JPS6358542B2 - - Google Patents

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JPS6358542B2
JPS6358542B2 JP56207464A JP20746481A JPS6358542B2 JP S6358542 B2 JPS6358542 B2 JP S6358542B2 JP 56207464 A JP56207464 A JP 56207464A JP 20746481 A JP20746481 A JP 20746481A JP S6358542 B2 JPS6358542 B2 JP S6358542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、抗生物質76−11物質を有効成分とし
て含有する家畜の発育促進・飼料効率改善剤に関
するものである。 従来、抗生物質を飼料に添加して家畜又は家禽
の発育促進や産卵率の向上を図ることが広く行な
われている。しかしながら、人畜共通に用いられ
る抗生物質の動物への使用は耐性菌の出現を招
き、人体の医療に悪影響が懸念されると共に、畜
産物を食用に供する際に動物体内に残留、蓄積す
る該抗生物質を併せて摂取することによつて好ま
しくない影響を受ける恐れがあるのが実状であ
る。 本発明者らは、先に新規抗生物質76−11物質が
家畜及び家禽のコクシジウム症の予防、治療に対
して極めて有効であることを見出し、該抗生物質
を有効成分として含有する抗コクシジウム剤を完
成した(特開昭58−23627号公報参照)。 本発明者らは、更に、前述の如き欠点のない成
長促進剤について鋭意研究の結果、前記抗生物質
76−11物質を家畜に投与すると、該動物の消化器
官内においてプロピオン酸の生成を促進し、且つ
ルーメン液の粘度上昇を抑制する作用を発揮する
ことを見い出した。ところで動物の生体内におけ
る揮発性脂肪酸のエネルギーとしての利用率は、
酢酸又は酪酸に比しプロピオン酸の方がより大き
いことが知られている。本発明者らは上記知見に
基き、76−11物質が家畜の発育を促進し、飼料の
利用効率を向上させるすぐれた薬剤となり得るこ
とを実証してこゝに本発明を完成するに至つた。 本発明の有効成分である抗生物質76−11物質
(以下、「76−11物質」と称する。)は、76−11物
質の生産能を有する微生物、例えば、放線菌76−
11(以下、「76−11株」と称する。)の発酵生産物
である(特公昭57−33948号公報参照)。上記76−
11株の菌学的性質、76−11物質の製造法及び理化
学的性質について以下に説明する。 76−11株は以下の菌学的性質を有するアクチノ
マジユラ(Actinomadura)属に属する新菌種で
あるが、その自然的及び人工的変異株は勿論、76
−11物質の生産能を有する微生物はすべて使用す
ることができる。 76−11株は、島根県益田市の土壌試料中より分
離された微生物であつて、工業技術院微生物工業
技術研究所に昭和55年8月21日に寄託され、その
微生物受託番号は微工研菌寄第5678号である。76
−11株は次の菌学的生質を有する。 76−11株の各種培地上の性質は特許庁産業別審
査基準に従つて各種の培地を調製し、20〜30日後
に観察した。又以下の色調の記載に於て( )内
の記号はデイスクリプテイブ・カラー・ネーム・
デイクシヨナリー(D.C.N.D)の色名記号に従つ
た。 形態的特徴 76−11株は、オートミール寒天培地、マルトエ
キス・イーストエキス寒天培地上に生育するが他
の培地上に於ては生育しないは、又は生育が極め
て悪いので、オートミール寒天培地、マルトエキ
ス・イーストエキス寒天培地及びオートミール3
%の液体培地上の形態を観察した。その結果は次
の通りである。 1 基生菌糸 基生菌糸は寒天培地上及び液体培地上によく伸
長し分岐する。長期間培養すると分断し、楕円形
の胞子を形成する。その大きさは0.8〜1.2μ×1.5
〜1.7μである。気菌糸は各種培地上に於て形成し
ないが、オートミール寒天培地上に於て33℃20日
間以上培養すると白色の気菌糸を薄く形成する事
があるが屈曲し、紐状又は束状で分岐は少く胞子
