JPS6354726B2 - - Google Patents

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JPS6354726B2
JPS6354726B2 JP55127879A JP12787980A JPS6354726B2 JP S6354726 B2 JPS6354726 B2 JP S6354726B2 JP 55127879 A JP55127879 A JP 55127879A JP 12787980 A JP12787980 A JP 12787980A JP S6354726 B2 JPS6354726 B2 JP S6354726B2
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JP
Japan
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styrene
molecular weight
rubber
butadiene
distribution
Prior art date
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Expired
Application number
JP55127879A
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English (en)
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JPS5753511A (en
Inventor
Yasuro Hatsutori
Hideo Morita
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP55127879A priority Critical patent/JPS5753511A/ja
Publication of JPS5753511A publication Critical patent/JPS5753511A/ja
Publication of JPS6354726B2 publication Critical patent/JPS6354726B2/ja
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なスチレン分布を有するスチレ
ン―ブタジエン共重合ゴムに関するものであり、
各種ゴム用途、特にタイヤトレツド用途に適した
優れた原料ゴムを提供するものである。 有機リチウム触媒によりスチレン―ブタジエン
共重合ゴムを得ようとする時の最大の問題点の一
つは、通常行なわれる重合条件下ではスチレンと
ブタジエンの見掛けの反応速度が異なり、反応速
度の遅いスチレンがブロツク的に重合し、ランダ
ム共重合体が得にくいことである。 この問題の解決策の一つとして、有機リチウム
化合物にエーテル化合物、チオエーテル化合物、
第3級アミン化合物等のルイス塩基を共存させて
の重合、あるいはナトリウム、カリウムもしくは
類似物の有機塩または錯化合物を共存させての重
合が提案されている。これらの重合で得られたス
チレン―ブタジエンランダム共重合体のブタジエ
ン部のミクロ構造は、比較的ビニル結合の高いも
のとなる(例えば特公昭36−15386号、特公昭38
−4492号等)。しかし、このようにして得られた
比較的高いビニル結合のスチレン―ブタジエン共
重合ゴムを、天然ゴムないしはポリブタジエンゴ
ム等他の原料ゴムとブレンドしてタイヤトレツド
等の製造に供すると、ビニル結合の増大がガラス
転位点(Tg)の上昇をもたらし、タイヤトレツ
ドとした場合のウエツトスキツド抵抗性の向上を
もたらすものの、反発弾性、耐摩耗性等で代表さ
れる動的特性の低下をきたし好ましくない面があ
ることが既に知られている。 上記のように比較的高いビニル結合を有するゴ
ムは動的特性で劣るため、エーテル化合物等の助
けを借りることなく比較的ビニル結合の少ないラ
ンダムスチレン―ブタジエン共重合体を得る種々
の方法も提案されている。しかし、これらの方法
で得られる比較的ビニル結合の少ないゴムは、一
般にウエツトスキツド抵抗性において、前述した
ビニル結合の多いランダムスチレン―ブタジエン
