JPS6360358B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高速増殖炉の燃料移送装置に関するも
のである。

高速増殖炉の原子炉容器と炉外燃料貯蔵槽の燃
料の出し入れは、近時シユート方式が採られ、こ
の為、原子炉容器と炉外燃料貯蔵槽には夫々燃料
搬出入用斜道が設けられている。

ところで、第１図に示す如く原子炉容器１の炉
心２から燃料バケツト３に入れて燃料バケツト駆
動装置４により斜道５を通してチエーン４ａにて
吊上げた使用済燃料を炉外燃料貯蔵槽６に入れる
には、燃料バケツト３を入れた可動トラツク１０
をスイング走行させて斜道７の位置で停止し、燃
料バケツト駆動装置４により燃料バケツト３を斜
道７を通してチエーン４ａにて吊降し、使用済燃
料を炉外燃料貯蔵槽６へ入れている。また逆に炉
外燃料貯蔵槽から燃料バケツト３に入れて燃料バ
ケツト駆動装置４により斜道７を通してチエーン
４ａにて吊上げた新燃料を原子炉容器１の炉心に
入れるには、燃料バケツト３を入れた可動トラツ
ク１０をスイング走行させて斜道５の位置で停止
し、燃料バケツト駆動装置４により斜道５を通し
てチエーン４ａにて吊降し、新燃料を原子炉容器
１の炉心２へ入れている。

然し乍らかかる燃料移送装置では、燃料移送セ
ル９内で使用済燃料を収容した燃料バケツト３を
露出したまま可動トラツク１０を介してスイング
走行させるので、燃料移送セル９内の放射線レベ
ルが高く、燃料移送時に停止した場合のメンテナ
ンスに作業員が入ることができない。特に燃料バ
ケツト３のスイング中に地震が発生した場合を考
えると、耐震支持構造の設計が非常に難しい。ま
た地震が発生しないまでもスイングの途中で燃料
バケツト３のスイング装置（図示省略）が故障し
た場合には補修が困難である。さらに燃料移送セ
ル９内で燃料バケツト３からのナトリウムの滴下
付着があり、その除去が必要となる。またスイン
グ作動させて各燃料バケツト３を斜道５に位置合
せすることは極めて困難である等の欠点がある。

また、第２図ａ，ｂに示す如く燃料移送セル９
内に突出した斜道５，７を遮蔽体１１で囲繞し、
この遮蔽体１１の上端に遮蔽塔１１′を一体に設
け、この遮蔽塔１１′内に、軸中心線の点対称位
置に前記斜道５，７と各個に連通する燃料収容路
１２，１２′を交差するように偏位させて設けた
斜道変換体１３を回転可能に設け、遮蔽塔１１′
上に燃料バケツト駆動装置４′を設けた回転式の
燃料移送装置が開発されている。

かかる構造の燃料移送装置は、原子炉容器１の
炉心２から燃料バケツト３に入れて燃料バケツト
駆動装置４′により斜道５を通してチエーン４ａ
にて吊上げた使用済燃料を斜道変換体１３の燃料
収容路１２に入れ、一方炉外燃料貯蔵槽６から燃
料バケツト３に入れて燃料バケツト駆動装置４′
により斜道７を通してチエーン４ａにて吊上げた
新燃料を斜道変換体１３の燃料収容路１２′に入
れる。ここで斜道変換体１３を180゜回転し、新燃
料の入つた燃料収容路１２′を斜道５と連通させ、
使用済燃料の入つた燃料収容路１２を斜道７と連
通させる。然る後燃料バケツト駆動装置４′によ
り夫々斜道５，７を通して燃料バケツト３を吊降
し、新燃料を原子炉容器１の炉心２へ、使用済燃
料を炉外燃料貯蔵槽６へ入れている。

然し乍ら、この燃料移送装置は、斜道変換体１
３を回転して、燃料収容路１２，１２′を斜道７，
５に一致させるのが難しく、完全に一致しないま
ま燃料バケツト３を吊降した場合にはシール間段
差のため脱輪の恐れがある。さらに、斜道変換体
１３が回転中に故障した場合には、使用済燃料を
炉外燃料貯蔵槽６内に、新燃料を原子炉容器１の
炉心２内に入れることが不可能となり、また斜道
変換体１３の補修が困難である。

