JPS635565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライド可能な物品棚を備えた物品収
納棚の停止装置に関し、特に重量物の物品収納等
において顕著な効果を示す物品収納棚の停止装置
に関する。

上記物品収納棚は、種々の物品、例えば治具、
金型の管理、あるいは各種製品、及び半製品のス
トツク等、多くの用途にわたつて使用されるが上
記各種物品の搬入搬出には軽量物の場合、人手に
よつて直接収納棚への搬入搬出が行われ、重量
物、例えば上記した治具、金型等においては工場
内に設置される天井走行クレーンやホイスト等を
用いて搬入搬出が行われる。

ところが、上記天井走行クレーンやホイスト等
を使用して物品収納する場合、物品収納棚への搬
入搬出が難かしく、又、クレーンのフツクを外す
際に物品が棚前面より落下する等の危険性を伴
う。

従つて、物品棚を前後スライド可能に設置し、
物品搬入の時、物品棚を前面ヘスライドさせた状
態でクレーン等で搬送される物品を載置し、該載
置した状態で物品棚を棚奥方向へ押し込んで搬入
される。又、搬出の際は物品を載置した状態で前
面へスライドさせ、該前面へスライドさせた状態
でクレーン等を用いて上挙し、所定の位置まで搬
送される。

ところが、物品棚を前後スライド自在にした場
合、物品収納棚の多少の傾きによつて物品棚が前
面へスライドしたり、あるいは工場内の機械の振
動によつて物品棚が振動してスライドしたり、
又、スライド時の慣性によつて物品が落下する等
の問題が生ずる。

本考案は上記点に基き成されたもので、物品棚
が引き出された位置では奥方向への移動が阻止さ
れ、収納された位置では前方向への移動が阻止さ
れて各位置規制され、かつその操作が簡単である
物品棚の停止装置を提供するものである。

以下、本考案を図面に従つて詳述する。第１図
ないし第３図は物品収納棚の一実施例を示すもの
で、逆Ｕ字形を有する前面支柱１ａ及び背面支柱
１ｂ間にフレーム２ａ，２ｂ及び側板３ａ，３ｂ
が横架され、更に上面及び下面にフレーム２ａ，
２ａ間及び側板３ａ，３ａ間に補強板４ａ，４ｂ
が交差して固定され、又背面には前後スライド可
能な物品棚５の棚奥方向への終端位置を構成する
規制板６が設置されると共に補強板７が背面支柱
１ｂ，１ｂ間に傾斜して張架されている。

従つて、基本的に上記物品収納棚は支柱１、及
び該支柱１間に横架されるフレーム２、側板３、
更に物品を載置するスライド可能な物品棚５より
構成される。

尚、上記前面支柱１ａ及び背面支柱１ｂには一
定間隔幅に掛合部８が形成され、物品棚５の位置
を調節自在とされる。

第４図以下に本考案の物品棚５の停止装置が示
される。即ち、第４図において、物品棚５の両サ
イドに固着されるＬ型フレーム９下面には、物品
棚５の前方スライド位置での物品棚位置を規制す
る、棚奥方向へ向かつて下がる下向きの傾斜面１
０ｂを有した第１のストツパー１０と、物品棚５
を棚奥方向にスライドさせた状態での物品棚位置
を規制する、棚前方向へ向かつて下がる下向きの
傾斜面１１ｂを有した第２のストツパー１１とが
固着され、又、支柱１ａあるいは側板３ａから延
びる支持板１２には小角度範囲内で揺動可能なハ
ンドルレバー１３が軸支１４され、該ハンドルレ
バー１３先端の停止板１５に上記ストツパー１０
及び１１の夫々の背面１０ａ，１１ａが当接する
ことによつて位置規制される。尚、ハンドルレバ
ー１３先端に形成される停止板１５の上記ストツ
パー１０及び１１との当接面１５ａ，１５ｂはス
トツパー１０，１１の当接面１０ａ及び１１ａと
面接触することが強度、摩耗等の点において好ま
しく、従つて、停止板１５の当接面１５ａ，１５
ｂはストツパー１０，１１の当接面１０ａ及び１
１ａと常時ほぼ平行になるように構成される。
尚、機能上、停止板１５の当接面１５ａ，１５ｂ
とストツパー１０，１１の当接面１０ａ及び１１
ａが線接触あるいは点接触となるようにしても勿
論可能である。

更に、ハンドルレバー１３の先端つまり停止板
１５側面には、第７図示の如く、係止ピン１６が
突設され、該ハンドルレバー１３の旋回範囲を側
板３に突設するブラケツト１７に係止することに
より規制する。即ち、ハンドルレバー１３は上記
係止ピン１６でもつて第５図反時計針方向の旋回
範囲を規制し、該係止ピン１６がブラケツト１７
に係止した状態において停止板１５が各ストツパ
ー１０，１１の移動軌跡内に突入して物品棚５の
スライドが規制される。