共重合体あるいは乳化重合スチレン―ブタジエン
共重合ゴムに比して劣るとされ、これの改良の手
段もいくつか提案されている。その一つは、スチ
レンの分子内の分布、すなわち一つの分子の中に
スチレン含量の異なる二つのランダムスチレン―
ブタジエン共重合体ブロツクを有するゴムによる
ものである(特公昭47−17449号)。 さらに知られている事実は、有機リチウム触媒
によつて製造される一般的なスチレン―ブタジエ
ン共重合ゴムの分子量分布の拡大と特殊なスチレ
ン分布の付与がその加工性の改良をもたらすこと
であり、これによつて各種物性と各種加工性のバ
ランスのとれた共重合ゴムが得られることである
(特開昭55−40712号)。 本発明は、上述した比較的高いビニル結合を有
するスチレン―ブタジエン共重合ゴムの欠点、す
なわちビニル結合の増大にともない発生する反発
弾性、耐摩耗性等の動的特性の低下を改良するも
のであり、その改良方法として新規なスチレン分
布を有するスチレン―ブタジエン共重合ゴムを提
案するものである。 すなわち、本発明は、結合スチレンが10ないし
40重量パーセント、ブタジエン部の1,2ビニル
結合が20ないし80モルパーセント、1,4結合が
80ないし20モルパーセント、シス1,4/トラン
ス1,4比率が100/0ないし0/100(モル比)、
数平均分子量が50000ないし350000、重量平均分
子量と数平均分子量の比で表示される分子量分布
Mw/nが1.5ないし3.0であり、さらにゲルパ
ーミエーシヨンクロマトグラフ(GPC)によつ
て分析されるスチレン分布が分子量に沿つて結合
スチレンが連続的に変化するものであることを特
徴とする新規なスチレン分布を有するスチレン―
ブタジエン共重合ゴムである。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムは、
従来技術による共重合ゴムと比較し、各種ゴム用
途、特にタイヤトレツド用途に適した優れた特
性、例えば高いウエツトスキツド抵抗性、改善さ
れた反発弾性、耐摩耗性等を有する原料ゴムであ
る。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムの結
合スチレンは10ないし40重量パーセント、ブタジ
エン部の1,2ビニル結合は20ないし80モルパー
セントに制限される。以下に示す本発明の効果
は、この制限下にないと十分発現しない。すなわ
ち、あまりにも高い結合スチレンまたはビニル結
合、あるいはあまりにも低い結合スチレンまたは
ビニル結合を有するスチレン―ブタジエン共重合
体は、それ自体が極めて特殊な物性を示すものと
なり、本発明の効果が十分に発現しない。特に好
ましい結合スチレン含量は12ないし35重量パーセ
ントであり、最も好ましい範囲は15ないし30重量
パーセントである。また、ビニル結合についても
特に好ましい範囲は25ないし70モルパーセント、
最も好ましい範囲は35ないし65モルパーセントで
ある。さらにスチレンの分子鎖内での結合は、実
質的にランダムであり、そのブロツクスチレンは
全結合スチレンの20重量パーセント以下であるこ
とが好ましい。一般にブロツクスチレンの増大
は、本発明の目的とする反発弾性、耐摩耗性等の
動的特性を低下させる。また、本発明のスチレン
―ブタジエン共重合ゴムは、少量の他の共重合可
能なモノマー成分、例えばイソプレン、ピペリレ
ン、α―メチルスチレン、ジビニルベンゼン等を
含むものであつてもよい。 次に本発明の共重合ゴムの数平均分子量および
分子量分布は、この種のゴムの構造分析の手段と
して公知の最も容易かつ信頼できる方法であるゲ
ルパーミエーシヨンクロマトグラフ(GPC)に
よつて分析される。この方法により、数平均分子
量は、50000ないし350000の値に制限され、好ま
しくは100000ないし300000である。本発明の効果
は上記範囲内のみで発現する。また、この方法で
求められる重量平均分子量(w)と数平均分子
量(n)の比をもつて表示される分子量分布
(w/n)は、1.5ないし3.0に制限される。
1.5未満の場合には本発明の新規なスチレン分布
の効果が十分発現せず、また、3.0を超える場合
には加工性は優れたものになるものの各種物性、
特に耐摩耗性の低下が著しく本発明の場合には好