の形成は見られない。 2 気菌糸 各種培地上に養生しないか僅かに、オートミー
ル培地上に於て30日以上培養すると着生する場合
がある。その気菌糸の状態は不規則に屈曲し、電
子顕微鏡下においても胞子の形成は観察されな
い。 菌体組成 本菌株をグルコース1%、イーストエキストラ
クト1%、オートミール0.1%の培地で33℃7日
間振盪培養し菌体を集め洗浄し、菌体組成の分析
の資料とし、ジアミノピメリン酸及び糖組成を検
討した。前者に於てはメソ体のジアミノピメリン
酸が後者に於てはガラクトースマジユロースの存
在が認められた。 各種培地上の性質 1 シユークロース硝酸塩寒天培地 生育:極めて悪く、30日後の観察に於て、生育
が見られる。透明、表面の色は明るい小麦色
(2ea)である。裏面の色は明るい象牙色(2ca)
である。 気菌糸:着生しない。 可溶性色素:生成しない。 2 グルコース・アスパラギン寒天培地 生育しない。 3 グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育しない。 4 無機塩・澱粉寒天培地 生育:極めて悪く、30日後の観察に於てわずか
に生育がみとめられる。明るい黄褐色(3gc)、
で裏面の色は黄褐色(3ie)を呈する。 気菌糸:着生しない。 可溶性色素:生成しない。 5 チロシン寒天培地 生育:極めて悪く淡い黄色(3ca)を呈する。 裏面の色は明るい象牙色(2ca)である。 気菌糸:着生しない。 可溶性色素:生成しない。 6 栄養寒天培地 生育:極めて悪く、30日後の観察で明るい象牙
色を呈する。裏面の色は明るい象牙色(2ca)を
呈する。 気菌糸:着生しない。 可溶性色素:生成しない。 7 イースト・エキストラクト・マルトエキスト
ラクト寒天培地 生育:良好、表面にしわのある硬い被膜状の生
育をし、表面の色は淡褐色(2ne)時に青み
(10ie)をおびてくる。裏面の色は淡褐色(2ne)、
時に青み(10ie)を帯びてくる。 気菌糸:形成しないが時に長期間培養すると僅
かに白色の気菌糸が形成される事がある。 可溶性色素:生成しない。 8 オートミール寒天培地 生育:良好で表面平滑、被膜状の生育が見ら
れ、表面の色は青藍色(10ie)裏面の色
は白色を経て青藍色(10ne)となる。 気菌糸:30日後の観察に於て、時に白色の気菌
糸を生成する。 可溶性色素:生成しない。 9 ペプトン・イースト・鉄寒天培地 生育:生育しない。 10 脱脂粉乳(37℃) 生育:生育遅く、凝固、ペプトン化する。 11 グルコース ペプトン・ゼラチン培地(20
℃) 生育:極めておそく液化がみられる。 生理的性質 1 生育温度:27℃〜37℃に亘つて生育するが33
℃〜37℃に於て最も良好な生育が見られる。 2 ゼラチンの液化:液化する。 3 澱粉分解力:分解しない。 4 脱脂粉乳:凝固する。ペプトン化弱い。 5 メラニン様色素の生成:生成しない。 6 抗酸性:抗酸性菌である。 各種炭素源の利用性 プリダハム糖試験培地(デイフコ製)に各種の
糖を添加して76−11株を培養したがいづれの培地
においても生育が見られなかつたのでプリダハム
糖試験培地に酵母エキス0.1%を添加して試験し
た。その結果を次に示す。 L−アラビノース D−キシロース D−グルコース D−フラクトース シユークロース I−イノシトール L−ラムノース ラフイノース マンニトール 無添加 ± 常によく生育する。 :よく生育する。 :生育する。 ±:対照。 〈76−11株の特徴〉 上記の如く76−11株の菌株の特徴は次の通りで
ある。 1 形態 76−11株は、気菌糸を通常形成しないが、長期
間培養する事により僅かに形成する。基生菌糸は
屈曲し、培養後期に断裂し、楕円形の細胞を形成
する。菌糸はグラム陽性、抗酸性がある。 2 各種培地上の性質 特許庁産業別審査基準にもとずく各種培地上に
於て、オートミール寒天培地、イーストエキスト
ラクト・マルトエキストラクト・寒天培地以外の
寒天培地上における生育は極めて悪いか全く生育
しない。 本菌はオートミール寒天培地上において最もそ
の特性をよく示し、培養3〜4週間で青藍色の水
に不溶性の菌体内色素を形成する。 3 生理的性質 33℃より37℃でよく生育し、ゼラチン液化は弱