尚、上記物品棚５のスライド及び高さの位置設
定は、支柱１の掛合部８に側板３ａを介して回転
自在に軸支１８される支持ローラ１９の取付位置
の変更によつて行われる。又、Ｌ型フレーム９下
面に設置される各ストツパー１０及び１１は第６
図示の如く、物品棚５のスライドの際、上記支持
ローラ１９に接触しない位置とされる。

その他、１３ａはストツパー１１を解除する際
のハンドルレバー１３操作を容易にするためのハ
ンドルである。又５ａは物品棚５を補強する支承
板である。

以下、動作について詳述する。

第３図ないし、第７図において、物品Ｗを収納
棚へ搬入する場合、つまり物品棚５を引き出す場
合第５図に示すように、ハンドルレバー１３を軸
１４を支点に時計針方向、即ち、矢印Ａ方向にハ
ンドルレバー１３先端の停止板１５が第２のスト
ツパー１１より解除される位置（鎖線位置）まで
揺動させた状態で物品棚５を前面へスライドさせ
る。この時、第２のストツパー１１が停止板１５
上を通過した時点でハンドルレバー１３を解放す
ると自重で元の位置、即ち、ハンドルレバー１３
の係止ピン１６がブラケツト１７に係止する位置
まで旋回して停止する。更に、物品棚５が支持ロ
ーラ１９上を前方へスライド（矢印Ｂ）すると第
１番目のストツパー１０の前記傾斜面１０ｂに停
止板１５が乗り上げ、ハンドルレバー１３が揺動
することによつて停止板１５が乗り越え、ストツ
パー１０を通過した後に物品棚５の前方向へのス
ライドが停止すると、停止板１５は第１のストツ
パー１０の背面の当接面１０ａ側に位置している
ので、以後物品棚５を奥方向へ押し入れようとし
ても停止板１５の当接面１５ｂが第１のストツパ
ー１０の当接面１０ａに係止されて阻止される。
つまり、物品棚５の前方へ引き出した位置での物
品棚位置が規制される。そして、停止板１５と第
１のストツパー１０との該係合状態はハンドルレ
バー１３の軸支点１４が停止板１５寄りに設けら
れ、ハンドルレバー１３の自重によつて停止板１
５が直立状態を維持されることによつて保たれ
る。

上記のようにして物品棚５の第１番目のストツ
パー１０が停止板１５に当接し、棚奥方向への移
動を規制された状態で、第３図示の如く、天井走
行クレーンＣ等を用いて物品Ｗを物品棚５上に載
置する。更に、物品Ｗを載置した状態でハンドル
レバー１３を上挙して停止板１５の第１のストツ
パー１０との係合を解除した上、物品棚５を棚奥
方向（矢印Ｄ）にスライドさせると今度は物品棚
５の第２番目のストツパー１１の傾斜面１１ｂに
停止板１５の頂部が当接し、該停止板１５は物品
棚５の移動に伴つて軸１４を支点に第５図時計針
方向に自動的に旋回揺動し（第５図鎖線図示）該
第２のストツパー１１下を通り越す。

停止板１５が第２のストツパー１１の傾斜面１
１ｂを通り越した後、ハンドルレバー１３先端の
停止板１５はハンドルレバーの自重によつて元の
位置まで復帰し、つまり係止ピン１６がブラケツ
ト１７に係止される位置まで第５図Ａ反対方向に
旋回揺動し、再び停止板１５の当接面１５ａが第
２のストツパー１１の当接面１１ａに係止しうる
ようになり（第５図実線）、物品棚５の前方への
引き出しは阻止される。

又、搬出時に物品棚を引き出す場合においても
同様の動作によつて行われる。即ち、ハンドルレ
バー１３を矢印Ａ方向に旋回させて停止板１５と
第２番目のストツパー１１との係合を解除し、前
方へスライドさせて停止板１５が第１のストツパ
ー１０の傾斜面１０ｂにまで到達すると、前述と
同様に停止板１５は物品棚５の移動に伴つて軸１
４を支点に第５図時計針方向に自動的に旋回揺動
し、該第１のストツパー１０下を通り越し、通り
越した後自重でもつて停止板１５が第１のストツ
パー１０の当接面１０ａ側に復帰し、停止板１５
の当接面１５ｂと第１のストツパー１０の当接面
１０ａとが係合して、物品棚５の奥方向への移動
が規制される。

したがつて、この状態で第３図に詳述したと逆
に天井走行クレーンＣ等により物品Ｗを上挙し、
所定の位置へ搬送する。搬送後、再びハンドルレ
バー１３を一旦僅かに上挙して物品棚５を棚奥方
向へスライドさせると、前述の通り停止板１５が
第２のストツパー１１に再び係合して前方向への
スライドが阻止される。

