JPS63507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のシートバツクの両側部に扇
状に開閉する側部パツドを備えた自動車用シート
の支持装置に関するものである。

この種のシートバツクにおいては、乗員の体格
に応じて、側部の間隔を自在に調節できるように
するため、側部の支持機構の間隔調節装置が従来
種々提案されている。しかしながら、従来の装置
は、いずれも構造が複雑であり、かつ、節度をも
つた側部支持の間隔調節でないため、乗員に不安
感をいだかせるばかりでなく、乗員の拘束性にも
欠ける欠点があつた。

この考案は上記した欠点を解消せんとするもの
であり、シートバツクフレームの左右両側に一対
のアームを回動自在に取り付けると共に、該一対
のアームを扇形に開閉してシート幅方向の間隔を
節度をもつて調節できるようにするカム体を設
け、該カム体を操作レバーで操作するようにした
もので、側部の節度ある間隔調節ができると共
に、簡単な構造で、かつ、確実に所定位置で停止
保持する自動車シートの支持装置を提供するもの
である。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

大略□字状のシートバツクフレーム１の左右両
側枠部１ａ，１ｂには、夫々、その中央部より下
側にかけて字状の支持片２，３を各中央底部２
ａ，３ａを固着して取り付けている。両支持片
２，３の両耳部２ｂ・２ｃ、３ｂ・３ｃは上下方
向に夫々突出しており、各耳部に軸受穴２b₁・２
c₁、３b₁・３c₁を穿設している。上記支持片２の
軸受穴２b₁，２c₁には、〓状に形成した線状体か
らなるアーム４の両端部を回動自在に挿入して支
承する一方、支持片３の軸受穴３b₁，３c₁には略
〓状のアーム５の両端部を回動自在に挿入して支
承している。該アーム５には、下側部にＬ字状の
屈折した折曲部５ａを形成している。

上記アーム４，５の上側端部近傍には、それぞ
れ、作動片６，７の一側部を嵌合固着している。
両作動片６，７の他側部に連結軸８の両端部を回
動自在に嵌合し、作動片６，７を連結軸８で連結
している。該連結軸８は図示の如く両端部が屈折
しており、作動片６，７を介してアーム４，５を
扇状に開閉する如く連動させるようにしている。

上記一方の支持片３には、その中央底部３ａよ
り外方へ突出した突部３ｄを設け、該突部３ｄに
図示の如き形状のカム９を操作軸１０を介して回
動自在に取り付けている。尚、カム９と操作軸１
０は固着しており、操作軸１０を突部３ｄに回動
自在としている。上記カム９の一側端部には、上
中下の３個の段部９ａ，９ｂ，９ｃを連続して形
成しており、下段９ｃより上段９ａに向つて順次
内方へ突出させている。該カム９の操作軸１０に
は操作レバー１１を連結しており、操作レバー１
１を押し下げると、カム９が下向きに時計方向に
回動し、操作レバー１１を上げると上向きに反時
計方向に回動するようにしている。

上記アーム５の下側枢軸に一端を支持片３の耳
部３ｃへ係止し、他端をアーム５の折曲部５ａに
係止したねじりコイルスプリングを取付け、アー
ム５の外方へ付勢し、折曲部５ａをカム９の段部
９ａ〜９ｃに押し付けるようにしている。同様
に、アーム４の下側枢軸にねじりコイルスプリン
グ１３を取り付け、アーム４を外方（開き方向）
へ付勢している。

なお、図中、１４はヘツドバツクフレームであ
る。上記シートバツクフレーム１にはパツド１
５、アーム４５にはパツド１６，１７を夫々固着
し、シートバツク中央部１８、両側部１９，２０
を形成している。

つぎに、上記構造の支持装置における側部１
９，２０の開閉作動について説明する。

第３図は、シートバツクの中央部１８に対して
両側部１９，２０が略直角方向に位置する通常の
状態である。この時、アーム５の折曲部５ａはカ
ム９の下段９ｃに嵌合した状態である。

