JPS6356839B2 - - Google Patents
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- JPS6356839B2 JPS6356839B2 JP58150250A JP15025083A JPS6356839B2 JP S6356839 B2 JPS6356839 B2 JP S6356839B2 JP 58150250 A JP58150250 A JP 58150250A JP 15025083 A JP15025083 A JP 15025083A JP S6356839 B2 JPS6356839 B2 JP S6356839B2
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Landscapes
- Removal Of Specific Substances (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Description
本発明は、家庭下水ないし、産業廃液、それに
類する有機性廃液などの有機物とリンを含む廃液
の処理法に関するもので、特に嫌気−好気活性汚
泥法と言われる生物脱リン技術の改良に関するも
のである。 一般に、嫌気−好気活性汚泥法とは、従来の活
性汚泥法施設における曝気槽の原液流入端を溶存
酸素(DO)も硝酸根あるいは亜硝酸根(NO)
も実質的に存在しない嫌気性状態の帯域(以下こ
れを嫌気槽という)にし、ここで被処理液と返送
汚泥を混合し、しかるのちにこの混合液を後段の
曝気された帯域(以下これを好気槽という)に導
いて曝気処理し、さらに沈殿池で固液分離をはか
る技術である。このような特徴のある嫌気−好気
活性汚泥法の工程構成では、標準活性汚泥法で生
成される活性汚泥よりもリン摂取能力の高い活性
汚泥が生成され、BOD、SSなどの汚濁物の除去
と同時に原液中に存在する溶解性リンの大部分を
活性汚泥に吸収せしめることができる。 このような嫌気−好気活性汚泥法で生成される
活性汚泥は、標準的な活性汚泥法で生成される汚
泥よりもリン含有率が高く、嫌気状態におかれた
場合には汚泥中からリンが再放出され、余剰汚泥
の濃縮脱水工程で生ずる分離液中に高濃度のリン
が含有されることになる。したがつて、この分離
液の処理も必要となり、該処理系の流入端に返送
され、被処理液とともに処理される。しかしなが
ら、この分離液を返送することは該処理系の流入
リン負荷量の増大を来たし、嫌気−好気活性汚泥
法におけるリン除去性能を低下させたり、不安定
なものにするので問題があつた。 本発明は、これら従来の嫌気−好気活性汚泥法
の欠点を排除し、処理系のリン負荷量の増大を防
止し、リン除去を常に安定して行わしめる方法を
提供することを目的とするものである。 本発明は、嫌気−好気活性汚泥法で生成される
余剰汚泥を一旦濃縮分離し、この濃縮汚泥にリン
と化学的に結合し得る金属塩を添加し、酸素含有
気体の存在下で撹拌混合し、溶解性リンを不溶化
させたのち脱水処理を行うことを特徴とするもの
である。 本発明の一実施態様を図面に基づいて説明する
と、家庭下水などの有機性廃液である被処理液1
1は沈殿返送汚泥15とともに嫌気槽1に導かれ
撹拌混合されて嫌気処理される。活性汚泥はここ
でその細胞内に貯留した高分子リン化合物(ポリ
リン酸)を加水分解し溶液側に放出するとともに
この際に得られるエネルギーを利用して、被処理
液に含まれるBODの一部を細胞内に摂取し、細
胞内貯留有機物とする。この嫌気処理の反応を行
わしめる嫌気槽1の規模は被処理液の組成や濃度
によつて異なるが、家庭下水を被処理液とした場
合には、被処理液流入量の0.5〜2.5時間分でよ
い。 このようにして溶解性リンが増加し、BODが
減少した嫌気槽流出混合液12は連設又は連通状
態下に区画された好気槽2に導かれる。この好気
槽2は空気その他の酸素含有性気体を散気器2′
から給気して曝気されており、嫌気槽流出混合液
12に含まれる活性汚泥は嫌気槽1で摂取しきれ
なかつたBOD成分を摂取し、酸化分解するとと
もに細胞内貯留有機物も酸化分解される。また、
該活性汚泥は、この有機物の酸化代謝の際に生成
されるエネルギーの一部を利用して、細胞外に存
