JPS636038B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、洗濯槽と、洗濯槽内の液を再利用す
るために貯えておく貯水槽とを設けた貯水槽付洗
濯機に関する。

(ロ) 従来技術 従来より貯水槽付洗濯機については種々出願さ
れており、（例えば特願昭58―111309号）、また市
場でもみられるようになつてきた。ところでこの
種の洗濯機は、どうしても外形が大型になるの
で、できる限り小型化するために貯水槽の容積
を、洗濯槽の水位を無負荷で高水位に設定した場
合の洗濯槽内の水量よりも少なくしている。洗濯
槽内の水量は、同じ水位でも負荷の量によつて異
なり、無負荷の場合が最も多く、負荷が増加する
に従い正味の水量は少なくなる。従つて無負荷に
近い少量負荷にもかかわらず、誤つて洗濯槽の水
位を高水位に設定した場合、洗濯槽内の液を全て
貯水槽へ移す貯水槽より液が溢れてしまうことが
あつた。

この対策として、貯水槽に溢水防止用の水位セ
ンサーを用いて、規定水位まで貯水されれば、洗
濯槽より貯水槽への液の移送と停止すればよい
が、水位センサーを別途必要としてコスト高にな
る欠点があつた。

(ハ) 発明の目的 本発明の目的は、貯水槽に溢水防止用の水位セ
ンサーを用いなくとも、貯水槽の容積を小さくし
て洗濯機の外形を小型化できるにもかかわらず、
洗濯槽の液を貯水槽へ移す際、貯水槽より液が溢
れることにない貯水槽付洗濯機を得るところにあ
る。

(ニ) 発明の構成 本発明の貯水槽付洗濯機は、洗濯槽と、この槽
内の液を再利用するために貯えておく貯水槽と、
洗濯槽内の液を貯水槽へ移送する移送手段と、洗
濯槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記移
送手段により液を移送中、洗濯槽内の水位が規定
水位まで低下して前記水位検知手段がリセツトす
るまでの時間を計測する計測手段と、この計測し
た時間が予じめ定めた所定時間以上の時は、洗濯
槽内の水量が多いと判断して、水位検知手段がリ
セツト後の液の移送時間を前記所定時間以内の時
に比べ短かく設定する制御手段とを有するもの
で、かかる構成により、負荷量が少ないにもかか
わらず高水位に設定した時のように洗濯槽内の水
量が貯水槽の容積より多い場合は、貯水槽への貯
水量を抑制して、貯水槽より水が溢れないように
したものである。

(ホ) 実施例 以下図面に基づき本発明の実施例について説明
する。第１図は本発明にかかる貯水槽付洗濯機の
構造要部を示すもので、１はフレームで内部に外
槽２が防振的に吊下され、外槽２の内部に脱水槽
を兼ねる洗濯槽３が設けられている。洗濯槽３の
周壁には多数の脱水孔４を有している。５はバラ
ンスリングである。洗濯槽３の底部中央には回転
翼６が配設されている。外槽２の裏面には、回転
翼６や洗濯槽３を回転する駆動モータ７や軸受け
ケース８が装着されている。外槽底面には洗濯槽
３の排水口９が設けられ、この排水口９は排水弁
１０を介し排水路１１に接続されている。１２は
排水弁操作用のソレノイドで、該ソレノイド１２
を励磁することにより開弁する。このソレノイド
１２は図示しないクラツチ装置やブレーキ装置を
も操作し、励磁することにより、クラツチ装置を
入れて駆動モータ７の回転を回転翼６以外に洗濯
槽３へも伝達し、且つ洗濯槽３のブレーキ装置を
解除する。１３は溢水口で溢水ホース１４により
排水路１１に連通されている。

フレーム１の側面には貯水槽１５が装着され、
貯水槽１５の底部と前記排水口９は連結水路１６
にて連結されている。この連結水路１６には、該
水路を開閉する連結弁１７と可逆ポンプ１８があ
る。可逆ポンプ１８は、ポンプモータ１９により
駆動せしめられる。前記ポンプ１８は貯水槽１５
の底面に装着されている。連結水路１６は排水弁
１０を介して排水路１１に連通される。

