JPS6350731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ≪考案の技術分野≫ 本考案は、車輌用灯具に関し、特に光軸中心と
周縁との明暗差を少なくし、好適な配光特性が得
られる車輌用灯具に関する。

≪従来技術とその問題点≫ 一般に用いられている従来の車輌用灯具を第６
図に示す。

図において、１はランプハウジング、２は光源
バルブであり、ランプハウジング１の開口面に
は、インナーレンズ４およびアウターレンズ５が
装着されている。インナーレンズ４は、光源バル
ブ２の光軸中心Ｘを中心とする同心状のフレネル
プリズムで構成され、光源バルブ２からの光を可
及的に分散して出射するようにしてある。

しかしながら、このような構造では、光源バル
ブ２からの直接光のみがレンズ４，５を透過する
ので、中心部が明るく、外周部が暗くなり、灯具
の見え方が極めて不自然なものとなる。このよう
な明暗の差は薄形化タイプの灯具において特に顕
著となり易い。

そこで、例えば実公昭57−12483号公報に示す
車輌用灯具が開発されている。

この灯具は、光束量の少ないレンズ外周部に、
フラツト面（中間部）とプリズムとを交互に形成
し、リフレクタからの反射光をフラツト面を通じ
て透過するとともに、光源バルブからの直接光を
プリズムにより屈折し、外部に透過するようにし
ている。

しかし、この構造でも、外周は暗くなりがちで
ある。すなわち、直接光を屈折できるように構成
したとしても、その光束量は、光源バルブからの
距離の２乗に反比例して減少するからである。

≪考案の目的≫ 本考案は、光軸中心と周縁との明暗差を更に少
なくし、好適な配光特性を得ることを目的とす
る。

≪考案の構成≫ 上記の目的を達成するために、本考案の車輌用
灯具は、ランプハウジングと、該ランプハウジン
グ内に配置された光源バルブと、前記ランプハウ
ジングの前面を覆つて配置され、前記光源バルブ
の近傍に位置する光源近傍部及び該光源近傍部の
外方に位置するレンズ外周部とよりなる前面レン
ズと、前記光源の背部に配置され、前記ハウジン
グの中心部に一方の焦点を有する惰円形状の反射
部を、該一方の焦点を共有するように複数設けて
なるリフレクタとを備え、前記一方の焦点に上記
光源バルブを配置すると共に、該光源の背部に向
う光源光を前記各反射部の他方の焦点を通つて前
記レンズ外周部に反射させるようにしたことを特
徴とする。

≪実施例の説明≫ 第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は車輌用灯具の縦断面図、第２図は
第１図に示す車輌用灯具のリフレクタのみを示す
正面図、第３図は光源からの距離と照度との関係
を示すグラフである。

第１図において、車輌用灯具は、合成樹脂製の
ランプハウジング１０と、ランプハウジング１０
の中央に配置された光源バルブ１２と、ランプハ
ウジング１０の前面開口を覆うインナーレンズ１
４と、インナーレンズ１４の前面に装着された光
拡散用のアウターレンズ１６とから概略構成され
ている。そして、この車輌用灯具は、シートパツ
キン１８を介して車体パネル２０に取付けられ
る。

前記ランプハウジング１０には、光源バルブ１
２の背部に配置され、光源バルブ１２の光軸Ｘを
中心として正面が四葉状のリフレクタ２２が一体
的に形成されている。このリフレクタ２２は、第
２図に示すように、前記ハウジング１０の中心部
に惰円形状の各反射部２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，
２２Ｄにおける一方の焦点Ｆ１を共有すると共
に、各反射部２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄの
先端内側に夫々他方の焦点Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｆ
５を有するようにその各反射面が形成されてい
る。このため、第１図に示すように、焦点Ｆ１に
光源バルブ１２のフイラメント部を位置させた場
合、各反射部２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄに
向かう光源光ロは、第１図の矢印方向に反射さ
れ、その反射光が各反射部２２Ａ，２２Ｂ，２２
Ｃ，２２Ｄの焦点Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｆ５を通つ
てレンズ１４の外周部上へ指向する。