ましくない。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムの分
子量分布の形状は、モノ―モーダルであつてもバ
イーモーダルであつてもポリモーダルであつても
よい。 さらに本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴ
は、その組成分布、すなわちスチレン分布が、分
子量に沿つて結合スチレンが連続的に変化するも
のであることを特徴とし、該スチレン分布は
GPCを用いて容易に分析することができる。す
なわちGPCによつて分子量分別された連続的に
留出する液を結合スチレンによつて感度の異なる
2種の分析方法によつて定量すればよく、その1
種はGPCによつてゴムを分析する場合に通常用
いられている屈析率(RI)による分析であり、
もう1種は共重合体中のスチレン部のみを検知す
る波長(通常260mμ)に調整された紫外吸光
(UV)による分析である。GPCによつて分子量
分別され、連続的に留出する液をほとんど同時に
RIおよびUVで分析すれば下式によつて、各分子
量の結合スチレンを連続的に分析することができ
る。 ある分子量の結合スチレン=X/K1−K2X (重量パーセント) (ただし、Xはある分子量におけるUVおよび
RI分析による各相対濃度の比HUV/HRIを示し、
K1,K2はGPCの運転条件によつて定まる定数を
示す)。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムの組
成分布は、上述の方法によつて分析され、かつそ
の形状が分子量に沿つて結合スチレンが連続的に
変化するものである。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムは、
上述したように分子量に沿つて結合スチレンが連
続的に変化するものであるが、その変化の大きさ
は種々、目的に合せて調整することができる。本
発明の効果をより明確に発現させるために好まし
い最大の結合スチレンと最小の結合スチレンの差
は、10重量パーセント以上である。しかし、極め
て微少の量の共重合体成分が極めて高いまたは極
めて低い結合スチレンであつても、その効果は十
分望めないし、また、分析もされえない。本発明
でいう最小および最大の結合スチレンとは、実質
的に上述のGPCによる組成分析が可能であり、
かつ、本発明として有効な成分量である全共重合
体に対し5ないしは10重量パーセント以上の重量
部以上を最大または最小の分子量より積算して求
められる分子量部分の結合スチレンとして定義さ
れる。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムの最
大の結合スチレンを有する分子量部分は、ゴム全
体の平均分子量より低分子量側に存在してもよ
く、また、高分子量側に存在してもよい。どちら
であつても本発明の目的とするウエツトスキツド
抵抗性と耐摩耗性ないしは反発弾性の改良された
関係を得ることができるが、実施例において明確
化されるように、最大の結合スチレンが高分子量
側にあるか低分子量側にあるかによつて多少異な
る物性を示す。 本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムは
種々の方法によつて製造することができる。最も
単純に考えられる方法は、分子量および結合スチ
レンの異なる多数の重合体を多元的にブレンドす
る方法であり、本発明の共重合ゴムはこの方法に
よつても製造できる。しかし、この方法はブレン
ドすべき極めて高いまたは低い分子量の重合体の
製造自体が困難なこと、あるいはまた、ブレンド
の操作に大きな混合エネルギーを必要とするとい
つた好ましくない面がある。 本発明の共重合ゴムを製造しうる最も好ましい
方法は、共重合ゴムを重合時にいわゆるIN
SITU(その場)に製造することであり、不活性
希釈剤中において有機リチウム化合物とルイス塩
基からなる触媒の存在下でスチレンとブタジエン
を共重合するに当つて、直列に連結された2以上
の重合域に連続的に単量体および触媒を導入し、
各重合域に導入する単量体の組成比および触媒量
が異なる重合によつてこれを行なうことができ
る。2以上の重合域は並列であつてもよいが、こ
の場合は前述したブレンドと同様の混合操作を必
要として、直列の場合に比して優れるものではな
