JPS6352944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、好ましくは水平に対し50゜〜70゜の角
度で傾斜して設けられたほゞ楕円形（真円形を含
む）断面のハウジングを具備すると共に、実質的
にガスの流れ断面の全域に亘つて延びる垂直なプ
レート状の集塵電極を前記ガスの流れ断面に沿つ
て配列して成る少なくとも１列の集塵電極群が前
記ハウジングの内部に設けられている、例えば高
温高圧用の電気集塵装置に関するものである。

この種の電気集塵装置は運転ガス圧が２〜50バ
ールと高く、運転温度が300〜1200℃の高温なる
為、構造上及び材料の点から特に問題が起つてい
るが、これらに対する有効な解決は未だなされて
いない。

強度上の理由から、少なくとも工業的規模の電
気集塵装置においては必然的に、集塵装置のハウ
ジングとして円形或いは楕円形断面のものを用い
なければならない。この場合、他の型の電気集塵
装置以上に、そのガス流断面がコロナ放電電極及
び集塵電極の組込みの為に出来るだけ完全に利用
されるのが好ましい。この理由から、集塵装置の
ハウジングは、捕集された粉塵の排出が重力の作
用によつて自動的に行なわれ得るような角度に傾
斜設置される。但し、この為には粉塵の流動特性
を知る必要がある。この対策によつて、この種の
集塵装置がその機能を果す為に本来必要な粉塵輸
送機構を省略することが出来る。

このような電気集塵装置においては、ハウジン
グの形状及び傾斜設置、並びに高温高圧等の諸条
件に適合させる為、その集塵電極及びコロナ放電
電極を特別な設計としなければならない。更に、
各コロナ放電電極は、ハウジングに対し電気的に
絶縁された状態で懸吊され、かつ各集塵電極に対
する距離を全く同じ距離にして、静電場による集
塵効果を出来るだけ良くするよう考慮する必要が
ある。この為には、電気的な機能の見地からその
横断面を非常に小さく設計されたコロナ放電電極
に機能的な張力を付加する必要がある。自身の重
量だけを考慮すれば良い集塵電極の場合と異な
り、コロナ放電電極においては、その機械的内部
応力をも考慮しなければならない。その理由は、
運転温度が高くなるにつれて材料強度が相対的に
低くなつて新たな障害を引き起すことになるから
である。

本発明の目的は、上述のような構造及び運転条
件下でも、円滑かつ効果的に機能するコロナ放電
電極を提供することである。特に、このようなコ
ロナ放電電極は、長寿命であること、及び運転に
関して信頼性のあることが必要である。その理由
は、この種の電気集塵装置は、多くの場合、大規
模な工場内に設置される為、その運転休止時間を
出来るだけ短く抑える必要があるからである。

即ち、本発明は、冒頭に述べた電気集塵装置に
おいて、 (a) 少なくとも２本の水平棒状部と多数の垂直棒
状部とから構成された２個の枠部材が、ガスの
流動方向において互に間隔を置いて設けられ、 (b) 絶縁体を介して前記ハウジングに懸吊支持さ
れた垂直に延びる２本の垂直支持棒と、同様に
絶縁体を介して前記ハウジングに懸吊支持され
て斜め方向に延びる傾斜支持棒とから成る支持
手段により前記各枠部材が支持されると共に、
前記垂直支持棒と前記傾斜支持棒とのなす角度
が、前記両枠部材を互に固定結合することなし
にコロナ放電電極の重量と引張力とを保持し得
るような角度に選定され、 (c) ガスの流動方向に沿つてこれとほゞ平行に延
びるワイヤ状の前記コロナ放電電極が、上方
側、好ましくはガスの流動方向に関して下流側
に設けられた前記枠部材の前記垂直支持棒に固
着されると共に、下方側、好ましくは前記ガス
の流動方向に関して上流側に設けられた前記枠
部材の前記垂直支持棒において重錘により引張
付勢されている、 ことを特徴とする電気集塵装置に係るものであ
る。

本発明の好ましい実施態様によれば、枠部材及
びその支持手段が全体的に又は部分的に中空の断
面を有していて、これら相互間に閉じた流路が形
成され、この流路に冷媒を循環させるようにして
いる。

本発明の別の好ましい実施態様によれば、下方
側の枠部材の垂直支持棒に回動可能に設けられた
セラミツク材料から成るベンクランク又はプーリ
を介してコロナ放電電極が引張付勢されている。

