JPS6350770B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は、磁気ヘツド用クリーニングテープ
の製造法に関するものである。 クリーニングテープにおいては、磁気ヘツドに
悪影響を与えることなく、それに付着しているゴ
ミ等をきれいに払拭し得ることがより理想的な条
件である。しかしながら、従来のクリーニングテ
ープの多くは、二酸化クロムまたはアルミナ等の
金属研摩材をバインダー等にてプラスチツクフイ
ルムの片面上にコーテイングしてなるものである
ため、磁気ヘツドの摩耗を早めてしまう虞れがあ
る。また、研摩材として用いられる二酸化クロム
は磁気に対して敏感であるため、クリーニング時
に磁気ヘツドにより磁化されたり、あるいはテレ
ビジヨン受像機等の傍に置いただけで簡単に磁化
されることがあり、このような状態で用いると逆
に磁気ヘツド側を磁化してしまう場合があつた。
さらに言えば、上記研摩材がテープ上から剥離し
て磁気ヘツド側に磁気的に吸着されたり、また、
バインダーにて研摩材をコーテイングしている関
係上、特にアルコール系のクリーニング液を併用
することができないという欠点があつた。 したがつて、この発明の目的は、微細な凹凸か
らなる波状のクリーニング面を有し、磁気ヘツド
を傷めることなく、それに付着しているゴミ等を
きれいに払拭することができるクリーニングテー
プの製造法を提供することにある。 以下、この発明の添付図面に示された実施例を
参照しながら詳細に説明する。 第１図には、この発明の製造法によるクリーニ
ングテープの拡大斜視図が示されている。このク
リーニングテープは、非磁性プラスチツクフイル
ム、例えば25μ〜38μ位の厚みを有するポリエス
テルフイルム１からなり、その表裏両面には、微
細な凹凸からなる波状のクリーニング面２が形成
されている。第２図はこのクリーニング面２を電
子顕微鏡で400倍に拡大した写真であり、第３図
はその断面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真で
ある。第２図の写真から明らかなように、このク
リーニング面２は波状に形成されており、その細
かさは任意に選ぶことができるが、この実施例に
おいては6000メツシユ（平均値）程度に仕上げら
れている。また、第３図の写真によると、個々の
波状突起は、大きいものになると、7.3μにもなる
が、大体においては4.2μ以下、平均的には1μ位で
あり、その高さは1.3μ〜2.8μの範囲内に分布して
いる。 上記したこの発明によるクリーニングテープに
おいては、二酸化クロムやアルミナ等の金属研摩
材を用いる代りに、磁気ヘツド面よりも軟かい素
材である例えばポリエステルフイルム１の表面に
微細な凹凸からなる波状のクリーニング面２を形
成したことにより、磁気ヘツド面を摩耗させるこ
となく、それに付着している種々のゴミをクリー
ニング面２の微細な凹凸にてすくい取るようにし
て除去することができる。第４図は磁気ヘツド面
をクリーニングしたのちのテープ表面を400倍に
拡大した電子顕微鏡写真であり、同図から明らか
なように綿棒等の綿繊維Ａやその他の細かいゴミ
Ｂがクリーニング面２の微細な凹凸によつてすく
い取られている。なお、このクリーニングテープ
によれば、磁気テープから剥れて磁気ヘツド面に
付着するきわめて細かい、例えばφ0.075μ、長さ
0.725μ程度の磁性粉をも取り去ることが可能であ
る。また、この発明においては、従来のように研
摩材が剥離してしまうような不都合は皆無であ
り、さらには研摩材をコーテイングするバインダ
ー（接着剤）がないため、アルコール系のクリー
ニング液を併用しても一向に差支えなく、所謂油
汚れ等をもきれいに払拭することができる。 このような微細な凹凸からなるクリーニング面
を有するクリーニングテープは次のようにして製
造される。 第５図には、この発明によるクリーニングテー
プ製造法の実施例が示されている。ポリエステル
フイルム１は、図示しない送りローラ等により連
続的もしくは間歇的に処理室３内に送られる。処