在する溶解性リンを細胞内に摂取しつつ細胞内に
高分子リン化合物(ポリリン酸)を合成する。こ
の際に嫌気槽1で放出された以上の量の溶解性リ
ンが摂取され、混合液中の溶解性リン濃度は被処
理液のそれよりも低くなるが、完全な溶解性リン
除去を行うためには、被処理液のP/BOD比が
日間平均値で0.06以下であることが必要である
が、家庭下水の多くはその条件を満たす。この場
合、BODの酸化分解と溶解性リン除去を完遂せ
しめるためには、好気槽2のBOD汚泥負荷F/
M比を0.1〜0.7(1/日)、好ましくは0.3〜0.5
(1/日)の範囲に制御する必要がある。 かくして前記好気槽2で生成され、BODと溶
解性リンが減少した好気槽流出混合液13は沈殿
池3に送られ、処理液14と沈殿汚泥15に固液
分離される。この沈殿汚泥15の一部は返送汚泥
として嫌気槽1に返送され、残部は余剰汚泥6と
して重力式濃縮槽4に移送され、濃縮槽上澄液1
7と濃縮汚泥18とに分離される。 従来、嫌気−好気活性汚泥法の汚泥を濃縮する
場合、濃縮槽上澄液17中のリン濃度は濃縮汚泥
18間隙水中のリン濃度と同等と考えられてい
た。しかし、濃縮槽4における濃縮槽上澄液17
と濃縮汚泥18の間隙水中のリンの分布状況を調
査したところ、第3図に示したような結果が得ら
れた。すなわち、濃縮槽上澄液17中に放出され
たリン量は、汚泥の保持しているリンの高々2〜
3%であつた。したがつて、濃縮槽上澄液17を
直接嫌気槽1に返送してもリンの除去に及ぼす影
響は殆どない。 次に本発明では、重力式濃縮槽4で分離された
リン濃度の高い間隙水を含む濃縮汚泥18を薬品
混合槽へ送り、リンと化学的に結合し得る金属塩
を加えることによつて汚泥から放出されたリンを
化学的に固定する。薬品混合槽5における混合
は、酸素含有気体6を吹込みながら撹拌して行わ
れ、添加する金属塩は、塩化第二鉄、硫酸バン
ド、消石灰等であるがこれらを併用しても良い。
薬品混合槽5のPHは6.0〜9.0の範囲が好ましく、
PH計7でモニターされ、この指示により、薬注ポ
ンプ8の薬注が制御される。設定PHを6.0〜9.0と
するのは一つにはこれがリンの化学的固定に適し
たPH範囲であり、また、PHがこれより酸性もしく
は塩基性になつて、汚泥中より間隙水中にリンが
放出され易くなるのを防ぐためである。また、酸
素含有気体6の吹込み撹拌時間は、15分〜2時間
未満でよい。 薬品混合槽5における撹拌は、酸素含有気体6
の吹込みのみでも行えるが、薬品混合槽5に供給
される濃縮汚泥18は濃度1.5〜3.0%程度と濃厚
であるため、機械的撹拌を併用するとよく、さら
に槽5の形状によつては薬品との混合が十分に行
われるよう注意を払う必要がある。例えば薬品混
合槽5を矩形槽とした場合、槽の角の部分がデツ
ドゾーンとなり、汚泥の堆積・腐敗が起こり易
い。このような事態を避けるためには、機械撹拌
を行うと同時に混合の補助手段として、デツドゾ
ーンとなり易い部位に曝気配管を施しておくこと
が望ましい。 薬品混合槽5における酸素含有気体6の吹込み
は、リンと化学的に結合し得る金属塩の使用量を
節減するためにも有効である。濃縮汚泥中の溶解
性リンを完全に固定するための金属塩の量は、化
学量論的な要求量の5〜10倍量と莫大な量が必要
である。これは濃縮工程で返送汚泥が24時間程度
に嫌気的状態におかれるため、内生呼吸による汚
泥の自己分解が進み、その結果溶出した有機物が
リンと該金属塩との結合を阻害することによると
考えられる。しかし、本発明のように酸素含有気
体6の存在下において撹拌混合することにより、
濃縮汚泥18が間隙水中の有機物を再び汚泥中に
摂り込み、溶解性リンをもある程度は再摂取する
ために、リンの化学的固定に必要な該金属塩の薬
注量を大幅に低減させることができる。このよう
にして撹拌混合され、溶解性リンが固定されたリ
ン固定濃縮汚泥19は脱水機9に導かれ、脱水処
理される。 脱水機9としてはベルトプレス脱水機、遠心脱
水機、真空脱水機等の通常の脱水機が使用され、
脱水汚泥は乾燥、焼却等で処分される。脱水機9
からの脱水ろ液20は嫌気槽1に返送され処理さ
れる。 第2図示例は、第1図示例と基本的には同様で
あるが、嫌気槽1と好気槽2の間に脱窒素槽10
を設け、嫌気槽流出混合液12と好気槽流出混合
液13を脱窒素槽10に導入し、撹拌混合するこ
