生じ、それに伴い弛
み検出装置５におけるレバー１４が圧縮スプリン
グ１５によつて第２図の反時計方向へ回動され、
その結果レバー１４が弛み検出器１６をオン動作
させる。弛み検出器１６がオン動作することに伴
う出力信号は制御器２に入力され、それに基づく
制御器２の指令信号によつてフイードホイール１
が逆回転を開始する。その結果、結束線１０は引
き戻されるが、先端部が固定されているために結
束線１０はそのループを次第に閉じて被結束材１
８を締め付けて束ね、しかる後結束ユニツト２０
が動作して結束線１０をその交差部で結び付け、
ついでカツタ２１が結束線１０の結合部よりも元
の部分を切断する。以上の一連の動作によつて結
束作業の１サイクルが終了する。

ところで、フイードホイール１が正回転するこ
とによる結束線１０の送り出し途中において、結
束線１０の先端部が環状ガイド１７の内面や結束
ユニツト２０と環状ガイド１７との間のギヤツプ
等に突掛つてそれ以上送られなくなつた場合、フ
イードホイール１が正回転し続けるために結束線
１０に弛みが生じ、弛み検出器１６がオン動作す
る。その結果、前述した場合と同様に、フイード
ホイール１が逆回転を開始するが、結束線１０の
先端部が固定されていないために、結束線１０は
環状ガイド１７や直線ガイド７から引き抜かれて
しまう。その場合、結束線１０の先端部が前述し
た監視センサ６の位置を通過してしまうと、監視
センサ６が結束線１０の不存在を感知して制御器
２に対して信号を出力し、それに基づく制御器２
からの指令信号によつてフイードホイール１が逆
回転を停止するとともに、再度正回転を開始す
る。その結果、結束線１０が各ガイド７，１７を
経てクランパー２２に向けて送り出される。

なお、フイードホイール１が逆回転する場合、
結束線１０に戻し方向の荷重がかかるために弛み
検出器１６は第２図に実線で示すオフ状態に戻
り、またフイードホイール１の逆回転は結束線１
０の先端部が監視センサ６の箇所を通過した後、
弛み検出装置５に至る前に停止されてフイードホ
イール１は正回転されるので、弛み検出器１６と
監視センサ６とが共に信号を出力することはな
い。

上述した結束線１０の送り出し、突掛りによる
引き戻し、および再度の送り出しの一連の動作
は、突掛りが生じる都度繰返し行なわれ、したが
つて最終的には、結束線１０の先端部がクランパ
ー２２に到達して固定され、前述した通常の結束
動作が行なわれる。

発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明の結束
機によれば、結束線の先端部を固定しないままフ
イードホイールが逆回転した場合、結束線がフイ
ードホイールから完全に抜け出てしまう以前にフ
イードホイールの逆回転を停止し、かつ正回転さ
せることができるから、結束線をフイードホイー
ルに対して導入するなどの手作業が不要となるう
えに、それに伴う結束機の一時的な停止をなくす
ることができ、したがつて結束作業の完全自動化
を図ることができるとともに、稼働率を向上させ
ることができる。またこの発明の結束機では、ク
ランパーが結束線の先端部を固定するまで繰返し
結束線の送り出しと引き戻しを行なうから、結束
成功率をほぼ100％に高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す略解図、第
２図は弛み検出装置の略解図である。 １……フイードホイール、２……制御器、５…
…弛み検出装置、６……監視センサ、１０……結
束線、１６……弛み検出器、１７……環状ガイ
ド、１８……被結束材、２０……結束ユニツト、
２１……カツタ、２２……クランパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フイードホイールを正回転させて送り出した
   結束線を環状のガイドによつて被結束材の周囲に
   ループ状に巻き回すとともに、前記ガイドの所定
   箇所に配置したクランパーで結束線の先端部を固
   定し、かつフイードホイールによつて送り出され
   た結束線の弛みを検出する弛み検出器の出力信号
   に基づいてフイードホイールを逆回転させること
   により結束線を引き戻すとともに結束線の交差部
   を結束ユニツトによつて結び付け、かつ結束線の
   うちその結び付けた部分より元の部分をカツタに
   よつて切断する構成の結束機において、結束線の
   有無を検出する監視センサを、前記弛み検出器と
   ガイドとの間に配置するとともに、監視センサが
   結束機を検出しない場合の出力信号に基づいて前
   記フイードホイールを逆回転から正回転に反転さ
   せる制御器を設けたことを特徴とする自動結束
   機。