本発明の更に別の好ましい実施態様によれば、
枠部材及びその支持部材の外面に熱絶縁性の被覆
が施されている。

以下、本発明を実施例につき図面を参照して説
明する。

第１図に示すように、電気集塵装置のハウジン
グ８は支持部材２０，２１により傾斜支持されて
いる。ハウジング８にはガス導入口１８及びガス
排出口１９が夫々設けられ、又、排出機構を備え
た粉塵溜め１４がハウジング８の下側に設けられ
ている。更に、ハウジング８の上側には、ハウジ
ング部１５，１６，１７が夫々設けられており、
コロナ放電電極９を支持する為の絶縁体７がこれ
らハウジング部１５，１６，１７の内部に収納さ
れている。第３図に示すように、ハウジング部１
５には、コロナ放電電極９の垂直支持棒５が設け
られている。又ハウジング部１６には、コロナ放
電電極９からガスの流動方向に沿つて斜めに延び
る傾斜支持棒６が設けられ、更にハウジング部１
７には、コロナ放電電極９からガスの流動方向と
は逆方向に沿つて斜めに延びる傾斜支持棒６が設
けられている。そして、ハウジング部１７を通じ
て高電圧の印加が行なわれる。

第２図に示すように、集塵装置のハウジング８
はほゞ楕円形の断面を有している。ハウジング部
１５内には、格子状枠部材１を支持棒５を介して
垂直支持する為の絶縁体７が収納されている。格
子状枠部材１はほゞ水平な２本の主枠機２とほゞ
垂直な多数の補助枠棒３又は１３とから成つてい
る。

第３図にコロナ放電電極９の支持状態を示す。
プレート状の集塵電極２２は、ガスの流動方向に
沿つてこれとほゞ平行に配置されており、ガスの
全流動断面は、これらの集塵電極２２により複数
のガス流路に分割されている。各ガス流路中に
は、引張付勢されたコロナ放電電極９がガスの流
動方向に沿つてこれとほゞ平行に架張されてい
る。コロナ放電電極９は、上側の垂直補助枠棒３
に取付けられており、かつ下側の補助枠棒１３に
おいて錘り１０により引張付勢されている。補助
枠棒３，１３は主枠棒２と共に格子状枠部材１を
構成している。これらの格子状枠部材１は、ハウ
ジング部１５に収納された絶縁体７により垂直支
持棒５を介して夫々懸吊されると共に、ハウジン
グ部１６，１７に夫々収納された絶縁体７に固定
された傾斜支持棒６，６′により所定の間隔に保
持されている。なお、支持棒５と６との間の角度
は、これらがコロナ放電電極９の重量と張力と
を、格子状枠部材１間を固定結合することなしに
支持し得るように選定される。高電圧はハウジン
グ部１７を通じて印加される。又、集塵装置のハ
ウジング８はその下側に粉塵溜め１４を具備して
いる。

第４図に、ワイヤ状のコロナ放電電極９を引張
付勢する為の種々の実施例を示す。なお、ａ〜ｆ
の各図において、参照符号１３は垂直補助枠棒を
示す。第４図ａに示す例では、ワイヤ電極９は、
補助枠機１３に回転自在に取付けられたプーリ１
１を介して、ワイヤ電極９自体に取付けられた錘
り１０により引張付勢されている。第４図ｂの例
では、ベルクランク１２を用いて引張付勢してお
り、ベルクランク１２の一方の腕部にワイヤ電極
９を取付け、他方の腕部に錘り１０を取付けてい
る。ベルクランク１２は補助枠棒１３に回転自在
に支持されている。第４図ｃの例では、ワイヤ電
極９は、補助枠棒１３に回転自在に設けられた楕
円形の錘り１０に直接取付けられている。第４図
ｄの例では、錘り１０がプーリで構成されてお
り、このプーリは補助枠棒１３に回動可能に設け
られた回動レバーに支持されている。ワイヤ電極
９は回動レバーの回動軸に取付けられている。

第４図ｅの例では、錘り１０が楕円形であり、
ワイヤ電極９はこの錘り１０の回動軸に取付けら
れている。第４図ｆの例では、ワイヤ電極９は直
接補助枠棒１３に取付けられており、ほゞＶ字状
に折曲した形状の錘り１０が、ワイヤ電極９の向
きを変えるような２個の支持点においてワイヤ電
極９に懸吊されて、このワイヤ電極９を引張付勢
している。