とにより、好気槽流出混合液13に含まれるNO
xが脱窒されるとともに、嫌気槽流出混合液12
に含まれる溶解性リンの一部が汚泥中に吸収され
る。このため第2図の方法においては、原水中の
BOD、リン除去だけでなく、窒素除去も可能と
なる。 以上のように本発明においては、嫌気−好気活
性汚泥法の沈殿池からの余剰汚泥を濃縮分離し、
この濃縮汚泥にリンと化学的に結合し得る金属塩
を加え、酸素含有気体存在下において撹拌混合を
行つた後脱水処理を行い、濃縮槽上澄液や脱水ろ
液中のリン濃度を低下させ、嫌気−好気活性汚泥
法のリン負荷量の増大を防止し、常に安定したリ
ンの除去を行うことができる。 次に本発明の実施例を示す。 住宅団地より排出された家庭下水を被処理液と
して、第1図示例の方法で処理した。それぞれの
装置仕様は次の通りであつた。 嫌気槽:2連式円筒濃縮槽 水容積 4 m3 曝気槽:4画室化矩形槽 〃 7 m3 沈殿池:円形クラリフアイア 〃 7 m3 重力式濃縮槽:円形クラリフアイア 〃 0.6m3 水面積 0.3m3 薬品混合槽:矩 形 槽 水容積 10 このような施設を用いて、被処理液量55m3/d
を処理したところ、表−1に示すような処理水質
が得られた。
類する有機性廃液などの有機物とリンを含む廃液
の処理法に関するもので、特に嫌気−好気活性汚
泥法と言われる生物脱リン技術の改良に関するも
のである。 一般に、嫌気−好気活性汚泥法とは、従来の活
性汚泥法施設における曝気槽の原液流入端を溶存
酸素(DO)も硝酸根あるいは亜硝酸根(NO)
も実質的に存在しない嫌気性状態の帯域(以下こ
れを嫌気槽という)にし、ここで被処理液と返送
汚泥を混合し、しかるのちにこの混合液を後段の
曝気された帯域(以下これを好気槽という)に導
いて曝気処理し、さらに沈殿池で固液分離をはか
る技術である。このような特徴のある嫌気−好気
活性汚泥法の工程構成では、標準活性汚泥法で生
成される活性汚泥よりもリン摂取能力の高い活性
汚泥が生成され、BOD、SSなどの汚濁物の除去
と同時に原液中に存在する溶解性リンの大部分を
活性汚泥に吸収せしめることができる。 このような嫌気−好気活性汚泥法で生成される
活性汚泥は、標準的な活性汚泥法で生成される汚
泥よりもリン含有率が高く、嫌気状態におかれた
場合には汚泥中からリンが再放出され、余剰汚泥
の濃縮脱水工程で生ずる分離液中に高濃度のリン
が含有されることになる。したがつて、この分離
液の処理も必要となり、該処理系の流入端に返送
され、被処理液とともに処理される。しかしなが
ら、この分離液を返送することは該処理系の流入
リン負荷量の増大を来たし、嫌気−好気活性汚泥
法におけるリン除去性能を低下させたり、不安定
なものにするので問題があつた。 本発明は、これら従来の嫌気−好気活性汚泥法
の欠点を排除し、処理系のリン負荷量の増大を防
止し、リン除去を常に安定して行わしめる方法を
提供することを目的とするものである。 本発明は、嫌気−好気活性汚泥法で生成される
余剰汚泥を一旦濃縮分離し、この濃縮汚泥にリン
と化学的に結合し得る金属塩を添加し、酸素含有
気体の存在下で撹拌混合し、溶解性リンを不溶化
させたのち脱水処理を行うことを特徴とするもの
である。 本発明の一実施態様を図面に基づいて説明する
と、家庭下水などの有機性廃液である被処理液1
1は沈殿返送汚泥15とともに嫌気槽1に導かれ
撹拌混合されて嫌気処理される。活性汚泥はここ
でその細胞内に貯留した高分子リン化合物(ポリ
リン酸)を加水分解し溶液側に放出するとともに
この際に得られるエネルギーを利用して、被処理
液に含まれるBODの一部を細胞内に摂取し、細
胞内貯留有機物とする。この嫌気処理の反応を行
わしめる嫌気槽1の規模は被処理液の組成や濃度
によつて異なるが、家庭下水を被処理液とした場
合には、被処理液流入量の0.5〜2.5時間分でよ
い。 このようにして溶解性リンが増加し、BODが
減少した嫌気槽流出混合液12は連設又は連通状
態下に区画された好気槽2に導かれる。この好気
槽2は空気その他の酸素含有性気体を散気器2′
から給気して曝気されており、嫌気槽流出混合液
12に含まれる活性汚泥は嫌気槽1で摂取しきれ
なかつたBOD成分を摂取し、酸化分解するとと
もに細胞内貯留有機物も酸化分解される。また、
該活性汚泥は、この有機物の酸化代謝の際に生成