本発明はかかる問題点を解決すべくなされたも
のであり、原子炉容器の炉心より斜道を通して吊
上げた使用済燃料、炉外燃料貯蔵槽より斜道を通
して吊上げた新燃料を夫々移動したり向きを変え
たりすることなく、使用済燃料を炉外燃料貯蔵槽
へ、新燃料を原子炉容器の炉心へ夫々吊降すこと
ができるように斜道を変更するようにした高速増
殖炉の燃料移送装置を提供せんとするものであ
る。

本発明による高速増殖炉の燃料移送装置は、原
子炉容器と炉外燃料貯蔵槽に夫々燃料搬出入用斜
道を２基並設して各々燃料移送セル内で交差さ
せ、この両斜道の交差部の上方に燃料を吊上げ待
機させるトラツクを有する遮蔽塔を前記両斜道を
囲繞せる遮蔽体の上端に垂直に設け、前記両斜道
の交差部に前記トラツクに待機中の燃料を移送す
る斜道を開通する斜道変換装置を設け、前記遮蔽
塔の上端部に燃料バケツト駆動装置を設けて成る
ものである。

以下本発明による高速増殖炉の燃料移送装置の
一実施例を第３図ａ，ｂ，ｃによつて説明する
と、１は原子炉容器、２はその炉心、６は炉外燃
料貯蔵槽で、原子炉容器１と炉外燃料貯蔵槽６に
は夫々燃料搬出入用斜道５，７が２基並設されて
燃料移送セル９内に突出し交差せしめられてい
る。２基並設の両斜道５，７の上方には、各々燃
料を待機させるトラツク１５を有する遮蔽塔１６
が前記２基並設の両斜道５，７の遮蔽体１１の上
端に一体に垂直に設けられている。前記両斜道
５，７の交差部には、遮蔽塔１６内のトラツク１
５内に待機させた燃料を移送する為の斜道とトラ
ツク１５とを連通する斜道変換装置１７が設けら
れている。この斜道変換装置１７の詳細を説明す
ると、遮蔽塔１６のトラツク１５の下側で遮蔽塔
１６内のプラケツト１８（第３図ｃ参照）に、前
記両斜道５，７のトラツク５ａ，７ａのいずれか
と連通する可動トラツク１９が下向きに回転可能
に軸支され、可動トラツク１９は駆動力伝達機構
を介して可動ラツク駆動装置と連繋されている。
即ち、本例では可動ラツク１９の両外側面にウオ
ームホイール２０が固設され、この各ウオームホ
イール２０には夫々ウオーム２１が噛合され、ウ
オーム２１は遮蔽体１１の上端外面に設けられた
可動ラツク駆動装置２２の遮蔽体１１を貫通せる
回転軸２３上に固設されている。可動トラツク１
９の両外側面下端にはガイドローラ２４が設けら
れ、この各ガイドローラ２４は前記両斜道５，７
のトラツク５ａ，７ａの上端部外側で遮蔽体１１
に左右両内面間に架設した円弧状のガイドレール
２５上に載せて走行回転するようにしてある。前
記両斜道５，７のトラツク５ａ，７ａの上端部
は、左右両側面中央が切欠かれて可動トラツク１
９、遮蔽塔１６のトラツク１５と同様に溝形材が
相対向した構造となしてあつて燃料バケツトを斜
道５，７のトラツク５ａ，７ａから可動トラツク
１９を通して遮蔽塔１６のトラツク１５に吊上げ
る際、燃料バケツトが各トラツクの側面に当らな
いようになつている。２６は遮蔽塔１６の上端内
部に設けられたドラムで、燃料バケツトを吊上げ
るチエーン２７を巻込んであり、該ドラム２６は
遮蔽塔１６の上端部外面に固設された燃料バケツ
ト駆動装置２８により正逆回転せしめられるよう
になつている。２９，２９′は、両斜道５，７を
燃料移送時以外閉じる閉鎖装置である。

