JPS6355479B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はロールオン・ロールオフ式運搬作業を
行なうための可動ケーソン構造体に関する。水位
は潮流によつて種々に変位するものであり、これ
が多くの港で大きな問題となつている。ロールオ
ン・ロールオフ式船（Ro−Ro−ships）を使用す
る場合、それが著しい。たとえ船に仲継用傾斜路
を備えたとしても、それだけでは、船と埠頭との
間の運搬作業を常時支障なく行うことはできな
い。

［従来の技術］ 従来より船と埠頭との間の仲継体としてはポン
ツーンを使用することが提案されて来ている。ポ
ンツーンに傾斜路を装備してやると、船と埠頭と
の両傾斜路間のレベル差を分散する機能を果すこ
とができる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、ポンツーンではその係留に難点があ
り、重量運搬車がポンツーンに急に接近したり、
離脱する場合、ポンツーンの傾船運動を充分に回
避することができない。

従つて、本発明の目的は、船と埠頭との間の仲
継に関してはポンツーンと同じ機能を果し、而も
ポンツーンを不適当なものにする外部作用に影響
されることのない、移動可能なケーソン構造体を
提供することである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明のケーソン構造体の特徴は、少なくとも
１つの着底排水ユニツトを含み、このユニツトが
埠頭に隣接して港の海底に本ユニツトを着座させ
るのに充分な容量を具備する複数のバラストタン
クを有することと、上記排水ユニツトの一端の第
１ハウジングが位置し、このハウジングが選択さ
れた場所の高水位より上方に伸長するような充分
な高さと、該高水位より上方に位置するプラツト
ホームと、を有することと、上記排水ユニツトの
他端に２つの塔を有する第２ハウジングを具備さ
せたことと、一端を第１ハウジングのプラツトホ
ームに支持され、且つその隣接端部を昇降する装
置を備えた上記他のハウジングまで少なくとも伸
長する仲継用傾斜路を具備させたことである。

排水ユニツトは、望ましくは、２つの平行な排
水体から構成し、両者を、少なくとも仲継用傾斜
路幅に等しい距離は離間させ且つ前記両ハウジン
グで連結するようにするのがよい。

仲継用傾斜路は、望ましくは、第２ハウジング
を通り越して伸長させ、その延長部の幅を両ハウ
ジング間の伸長部の幅より大幅に広いものにする
のがよい。

［実施例］ さて、本発明の実施例の１つを添付図面を参照
しつつ以下に詳述する。

図示のケーソン構造体は、水位変化の激しい港
において埠頭１０で使用するためのものである。

高水位は１１で、低水位は１２で示してある。
海底線は１３で示し、また溝１４は橋台１５まで
掘つてある。

ケーソン構造体１６は浚渫済み溝１４の領域内
の埠頭１０に係留された船（図示せず）と該埠頭
との間の仲継体を成すものであるが、これは着底
排水ユニツトを構成する２つの細長い排水体１７
を有しており、またこの排水体は適当な数のバラ
ストタンクに細分されている。これらのタンクは
埠頭に隣接して港の海底に本ユニツトを着座させ
るのに充分な容量を具備する。またこれらのタン
クはポンプ式機械（図示せず）に連結されてお
り、従つて必要に応じてバラストを排出してケー
ソン構造体１６を浮上させることができるから、
ケーソン構造体１６を同一港内の別の場所に、あ
るいは場合によつては別の港に移動させることが
できる。

排水体１７は、ケーソン構造体１６の横方向の
安定を保証できるような相互位置に配置すると共
に、多数の交差支柱１８で連結してある。排水体
１７の一端には第１ハウジング１９を配設し、こ
れに最高水位１１より充分に高い高さを持たせ、
且つプラツトホーム２０を具備させてある。該プ
ラツトホーム２０は傾斜路２１を介して埠頭１０
に連結できるようにしてある。

第１ハウジング１９には、バラスト・ポンプ式
機械及びその他の操作装置が含まれているのが望
ましい。

第２ハウジング２２を排水体１７の他端に配設
し、これに２つの塔２３を具備させる。この塔は
第１ハウジングのプラツトホーム２０より高くし
てある。また両塔は、塔内の垂直操作機構装置２
５に支持された横梁２４で連結してある。

仲継用傾斜路２６を設け、これをプラツトホー
ム２０を起点として両塔２３を越えた位置にまで
延設してある。傾斜路２６の主要部は実際の運搬
作業に使用される運搬車のサイズに適した幅を持
つが、その延長部２７は船または船上傾斜路と連
動できるよう幅の広い部分となつている。傾斜路
２６はプラツトホーム２０に蝶番式に取付けるこ
ともでき、また別法としては、プラツトホーム２
０と係合するその端部が傾斜路の傾きが変るにつ
れてプラツトホーム２０のデツキ上を摺動するよ
うに構成することもできる。