以下、上述した実施例を例示して本発明を要約
的に説明する。

本発明は、例えば高温高圧用の電気集塵装置に
関するものである。この種の電気集塵装置は運転
ガス圧が２〜50バールと高く、運転温度が300〜
1200℃の高温なる為、構造上及び材料の点から特
に問題が起つているが、これらに対する有効な解
決は未だなされていなかつた。そこで、本発明
は、好ましくは水平に対し50゜〜70゜の角度で傾斜
して設けられたほゞ楕円形断面のハウジングを具
備すると共に、実質的にガスの流れ断面の全域に
亘つて延びる垂直なプレート状の集塵電極を前記
ガスの流れ断面に沿つて配列して成る少なくとも
１列の集塵電極群が前記ハウジングの内部に設け
られている電気集塵装置において、 (a) 少なくとも２本の水平棒状部２と多数の垂直
棒状部３，１３とから構成された２個の枠部材
１が、ガスの流動方向において互に間隔を置い
て設けられ、 (b) 絶縁体７を介して前記ハウジング８に懸吊支
持されて垂直に延びる２本の垂直支持棒５と、
同様に絶縁体７を介して前記ハウジング８に懸
吊支持されて斜め方向に延びる傾斜支持棒６と
から成る支持手段４により前記各枠部材１が支
持されると共に、前記垂直支持棒５と前記傾斜
支持棒６とのなす角度が、前記両枠部材１を互
に固定結合することなしにコロナ放電電極９の
重量と引張力とを保持し得るような角度に選定
され、 (c) ガスの流動方向に沿つてこれとほゞ平行に延
びるワイヤ状の前記コロナ放電電極９が、上方
側、好ましくはガスの流動方向に関して下流側
に設けられた前記枠部材１の前記垂直支持棒３
に固着されると共に、下方側、好ましくは前記
ガスの流動方向に関して上流側に設けられた前
記枠部材１の前記垂直支持棒１３において重錘
１０により引張付勢されている、 ことを特徴とする電気集塵装置を提供するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による高温高圧用電気
集塵装置の概略側面図、第２図は第１図のＡ−Ｂ
線に沿つた拡大断面図、第３図は第２図のＣ−Ｄ
線に沿つた要部断面図、第４図はコロナ放電電極
を引張付勢する為の種々の態様を示す部分概略図
である。 なお図面に用いた符号において、１……枠部
材、４……支持手段、８……ハウジング、９……
コロナ放電電極、２２……集塵電極である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 傾斜して設けられたほぼ楕円形断面のハウジ
   ングを具備すると共に、実質的にガスの流れ断面
   の全域に亘つて延びる垂直なプレート状の集塵電
   極を前記ガスの流れ断面に沿つて配列して成る少
   なくとも１列の集塵電極群が前記ハウジングの内
   部に設けられている電気集塵装置において、 (a) 少なくとも２本の水平棒状部と多数の垂直棒
   状部とから構成された２個の枠部材が、ガスの
   流動方向において互いに間隔を置いて設けら
   れ、 (b) 絶縁体を介して前記ハウジングに懸吊支持さ
   れて垂直に延びる２本の垂直支持棒と、同様に
   絶縁体を介して前記ハウジングに懸吊支持され
   て斜め方向に延びる傾斜支持棒とから成る支持
   手段により前記各枠部材が支持されると共に、
   前記垂直支持棒と前記傾斜支持棒とのなす角度
   が、前記両枠部材を互いに固定結合することな
   しにコロナ放電電極の重量と引張力とを保持し
   得るような角度に選定され、 (c) ガスの流動方向に沿つてこれとほぼ平行に延
   びるワイヤ状の前記コロナ放電電極が、上方側
   に設けられた前記枠部材の前記垂直支持棒に固
   着されると共に、下方側に設けられた前記枠部
   材の前記垂直支持棒において重錘により引張付
   勢されている、 ことを特徴とする電気集塵装置。 ２ ハウジングが水平に対して50゜〜70゜の角度で
   傾斜した高温高圧用の電気集塵装置であつて、上
   方側の枠部材がガスの流動方向に関して下流側に
   位置すると共に、下方側の枠部材が前記ガスの流
   動方向に関して上流側に位置している特許請求の
   範囲の第１項に記載の電気集塵装置。 ３ 枠部材及びその支持手段が全体的に又は部分
   的に中空の断面を有していて、これら相互間に閉
   じた流路が形成され、この流路に冷媒を循環させ
   るようにした特許請求の範囲の第１項〜第２項の
   いずれか１項に記載の電気集塵装置。 ４ 下方側の枠部材の垂直支持棒に回動可能に設
   けられたセラミツク材料から成るベルクランク又
   はプーリを介してコロナ放電電極が引張付勢され
   ている特許請求の範囲の第１項〜第３項のいずれ
   か１項に記載の電気集塵装置。 ５ 枠部材及びその支持部材の外面に熱絶縁性の
   被覆が施されている特許請求の範囲の第１項〜第
   ４項のいずれか１項に記載の電気集塵装置。