JPS6359211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は縦形しや断器、特にガス絶縁開閉装置
用として使用される縦形ガスしや断器に関する。

〔従来技術〕

従来のガス絶縁開閉装置用縦形ガスしや断器を
第１図に示す。

縦形の密封容器１の一側方には上下に並んで１
対の分岐管１ａ，１ｂがあり、それぞれの分岐部
には導体管２ａ，２ｂが接続されている。両者の
間はそれぞれ絶縁スペーサ３ａ，３ｂによつてガ
ス的に区分されている。密封容器１の上端は端蓋
１ｃによつて気密に封じられ、この端蓋１ｃに絶
縁支持物４、導体５を介して固定接触子６が固定
されている。密封容器１の下端は機構ケース７で
気密に封じられ、この機構ケース７に絶縁支持物
８と導体９とピストン支持筒１０が固定されてい
る。ピストン支持筒１０にはシリンダー１１や可
動接触子等から成る可動部が支持されている。

固定接触子６や可動接触子（図示せず）等から
成るしや断部はパツフアー形として良く知られて
いる通りである。

導体５には、絶縁スペーサ３ａの中心導体１２
と接続した接続導体１３が接続されている。また
導体９には、絶縁スペーサ３ｂの中心導体１４と
接続した接続導体１５が接続されている。このよ
うにして、しや断部の一方の極である固定接触子
６側は中心導体１２として導出され、他方の極で
ある可動接触子側は中心導体１４として導出され
ている。

しや断部の周囲には、再起電圧調整用のコンデ
ンサ１６が円周上で等間隔に配置されている。こ
のコンデンサ１６の軸長は、接続導体１３，１５
間の距離より小さくなされ、円周上にほぼ等間隔
で配置されている。

このようなガスしや断器の欠点は、第２図の如
くガス絶縁開閉装置に組込んだとき、上方の導体
管２ａは下方の導体管２ｂや主母線１８，１９を
越えてプツシングやケーブルヘツド１７に接続さ
れているため、越えるためだけに使用される無駄
な軸長を持つ導体管２ａが必要になることであ
る。また密封容器１は一側の上下に分岐管１ａ，
１ｂを有するため、その製作上高さが増してしま
う。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、導体管の軸長を短縮すること
ができ、また高さを抑えた縦形ガスしや断器を提
供するにある。

〔発明の概要〕

本発明は、しや断部の両端をほぼ同一レベルで
相反する方向に導出して縦形ガスしや断器を構成
している。このようなガスしや断器は、しや断部
の両極と、導体管の中心導体との間を接続する接
続導体が複雑な形状となるため、接続導体と密封
容器間の電位分布を乱し絶縁上の問題を生ずる。
本発明は、この点の配慮を払うことによつて、上
述縦形ガスしや断器を構成したことを特徴とす
る。

〔発明の実施例〕

以下本発明の実施例を図面と共に説明する。

第３図は本発明の縦形ガスしや断器を採用した
ガス絶縁開閉装置を示し、ガスしや断器の密封容
器１の両側には、ほぼ同一レベルで相反する方向
に分岐管１ａ，１ｂが形成され、分岐管１ｂには
断路器２０，２１を介して主母線１８，１９が接
続されている。分岐管１ａにはケーブルヘツド１
７が接続されている。

この構成は、第２図との比較から解かるよう
に、ガスしや断器の高さを抑えることができ、ま
た従来長尺であつた導体管２ａを著しく短縮する
ことができる。

次に第４図を用いてガスしや断器を説明する。

密封容器１の上端は端蓋１ｃによつて気密に封
じられており、また端蓋１ｃとは別に支持板２２
が密封容器１に固定されている。この支持板２２
には、絶縁支持物４を介して上部取付板５０や固
定接触子６等が支持固定されている。上部取付板
５０は密封容器１の中心軸に対して直交する平面
に存在する。機構ケース７に固定された絶縁支持
物８には、上部取付板５０とほぼ平行に成されて
対を成す下部取付板９０やピストン支持筒１０等
が支持固定されている。ピストン支持筒１０に固
定されたピストンには、シリンダー１１や図示し
ない可動接触子が移動可能に支持されている。可
動接触子等は、機構ケース７内のリンク機構によ
つて密封容器１の中心軸上もしくはこれと並行な
軸上を上下に開閉動作する。１対の取付板５０，
９０の外周部には電界緩和用のシールド筒２３，
２４が設けられ、これらシールド筒は近傍の適当
な部材に固定されている。