い。この方法によつて重合域が2であつて各々に
導入される触媒量の差が大きい場合は、得られる
共重合体はバイーモーダルの分布を示す。 スチレンと―ブタジエンの共重合に用いられる
有機リチウム化合物としては、例えば、メチルリ
チウム、エチルリチウム、n―,sec―,tert―
ブチルリチウム、アミルリチウム、フエニルリチ
ウム、シクロヘキシルリチウム等が挙げられる
が、これらは目的に合せて一種またはそれ以上を
用いる。 また、ルイス塩基としては、エーテル化合物、
チオエーテル化合物、第3級アミン化合物、ホス
フイン化合物、リチウム以外のアルカリ金属のア
ルコラート化合物、アルキルアリル硫酸塩、亜硫
酸塩等が挙げられ、特に好ましい化合物として
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフ
エニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、1,2ジメトキシエタン、1,2ジブトキシ
エタン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′―
テトラメチルエチレンジアミン、ジアルキルおよ
びアリールスルフイド、ヘキサメチルホスホアミ
ド、アルキルベンゼン硫酸カリウム、アルキルベ
ンゼン硫酸ナトリウム、カリウムブトキシド、ナ
トリウムブトキシド等が挙げられる。 さらに不活性希釈剤としては、例えば、プロパ
ン、i―およびn―ブタン、i―およびn―ペン
タン、i―およびn―ヘキサン、i―およびn―
ヘプタン、オクタン、シクロブタン、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンまたは
これらの混合物が挙げられる。 上記重合反応は、一般には20℃ないしは200℃、
特に好ましくは50℃ないし150℃の範囲で実施さ
れる。 本発明のスチレンブタジエン共重合ゴムは上述
の特徴を生かし、一般に単独または他の合成ゴム
ないしは天然ゴムとブレンドして、公知の種々の
配合および加硫を経て、タイヤトレツド、カーカ
ス等のタイヤ用途、あるいは押出製品、自動車窓
枠、工業用品等の用途に使用することができる。
また、場合によつては種々のプラスチツクスとグ
ラフトもしくはブレンドして、耐衝撃性等の改良
の用途にも供することができる。 本発明の特に好ましい用途の一つは、タイヤ、
特にタイヤトレツド原料ゴムとしての用途であ
り、単独で使用されてもよいが、タイヤの種類お
よび使用用途によつては、天然ゴムおよび/また
は他の合成ゴムと混合しても使用される。 本発明により得られるブタジエン共重合ゴムと
混合して使用される他の合成ゴムとしては、乳化
重合ブタジエンスチレン共重合ゴム、乳化重合ポ
リブタジエンゴム、溶液重合低シスおよび高シス
ポリブタジエンゴム、アルフイン触媒で重合され
たポリブタジエンゴムまたはブタジエンスチレン
共重合ゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエンイ
ソプレン共重合ゴム等がある。 なお、これらの天然ゴムおよび/または合成ゴ
ムは、1種または2種以上併用して使用される
が、本発明により得られるスチレン―ブタジエン
共重合ゴムの特性を生かすためには、タイヤトレ
ツド組成物に使用される原料ゴム中に、本発明に
より得られるスチレン―ブタジエン共重合ゴムが
少くとも30重量%含有されているべきである。 本発明により得られるスチレン―ブタジエンラ
ンダム共重合ゴム単独か、もしくは天然ゴムおよ
び/または他の合成ゴムと混合してタイヤ用ゴ
ム、特にタイヤトレツド用ゴム組成物とする場
合、実用物性上特に重要なものは、プロセス油お
よびカーボンブラツクである。 一般に、ゴム配合剤として用いられるプロセス
油は石油溜分のうちの高沸点部分から成り、油の
炭化水素分子の化学構造によつて、鎖状飽和炭化
水素から成るパラフイン系および飽和環状炭化水
素から成るナフテン系および不飽和環状炭化水素
から成るアロマチツク系とに分けられる。通常こ
れは粘度比重恒数(V.G.C.と略す)をもつて区
分され、一般にV.G.C.が0.790ないし0.849のもの
はパラフイン系、0.850ないし0.899のものはナフ
テン系、0.900以上はアロマチツク系として分類