されるエネルギーの一部を利用して、細胞外に存
在する溶解性リンを細胞内に摂取しつつ細胞内に
高分子リン化合物(ポリリン酸)を合成する。こ
の際に嫌気槽1で放出された以上の量の溶解性リ
ンが摂取され、混合液中の溶解性リン濃度は被処
理液のそれよりも低くなるが、完全な溶解性リン
除去を行うためには、被処理液のP/BOD比が
日間平均値で0.06以下であることが必要である
が、家庭下水の多くはその条件を満たす。この場
合、BODの酸化分解と溶解性リン除去を完遂せ
しめるためには、好気槽2のBOD汚泥負荷F/
M比を0.1〜0.7(1/日)、好ましくは0.3〜0.5
(1/日)の範囲に制御する必要がある。 かくして前記好気槽2で生成され、BODと溶
解性リンが減少した好気槽流出混合液13は沈殿
池3に送られ、処理液14と沈殿汚泥15に固液
分離される。この沈殿汚泥15の一部は返送汚泥
として嫌気槽1に返送され、残部は余剰汚泥6と
して重力式濃縮槽4に移送され、濃縮槽上澄液1
7と濃縮汚泥18とに分離される。 従来、嫌気−好気活性汚泥法の汚泥を濃縮する
場合、濃縮槽上澄液17中のリン濃度は濃縮汚泥
18間隙水中のリン濃度と同等と考えられてい
た。しかし、濃縮槽4における濃縮槽上澄液17
と濃縮汚泥18の間隙水中のリンの分布状況を調
査したところ、第3図に示したような結果が得ら
れた。すなわち、濃縮槽上澄液17中に放出され
たリン量は、汚泥の保持しているリンの高々2〜
3%であつた。したがつて、濃縮槽上澄液17を
直接嫌気槽1に返送してもリンの除去に及ぼす影
響は殆どない。 次に本発明では、重力式濃縮槽4で分離された
リン濃度の高い間隙水を含む濃縮汚泥18を薬品
混合槽へ送り、リンと化学的に結合し得る金属塩
を加えることによつて汚泥から放出されたリンを
化学的に固定する。薬品混合槽5における混合
は、酸素含有気体6を吹込みながら撹拌して行わ
れ、添加する金属塩は、塩化第二鉄、硫酸バン
ド、消石灰等であるがこれらを併用しても良い。
薬品混合槽5のPHは6.0〜9.0の範囲が好ましく、
PH計7でモニターされ、この指示により、薬注ポ
ンプ8の薬注が制御される。設定PHを6.0〜9.0と
するのは一つにはこれがリンの化学的固定に適し
たPH範囲であり、また、PHがこれより酸性もしく
は塩基性になつて、汚泥中より間隙水中にリンが
放出され易くなるのを防ぐためである。また、酸
素含有気体6の吹込み撹拌時間は、15分〜2時間
未満でよい。 薬品混合槽5における撹拌は、酸素含有気体6
の吹込みのみでも行えるが、薬品混合槽5に供給
される濃縮汚泥18は濃度1.5〜3.0%程度と濃厚
であるため、機械的撹拌を併用するとよく、さら
に槽5の形状によつては薬品との混合が十分に行
われるよう注意を払う必要がある。例えば薬品混
合槽5を矩形槽とした場合、槽の角の部分がデツ
ドゾーンとなり、汚泥の堆積・腐敗が起こり易
い。このような事態を避けるためには、機械撹拌
を行うと同時に混合の補助手段として、デツドゾ
ーンとなり易い部位に曝気配管を施しておくこと
が望ましい。 薬品混合槽5における酸素含有気体6の吹込み
は、リンと化学的に結合し得る金属塩の使用量を
節減するためにも有効である。濃縮汚泥中の溶解
性リンを完全に固定するための金属塩の量は、化
学量論的な要求量の5〜10倍量と莫大な量が必要
である。これは濃縮工程で返送汚泥が24時間程度
に嫌気的状態におかれるため、内生呼吸による汚
泥の自己分解が進み、その結果溶出した有機物が
リンと該金属塩との結合を阻害することによると
考えられる。しかし、本発明のように酸素含有気
体6の存在下において撹拌混合することにより、
濃縮汚泥18が間隙水中の有機物を再び汚泥中に
摂り込み、溶解性リンをもある程度は再摂取する
ために、リンの化学的固定に必要な該金属塩の薬
注量を大幅に低減させることができる。このよう
にして撹拌混合され、溶解性リンが固定されたリ
ン固定濃縮汚泥19は脱水機9に導かれ、脱水処
理される。 脱水機9としてはベルトプレス脱水機、遠心脱
水機、真空脱水機等の通常の脱水機が使用され、
脱水汚泥は乾燥、焼却等で処分される。脱水機9
からの脱水ろ液20は嫌気槽1に返送され処理さ
れる。 第2図示例は、第1図示例と基本的には同様で
あるが、嫌気槽1と好気槽2の間に脱窒素槽10