そこで連結弁１７と排水弁１０を同時に開いた
ときには、連結水路１６排水弁１０それに排水路
１１を経由して貯水槽１５の液も排水する。連結
弁１７が開き、排水弁１０が閉じている時には洗
濯槽３と貯水槽１５は連結水路１６によつて連通
し、ポンプ１８を正回転させることにより、洗濯
槽３の水が貯水槽１５へ移動（以下液移動と呼ぶ
ことにする）し、ポンプ１８を逆回転させること
により、貯水槽１５の水が洗濯槽３へ移動（以下
液復帰と呼ぶことにする）。２０は貯水槽１５の
水の有無を検知するフロートスイツチでフロート
スイツチ２０が閉成しているときには貯水槽１５
内には水が無く、フロートスイツチ２０が開成し
ているときには貯水槽１５内に水が有る状態であ
る。

２４は制御ボツクスで、その前面パネルには第
２図の如く種々の操作ボタンがある。２２は電源
スイツチで、これを投入することによつて、制御
回路部のマイクロコンピユータ２３が動作を開始
する。第３図にはマイクロコンピユータ２３と各
入出力装置の接続関係を示す制御ブロツク図を示
してある。２４は洗濯槽３の水位を高、中、底に
切換える水位設定用の水位切換つまみで、洗濯槽
３の水位検知手段である液面スイツチ２５と連動
しており、洗濯槽内が設定水位に到達していると
き前記液面スイツチ２５は閉成する。２６はすす
ぎ切換つまみで、このつまみを注水すすぎ側にす
るとすすぎ切換スイツチ２７が閉じ注水すすぎが
選択実施される。２８〜３２はコース選択を兼ね
たスタートスイツチで、全自動コース・半自動コ
ース・洗いのみコース・すすぎ脱水コース・脱水
のみコースに対応して１個ずつスイツチがあり、
これらスイツチ２８〜３２からの信号がマイクロ
コンピユータ２３に入力されると運転を開始す
る。ここで各コースは、第４図の行程図で示した
範囲を行なう。

３４は再利用切換スイツチで、このスイツチに
より石けん水再利用・すすぎ水再利用・再利用な
しの切換を行う。

ここで石けん水再利用とは、第４図の行程図か
ら明らかな如く洗い行程の終了した後前記「液移
動」を行なつて、洗濯液を再利用のため貯水槽１
５へ貯えておくもの、すすぎ水再利用とは、第２
回目のすすぎ行程が終了した後前記「液移動」を
行なつてすすぎ水を貯水槽１５へ貯えておくも
の、再利用なしとは洗濯槽３内の水を貯水槽へ移
すことなく全て排水してしまうものである。第４
図の行程図で○印はその行程を実行し、◎は念入
りコースの場合にのみ実行する行程である。念入
りコースとは前記スタートスイツチ２８〜３２の
いずれか１つを３秒以内に続けて２度押したとき
に実行される。３６は給水弁３５の開弁によりこ
こから洗濯槽３へ給水する給水口である。

３７は駆動モータ７を右回転させる右回転駆動
回路、３８は左回転させる左回転駆動回路で、洗
い及びすすぎ時にはマイクロコンピユータ２３が
右回転駆動回路３７と左回転駆動回路３８を交互
に通電して回転翼６を反転させ、脱水時には前記
ソレノイド１２と右回転駆動回路３７に通電して
脱水運転を行う。３９はポンプ１８を正回転させ
るための駆動回路で、４０はポンプ１８を逆回転
させるための駆動回路である。４１は上蓋４２の
開放時開成する蓋スイツチで、脱水時の振動検知
スイツチも兼ねている。４３はブザーである。