次に上述の如く構成された燃料移送装置の作動
について説明する。原子炉容器１の炉心２の使用
済燃料を燃料バケツト３に入れ、燃料バケツト駆
動装置２８によりドラム２６を回転し、２基並設
の一方の斜道５のトラツク５ａを通してチエーン
２７にて前記燃料バケツト３を吊上げ、斜道５の
トラツク５ａから可動トラツク１９を経由して遮
蔽塔１６内の一方の垂直なトラツク１５内に入れ
て待機させる。また炉外燃料貯蔵槽６の新燃料を
燃料バケツト３に入れ、燃料バケツト駆動装置２
８によりドラム２６を回転し、２基並設の他方の
斜道７のトラツク７ａを通してチエーン２７にて
前記燃料バケツト３を吊上げ、斜道７のトラツク
７ａから可動トラツク１９を経由して遮蔽塔１６
内の他方の垂直なトラツク１５内に入れて待機さ
せる。この待機中に一方の可動トラツク駆動装置
２２を正転し、他方の可動トラツク駆動装置２２
を逆転して、夫々ウオーム２１、ウオームホイー
ル２０を介して一方の可動トラツク１９を斜道５
のトラツク５ａ側から斜道７のトラツク７ａ側に
回転し、他方の可動トラツク１９を斜道７のトラ
ツク７ａ側から斜道５のトラツク５ａ側に回転す
る。この時両可動トラツク１９はガイドローラ２
４にて円弧状のレール２５上を円滑に走行移動す
る。両可動トラツク１９が夫々斜道７のトラツク
７ａ、斜道５のトラツク５ａと一致したならば、
燃料バケツト駆動装置２８によりドラム２６を逆
回転し、遮蔽塔１６内の一方のトラツク１５から
使用済燃料の入つた燃料バケツト３を可動トラツ
ク１９を経由して斜道７のトラツク７ａに吊降
し、炉外燃料貯蔵槽６内に収容し、他方のトラツ
ク１５から新燃料の入つた燃料バケツト３を可動
トラツク１９を経由して斜道５のトラツク５ａに
吊降し、原子炉容器１の炉心２内に収容する。

尚、本発明の燃料移送装置に於ける斜道の変換
装置１７は上記実施例に限るものではなく、例え
ば第４図ａ，ｂ，ｃに示す構造のものでも良い。
これを詳細に説明すると、原子炉容器１の斜道５
のトラツク５ａと炉外燃料貯蔵槽６の斜道７のト
ラツク７ａとの交差部に、前記両斜道５，７のト
ラツク５ａ，７ａのいずれかを遮蔽塔１６内のト
ラツク１５に連通する可動トラツク３０が上向き
に回転可能に遮蔽塔１６内のブラケツト３１（第
４図ｃ参照）に軸支され、可動トラツク３０は駆
動力伝達機構を介して可動ラツク駆動装置と連繋
されている。即ち、本例では可動ラツク１９の両
外側面にウオームホイール３２が固設され、この
各ウオームホイール３２には夫々ウオーム３３が
噛合され、ウオーム３３は遮蔽体の上端外面に設
けられた可動ラツク駆動装置３４の遮蔽体１１を
貫通せる回転軸３５上に固設されている。

かかる構造の斜道変換装置は、遮蔽塔１６の一
方のトラツク１５に使用済燃料を入れた燃料バケ
ツト３を原子炉容器１の炉心２から吊上げて待機
させる為に、一方の可動トラツク３０を斜道７の
トラツク７ａ側に回転して閉じ、斜道５のトラツ
ク５ａを一方のトラツク１５と連通し、他方のト
ラツク１５に新燃料を入れた燃料バケツト３を炉
外燃料貯蔵槽６から吊上げて待機させる為に、他
方の可動トラツク３０を斜道５のトラツク５ａ側
に回転して閉じ、斜道７のトラツク７ａを他方の
トラツク１５と連通する。そして夫々のトラツク
１５に待機させた使用済燃料入り燃料バケツト
３、新燃料入り燃料バケツト３を、炉外燃料貯蔵
槽６、原子炉容器１の炉心２に入れる時は前記と
は逆に一方の可動トラツク３０を斜道５のトラツ
ク５ａ側に回転して閉じて一方のトラツク１５と
斜道７のトラツク７ａと連通し、他方の可動トラ
ツク３０を斜道７のトラツク７ａ側に回転して閉
じて他方のトラツク１５と斜道５のトラツク５ａ
と連通する。

以上の説明で判るように本発明による燃料移送
装置は、原子炉容器の炉心より燃料バケツトに入
れ斜道のトラツクを通して遮蔽塔内の一方のトラ
ツクに吊上げた使用済燃料、炉外燃料貯蔵槽より
燃料バケツトに入れ斜道のトラツクを通して遮蔽
塔内の他方のトラツクに吊上げた新燃料を、夫々
移動したり、向きを変えたりすることなく、使用
済燃料の入つた遮蔽塔内のトラツクと炉外燃料貯
蔵槽の斜道のトラツクとを、また新燃料の入つた
遮蔽塔内のトラツクと原子炉容器の斜道のトラツ
クとを夫々可動トラツクの回転により連通させる
ことにより、容易に使用済燃料の入つた燃料バケ
ツトを炉外燃料貯蔵槽内へ、新燃料の入つた燃料
バケツトを原子炉容器の炉心へ吊降すことができ
る。また燃料を移送する斜道のトラツクを開通す
る可動トラツクに燃料を抱えていないので、可動
トラツクの回転時地震が発生しても燃料は静止固
定支持状態であり、安全に支持される。さらに可
動トラツクの回転時に故障しても燃料を抱えてい
ないので、補修が容易である。また２基並設され
ているので、１基が故障した場合でも他の１基で
使用済燃料、新燃料の交互の移送が可能である。

