JPS6335652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のシートバツクの側部に開閉
自在なシートバツク側部を備えた自動車用シート
の支持装置に関するものである。

この種のシートバツクにおいては、乗員の体格
に応じて、シートバツク側部の間隔を自在に調節
できるようにするため、側部の支持機構の間隔調
節装置が従来種々提案されている。しかしなが
ら、従来の装置は、いずれも構造が複雑であり、
かつ、側部の回動時に節度を付けていないもの
は、乗員に不安感をいだかせる欠点がある。

この考案は上記した欠点を解消せんとするもの
で、シートバツク側部の芯材となるアームを枢支
軸を介して左右横方向に、即ち、シートバツクに
対して扇状に開閉するように回動自在に支承する
支持片をシートバツクフレームに取付け、該支持
片に上記枢支軸を支点とする左右横方向の複数個
の位置で係脱するロツク片を操作レバーに連動さ
せて設けると共に、該ロツク片とアームとをバネ
を介して連結し、操作レバーの操作で、バネに抗
して支持片とロツク片との係合を外し、アームを
左右横方向に回動した後に対応する所定位置でバ
ネによりロツク片を上下方向に付勢して支持片と
ロツク片を係合して定置するようにしたもので、
シートバツク側部を節度をもたせて間隔調節でき
ると共に、所定位置で確実に停止保持できる自動
車用シートの支持装置を提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

１はシートでシートボトム２はシートバツク３
から成り、シートボトム２は車体（図示せず）に
取り付けられ、該シートボトム２に連結金具（図
示せず）を介してシートバツク３を回動自在に取
り付けている。

シートバツク３は、大略□字状のシートバツク
フレーム４にパツド５を取り付けており、その両
側の中央より下部に、〓状のアーム６を芯材とし
てパツド（図示せず）を取り付けたシートバツク
側部８を左右横方向のシート幅方向に扇状に開閉
するように取り付けている。

上記シートバツクフレーム４の両側枠部４ａの
前面の中央部と下部とに、略Ｌ字状の支持片９，
１０の一側部９ａ，１０ａを夫々固着している。
両支持片９，１０の前方へ突出した他側部９ｂ，
１０ｂには軸穴を穿設し、アーム６の水平に屈折
した上下両側部６ａ，６ｂを枢支軸１１，１２を
介してアート幅方向に回動自在に支承している。

上記下側の支持片１０側には、前方へ突出した
側部１０ｂの先端部に枢支軸１２を支点として円
周方向に間隔をあけて３個の停止穴１３ａ，１３
ｂ，１３ｃを穿設している。

一方、アーム６の下側部６ｂには、操作レバー
１４に固定した支軸１５を回動自在に貫通して支
承している。上記支軸１５には、図示の如き略〓
状のロツク片１６を一体に固定し、該ロツク片１
６をアーム下側部６ｂに外嵌すると共に、ロツク
片１６の両側部１６ａ，１６ｂの上方へ突出した
前端部の一方の上端とアーム６の中央部６ｃの下
部との間にねじりコイルバネ１７を張架し、ロツ
ク片１６を図中垂直面において反時計方向に付勢
している。

上記ロツク片１６の下面中央部１６ｃの後端部
には上向きに突出した停止用突起１８を形成して
いる。該停止用突起１８は上記支持片１０の停止
穴１３ａ〜１３ｃに着脱自在に係合するようにし
ており、上記バネ１７で係合する上向き方向に付
勢されている。

つぎに、上記構造の支持装置におけるシートバ
ツク側部８のシート幅方向への回動作動について
説明する。

バネ１７に付勢されてロツク片１６の停止用突
起１８が支持片１０の中央の停止穴１３ｂに係合
している図示の状態より、操作レバー１４をバネ
１７に抗して上方へ押し上げる（図中矢印Ｍ方
向）と、停止用突起１８は下方へ回動し、第３図
中に鎖線で示す如く、停止穴１３ｂより抜け、係
合が解除される。よつて、アーム６は枢支軸１２
を支点としてシート幅方向（図中矢印Ｘ−Ｙ方
向）に回動可能となる。シートバツク側部８を押
圧してアーム６をＸ方向に回動し、停止用突起１
８が停止穴１３Ｃと対応する位置で、操作レバー
１４を解除するとバネ１７の付勢力でロツク片１
６は図中反時計方向に回動し、停止用突起１８は
停止穴１３ｃに係合する。このように両側のシー
トバツク側部８をノツチ式にＸ方向に回動して停
止保持すると、シートバツク側部８の間隔は狭く
なり、乗員の拘束力が大となる。一方、シートバ
ツク側部８をＹ方向に回動する場合も、前記操作
と同様であり、操作レバー１４を押し上げながら
シートバツク側部８をＹ方向へ回動し、停止用突
起１８が停止穴１３ａと対応する位置で解除し、
係合保持させる。両方のシートバツク側部８をノ
ツチ式にＹ方向へ回動して定置すると、間隔が広
くなる。