を設け、嫌気槽流出混合液12と好気槽流出混合
液13を脱窒素槽10に導入し、撹拌混合するこ
とにより、好気槽流出混合液13に含まれるNO
xが脱窒されるとともに、嫌気槽流出混合液12
に含まれる溶解性リンの一部が汚泥中に吸収され
る。このため第2図の方法においては、原水中の
BOD、リン除去だけでなく、窒素除去も可能と
なる。 以上のように本発明においては、嫌気−好気活
性汚泥法の沈殿池からの余剰汚泥を濃縮分離し、
この濃縮汚泥にリンと化学的に結合し得る金属塩
を加え、酸素含有気体存在下において撹拌混合を
行つた後脱水処理を行い、濃縮槽上澄液や脱水ろ
液中のリン濃度を低下させ、嫌気−好気活性汚泥
法のリン負荷量の増大を防止し、常に安定したリ
ンの除去を行うことができる。 次に本発明の実施例を示す。 住宅団地より排出された家庭下水を被処理液と
して、第1図示例の方法で処理した。それぞれの
装置仕様は次の通りであつた。 嫌気槽:2連式円筒濃縮槽 水容積 4 m3 曝気槽:4画室化矩形槽 〃 7 m3 沈殿池:円形クラリフアイア 〃 7 m3 重力式濃縮槽:円形クラリフアイア 〃 0.6m3 水面積 0.3m3 薬品混合槽:矩 形 槽 水容積 10 このような施設を用いて、被処理液量55m3/d
を処理したところ、表−1に示すような処理水質
が得られた。
【表】
この時の返送汚泥流量は15.4m3/d、返送汚泥
濃度は1.2%、好気槽のMLSS濃度は2800mg/
であつた。 また、返送汚泥の一部580/dを重力式濃縮
槽に導入した。重力式濃縮槽からの引抜汚泥量を
240/dとしたところ、重力式濃縮槽の汚泥界
面はほぼ一定であり、濃縮汚泥濃度は約2.9%で
あつた。この時濃縮槽上澄液の全リン濃度は5.0
mg/、濃縮汚泥間隙水中の全リン濃度は119
mg/であつた。 薬品混合槽では消石灰400mg/、塩化第2鉄
200mg/を濃縮汚泥に連続的に加え、撹拌機と
空気吹入との併用による撹拌を1時間行つた結
果、汚泥間隙水中の全リン濃度は1.0mg/にま
で低減することができた。 また薬品混合槽における操作は上記と同様に行
い、空気吹込のみを行わない場合の、汚泥間隙水
中の全リン濃度は38.6mg/であつた。
濃度は1.2%、好気槽のMLSS濃度は2800mg/
であつた。 また、返送汚泥の一部580/dを重力式濃縮
槽に導入した。重力式濃縮槽からの引抜汚泥量を
240/dとしたところ、重力式濃縮槽の汚泥界
面はほぼ一定であり、濃縮汚泥濃度は約2.9%で
あつた。この時濃縮槽上澄液の全リン濃度は5.0
mg/、濃縮汚泥間隙水中の全リン濃度は119
mg/であつた。 薬品混合槽では消石灰400mg/、塩化第2鉄
200mg/を濃縮汚泥に連続的に加え、撹拌機と
空気吹入との併用による撹拌を1時間行つた結
果、汚泥間隙水中の全リン濃度は1.0mg/にま
で低減することができた。 また薬品混合槽における操作は上記と同様に行
い、空気吹込のみを行わない場合の、汚泥間隙水
中の全リン濃度は38.6mg/であつた。
第1図は本発明の一実施態様を示す系統説明
図、第2図は本発明の他の実施態様を示す系統説
明図で、第3図は重力式濃縮槽内における水深と
全リン濃度の分布を示す線図である。 1……嫌気槽、2……好気槽、3……沈殿池、
4……重力式濃縮槽、5……薬品混合槽、6……
酸素含有気体、7……PH計、8……薬注ポンプ、
9……脱水機、10……脱窒素槽、11……被処
理液、12……嫌気槽流出混合液、13……好気
槽流出混合液、14……処理液、15……沈殿汚
泥、16……余剰汚泥、17……濃縮槽上澄液、
18……濃縮汚泥、19……リン固定濃縮汚泥、
20……脱水ろ液。
図、第2図は本発明の他の実施態様を示す系統説
明図で、第3図は重力式濃縮槽内における水深と
全リン濃度の分布を示す線図である。 1……嫌気槽、2……好気槽、3……沈殿池、
4……重力式濃縮槽、5……薬品混合槽、6……
酸素含有気体、7……PH計、8……薬注ポンプ、
9……脱水機、10……脱窒素槽、11……被処
理液、12……嫌気槽流出混合液、13……好気
槽流出混合液、14……処理液、15……沈殿汚
泥、16……余剰汚泥、17……濃縮槽上澄液、
18……濃縮汚泥、19……リン固定濃縮汚泥、
20……脱水ろ液。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 被処理液と返送汚泥とを、溶存酸素、硝酸、