く脱脂乳の凝固、ペプトン化陽性である。メラニ
ン色素は生成しない。 4 糖の利用性 プリダハムの糖試験培地にイーストエキス0.1
%を添加して試験した結果、L−アラビノース、
D−キシロース、D−グルコース、D−フラクト
ース、シユークロース、1−イノシトール、L−
ラムノース、ラフイノース、マンニトールの何れ
もよく利用した。 上記の如く76−11株は胞子及び菌糸の形態的特
徴、各種培地上の生育の特性及び細胞壁構成成分
より放線菌アクチノマジユラ属に属する菌種であ
ると考えられる。しかしながら、 Nonomura,H.& Y.Ohara:Distribution
of actinomycetes in soil.Xl.Some new species
of the genus Actinomadura Lechevalier et
al.J.Ferment.Technol.49:904〜912,1971, Preobrazhenskaya,T.P.;M.A.Sveshnikova
& L.P.Terek hova:Key for identification
of the species of the Genus Actinomadura.
The Biology of the Actinomycetes &
Related Organisms 12:30〜38,1977 に記載されているアクチノマジユラ属に属する菌
種の諸性質と76−11株のそれとを照合すると、76
−11株の如く、オートミール培地上に於て青紫色
の菌体内色素を生産する菌種は記載されていな
い。そこで76−11株はアクチノマジユラ属に属す
る一新菌種であると結論した。 次に、76−11物質を生産するに当つては、新抗
生物質76−11物質生産菌を、抗生物質を生産する
通常の方法で培養することができる。培養の形態
は、液体培養でも固体培養でもよく、工業的に有
利に培養するためには、前記生産菌の培養菌体又
は培養液を培地に接種し、通気撹拌培養を行えば
よい。 培地の栄養源としては特に限定されることはな
く、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素
源その他の培地中に含有させることができる。炭
素源としては、澱粉、デキストリン、グリセリ
ン、グルコース、シユークロース、ガラクトー
ス、イノシトール、マンニトールなどが、また窒
素源としてはオートミール、酵母、ペプトン、大
豆粉、肉エキス、米ぬか、〓、尿素、コーンステ
イープリカー、アンモニウム塩、硝酸塩、その他
の有機または無機の窒素化合物が用いられる。そ
の他、無機塩類、たとえば、食塩、燐酸塩類、カ
リウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄等の金
属塩類等を適宜に添加してもよく、必要に応じて
消泡剤として、動、植、鉱物油等を添加してもよ
い。培養温度、培養時間等の培養条件は使用菌の
発育に適し、しかも76−11物質の生産が最高とな
るような条件が選ばれる。たとえば培地のPHは4
〜9、特に中性付近がよく、培養の適温は25゜−
35℃程度がよい。 しかし、これらの培養組成物、培地の水素イオ
ン濃度、培養温度、撹拌条件などの培養条件は使
用する菌株の種類や、外部の条件などに応じて好
ましい結果が得られるように適宜調節されるべき
であることはいうまでもない。このようにして得
られる培養物から、76−11物質を得るには代謝産
物を採取するのに通常用いられる手段を適宜に利
用して採取し得る。たとえば、76−11物質と不純
物との溶解度差を利用する手段、吸着親和力の差
を利用する手段のいずれも、それぞれ単独で、ま
たは組合わせて、あるいは反復して使用される。
具体的には、76−11物質は培養液及び菌体に存
在するが、その有機溶剤への溶解性の性質を利用
して酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、ブ
タノールなどを用いて培養液より抽出すること
ができる。菌体は含水アセトン又は含水メタノー
ルで抽出し減圧下に有機溶剤を留去し、残つた水
溶液より酢酸エチルその他を用いて抽出すること