以上のように本考案においては、スライドする
物品棚の下面に、該物品棚を前方向へスライドさ
せた状態で物品棚の奥方向への移動を規制する、
物品棚奥方向へ向かつて下がる下向きの傾斜面を
有した第１のストツパーと、物品棚を奥方向にス
ライドさせた状態で物品棚の前方向への移動を規
制する、物品棚前方向へ向かつて下がる下向きの
傾斜面を有した第２のストツパーを設置し、又、
支柱側に軸支された揺動可能なハンドルレバーの
先端に上記各ストツパーと当接して係合する停止
板を設けると共に、上記ハンドルレバーの揺動範
囲を前記停止板がストツパーに係合する方向にお
いて規制する係止ピンを停止板側面に突設して設
けたので、上記ハンドルレバーの上挙によつて各
ストツパーと停止板との係合が解除し、ハンドル
レバーの自重により元の位置に復帰することによ
つてストツパーと停止板とが当接し、物品棚の前
後各スライド位置での夫々奥方向移動、前方向移
動が阻止され、物品棚への物品の搬入、搬出が安
全かつ確実に行える。

さらに、第１、第２の各ストツパーへのハンド
ルレバーの係合は、停止板の頂部が各ストツパー
に形成した傾斜面を乗り越えることにより自動的
にかけられるので、例えば物品棚を中途まで引き
出し、半開き状態で棚に載置した物品をピツキン
グに再び物品棚を奥方向へ収納する場合にも最初
にハンドルレバーを特ち上げて第２のストツパー
との係合を外すだけの操作でよく、係合をかける
ためのレバー操作は不要であり、操作が簡単であ
る。

また、前述のようにハンドルレバーは各ストツ
パーとの係合が外れる程度に揺動すればよいこと
から、該ハンドルレバーの下方に該ハンドルレバ
ーに可及的に接近させて下段の物品棚等を設ける
ことができ、デツトスペースを少くして全体とし
ての当該物品収納棚の高さを低くできる利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第２図は三連結の物品収納棚の一
実施例を示す平面図、並びに正面図、第３図は物
品収納棚の側面図並びに物品の搬入、搬出動作を
示す図、第４図は本考案の停止装置を示す部分斜
視図、第５図は停止装置の作動状態を示す図、第
６図ないし第７図はハンドルレバーを示す部分図
である。 １……支柱、５……物品棚、１０……第１のス
トツパー、１１……第２のストツパー、１０ａ，
１１ａ……当接面、１０ｂ，１１ｂ……傾斜面、
１３……ハンドルレバー、１５……停止板、１５
ａ，１５ｂ……当接面、１６……係止ピン、１９
……支持ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 物品収納棚の前面支柱および後面支柱間に横架
   され、該２つの支柱に固着された側板の上端面お
   よび下端面に固着したブラケツトに沿つて引出し
   可能な物品棚の両側面にＬ型フレームを固着し、 上記物品収納棚側には、前面支柱に軸支され上
   記Ｌ型フレームの下面と転接する支持ローラと、
   上記下側のブラケツトの前方下面に固着された支
   持板と、該支持板に先端部分が揺動可能に軸支さ
   れた略長方形板状のハンドルレバーと、該ハンド
   ルレバーの先端部に固着した停止板と、上記ハン
   ドルレバーに先端部の物品棚側へ突出して固着し
   た係止ピンと、上記ハンドルレバーの基端部であ
   つて物品棚側へ突出して固着したハンドルとを設
   け、 上記物品棚側には、上記Ｌ型フレーム下面の後
   方位置に固着され、物品棚を上記物品収納棚内か
   ら引き出した際に上記停止板がその当接面と当接
   する位置に設置され、物品棚の奥方向へ向かつて
   下がる下向きの傾斜面を有した楔状の第１のスト
   ツパーと、上記Ｌ型フレーム下面の前方位置に固
   着され、物品棚を物品収納棚内に押し込んだ際に
   上記停止板がその当接面と当接する位置に設置さ
   れ、物品棚の前方向へ向かつて下がる下向きの傾
   斜面を有した楔状の第２のストツパーと、上記物
   品棚の両側面後端に回転可能に軸支され上記２つ
   のブラケツト間で規制された状態で該ブラケツト
   に沿つて走行する支持ローラとを設け、 上記係止ピンがブラケツトの下面と当接し上記
   ハンドルレバーの位置が規制された状態で、上記
   第１および第２ストツパーの短い方の端面の長さ
   がＬ型フレーム下面から停止板上面までの長さよ
   り小であるように該第１および第２ストツパーを
   形成したことを特徴とする物品収納棚に於ける物
   品棚の停止装置。