排水体１７同士は両ハウジングでしつかりと連
結し、排水体間の距離は傾斜路幅より大きくす
る。このように構成した場合は、傾斜路２６がが
排水体１７，１７の間に位置することとなり、排
水体１７が傾斜路２６の移動をさえぎることがな
いので、低水位（例えば第１図の低水位１２）の
場合であつても、これに対処できる利点を有す
る。

プラツトホーム２０と結合する傾斜路の部分２
８は埠頭側を広くして、運搬車の傾斜路から埠頭
への回転、またはその逆の回転がし易いようにし
てある。

排水体１７の長さを選択するには、水位変化に
よつて生じる傾斜路２６の傾きが運搬作業に支障
を来たさないことを基準とする。

さて、以上説明した実施例は１つの範例に過ぎ
ないものであつて、付属の特許請求の範囲を越え
ない限りその構成部材の多種多様な変更例が可能
である。

係留作業がほとんど行われないと思われる場合
は、バラスト配管類を外部ポンプ装置に取付ける
ような構成にすることも可能である。排水ユニツ
トを設けた目的は、波及び潮流の作用に耐えるの
に充分な荷重を加えることをも含めて、ケーソン
構造体を充分に安定させることであり、その結果
運搬用車道は支障を来たすことのない状態に維持
されるようになつた。本構造体には平行排水体を
３つ以上含ませることも可能であり、もちろん、
一連の横方向部材を配設し、それらを縦方向支柱
で連結する構成も可能である。

［発明の効果］ 本発明によれば、船と埠頭との間の仲継に関し
てはポンツーンと同じ機能を果し、而もポンツー
ンを不適当なものにする外部作用に影響されるこ
とのない、移動可能なケーソン構造体を提供する
ことができる。とりわけ傾斜路が２つの平行な排
水体の間に位置して、該排水体が前記傾斜路の移
動をさえぎることがないので、低水位の場合であ
つても、本発明のケーソン構造体を用いることが
できる。本発明のケーソン構造体の用途は広範囲
に亘り、例えば、独立した装置として使用する
と、該ケーソンの近傍に係留された大型船舶と多
数の小型給油船との仲継体としての役割を果すこ
とが可能となる。本構造体はまた、沖合産業に従
事する作業船及び供給船の仲継ステーシヨンとし
ても使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ケーソン構造体の側面図、第２
図は同構造体の上から見た平面図、第３図及び第
４図は夫々第１図の線−及び線−に沿つ
て切つた断面図である。 １０……埠頭、１１……高水位、１２……低水
位、１３……海底線、１６……ケーソン構造体、
１７……排水体、１８……交差支柱、１９……第
１ハウジング、２０……プラツトホーム、２２…
…第２ハウジング、２３……塔、２５……垂直操
作機構装置、２６……仲継用傾斜路、２７……延
長部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 船と埠頭との間でロールオン・ロールオフ式
   運搬作業を行なうための可動ケーソン構造体であ
   つて、 埠頭に隣接して港の海底に本排水ユニツトを着
   座させるのに充分な容量を具備する複数のバラス
   トタンクを有する少なくとも１つの着底排水ユニ
   ツトと、 排水ユニツトの一端に位置し、且つ選択された
   場所の高水位１１より上方に伸長するような充分
   な高さと、該高水位より上方に位置するプラツト
   ホーム２０と、を有する第１ハウジング１９と、 上記排水ユニツトの他端にあつて２つの塔２３
   を具備する第２ハウジング２２と、 一端を第１ハウジング１９とプラツトホーム２
   ０に支持され、且つその隣接端部を昇降する装置
   ２５を備えた上記他のハウジング２２まで少なく
   とも伸長する仲継用傾斜路２６と、を含み、 前記排水ユニツトを２つの平行な排水体１７か
   ら構成し、該排水体１７，１７を、少なくとも前
   記仲継用傾斜路２６の幅に等しい距離は離間させ
   ると共に２つのハウジング１９，２２で連結させ
   たことを特徴とする可動ケーソン構造体。 ２ 前記仲継用傾斜路２６を前記第２ハウジング
   ２２を通り越して伸長させ、その延長部２７を前
   記両ハウジング間の伸長部より大幅に幅広のもの
   としたことを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の可動ケーソン構造体。