ができる。両抽出液を合せ減圧下に濃縮すると、
76−11物質の粗抽出物が得られる。このものは多
量の不純物を含んでいるので、シリカゲル、アル
ミナ等の吸着クロマトグラフイーに付して、更に
精製する。例えば、シリカゲルのカラムをベンゼ
ンで調製しておき、これに前記粗抽出物を少量の
ゼンゼンに溶かしたものを流し込む。引き続きベ
ンゼンで次いでベンゼン−酢酸エチルの混合溶剤
を用いて、順次酢酸エチルの含量を上げながら展
開溶出を行う。溶出液をフラクシヨンコレクター
にて一定量づつ分取する。生物活性を示すフラク
シヨンを集めて濃縮すると精製粉末が得られる。
更に精製を行うために、同様のシリカゲルクロマ
トグラフイーをくり返して行う。更に必要に応じ
調製用薄層クロマトグラフイーによつて精製を行
う。減圧濃縮により精製物を得、これをメタノー
ルの少量に溶解し、冷蔵することにより76−11物
質は無色の結晶として析出する。これを取乾燥
することによつて76−11物質の純品を得ることが
できる。 かくして得られた76−11物質の理化学的性質及
び生物学的性状は次のとおりである。 〔76−11物質の理化学的性質及び生物学的性状〕 (1) 元素分析値 遊離酸 炭 素 62.61% 水 素 8.27% 窒 素 0% Na 塩 炭 素 60.57% 水 素 8.04% 窒 素 0% (2) 分子量 843(滴定当量による) 873(FDマススペクトルによる) (3) 融点 遊離酸 108−112゜ Na 塩 210−212゜(分解) (4) 比施光度 〔α〕25 D+36.6゜
(C=0.382、クロロホルム) (5) 紫外線吸収スペクトル:極大値 メタノール及び塩酸々性メタノール中: λnax=217mμ(E1% 1cm303) 262mμ(E1% 1cm182) 301mμ(E1% 1cm 68) アルカリ性メタノール中: λnax=260mμ(E1% 1cm 87) 308mμ(E1% 1cm 50) (6) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリ錠剤中の主
な極大値) 遊離酸:3450,2960,1720,1640,1610,
1578,1446,1380,1315,1292,1250,
1209,1151,1100,1035,975,940 cm-1 Na塩:3390,2960,1718,1640,1609,
1578,1450,1380,1340,1316,1250,
1197,1152,1108,1092,1060,1040,
1002,980,930 cm-1 (7) 溶解性 ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル、アセト
ンに易溶、 メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミ
ドに可溶、水、ヘキサンに難溶。 (8) 呈色反応 過マンガン酸カリ溶液を脱色するが、過沃素酸
−ベンジジン反応は陰性。 (9) 塩基性、中性、酸性の区別 酸性物質でpKa′は4.6。 (66.7%ジオキサン中) (10) 物質の色 無色結晶 (11) 抗菌活性 ブイヨン寒天培地を使用し最少発育阻止濃度を
求めた結果は次の通りである。
〔参考例〕
オートミール3%、グリセリン1.5%、肉エキ
ス0.5%よりなる培地にあらかじめ斜面培養した
前記76−11株(微工研菌寄第5678号)を接種し、
28℃11日間振盪培養する。この培養液を3mlづつ
新たな同組成の培地に連醸し、更に7日間同条件
で振盪培養を行う。 この培養液140mlを、同一組成の培地18に接
種し、ジヤーフアーメンターを用いて210時間、
28℃で通気撹拌培養を行う。このときの通気量は
毎分18、撹拌回転数は330回転/分である。 培養終了後ラジオライト700を400g加え培養液
を遠心過する。液(14、PH7.8)を8及
び5の酢酸エチルを用いて二度抽出する。一
方、菌体はアセトン9、及び6を用いて二度
抽出する。抽出液を減圧濃縮して水溶液2を得
る。この水溶液(PH8)を酢酸エチル1で2回
抽出する。先の培養液よりの酢酸エチル抽出液
と合し、減圧濃縮する。残渣を少量のベンゼンに
