JPS6357909B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は特に巨大なデイスプレイ装置の画素
を構成する光源用陰極線管に関するものである。

従来、例えば野球場の電光表示板や、建物の屋
上あるいは壁面等に広告用画像等を表示する巨大
デイスプレイ装置は、多数の電球を並べ、これを
選択的に点滅することによつて画像を作つている
ため幾多の問題があつた。

そのうちのいくつかの例をあげると、例えば電
球の場合はフイラメントの赤熱によつて光を得て
いるため、主としてその発光色は赤ないし白橙色
を呈している。このため上記電球から例えば青や
緑の色光を大量に発生させることは可成り困難で
あつた。またこの様な電球方式の場合には、各画
素の輝度を変調するにはフイラメントの印加電流
をON−OFFするか、印加電流を可変する等の手
段によらねばならないが、これ等の電球は周波数
レスポンスは10Hz以下と極めて低く、その上印加
電流と発光強度が直線的でなく、印加電流によつ
て発光色自体が変つてしまう問題等があり、中間
調の表示や任意の色光を合成するカラー表示等に
供するにも困難がつきまとつていた。さらに、こ
の様な巨大デイスプレイ装置に使用される電球は
一般に10W以上のものであるため、数万個以上が
並べられることのある巨大デイスプレイ装置にお
いては、その消費電力や電球の発熱が多大なもの
となる等の問題があつた。

そこで、この発明においては上述した様なデイ
スプレイ装置の光源として陰極線管を用い、更に
改良を加えて白昼の使用にも供せられる光源を完
成させたものである。

すなわち、例えば赤、緑、青等の単色蛍光面を
持つ小形陰極線管を多数並べ、所望の画像を表示
する様にしたもので、これによれば、電気エネル
ギーを光エネエギーに変換する効率が、一般に電
球を10lm／ｗとすると陰極線管は約100lm／ｗで
電球に比べて１桁程度良い。また、陰極線管を用
いる場合には、その蛍光体に赤、緑、青を始めと
して各種の発光色のものがあるため任意の発光色
の光源を作ることが出来るのみならず、周波数レ
スポンスも可成り良いものが容易に得られるため
動画の表示も何ら障害なく行うことができ、更に
入力電気信号に対して忠実に発光輝度を変化させ
ることが出来るので中間色の再現にも再適であ
る。また寿命も、フイラメント電流を変化させる
電球式にくらべて、陰極線管の場合にはヒータの
消耗が極めて少ないので可成り有利となる。

この様に特に巨大なデイスプレイ装置の場合に
その光源として陰極線管を用いた場合には性能、
信頼性、維持費、消費電力等、種々の点で極めて
優れている。

この種のデイスプレイ装置は、その設置目的、
設置場所等の関係上白昼の太陽光照射下において
もコントラストを有する様にする必要がある。

この発明はかかる条件においても実用に供しう
るコントラストを得るために光源としての陰極線
管を改善したものである。

すなわち、一般の陰極線管は蛍光体の体色はほ
とんどが白つぽく、その光反射率もほぼ１に近
く、また陰極線管のフエースガラス部は光透過率
の高い透明ガラスで作られるのが普通であり、太
陽光線がフエース部に入射し、蛍光体部を照射す
ることにより陰極線管の蛍光面の発光色が白つぽ
くなつてコントラストを失することがあるため本
発明ではこれに使用する蛍光体に各発光色に対応
した体色を持たせるべく蛍光体粒子に各色の顔料
を被覆させたピグメントフオスフアを使用した
り、フエースガラスに色をつける等の手段によつ
て昼光下での色彩を鮮明にし、コントラストの増
大を計つたものである。

以下図面を参照してこの発明の実施例の説明を
する。

図はこの発明の光源用陰極線管の一実施例を示
し、図において、１は管内を真空に維持するため
の例えば筒状の真空外囲器である。この真空外囲
器１の一端には、内面に蛍光面２が被着された蛍
光面２の発光色に合わせた色を持つフエースガラ
ス３を有する。真空外囲器１の他端には、後述の
フラツド電子ビームを発生する電子銃４および電
子銃４の各部に所要の電圧を印加する端子を持つ
と共に、真空外囲器１を閉塞するステム部５を有
する。６，７および８はそれぞれ上記電子銃４を
構成するヒータ、陰極及びグリツドである。また
９はグリツド８の中央に設けられた穴、１０は電
子銃４から発射されるフラツド電子ビームであ
る。

この陰極線管の動作について説明すると、ま
ず、グリツド８に陰極７に対して負の電圧を与え
ると共にヒータ６の所定の電流を与え、陰極７を
加熱してグリツド８電圧を陰極７電位に近づける
と陰極７から電子ビーム１０が蛍光面２に向けて
発射される。この電子ビーム１０はグリツド８の
中央に設けられた穴９の直径、グリツド８と陰極
７との間隔及び陽極電圧等の諸条件によつて所定
の拡がりθをもつ非集束ビームとなつて蛍光面２
に照射され、その蛍光体に応じた色に発光する。

これ等の陰極線管を白昼、太陽光下で動作させ
る時には蛍光体自体の太陽光の反射を極力抑える
ため前述の様に蛍光体の粒子にそれぞれの発光色
に対応した顔料をコーテイングして体色を強化し
たピグメントフオスフアを使用することによつて
各々の色の発光強度を犠性にすることなく蛍光体
面の外光反射率を30〜40％程度減少させることが
出来る。フエースガラス３にはそれぞれの発光色
に合せた色ガラスを使用する。即ち、青色管では
例えばコバルト等の金属をガラス溶解時に混入さ
せて青色に着色したフエースガラスで構成し、そ
の内面に青色に発光する蛍光体を塗布して構成す
る。同様に緑では例えば酸化クロム等を入れて緑
色に着色したフエースガラスと緑色蛍光体の組合
せを、赤色は例えば金等を入れて赤色に着色した
フエースガラスと赤色蛍光体の様な組合せによつ
て必要な波長域以外の光をフエースガラスで吸収
させ白昼下で高コントラストを有する光源用陰極
線管が作られる。

尚ガラスの着色の程度によつては上述したピグ
メントフオスフアーを組合せることによつて一層
の効果増大が可能になることはもちろんである。

また、青、緑、赤等の原色フエースガラス以外
でも、例えばグレーフエースガラス等の着色ガラ
スとピグメントフオスフアを組合せても可成りの
効果が期待出来る。

この発明は、この様に陰極線管のフエースガラ
スを発光色に応じた色に着色したものを使用する
ことにより白昼の太陽光下においても良好な色光
とコントラストを得ることを可能にしたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す構成図である。 図において２は蛍光面、３はフエースガラス
部、４は電子銃である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状の真空外囲器と、この真空外囲器の一端
   に設けられ、内面に単色発光蛍光面が被着された
   フエースガラス部と、上記真空外囲器の他端側内
   に配置され、上記蛍光面の有効径をカバーする大
   きさをもつた非集束電子ビームを放射する電子銃
   とを有し、上記非集束電子ビームの照射による上
   記蛍光面の発光を上記フエースガラス部の外面か
   ら取り出すようにしたものにおいて、上記フエー
   スガラス部を、上記蛍光面の発光色と同一もしく
   は近似した色調の色ガラスで構成することを特徴
   とする光源用陰極線管。 ２ 蛍光面を形成する蛍光体としてピグメントフ
   オスフアーを使用した特許請求の範囲第１項記載
   の光源用陰極線管。