理室３内には、アルミナ、ガラスビーズ、硅砂も
しくはこれらの混合物からなる微粒子塊を圧縮空
気によつてポリエステルフイルム１の表裏両面に
吹付けるための複数、この実施例では４つのノズ
ル４が設けられている。ここで、上記微粒子塊の
粒度とポリエステルフイルム１の表面に形成され
る微細な凹凸のメツシユとの関係は大体において
次表のとおりである。

【表】 したがつて、ポリエステルフイルム１の表裏両
面は、この処理室３を通過する過程においてその
ノズル４より圧縮空気とともに吹付けられる微粒
子塊によつて塑性変形され、微細な凹凸からなる
波状のクリーニング面２（第２図参照）に仕上げ
られる。この場合、処理室３内は常温でよく、用
いる微粒子塊としては上記に例示した物質のうち
ガラスビーズ、硅砂もしくはその混合物が最適で
ある。 この発明によると、クリーニング面２の凹凸を
ある程度の方向性をもつた波状に仕上げるため、
各ノズル４をフイルム１の進行方向に沿つて若干
傾斜させている。なお、参照符号７は処理室３の
排気口である。次に、ポリエステルフイルム１は
シヤワーノズル５，５を備えた洗浄工程に送ら
れ、好ましくは表面活性剤の洗浄液により洗浄さ
れる。これにより、クリーニング面２に残溜付着
している前工程の微粒子塊が洗い落される。そし
て、ポリエステルフイルム１はカツター６，６に
よりクリーニングテープとして好適な長さに切断
される。なお、上記洗浄工程の後に乾燥工程を設
けてもよい。 上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の発明によれば、所定方向に走行する非磁性プラ
スチツクフイルムに対して、ノズルをその走行方
向に沿つて傾け、同ノズルより微粒子塊を吹付け
ることにより、磁気ヘツド面を摩耗させることな
くきれいに払拭することができる方向性をもつた
波状をなす微細な凹凸からなるクリーニング面を
有するクリーニングテープを提供することができ
る。この場合、クリーニングテープの表裏両面に
上記のクリーニング面を形成することにより、磁
気ヘツド面のみならず磁気テープを走行系を構成
するピンチローラやガイドピン等の各部品をも併
せてクリーニングすることができる。もつとも、
この発明はこれに限定されるものではなく上記の
クリーニング面を片面にのみ形成したクリーニン
グテープをも包含するものである。また、このク
リーニングテープは、ポリエステル等の非磁性プ
ラスチツクよりなるため、磁気ヘツドに対して磁
気的な悪影響を与えることは全くない。この意味
において、クリーニングテープの素材はポリエス
テル樹脂以外の合成樹脂、例えばナイロン樹脂等
であつてもよい。なお、第２図および第３図に関
連して説明した波状のクリーニング面の微細な凹
凸の形状およびその大きさは上記した実施例のも
のに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるクリーニングテープを
示した拡大斜視図、第２図はそのクリーニングテ
ープのクリーニング面を400倍に拡大した電子顕
微鏡写真、第３図はその断面を5000倍に拡大した
電子顕微鏡写真、第４図は磁気ヘツド面をクリー
ニングしたのちのクリーニング面を400倍に拡大
した電子顕微鏡写真、第５図はこの発明によるク
リーニングテープの製造法の実施例を概略的に示
した図面である。 図中、１はポリエステルフイルム、２はクリー
ニング面、４はノズル、５はシヤワーノズル、６
はカツター、８は加圧ローラである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリエステル等の非磁性プラスチツクフイル
   ムを走行させながら、その走行方向に沿つて傾斜
   させられたノズルによりアルミナ、ガラスビーズ
   等の微粒子塊を圧縮空気によつて吹付けて、その
   フイルム表面自体に塑性変形による微細な凹凸か
   らなる方向性をもつた波状のクリーニング面を形
   成し、しかるのちそのクリーニング面に残溜して
   いる前記微粒子塊を除去することを特徴とする磁
   気ヘツド用クリーニングテープの製造法。