溶かし、予めベンゼンで調製したシリカゲルカラ
ム(3cm径×50cm)にかける。ベンゼン2、ベ
ンゼン−酢酸エチル(5:1)1、ベンゼン−
酢酸エチル(1:1)1を用いて順次展開溶出
する。活性部分はベンゼン−酢酸エチル(1:
1)の溶出画分に現れるのでこの部分を集めて減
圧濃縮してメタノールを処理すると粗結晶約1g
が得られる。これをメタノールより数回再結晶し
て76−11物質Na塩の純結晶400mgを得る。 本発明の有効成分である76−11物質は精製品も
しくは粗生成物の形で、又は76−11物質を含む菌
体として用いることができる。又、生理的に許容
される金属塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウ
ム塩等)、有機酸エステル(例えば、プロピオン
酸エステル、バレリアン酸エステル等)及び金属
複合物(例えば、亜鉛複合物等)として用いるこ
ともできる。 本発明の発育促進・飼料効率改善剤は、76−11
物質を生理的に無害な固体又は液体の希釈剤と混
合し、又は混合せずに散剤、錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、丸剤等に製剤化してもよいが、通常は飼
料、飲料水などに直接混合するか又は希釈剤中に
分散又は溶解させたものを飼料、飲料水等に添加
することにより用いられる。飼料に添加する場合
は例えばプレミツクスを製造し、これを用いるこ
とが好ましい。プレミツクスは有効成分の精製
品、粗生成物又は有効成分を含む菌体を生理学的
に許容される固体担体又は液体担体と混合するこ
とにより得られる。固体担体としては、例えば小
麦粉、大豆粉、米ぬか、とうもろこし粉、殿粉、
ぶどう糖、酵母、魚粉、タルク、珪藻土等、液体
担体としては、例えば生理食塩水、蒸留水、生理
的に許容される有機溶媒等が用いられる。 その他適宜の補助剤又は添加物例えば乳化剤、
分散剤、懸濁剤、湿潤剤、濃縮剤、ゲル化剤、殺
菌剤、防腐剤、酵素剤、抗生物質、乳酸菌製剤等
を混用することもできる。 プレミツクス中の有効成分の濃度は家畜の種類
により、適宜調節できる。 本発明の発育促進・飼料効率改善剤の使用濃度
は家畜の種類及び年令などにより異なるが、豚、
兎の場合には、通常は5〜200ppm、好ましくは
10〜100ppm、また牛、羊、やぎ等の反すう動物
の場合は通常は1〜100ppm、好ましくは2〜
50ppmの有効成分を含む飼料を使用する。 本発明の有効成分である76−11物質は毒性が低
い上、更に他の抗生物質との配合による家畜への
副作用の発現の恐れが極めて少ないという利点を
有する。一般にポリエーテル系抗生物質(サリノ
マイシン、モネンシン等)は、その常用量をトリ
アセチン・オレアンドマイシン又はフマル酸プリ
ユーロムチリンの常用量と配合して家畜に投与す
ると、該動物に一過性の食欲廃絶、後肢麻痺等が
認められるため、ポリエーテル系抗生物質は前記
物質と同時もしくは近接して投与しないように配
慮することが必要である。これに対し、76−11物
質についてはこのような恐れはなく、家畜の発育
促進と飼料効率の改善を併せて達成し得るすぐれ
た薬剤である。 本発明の薬剤は、これを家畜類に投与すると、
該動物の消化器官内におけるプロピオン酸の生成
を促進し、ルーメン液の粘度上昇を抑制すること
によつて、該動物の赤痢症、鼓脹症及びケトージ
スを防止するという効果がある。しかも、家畜類
の健全な発育を促進し、且つ飼料の利用効率を向
上させるという効果もある。 以下、本発明を実施例及び試験例によつて示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 76−11物質 1% コーンスターチ 99% 両物質を粉砕して均一に混合し、76−11物質を
1%含有するプレミツクスとする。 実施例 2 76−11物質粗生成物(純度40%) 2.5% フ ス マ 97.5% 両物質を粉砕して均一に混合し、76−11物質を
1.0%含有するプレミツクスとする。 実施例 3 76−11物質0.96%を含有する培養乾燥菌体1000
gを粉砕し、そのままプレミツクスとして用い
る。 76−11物質を草食動物に投与すると牛、羊、や