される。このうち本発明のタイヤトレツドに使用
されるプロセス油としては、通常V.G.C.が0.850
以上のナフテン系またはアロマチツク系プロセス
油が使用されるが、特に好ましくはV.G.C.0.900
以上のアロマチツク系プロセス油である。 上記プロセス油は、バンバリー混合機やオーブ
ンロール等で、他の混合剤と同時に機械的に混合
してもよいし、あるいは添加されるプロセス油の
全量または一部を、前もつて本発明のスチレン―
ブタジエン共重合ゴムに溶液状態で混合し、後溶
剤を除去せしめて油展ポリマーとして使用しても
よい。 一般に、ゴム配合剤として使用されるカーボン
ブラツクのタイプおよび配合量は、タイヤの実用
物性上大きな影響を有する。本発明の重合体をタ
イヤ用途等に用いる場合に使用されるカーボンブ
ラツクの配合量は、同時に使用するプロセス油の
添加量を加味して使用されるが、原料ゴム100重
量部に対し40〜100重量部である。40重量部以下
ではタイヤトレツドの実用物性上、特に摩耗抵抗
等に充分でなく、逆に100重量部以上では動的性
質、摩耗抵抗の面で好ましくない。 上記カーボンブラツクの種類としては、乳化重
合ブタジエンスチレン共重合ゴムやポリブタジエ
ンに使用される場合と本質的に差はなく、通常、
粒子径40ミリミクロンのHAF級カーボンブラツ
クまたは約27ミリミクロンのISAF級カーボンブ
ラツク等が使用されるが、使用されるタイヤの走
行条件によつては、さらに粒子の大きいもの、ま
たは逆に小さいものを使用することもできる。 以上の如く、使用されるカーボンブラツクの量
および種類は、使用されるタイヤ走行条件に照ら
し合わせ、適度に定められるべきである。 使用されるカーボンブラツクは、バンバリー混
合機やオーブンロール上で他の配合剤やプロセス
油と同時に機械的に混合してもよいし、あるいは
本発明のスチレン―ブタジエン共重合ゴムを製造
する際、カーボンブラツクの一部または全量を、
共重合ゴムの溶液中に添加した後、溶剤を除去す
る、いわゆるカーボンブラツクマスターバツチと
して使用してもよい。 本発明の重合体をタイヤ用途等に用いる場合に
使用される配合剤としては、プロセス油、カーボ
ンブラツクの他、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化
防止剤、オゾン劣化防止剤、加硫促進剤、加硫
剤、ワツクス等がある。 以上の諸配合剤と本発明の新規なスチレン分布
を有するスチレン―ブタジエン共重合体より成る
ゴム組成物は、タイヤ用特にタイヤトレツド配合
物として、従来の如何なるゴム組成物に比して
も、実用物性上、加工操作上、極めてバランスの
とれた、しかも優れた性質を示す。 次に若干の実施例によつて本発明の効果を説明
するが、これらは本発明を限定するものではな
い。 実施例 1 撹拌機とジヤケツトを有する容量10の重合反
応機を2基直列に連結し、90℃に保ち、その第1
基目の反応機にブタジエン18g/min、スチレン
4g/min、ヘキサン90g/minおよびモノマー
100gに対して0.040gのブチルリチウムと4.0g
のテトラヒドロフランを連続的に定量ポンプでフ
イードして反応を開始せしめ、反応液は2基目の
反応機に自動的に移送した。同時に2基目反応機
へは、さらにブタジエン15g/min、スチレン7
g/min、ヘキサン90g/minおよびモノマー
100gに対して0.080gのブチルリチウムと8.0g
のテトラヒドロフランをフイードした。定常状態
になつた後、2基目重合反応機から出たポリマー
溶液に、2,4―ジ・ターシヤリーブチル―p―
クレゾールをポリマー100gに対して0.5gとなる
よう混合し、ヘキサンを除去して、本発明の共重
合体を得た。 この共重合体のムーニー粘度(ML1+4100℃)
は53.5、結合スチレン(注1)は24.8重量パーセ
ント、ブロツクスチレン(注2)は0.3重量パー
セント、ブタジエン部のミクロ構造・ビニル結合
の含量(注1)は41.2モルパーセント(ブタジエ
ン部を100パーセントとして)であり、GPC(注
3)によつて分析された数平均分子量は162000で
あり、分子量分布(w/n)は1.82であつ
た。また、GPCによつて分析されたスチレン分
布は、第1図に示すように分子量に沿つて結合ス
チレンが連続的に変化するもので、その最大の結
