JPS6350778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電線の本線から分岐線を引出す場合に
使用する分岐クランプに関するもので、近代の発
電所に見られる電線の大容量化と近接多導体設置
の傾向に適したものとすることを目的としてい
る。

図面についてその実施例を説明する。

本体１は円筒部１ａとソケツト取付部１ｂとを
Ｔ形に一体化したアルミ部材で、ソケツト取付部
１ｂを縦断して円筒部軸線まで電線Ｅを挿入可能
な割目を具え、かつ取付部左右の円筒部開口端に
軸線方向係合縁１ｃを設けてある。ソケツト２は
アルミ製棒状体で一端部はソケツト取付部１ｂの
割目へ摺動挿入可能に断面方形をなし、挿入後ボ
ルト３で取付部１ｂへ固着可能である。またその
他端部にはジヤンパ線Ｊの端部を挿入圧着可能な
軸線方向孔を穿つてある。円筒部の左右係合縁１
ｃには夫々ばね装置Ｓが装着されている。ばね装
置Ｓはばね受７、押圧片５、引張棒６、ばね７か
ら成る。ばね受４は断面コ形の鋼板の両脚端に係
合縁１ｃと係合可能な折曲辺４ａを設けたもので
ある。押圧片５はばね受４内を昇降可能で、押圧
片とばね受底面との間に挿入されたばね７によ
り、常時電線Ｅを円筒部の割目底へ押圧可能であ
る。引張棒６は上端部が押圧片に固着され、下端
部にはねじが切つてあり、ばね受４の底面に穿つ
た孔を自由貫通し、ナツト８によつてばねを圧し
ばね受４へ係止可能である。ばね装置Ｓはあらか
じめナツト８をしめこんでおけば、電線挿入後の
円筒部に対し、係合縁へ挿入係合可能で、そのあ
とナツト８を撤去すれば前記の如く押圧片により
電線が押圧される。本考案は以上の如く構成され
次のように組立てる。まずソケツト２へジヤンパ
線を挿入圧着する。本体の円筒部を電線Ｅへはめ
合せ、本体のソケツト取付部へソケツト２の他端
を挿入し、ボルト３で固着する。あらかじめばね
７を圧縮してあるばね装置Ｓを、円筒部１ａの左
右から挿入し、適正に位置させた後ナツト８を撤
去してばねを解放し、ナツト８のあとへコロナ防
止キヤツプ９を装着する。

ばね式分岐クランプでは実開昭49−12482号が
公知であるが、本考案はそれとは構成を異にする
ため、作用に於いて次の差異を生じる。第１に前
記引例は基体２とハウジング５との間の通電不足
を改善するためのものであるが、本考案ではＵ形
本体内電線を直接ソケツト２で押圧するので、通
電では問題発生の余地がない。第２の引例では基
体２とハウジング５を独立にかつ同時に支持し
て、本線１を挾持した上で、両者を一体化させね
ばならないが、本考案では予め本体だけをＵ形部
で単独に電線へ係止しておける。高所作業は既設
本体へのソケツト取付となり、著しく容易にな
る。第３に引例は上方開放形であるが、本考案は
逆Ｕ字形であるため、雨に対して有効に防備され
る。第４に引例では曲がりくせのある電線になじ
みにくいが、本考案では本体両翼部で夫々独立に
作用するばね装置を用いるので、この点も改善さ
れる。

以上４点が本考案の主な特徴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図はAA断面の
端面図、第３図はBB断面の端面図である。 １……本体、１ａ……円筒部、１ｂ……ソケツ
ト取付部、１ｃ……係合縁、２……ソケツト、３
……ボルト、４……ばね受、４ａ……折曲辺、５
……押圧片、６……引張棒、７……ばね、８……
ナツト、９……キヤツプ、Ｅ……電線、Ｊ……ジ
ヤンパ線、Ｓ……ばね装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒部とソケツト取付部とをＴ形に一体化して
   成りソケツト取付部を縦断して円筒部軸線まで電
   線を挿入可能な割目を具えかつ取付部左右の円筒
   部開口端に軸線方向係合縁を設けた本体と、一端
   は前記ソケツト取付部の割目へ挿入ボルト締め可
   能で他端はジヤンパ線を挿入圧着可能な孔を穿つ
   たソケツトと、前記円筒部左右の係合縁へ装着さ
   れ押圧片とばねを具え円筒部内電線を押圧片によ
   り割目底へ押圧可能としたばね装置と、から構成
   されたばね式分岐クランプ。