JPS63576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、製品を包装箱中に収納する際に製品
を固定する包装用固定具に係り、特に、比較的重
量の重い電力量計などを安定的に固定するのに適
した包装用固定具に関する。

〔考案の技術的背景〕

前述した重量の重い製品を包装箱内に収納する
に際し、従来は、段ボールや合板からなる基板を
包装箱の内側と同形に形成し、この基板の４隅に
発泡スチロール、発泡ポリエチレンあるいはゴム
材料からなる複数の緩衝材を接着剤により貼付け
るか、あるいは基板上にポリエチレン、ポリスチ
レンなどの発泡緩衝材から製品の底部形状に合わ
せて一体成形したものを載置するなどして製品の
固定および緩衝をなしていた。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、複数の緩衝材を基板上に接着剤
により貼付けるようにすると、寸法にばらつきが
生じ、作業性が悪く加工賃が高く、さらには、基
板に貼付した緩衝材が剥がれやすく、不良品の発
生率が高いという欠点があつた。また、製品に合
わせて緩衝材を一体成形すると、成形型代が高額
になり、かさばるため運搬時および在庫時のスペ
ースが増大する。また焼却すると有毒ガスが発生
してごみ公害となるし、さらには、購入に時間を
要するなどの欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、前述した従来のものにおける欠点を
除去し、厚紙、段ボール、プラスチツクシートな
どの基板から形成できてコストが低く、また、運
搬時および在庫時のスペースを減少でき、しか
も、ごみ公害も解消され、短時間のうちに購入で
きる包装用固定具を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

前述した目的は、本考案によれば、ほぼ長方形
状の基板の一方の対向縁部をそれぞれ角筒状に折
曲して一対の第１固定部を形成し、前記基板の他
方の対向縁に連設された固定片をそれぞれ直立せ
しめ、各固定片の内側の基板を切起して前記第１
固定部の拡開を阻止する直立部およびこの直立部
から外側に延在する水平部を形成し、この水平部
および前記固定片を接合して一対の第２固定部を
形成して、製品の四辺を各固定部により安定的に
固定するとともに、各固定部が緩衝の役割をも果
すようにしたことにより達成される。

〔考案の実施例〕 以下本考案を図面に示す実施例により説明す
る。

第１図は本考案の包装用固定具の基板１を示す
ものであり、この基板１は厚紙、段ボール、プラ
スチツクシートなどから形成され、ほぼ長方形状
をなしている。この基板１の一方の対向縁２，２
の内側にはそれぞれ４本ずつの折曲線３，４，
５，６が相互に平行に刻設され、４つの固定片
７，８，９，１０が形成されている。このうち固
定片７および９は同じ幅を有しており、また、固
定片８の幅は固定片１０の幅より広いかあるいは
同じとされている。

前記折曲線のうちの最も内側の折曲線３，３よ
りやや内側の他の対向縁１１，１１には、前記固
定片７，９と同じ幅の固定片１２がそれぞれ折曲
線１３を介して外側に連設されている。そして、
各固定片１２の両側縁には、この固定片１２より
幅の狭い挿入片１４，１４が前記基板１の縁２に
達するように折曲線１５，１５を介して連設され
ている。

前記基板１上には、前記折曲線１３，１３と平
行な一対の折曲線１６，１６が刻設されており、
各折曲線１６の両端からは、この折曲線１６と垂
直な切断線１７，１７が基板１の内側に延在して
おり、両切断線１７，１７は弧状切断線１８，１
８を介して前記折曲線１６と平行な切断線１９と
連通している。そして前記のそれぞれの折曲線１
６および切断線１９間には、これらの両線１６，
１９と平行な折曲線２０が両切断線１７，１７に
達するように刻設され、直立部２１および水平部
２２が形成されている。このうち、直立部２１の
幅は前記固定片１２の幅と等しくされており、ま
た、前記水平部２２の幅は、前記折曲線１３およ
び１６間の間隔と等しくされている。さらに、切
断線１７および折曲線３の間隔は前記固定片８の
幅と等しくされている。

前述した基板１を包装用固定具に形成するに
は、第２図に示すように、まず、基板１の対向縁
１１，１１の固定片１２，１２を基板１に対し直
角に折曲げるとともに、各固定片１２の両側の挿
入片１４，１４を固定片１２に対し内側に直角に
折曲げる。ついで、２つの挿入片１４，１４を巻
込むように固定片７，８，９，１０を角筒状に折
曲げて第１固定部２３が形成される。その後、各
垂直部２１および水平部２２を切り起こし、各水
平部２２を直立部２１に対し直角に折曲げ、前記
固定片１２方向を向かせる。すると、直立部２１
は、前述した寸法関係により第４図に示すよう
に、固定片９に密接するので、固定片７，８，
９，１０からなる第１固定部２３が弾性により拡
開するのを防止することができる。最後に、前記
固定片１２および水平部２２をテープ２４もしく
は接着剤などにより接合すれば、第２固定部２５
が形成される。

このようにして完成した包装用固定具２６が第
３図に示されている。この包装用固定具２６の一
対の第１固定部２３，２３および第２固定部２
５，２５に囲繞された基板１上に製品２７の底部
を嵌合すれば、製品２７は各固定部２３，２３，
２５，２５により安定的に保持されるばかりでな
く、各固定部２３，２３，２５，２５はそれぞれ
角筒状をなしているので緩衝材にもなり、製品２
７をこの包装用固定具２６により固定した上で包
装箱（図示せず）内に収納すれば、製品２７に硬
いものがぶつかつて製品２７を痛めるおそれもな
い。

なお、前述した実施例のものにおいては、基板
１を長方形のものとして説明したが、正方形の基
板でもよいことはもちろんである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る包装用固定
具は、ほぼ長方形状の基板の一方の対向縁部をそ
れぞれ角筒状に折曲して一対の第１固定部を形成
し、前記基板の他方の対向縁に連設された固定片
をそれぞれ直立せしめ、各固定片の内側の基板を
切り起して前記第１固定部の拡開を阻止する直立
部およびこの直立部から外側に延在する水平部を
形成し、この水平部および前記固定片を接合して
一対の第２固定部を形成したので、厚紙、段ボー
ル、プラスチツクシートなどの基板から形成でき
てコストが低く、また、運搬時および在庫時のス
ペースを減少でき、しかも、ごみ公害も解消さ
れ、短時間のうちに購入できるなど優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る包装用固定具の基板の実
施例を示す平面図、第２図は第１図の基板の組立
て途中の状態を示す斜視図、第３図は第１図の基
板から組立てられた包装用固定具の斜視図、第４
図は第３図の−線による断面図である。 １……基板、７，８，９，１０，１２……固定
片、１４……挿入片、２１……直立部、２２……
水平部、２３……第１固定部、２５……第２固定
部、２６……包装用固定具、２７……製品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ長方形状の基板の一方の対向縁部をそれぞ
   れ角筒状に折曲して一対の第１固定部を形成し、
   前記基板の他方の対向縁に連設された固定片をそ
   れぞれ直立せしめ、各固定片の内側の基板を切り
   起して前記第１固定部の拡開を阻止する直立部お
   よびこの直立部から外側に延在する水平部を形成
   し、この水平部および前記固定片を接合して一対
   の第２固定部を形成してなる包装用固定具。