密封容器１の分岐管１ｂと導体管２ｂの間は、
絶縁スペーサ３ｂによつて気密に封じている。同
様に分岐管１ａと導体管２ａとの間は、絶縁スペ
ーサ３ａによつて気密に封じられている。

密封容器１の側方で分岐管１ｂの下方には点検
口２５が形成され、取外し可能な蓋２６で封じら
れている。蓋２６の内面には吸着剤２７が固定さ
れている。

この点検口２５側に位置する方の分岐管１ｂ中
の接続導体１５０は、一端を中心導体１４に接続
し、他端を上部取付板５０に接続している点に注
目できる。これは後述するように、点検口２５か
ら接触子の損傷状態を判断するとき、接続導体１
５０が障害となることはない。点検口２５と反対
側の分岐管１ａ内の接続導体１３０は、一端を中
心導体１２に接続し、他端を下部取付板９０に接
続している。

更に両接続導体１３０，１５０の取付けにおい
ては次の点が考慮されている。それは、密封容器
１における分岐部の基部２８，２９との間の絶縁
耐力を高めるものである。そのための第１点は、
接続導体１３０，１５０を楕円形につぶしている
ことであり、これによつて、接続導体１３０，１
５０と基部２８，２９間の絶縁距離を大きくする
と同時に、接続導体１３０，１５０を図示の如く
滑らかな曲線状に変形加工し易くしている。しか
しながら、この第１点は次の第２点から見れば副
次的である。つまり第２点として接続導体１３
０，１５０は、上下部取付板５０，９０との接続
側を、上下部取付板間を結ぶ直線とほぼ平行にな
るよう滑らかな曲線にしている。そして、曲線の
方向は、接続導体１５０の端が上部取付板５０の
下面と接触し、接続導体１３０の端が下部取付板
９０の上面と接触する如きである。この結果、接
続導体１３０，１５０と基部２８，２９間に十分
な絶縁距離が確保できる。接続導体１３０，１５
０は上下部取付板５０，９０との接続を容易にす
るために、その接続側端につば３０，３１が形成
され、このつばと上下部取付板を面接触させて、
図示しないボルトによつて締め付けている。

上記した第２点の利益は、接続導体１３０，１
５０と上下部取付板５０，９０との接続に、第１
図に示す従来の接続を用いた場合と比較すること
によつて明らかになる。そのような接続の場合、
中心導体１４、導体管２ｂを上方にずらして形成
し、中心導体１２、導体管２ａを下方にずらして
形成しなければならず、結果として、分岐管１
ａ，１ｂをほぼ同一レベルで形成することは難し
くなつてしまうか、あるいは絶縁耐圧を低くして
しまうことになる。

第５図は、第４図の上下部取付板５０，９０間
に固定されて電気的にも接続されるコンデンサ１
６、接続導体１３０，１５０および点検口２５間
の関係を説明するものである。

本構成の特徴は、第１図の如く接続導体１３，
１５とコンデンサ１６とを軸方向にずらして配置
するのではなく、第４図の如く同一円心上で接続
導体１３０，１５０とコンデンサ１６が並置され
るようにしたことである。そのため、分岐管１
ａ，１ｂを避けた密封容器１の側部にコンデンサ
１６を配置して略こ字状に成し、空いた部分から
接続導体１３０，１５０が侵入するようにしてい
る。言い換えると、分岐管１ａ，１ｂに対応する
側に比較的大きな間隔があくようにして、分岐部
間を結ぶ直線の左右に集中させてコンデンサ１６
を配置している。このコンデンサ１６は、第５図
の上方部だけで十分な容量であるなら、下方部は
除いても良いし、また上下部取付板５０，９０間
を機械的に結合する絶縁棒とコンデンサ１６をほ
ぼ同一円周上に並置しても良い。特に後者の場
合、絶縁支持物４を省略することを可能にする。
またコンデンサ１６に投入抵抗装置を並置するこ
ともできる。