また本発明の燃料移送装置は、使用済燃料や新
燃料を入れた燃料バケツトを吊上げ収容せる遮蔽
塔内のトラツクを回転する必要がないので、燃料
バケツトが遮蔽塔内のトラツクに外力なしに垂直
向に吊上げ収容できる範囲で原子炉容器の斜道の
トラツクと炉外燃料貯蔵槽の斜道のトラツクの鉛
直方向に対する角度θ₁、θ₂は同一にせずに比較的
自由に選択することができる。従つて原子炉容
器、炉外燃料貯蔵槽、建屋の配置が決まつた後で
も本発明の燃料移送装置の配置は比較的容易に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高速増殖炉の燃料移送装置の一
例を示す縦断面図、第２図ａは従来の高速増殖炉
の燃料移送装置の他の例を示す概略縦断面図、第
２図ｂは同図ａのＡ−Ａ線断面矢視図、第３図は
本発明による高速増殖炉の燃料移送装置の一例を
示すもので、ａは縦断面図、ｂはａ図のＢ−Ｂ線
断面矢視図、ｃはａ図Ｃ−Ｃ線断面矢視図、第４
図は本発明による高速増炉路の燃料移送装置に於
ける斜道変換装置の他の例を示すもので、ａは縦
断面図、ｂはａ図のＤ−Ｄ線断面矢視図、ｃはａ
図のＥ−Ｅ線断面矢視図である。 １……原子炉容器、２……炉心、３……燃料バ
ケツト、５，７……斜道、５ａ，７ａ……斜道の
トラツク、６……炉外燃料貯蔵槽、９……燃料移
送セル、１１……遮蔽体、１５……トラツク、１
６……遮蔽塔、１７……斜道変換装置、１８……
ブラケツト、１９……可動トラツク、２０……ウ
オームホイール、２１……ウオーム、２２……可
動ラツク駆動装置、２３……回転軸、２４……ガ
イドローラ、２５……ガイドレール、２６……ド
ラム、２７……チエーン、２８……燃料バケツト
駆動装置、２９，２９′……斜道閉鎖装置、３０
……可動トラツク、３１……ブラケツト、３２…
…ウオームホイール、３３……ウオーム、３４…
…可動トラツク駆動装置、３５……回転軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原子炉容器と炉外燃料貯蔵槽に夫々燃料搬出
   入用斜道を２基並設して各々燃料移送セル内で交
   差させ、この両斜道の交差部の上方に燃料を吊上
   げ待機させるトラツクを有する遮蔽塔を前記両斜
   道を囲繞せる遮蔽体の上端に垂直に設け、前記両
   斜道の交差部に前記トラツクに待機中の燃料を移
   送する斜道を開通する斜道変換装置を設け、前記
   遮蔽塔の上端部に燃料バケツト駆動装置を設けて
   成る高速増殖炉の燃料移送装置。 ２ 斜道変換装置が、遮蔽塔内のトラツクの下側
   に下向きに枢支され各斜道のトラツクのいずれか
   と連通する可動トラツクと、該可動トラツクをス
   イング走行させる為の駆動装置及び該駆動装置と
   可動トラツクを連繋した駆動力伝達機構と、可動
   トラツクのスイング走行を案内する円弧状のガイ
   ドレールとより成ることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の高速増殖炉の燃料移送装置。 ３ 斜道変換装置が、原子炉容器及び炉外燃料貯
   蔵槽の斜道のトラツクの交差部に上向きに枢支さ
   れ遮蔽塔内のトラツクと前記両斜道のトラツクの
   いずれかと連通させる可動トラツクと、該可動ト
   ラツクを回動する為の駆動装置及び該駆動装置と
   可動トラツクを連繋した駆動力伝達機構とより成
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   高速増殖炉の燃料移送装置。