亜硝酸のいずれもが実質的に存在しない嫌気状態
で混合して嫌気処理したのち曝気処理を行い、該
曝気混合液を沈降分離し、分離された沈殿汚泥の
一部を前記返送汚泥とし、残部を濃縮分離し、分
離された濃縮汚泥にリンと化学的に結合し得る金
属塩を添加し、酸素含有気体の存在下で撹拌混合
したのち脱水処理を行うことを特徴とする有機性
廃液の処理方法。 2 前記金属塩の撹拌混合工程において、混合液
のPHを6〜9とするものである特許請求の範囲第
1項記載の有機性廃液の処理方法。 3 前記金属塩の撹拌混合工程において、機械的
撹拌を行うものである特許請求の範囲第1項又は
第2項記載の有機性廃液の処理方法。 4 前記曝気混合液を返送し、前記嫌気処理混合
液と混合して脱窒素処理するものである特許請求
の範囲第1項、第2項又は第3項記載の有機性廃
液の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58150250A JPS6044095A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 有機性廃液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58150250A JPS6044095A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 有機性廃液の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6044095A JPS6044095A (ja) | 1985-03-08 |
JPS6356839B2 true JPS6356839B2 (ja) | 1988-11-09 |
Family
ID=15492834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58150250A Granted JPS6044095A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 有機性廃液の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6044095A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62250997A (ja) * | 1986-04-24 | 1987-10-31 | Nishihara Environ Sanit Res Corp | 汚水処理方法 |
JPS63134588A (ja) * | 1986-11-26 | 1988-06-07 | 株式会社荏原製作所 | 肥料の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5642997A (en) * | 1979-09-17 | 1981-04-21 | Ricoh Kk | Flash fixing power source |
JPS56150487A (en) * | 1980-04-25 | 1981-11-20 | Kurita Water Ind Ltd | Disposal of sewage |
-
1983
- 1983-08-19 JP JP58150250A patent/JPS6044095A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5642997A (en) * | 1979-09-17 | 1981-04-21 | Ricoh Kk | Flash fixing power source |
JPS56150487A (en) * | 1980-04-25 | 1981-11-20 | Kurita Water Ind Ltd | Disposal of sewage |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6044095A (ja) | 1985-03-08 |
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