このような構成であるため、点検口２５から接
触子の状態を確認するとき、接続導体１５０は障
害とならないし、また、点検のためにコンデンサ
１６の各棒状体間に空間を形成する必要はない。
これらの効果を同時に満足させるために、他の実
施例では分岐管１ａの上部の密封容器１の側壁に
点検口を形成することができる。接触子の交換が
必要な場合は、端蓋１ｃを外し、支持板２２の開
口から治具を挿入して、上部取付板５０に対する
コンデンサ１６や接続導体１５０の接続を解い
て、上部取付板５０と固定接触子６を密封容器１
外に出して行なう。

上述した実施例において、１対の上下部取付板
５０，９０は単なる平板として例示したが、２枚
の板の組合せとし１枚をコンデンサ１６の取付用
として他の１枚を接続導体１３０，１５０用とし
たり、皿状等他の形状に形成しても良い。また分
岐管１ａ，１ｂは必ずしも同一レベルにする必要
はなく、分岐管の直径ぐらい上下にずれていても
適用でき、またガスしや断器に限らず他のしや断
器にも適用できる。

以上説明したように本発明は、１対の上下部取
付板間にコンデンサを取付け、接続導体は上下部
取付板の対向面にそれぞれ固定したため、接続導
体と密封容器間、特に基部２８，２９との間の十
分な絶縁耐圧を得ることができる。

また本発明は、上方取付板に接続した接続導体
１５０を有する分岐管の下方に点検口を形成した
ため、接続導体１５０やコンデンサが邪魔になる
ことなく接触子の点検作業を行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の縦形ガスしや断器の縦断面図、
第２図は第１図のガスしや断器を用いたガス絶縁
開閉装置の正面図、第３図は本発明になるガスし
や断器を用いたガス絶縁開閉装置の正面図、第４
図は本発明の一実施例による縦形ガスしや断器の
縦断面図、第５図は第４図の横断面図である。 １……密封容器、１ａ，１ｂ……分岐管、２
ａ，２ｂ……導体管、３ａ，３ｂ……絶縁スペー
サ、６……固定接触子、１６……コンデンサ、２
５……点検口、２８，２９……基部、５０……上
部取付板、９０……下部取付板、１３０，１５０
……接続導体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下方向に開閉動作する接触子を有するしや
   断部を縦形の密封容器内に収納し、上記密封容器
   の側部に１対の分岐管を形成し、この分岐管にそ
   れぞれ導体管を接続すると共に、上記両導体管の
   中心導体はそれぞれ接続導体を介して上記しや断
   部の接触子へそれぞれ接続し、上記接触子間にコ
   ンデンサを接続して成る縦形しや断器において、
   上記分岐管はほぼ同一レベルで相反する方向に延
   びて形成し、上記しや断部は上記接触子にそれぞ
   れ接続されて相対向して設けた上部取付板および
   下部取付板を有し、上記コンデンサは上記両分岐
   管との対向部を除いて上記上部取付板と下部取付
   板間に取付け、一方の上記接続導体は上記上部取
   付板の下面に固定し、他方の上記接続導体は上記
   下部取付板の上面に固定したことを特徴とする縦
   形しや断器。 ２ 上下方向に開閉動作する接触子を有するしや
   断部を縦形の密封容器内に収納し、上記密封容器
   の側部に１対の分岐管を形成し、この分岐管にそ
   れぞれ導体管を接続すると共に、上記両導体管の
   中心導体はそれぞれ接続導体を介して上記しや断
   部の接触子へそれぞれ接続し、上記接触子間にコ
   ンデンサを接続して成る縦形しや断器において、
   上記分岐管はほぼ同一レベルで相反する方向に延
   びて形成し、上記しや断部は上記接触子にそれぞ
   れ接続されて相対向して設けた上部取付板および
   下部取付板を有し、上記コンデンサは上記両分岐
   管との対向部を除いて上記上部取付板と下部取付
   板間に取付け、上記密封容器の上記分岐管の一方
   の下部に、取外し可能な蓋で塞がれた点検口を形
   成し、この点検口の上方の分岐管内を通る上記接
   続導体は上記上部取付板の下面に固定し、他方の
   接続導体は上記下部取付板の上面に固定したこと
   を特徴とする縦形しや断器。