JPS6353443B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気ヒータを一体に組み込んだ石油ス
トーブに関するものである。

従来、石油ストーブには転倒時や地震等の振動
時に自動的に燃焼を停止し、消火する振動消火装
置を備える事が義務づけられていたが、近年石油
事情の悪化等により電気ヒータと石油ストーブの
長所を組み合わせた電気ヒータ付石油ストーブが
提唱されるようになつた。しかし、石油ストーブ
には、振動自動停止装置が義務付けられていない
事もあつて、電気ヒータ付石油ストーブの振動停
止装置の間発が望まれていた。

本発明は電気ヒータ付石油ストーブに於いて振
動時燃焼部の消火を行うだけではなく、電気ヒー
タへの通電も自動的にオフするものである。

以下、本発明の一実施例を説明する。

第１図は本発明の一実施例による電気ヒータ付
石油ストーブの外観正面図、第２図は同側断面
図、第３図は振動消火装置の細部拡大図である。

第１図〜第３図に於いて、１は箱型のキヤビネ
ツト、２は前面開口に設けたガード、３は石油燃
焼部の一例として用いた燃焼筒、４は油タンク、
５は灯芯上下つまみ、６は反射板、７はカートリ
ツジタンク（図示せず）の油量確認窓、８は乾電
池、９は振動消火装置で、これ等は一般的な灯芯
式石油ストーブと同じ構成であり、灯芯上下つま
み５によつて灯芯（図示せず）を上げ、油タンク
４内の油を灯芯にて吸い上げ乾電池８を電源とす
る点火装置（図示せず）にて点火させる事により
燃焼筒３からの熱を反射板６にて前方に放射さ
せ、暖房するのである。

１０は電気ヒータで、後部にヒータ用反射板１
１を備え電源スイツチ１２にてこれへの通電をオ
ン−オフさせるもので、石油燃焼と同時使用も可
能となつている。１３は電気ヒータ１０への電源
コード、１４はヒータ用ガードである。

次に振動自動消火装置の構成を説明する。

第３図に於いて、１５は振子、１６は基板、１
７は作動レバーで、支点１８を中心に振子１５の
振れによつて回動する。１９は灯芯上下軸で、そ
の一端はピニオン加工がしてあり、油タンク４内
の灯芯とラツクを介して係合し、芯上下軸１９の
回動によつて灯芯が上下するようになつている。
また灯芯又は灯芯上下軸１９は常に灯芯を下降さ
せる方向に消火バネ（図示せず）で付勢されてい
る。

又灯芯上下軸１９の他端には芯上下つまみ５が
挿入されている。２０は芯上下軸１９と回動を共
にする歯車で、灯芯上下つまみ５にて灯芯を上昇
させる時は作動レバー１７をはね上げつつ時計方
向に回転し、上記図示しない消火バネによる灯芯
下降方向の力は作動レバー１７と歯車２０のかみ
合わせで係止されている。２１は作動レバー１７
を常に歯車２０側に押しつけるレバーバネであ
る。２２は消火ボタンで、作動レバー１７と同じ
支点１８を中心として回動し、他端にはピン２
３，２４が設けられていて、消火時は消火ボタン
２２を下へ押す事によつてピン２３によつて作動
レバー１７を上へはね上げて、作動レバー１７と
歯車２０との係合を解除し、自動的に灯芯を下げ
て消火する。又、点火時は消火ボタン２２を上へ
上げる事によつてピン２４が作動レバー１７を押
し下げ歯車２０との係合を行うので、歯車２０が
作動レバー１７で係止され、灯芯を上げられる。
２５は電気スイツチで、スイツチレバー２６を備
え、その上下運動によつてスイツチボタン２７の
入切を行う。なお電気スイツチ２５は電気容量が
小さいため通常は電磁開閉器を介して電気ヒータ
１０の入切を行う。

２８は作動レバーの他端に設けられた反転バネ
で、振子１５の振れによつて作動レバー１７が上
方に移動した時、その作動レバー１７を上方に固
定させるもので、作動レバー１７が自動的に下方
へ復帰するのを防止している。

上記構成の作用を順を追つて説明すれば、先ず
石油ストーブ又は電気ヒータを使用しようとする
時は消火ボタン２２を上方に押し上げて、作動レ
バー１７を下方へ移動させ歯車２０とかみ合わせ
る。これによつて同時に反転バネ２８も下方へ移
動しその位置で作動レバー１７を半固定する。作
動レバー１７の移動によつて倒れていた振子１５
も直立してセツトが完了する。この状態から、電
気ヒータ１０を使用する時は電源コード１３をコ
ンセントに差し込み電源スイツチ１２をオンにす
る事により電気ヒータ１０に通電される。又、石
油ストーブを使用する時は灯芯上下つまみ５を時
計方向に回して灯芯を上げ、一般的な点火装置に
て灯芯に点火し、燃焼筒３で燃焼させる。

このように電気ヒータ１０又は石油ストーブも
しくは両者同時使用している時にキヤビネツト１
を誤つて転倒させるか地震がくると振子１５が第
３図二点鎖線のごとく揺動し、それによつて作動
レバー１７が同じく二点鎖線のごとく上方へ移動
し、反転バネ２８によつて上方で半固定される。
同時に歯車２０と作動レバー１７の係止が解かれ
灯芯又は灯芯上下軸１９に付勢された消火バネで
灯芯は下降し、自動消火する。一方電気ヒータ１
０の方は作動レバー１７の上方への移動によつて
スイツチレバー２６が押し上げられ、それによつ
てスイツチボタン２７が押し込まれて電気スイツ
チ２５の回路がオフし電磁開閉器を介して電気ヒ
ータ１０への通電が停止される。尚、地震等の振
動時は振子１５が常に揺動を続けているが反転バ
ネ２８の作用により作動レバー１７が下方へ移動
する事はないので電気ヒータ１０への通電が断続
的に継続されるという心配はない。

以上の実施例からもわかるように本発明によれ
ば下記の効果を奏する。

(イ) 電気ヒータと石油ストーブのどちらも振動転
倒時自動的に停止するので極めて安全性が高
い。

(ロ) 石油ストーブの振動消火装置に電気スイツチ
を設けるだけで、電気ヒータへの通電停止が行
えるので、電気ヒータ用として別個に安全装置
を設ける必要がなく、構成の簡素化とコストの
低減が行える。

(ハ) 石油ストーブの部品共用化率が高く安価にヒ
ータ付石油ストーブが実現できる。

(ニ) 反転バネを備えているので、地震等で一旦電
気ヒータ１０への通電がオフしたら、再セツト
しない限り再通電せず、安全性の高いものとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる電気ヒータ
付石油ストーブの外観正面図、第２図は同側断面
図、第３図は振動消火装置を示す拡大断面図であ
る。 ３……燃焼筒（燃焼部）、１０……電気ヒータ、
１７……作動レバー、２５……電気スイツチ、２
８……反転バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼部と、振動時に上記燃焼部の燃焼を自動
   的に停止する振動消火装置と、暖房用の電気ヒー
   タとを備え、上記振動消火装置は灯芯上下軸を所
   定位置でロツクする作動レバーと、この作動レバ
   ーを動作させて前記ロツクを解除する振子とで構
   成するとともに、上記作動レバーの動作によつて
   オフする電気スイツチを設け、この電気スイツチ
   は前記電気ヒータへの通電回路に接続するととも
   に、上記作動レバーには振動時に作動レバーの自
   動復帰を防ぐ反転バネを設けた電気ヒータ付石油
   ストーブ。