ぎなどの反すう動物では第一胃内において、兎、
豚などの単胃動物では大腸内において、生成する
プロピオン酸の酢酸及び酪酸に対する比率が高め
られることが観察される。揮発性脂肪酸のエネル
ギーとしての利用率は酢酸又は酪酸に比べてプロ
ピオン酸の方がより大きいことから、76−11物質
投与により消化器官内においてプロピオン酸の生
成が促進され、その結果、発育促進および飼料の
利用効率が向上するものと考えられる。また、濃
厚飼料を多量に給与する肉用牛に多発しやすい鼓
脹症やケトージスの発生を予防できるとともに、
すでに発症している動物に投与すると、これらを
治療することもできる。次に、反すう動物への使
用例として76−11物質を飼料に均一に添加混合し
て、子牛に投与した場合の試験例を示す。 試験例1 (牛における試験成績) 9カ月令、体重およそ330Kgの去勢したホルス
タイン種雄子牛4頭を2群に分け、第1群の2頭
には76−11物質を30ppmになるように添加して均
一に混合した飼料を、第2群の2頭には無添加の
飼料を、それぞれ16週間不断投与して、この期間
中の体重増加量と飼料摂取量を測定し、飼料要求
率を算出した。その結果を表1に示す。また、試
験開始前と試験終了時に経鼻カテーテルによつて
採取したルーメン液の粘度および揮発性脂肪酸含
量を測定し、プロピオン酸と酢酸の含有モル比率
を算出した。その結果を表2に示す。 なお、飼料は全農製造の肉牛肥育用「クミアイ
ニユーキングビーフ後期用」(自由摂取)および
稲わら(3Kg/日・頭)を使用した。「クミアイ
ニユーキングビーフ後期用」の栄養分含量は次の
通りである。 粗蛋白質 11.5% 粗脂肪 2.0% 粗繊維 9.0% 粗灰分 9.0% DCP 9.0% TDN 72.0%
【表】 表から明らかなように、76−11物質の30ppm投
与により15%の飼料要求率改善が認められた。
【表】 表から明らかなように、76−11物質の30ppm投
与によりルーメン液の粘度上昇が抑制されてお
り、肉用牛に発生しやすい鼓脹症の予防にも有効
である。またプロピオン酸の生成比率が増加して
いることから、ケトージスの予防にも有効に作用
するものと思われる。 次に、単胃草食動物への使用例として76−11物
質を飼料に均一に添加混合して子豚に投与した場
合の試験例を示す。 試験例2 (豚における試験成績) 2カ月令のランドレース種同腹小豚10頭を性比
率および平均体重が等しくなるように2群に分
け、第1群の5頭には76−11物質を50ppmになる
ように添加して均一に混合した飼料を、第2群の
5頭には無添加の飼料を、それぞれ10週間不断給
与して、この期間中の体重増加量と飼料摂取料を
測定し、飼料要求率を算出した。その結果を表3
に示す。また試験終了時に糞便中の揮発性脂肪酸
(VFA)含量を測定した。その結果を表5に示
す。 なお、飼料は抗生物質を含まない子豚育成用飼
料で、その配合組成は次の通りである。 穀類(とうもろこし、マイロ、小麦) 78% 大豆油粕 13% 魚粉 5% その他(食塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム等) 4%
【表】 表から明らかなように、76−11物質の50ppm投
与により17%の発育促進と9%の飼料要求率改善
が認められた。
【表】 す。
豚の腸管による揮発性脂肪酸の吸収量は、該脂
肪酸の種類により差異のないことが知られてい
る。したがつて76−11物質の50ppm投与により、
糞便中のプロピオン酸含量が増加したことは、腸
管内におけるプロピオン酸の生成量が増加したこ
とを示すものと考えることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の式で表わされる化合物を有効成分とし
    て含有することを特徴とする家畜の発育促進・飼
    料効率改善剤。
JP56207464A 1981-08-04 1981-12-22 家畜の発育促進・飼料効率改善剤 Granted JPS58107141A (ja)

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