上記状態より操作レバー１１を乗員が押し下げ
ると、操作軸１０を介してカム９が下向きに回動
し、カム９の中段９ｂから上段９ａにアーム５の
折曲部５ａが当接し、上段９ａは内方へ突出して
いるため、アーム５は両端部を支点として反時計
方向に回動し内方へ移動する。よつて、アーム５
に支持された側部２０は内方へ移動する。

アーム５の回動に応じて作動片７がアーム固着
部を支点として反時計方向に回転し、連結した連
結軸８を図中右方へ引く。該作動で連結軸８の他
端に連結した作動片６が時計方向へ回動し、該作
動片６に固着したアーム４は支持片軸支部を支点
として時計方向へ回動し内方へ移動する。よつ
て、アーム４に支持された側部１９は内側へ移動
する。

側部１９，２０が互に近接する内側へ移動する
ことにより、間隔が狭まり、第４図に示す如く、
乗員の側部を拘束するようになる。

尚、操作レバー１１を最大に押し下げて、上段
部９ａと折曲部５ａとを嵌合させると、両側部１
９，２０の間隔は最も狭い状態となり、一方、操
作レバー１１を中間部位まで押し下げて、中段部
９ｂと折曲部５ａとを嵌合させて停止すると、両
側部１９，２０の間隔は中間の状態に保持され
る。

一方、第４図に示す如く、操作レバー１１を押
し下げて両側部１９，２０の間隔を狭くした状態
より、第３図に示す如く拡げる場合には、操作レ
バー１１を押し上げる。該作動で操作軸１０、及
びカム９は上向きに回動し、下段部９ｃに折曲部
５ａが嵌合し、折曲部５ａは外側へ移動する。よ
つて、アーム５は外側へ移動し、側部２０は外方
へ拡く一方、作動片７，６、連結軸８を介して、
アーム６も外側へ回動し、側部１９は外方へ開
き、第１図に示す状態に戻る。

以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、側部支持アームをカムに嵌合させ、該カム
の嵌合部に複数の段部を設けていることにより、
カムを操作レバーにより回動させるだけで、複数
段に節度をもつてアームを扇状に開閉作動でき、
シートバツクの両側部を任意の角度に開閉作動で
きる。よつて、乗員の体格に応じて、シートバツ
クの側部の間隔を調節でき、乗員に不快感を与え
ることなく、側部を拘束することができる。

また、この考案は、カムを支持片に取り付ける
と共に、アームの一部に上記カムに嵌合する折曲
部を設け、かつ、該折曲部をカムに押し付けるス
プリングを設けただけの極めて簡単な構造である
ため、容易に実施でき、実用的価値の大なるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係るシートバツク
フレームの斜視図、第２図は第１図の要部斜視
図、第３図は両側部が通常状態の場合を示す第１
図Ｘ矢視図、第４図は両側部を狭くした状態を示
す第１図Ｘ矢視図である。 １……シートバツクフレーム、２，３……支持
片、４，５……アーム、５ａ……折曲部、６，７
……作動片、８……連結軸、９……カム、９ａ，
９ｂ，９ｃ……段部、１０……操作軸、１１……
操作レバー、１２，１３……ねじりコイルスプリ
ング、１８……中央部、１９，２０……側部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のシートバツクにおいて、大略口字状の
   シートバツクフレームの両側部の中央より下部に
   かけて字状の支持片を固定し、該支持片の両端
   部に突出した耳部に〓状のアームを回動自在に取
   り付け、両アームの上側端部近傍に作動片を固着
   すると共に、該左右の作動片を連結軸で上記アー
   ムが扇状に開閉する如く連動し、上記一側の支持
   片に突部を設け、該突部に上下方向に３個以上の
   段部を設けたカムを回動自在に取り付けると共
   に、該カムにアームの下側折曲部を押しつけるス
   プリングをアームの下側枢軸にアームを外方向へ
   付勢するように取付け、かつ、操作軸を介して上
   記カムと連動する操作レバーを操作することによ
   り、一方のアームを開閉作動すると共に作動片及
   び連結軸で連結した他方のアームを開閉作動して
   シートバツクの両側部を扇状に開閉作動する構成
   としたことを特徴とする自動車用シートの支持装
   置。