次に本発明の特徴である洗濯槽３から貯水槽１
５へ液を移送せしめる前記「液移動」の動作を第
５図のフローチヤートに基づき説明する。液移動
は、まずポンプ異常の発生後かどうかをマイクロ
コンピユータ２３は記憶内容で判定し、ポンプ異
常発生後ならば、洗濯槽３内の液を排水弁１０を
開き排水してしまい液移動は行なわない。

ここでポンプ１８の異常発生とは、ポンプ１８
に異物が詰まつたりしてポンプ１８が正常に動作
しなくなつた状態で、具体的にはポンプ１８を正
回転あるいは逆回転して前記液移動あるいは液復
帰を所定時間本実施例では３分間以上実行して
も、洗濯槽３の水位検知手段である液面スイツチ
２５あるいは貯水槽１５の水位検知手段であるフ
ロートスイツチ２０の少なくとも一方に何の変化
もないような場合をいい、このような場合はマイ
クロコンピユータ２３がポンプ異常と判断し、且
つこのことを記憶し、以後は連結弁１７を閉じて
ポンプ１８を停止させるようにしている。

ポンプ異常が発生していなければ、貯水槽１５
内に水が有るかどうかをフロートスイツチ２０の
開閉状態によつてマイクロコンピユータ２３が判
定し、貯水槽１５内に水が有る場合（フロートス
イツチ２０がOFF）は液移動は行なわず、洗濯
槽３内の水を排水する。これはもし貯水槽１５内
に汚れた水がある場合洗濯槽３から液を移動すれ
ば、この移動した液が汚れてしまつて再利用でき
なくなることがあり、又貯水槽１５に水があるの
に液移動すれば貯水槽１５上端より水が溢れるこ
とがあり、このようなことの起こらないようにす
るためである。

貯水槽１５内に水が無い場合（フロートスイツ
チ２０がON）には、洗濯槽３内の水の有無を判
定して、水が無ければ（液面スイツチ２５が
OFF（リセツト））液移動は行なわず次の処理へ
進む。水が有るときには（液面スイツチ２５が
ON（トリツプ））、連結弁１７を開き、10秒後に
駆動回路３９へ出力を出しポンプ１８を正回転さ
せて、洗濯槽３内の水を貯水槽１５へ移す。この
10秒後というのは、この間に連結水路１６やポン
プ１８中の空気を洗濯槽３から移つてきた水によ
り追い出し、ポンプ１８の回転時にはポンプを正
常に動作させると共に、空気による発泡を抑える
ために設けられた時間である。

ポンプ１８を３分間正回転させても液面スイツ
チ２５が開放（リセツト）しないときは、ポンプ
異常と判定しマイクロコンピユータ２３はこれを
記憶する。ポンプ異常発生後は連結弁１７を閉じ
ポンプ１８を停止して洗濯槽３内の水を排水弁１
０を開いて排水する。以後ポンプ１８は動作しな
い。

液移動が正常に行なわれると、やがて洗濯槽３
内の水位がリセツト水位Ｈまで低下して液面スイ
ツチ２５がリセツトする。マイクロコンピユータ
２３は連結弁１７を開いてから液面スイツチ２５
がリセツトするまでの時間を計測しており、この
時間が45秒以上の場合と以下の場合とで、それ以
後の動作を異ならせている。

即ち45秒以上の場合は、負荷が少ないにもかか
わらず洗濯槽３の水位を誤つて高水位に設定した
場合のように洗濯槽内の水量が多いと判断し、リ
セツト以後7.5秒間だけ連結弁１７を開くと共に
ポンプ１８を正回転させて洗濯槽３内の液を貯水
槽１５へ移して終わる。この7.5秒間という時間
は、仮に無負荷で高水位に設定したとしても、貯
水槽１５より水が溢れることのない時間である。