合スチレンは低分子量側に存在し、最大の結合ス
チレンと最小の結合スチレンの差は20重量パーセ
ントであつた。実施例1の共重合ゴムの加工性お
よび物性は、他の実施例および比較例とともに表
2および表4に示すとおりで、表2および表4か
ら明らかなように、実施例1の共重合ゴムは従来
の溶液重合スチレン―ブタジエンゴムに比して極
めて優れた物性を有する。 注1 結合スチレン含量およびブタジエン部のミ
クロ構造ビニル結合の含量は、赤外分光光
度計を用いてハンプトンの方法によつて計
算した。 注2 ブロツクスチレン含量はI.M.Kolthoffらの
酸化分解法により測定した(ジヤーナル
オブ ポリマーサイエンス、第1巻、429
ページ、1946年刊行)。 注3 GPCは島津製作所製LC―1型を用い、こ
れに検知器として示差屈折計と紫外吸光光
度計を接続して下記の条件で測定を実施し
た。(イ)カラムHSG50,60,70 (ロ)移動相、
テトラヒドロフラン (ハ)温度38℃ 実施例 2〜4 実施例2〜4は実施例1と同様にして、反応基
にフイードするモノマー、ヘキサン、ブチルリチ
ウム、テトラヒドロフランの量のみ変更して実施
した。各実施例における各成分のフイード条件
と、得られる共重合ゴムの分析結果を表1に示
す。なお、実施例4のスチレン分布を第2図に示
す。
【表】 これらゴムの物性は、他の実施例および比較例
とともに表2および表4に示すとおりである。本
発明の共重合ゴムは、従来の溶液重合スチレン―
ブタジエン共重合ゴムに比して優れた物性、特に
タイヤトレツド原料ゴムとして最も要求される特
性である耐摩耗性と、ウエツトスキツド抵抗性と
の関係において優れていることが明らかである。
また、本発明の範囲内であつても組成分布の形状
によつて、その物性が多少異なるものであること
が判る。すなわち組成分布の拡大が、その最大の
結合スチレンを有する分子量部分が低分子量側に
存在する形で行なわれた場合は、実施例1,3,
5および6に示されるように、反発弾性、耐摩耗
性の向上で代表されるようなゴム弾性の向上がみ
られ、しかも他の物性、特にウエツトスキツド抵
抗性は維持されている。一方、最大の結合スチレ
ンが高分子側に存在する場合は、引張強度の向上
およびウエツトスキツド抵抗性の改良が顕著にみ
られ、しかもゴム弾性は維持されており、各種ゴ
ム用途、特にタイヤトレツド用の原料ゴムとして
の用途においては、好ましい改良された耐摩耗性
とウエツトスキツド抵抗性との関係を示し、極め
て有用なものと認められる。 実施例 5 実施例5は、第1基目の反応機の出口におい
て、第1基目の反応機に加えたブチルリチウムに
対して1/6モルの四塩化ケイ素を添加する以外は
実施1とまつたく同様にして実施した。得られた
共重合体のムーニー粘度(ML1+4100℃)は70、
結合スチレンは25.0重量パーセント、ブロツクス
チレンは0.2重量パーセント、ブタジエン部のミ
クロ構造、ビニル結合の含量は38.7モルパーセン
ト、GPCによつて分析された数平均分子量は
151000、分子量分布は2.5であつた。また、GPC
によつて分析されたスチレン分布は分子量に沿つ
て結合スチレンが連続的に変化するもので、その
最大の結合スチレンは低分子量側に存在し、最大
の結合スチレンと最小の結合スチレンの差は18重
量パーセントであつた。 比較例 1 実施例1で用いた重合反応機の第1基目のみを
用いて、これを93℃に保ち、ブタジエン21g/
min、スチレン7g/min、ヘキサン120g/min
およびモノマー100gに対して0.060gのブチルリ
チウムおよびテトラヒドロフラン6.0gを連続的
に定量ポンプでフイードして反応を開始せしめ、
定常状態になつた後、反応基から出たポリマー溶
液に2,4―ジターシヤリーブチル―p―クレゾ
ールをポリマー100gに対して20.5gとなるよう
混合した後、ヘキサンを除去し、スチレン―ブタ
ジエン共重合ゴムを得た。このもののムーニー粘
度は48、結合スチレンは24.6重量パーセント、ブ
ロツクスチレンは0.1重量パーセント、ブタジエ
ン部のシクロ構造・ビニル結合の含量は36.4パー
セントであり、そのGPCによつて分析される数
平均分子量は175000、分子量分布は1.57であつ
た。また、同時に分析されるスチレン分布は、分
子量に沿つて結合スチレンはほとんど変化せず一