シートバツク側部８の一方側のみを、Ｘ，Ｙ方
向に回動してもよく、乗員の意思に応じて、シー
トバツク側部８を別々に回動できる。

尚、上記実施例は、各シートバツク側部８のア
ーム６を単独に動かせているが、左右のアーム間
に連結部材を介設し、一方のアームを動かすと、
他方のアームも連動し、扇状に開閉作動するよう
に構成してもよい。

また、停止穴は３個に限定されず、少なくとも
２個以上設けるとよい。

以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、シートバツク側部を乗員の希望に応じた位
置に開閉できると共に、該所望位置でバネの押圧
力によるロツク片の停止用突起と停止穴との係合
で、確実に停止保持できる。よつて、自動車のコ
ーナリング時などにおいて、乗員を確実に拘束で
きる。また、シートバツク側部を左右別々に調節
できるので、乗員への幅広い適応が可能となる。
さらに、間隔調節用の操作レバー等を突出して設
けていないため、デザインが優れたものとなる等
の種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示し、シートの
一部を破断した斜視図、第２図は第１図の要部拡
大斜視図、第３図は要部断面図である。 １……シート、２……シートボトム、３……シ
ートバツク、４……シートバツクフレーム、６…
…アーム、８……シートバツク側部、９，１０…
…支持片、１２……枢支軸、１３ａ，１３ｂ，１
３ｃ……停止穴、１４……操作レバー、１５……
支軸、１６……ロツク片、１７……バネ、１８…
…停止用突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車用のシートバツク３の大略□字状のシー
   トバツクフレーム４の両側部に、それぞれ中央部
   と下部に略Ｌ字状の支持片９，１０を固着する一
   方、 側部パツド５の芯材となる略状のアーム６の
   水平に屈折した上下両側部６ａ，６ｂを上記支持
   片９，１０の前方突出部に、枢支軸１１，１２を
   介して枢着し、アーム６をシートバツクフレーム
   ４の両側部にシート幅方向の左右横方向に回動自
   在に取り付け、 上記アーム６の下側部６ｂに、操作レバー１４
   に固定した支軸１５を回動自在に貫通すると共
   に、該支軸１５にロツク片１６を固定し、該ロツ
   ク片１６をアーム下側部６ｂに外嵌すると共に上
   記操作レバー１４の操作に応じて回動自在とし、
   かつ、該ロツク片１６の上方へ突出した側部１６
   ａの上端とアーム６の垂直な中央部６ｃの下部と
   の間にねじりコイルバネ１７を張架し、ロツク片
   １６の下面中央部１６ｃの後端部を上向きに付勢
   し、該下面中央部１６ｃの後端部に停止用突起１
   ８を上向きに突出させて形成する一方、 上記支持片１０の前方へ突出した側部１０ｂ
   に、枢支軸１２を支点として円周方向に間隔をあ
   けて３個の停止穴１３ａ，１３ｂ，１３ｃを形成
   し、これら停止穴に上記ロツク片１６の停止用突
   起１８が下から着脱自在に係合するようにし、 操作レバー１４を回動してロツク片１６の停止
   用突起１８を押し下げ、いずれかの停止穴１３
   ａ，１３ｂ，１３ｃとの係合を解いた後に、アー
   ム６を左右横方向に回動し、回動後に上記ねじり
   コイルバネ１７でロツク片１６を付勢し、上記停
   止用突起１８を停止穴１３ａ，１３ｂ，１３ｃの
   いずれかに選択して係合しアーム６を定置する構
   成としたことを特徴とする自動車用シートの支持
   装置。