一方45秒以内で液面スイツチ２５がリセツトし
た場合は、負荷が比較的多くて洗濯槽内の正味の
水量が少ないと判断し、次の動作を行なう。即ち
リセツト後15秒間引き続き連結弁１７を開いてポ
ンプ１８を正回転させ、15秒後に、一旦連結弁１
７を閉じポンプ１８を停止して45秒間この状態を
保持した後、10秒間だけ連結弁１７を開きポンプ
１８を正回転して、衣類からしみ出した水を貯水
槽１５へ送出する。即ち洗濯槽３（外槽２）内に
液がなくなつても衣類は液を含んでいるので、45
秒間の間にこの衣類から液をしみ出させて、それ
を再び貯水槽１５へ送つて再利用しようとしたも
のである。

第６図は洗濯槽水位を高水位に設定した場合の
負荷に対する貯水量と液面スイツチがリセツトす
るまでの時間（リセツト時間と称す）の特性を示
す。ここで貯水槽１５の最大貯水量は40〔〕で
ある。

この特性から判かるように、負荷量が多いほど
同じ高水位でも正味の洗濯槽内の水量が少なくな
るので、リセツト時間は曲線Ｅのように短かくな
り、リセツト時間が45秒以内では、上記した動作
により負荷からしたたり落ちる液をも貯水槽１５
へ移すので、その貯水量は曲線Ａのようになる。

もしリセツト時間が45秒以上になつても45秒以
内の場と同じ動作をしていれば、貯水量は点線Ｂ
のように増加し、貯水槽の最大貯水量の40〔〕
を越えて貯水槽より水が溢れることになる。図の
斜線で示した範囲Ｃが溢れる水量を示す。

しかし45秒以上になると、上記した如くその後
の液移動時間が7.5秒と短かくなるので、貯水量
は減り曲線Ｄのようになる。このようにリセツト
時間が所定時間（45秒間）以上になると、貯水量
を強制的に抑えて貯水槽よりの溢水を阻止してい
る。

尚負荷が少ない場合は、負荷量に応じて洗濯槽
の水位を中水位や低水位に設定すれば、リセツト
時間が45秒を越えることがなくなる。

又第４図にある「槽洗浄行程」とは、先ず連結
弁１７を開き、その10秒後にポンプ１８を正回転
させると共に排水弁１０を開き、液面スイツチ２
５が開成した時点でポンプ１８のみ停止させる動
作を行なうものである。この動作により、貯水槽
１５内へ移つてきた水を撹拌して貯水槽壁に付着
した汚れを落とし、連結弁１７排水弁１０を介し
てこの汚れを排出するものである。

(ヘ) 発明の効果 本発明よれば、貯水槽の容積を可能な限り小さ
くして洗濯機の外形を小型化できるにもかかわら
ず、洗濯槽内の水量が貯水槽の容積を上まわる場
合でも、液の移送時貯水槽より溢れることはな
く、又貯水槽に溢水防止のための水位センサーを
使用してしないので、コストの上昇を抑えられる
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の貯水槽付洗濯機を示し、第１図
は全体の正面縦断面図、第２図は制御ボツクスの
前面パネル正面図、第３図は制御回路のブロツク
図、第４図は行程図、第５図はフローチヤート、
第６図は特性図である。 ３…洗濯槽、１５…貯水槽、１６…連結水路、
１７…連結弁、１８…ポンプ、１６，１７，１８
…液移送手段となる、２５…液面スイツチ（水位
検知手段）、２３…マイクロコンピユータ（計測
手段、制御手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯槽と、該槽内の液を再利用するために貯
   えておく貯水槽と、前記洗濯槽内の液を貯水槽へ
   移送せしめる移送手段と、前記洗濯槽内の水位を
   検知する水位検知手段と、前記移送手段により液
   を移送中、前記洗濯槽内の水位が規定水位まで低
   下して前記水位検知手段がリセツトするまでの時
   間を計測する計測手段と、前記時間が予じめ定め
   た所定時間以上の時は、水位検知手段がリセツト
   後の液の移送時間を前記所定時間以内の時に比べ
   短かく設定する制御手段とを有する貯水槽付洗濯
   機。