定の値を示すものであつた。 比較例 2 実施例1で用いた重合反応機をそのまま用い
て、その第1基目および第2基目の重合機にブタ
ジエン16.5g/min、スチレン5.5g/minを導入
する以外は実施例3とまつたく同様にして、分子
量分布のみが拡大されたスチレン―ブタジエン共
重合ゴムを得た。このもののムーニー粘度
(ML1+4100℃)は50、結合スチレンは24.6重量パ
ーセント、ブロツクスチレンは0.1重量パーセン
ト、ブタジエン部のミクロ構造・ビニル結合の含
量は40.3モルパーセントであり、そのGPCによつ
て分析される数平均分子量は131000であり、分子
量分布は2.4であつた。また、GPCによつて同時
に分析されるスチレン分布は、分子量に沿つて結
合スチレンはほとんど変化せず一定の値を示すも
のであつた。上記スチレン分布を第3図に示す。 実施例 6 比較例1の方法を用いて、結合スチレンが異な
り、かつ分子量分布が比較的狭い下記の三つの共
重合体ゴムA,BおよびCを得て、これをヘキサ
ン溶液状態でA/B/Cの比が1/2/1の割合
になるよう混合した後、ヘキサンを除去し、ムー
ニー粘度が54、結合スチレンが24.4重量パーセン
ト、ブロツクスチレンが0.4重量パーセント、ブ
タジエン部のミクロ構造ビニル結合が40.1モルパ
ーセントであり、GPCによつて分析される数平
均分子量が128000、分子量分布が2.5、GPCによ
つて同時に分析されるスチレン分布が分子量に沿
つて変化するもので、その最小の結合スチレンは
低分子量側に存在し、最大の結合スチレンと最小
の結合スチレンの差は25重量パーセントである本
発明の共重合ゴムを得た。 A;ムーニー粘度14.5、結合スチレン36.2重量パ
ーセント、ブタジエン部のミクロ構造・ビニ
ル結合の含量42.5モルパーセント、分子量分
布1.54 B;ムーニー粘度58、結合スチレン24.7重量パー
セント、ブタジエン部のミクロ構造・ビニル
結合の含量39.7モルパーセント、分子量分布
1.52 C;ムーニー粘度95.5、結合スチレン12重量パー
セント、ブタジエン部のミクロ構造・ビニル
結合の含量38.5モルパーセント、分子量分布
1.60 実施例5および6、比較例1および2、また比
較例3としてエマルジヨンSBR1502、比較例4
としてソルプレン1204(この両者のスチレン分布
は、分子量に沿つて結合スチレンは変化せず、一
定の値を示すものであつた。)の物性も表2、表
4に示す。これらの表より明らかなように、実施
例5および6に示す共重合ゴムは、実施例1〜4
の共重合ゴムよりは若干劣るものの、比較例1〜
4の共重合ゴムに比して極めて改良された物性を
示すものである。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の共重合ゴムのスチレン分布
を示す図表、第2図は実施例4の共重合ゴムのス
チレン分布を示す図表、第3図は比較例2の共重
合ゴムのスチレン分布を示す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 結合スチレンが10ないし40重量パーセント、
    ブタジエン部の1,2ビニル結合が20ないし80モ
    ルパーセント、1,4結合が80ないし20モルパー
    セント、シス1,4/トランス1,4比率が
    100/0ないし0/100(モル比)、数平均分子量が
    50000ないし350000、重量平均分子量と数平均分
    子量の比で表示される分子量分布w/nが
    1.5ないし3.0であり、さらにゲルパーミエーシヨ
    ンクロマトグラフ(GPC)によつて分析される
    スチレン分布が分子量に沿つて結合スチレンが連
    続的に変化するものであることを特徴とする新規
    なスチレン分布を有するスチレン―ブタジエン共
    重合ゴム。
JP55127879A 1980-09-17 1980-09-17 Styrene-butadiene copolymer rubber having novel styrene distribution and its preparation Granted JPS5753511A (en)

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