前記インナーレンズ１４は、光源バルブ１２の
中心一周辺区域すなわちバルブ１２の近傍に位置
する光源近傍部Ａと、周辺−外周区域すなわち光
源近傍部Ａの外方に位置するレンズ外周部Ｂとに
区分され、各内壁にはフレネル形プリズムが形成
されている。

光源近傍部Ａにおいては、バルブ１２の直射光
がプリズムを透過し、光軸Ｘと略平行に出射す
る。また、レンズ外周部Ｂでは、光源バルブ１２
の背部に向かう光源光ロが各反射部２２Ａ，２２
Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄにより反射されて前記各焦点
Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｆ５を通つて入射されると共
に、バルブ１２の直射光イがプリズムを透過して
光軸Ｘと略平行に出射する。そして、インナーレ
ンズ１４を透過した光源光は、アウターレンズ１
６内で拡散され、更に均一な光束となつて外部へ
出射する。これにより、第３図のグラフに示すよ
うに、従来の灯具では光源からの距離の２乗に反
比例して照度が低下するが、灯具を上記したよう
に構成することで、中央の光源バルブ１２に加え
て各焦線Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｆ５上にも擬似光源
を得ることとなり、光源から離れたレンズ外周部
Ｂの照度を斜線で示す如く大幅に増加させること
ができる。また、光源バルブ１２に対するインナ
ーレンズ１４やアウターレンズ１６の有効立体角
を広げることが可能となり、この種の灯具におけ
る奥行の薄形化、上下寸法の偏平化も図ることが
できる。

第４図は上記実施例におけるリフレクタの変形
を示す正面図である。すなわち、このリフレクタ
２４は、正面が三葉状からなり、惰円形状の各反
射部２４Ａ，２４Ｂ，２４Ｃにおける一方の焦点
Ｆ６を共有すると共に、各反射部２４Ａ，２４
Ｂ，２４Ｃの先端内側に夫々他方の焦点Ｆ７，Ｆ
８，Ｆ９を有するように各反射面が形成されてい
る。従つて、焦点Ｆ６に光源バルブ１２のフイラ
メント部を位置させた場合、前記各反射面に向う
光源光は、反射部２４Ａ，２４Ｂ，２４Ｃで反射
され、その反射光が他方の各焦点Ｆ７，Ｆ８，Ｆ
９を通つて上記実施例と同様にレンズ外周部上へ
指向する。このように、本考案では、リフレクタ
２４を複合反射面によつて形成するので、灯具の
外観的自由度も向上させることができる。

第５図は本考案の別の実施例を示す縦断面図で
ある。すなわち、この車輌用灯具は、ランプハウ
ジング１０の前面開口を単一な前面レンズ２６で
覆つた場合の例を示している。このように本考案
の灯具では、光拡散用のアウターレンズを廃止し
てインナーレンズだけで覆つても、光源バルブ１
２の背面に向かう光源光ロはリフレクタ２２によ
り反射され、バルブ１２を中心とする各反射部の
焦点Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｆ５を通つてレンズ外周
部Ｂから外部へ出射するので、上記実施例と同様
に光源近傍部Ａとレンズ外周部Ｂとの明度差が小
となり、しかも出射光の直進性も良好となる。

≪考案の効果≫ 上記構成からなる本考案によれば、光源の背部
に向かう光源光は、リフレクタにより各焦点を通
つてレンズ外周部から外部へ出射する。このた
め、本考案では、従来の灯具に比して、前面レン
ズの光源近傍部とレンズ外周部との明暗差が小と
なり、均一な配光特性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す縦断面図、
第２図は第１図に示す実施例におけるリフレクタ
のみを示す正面図、第３図は光源からの距離と照
度との関係を示すグラフ、第４図は前記リフレク
タの変形を示す正面図、第５図は本考案の第２実
施例を示す縦断面図、第６図は従来の車輌用灯具
を示す縦断面図である。 １０……ランプハウジング、１２……光源バル
ブ、１４……インナーレンズ、１６……アウター
レンズ、２２，２４……リフレクタ、２６……前
面レンズ、Ａ……光源近傍部、Ｂ……レンズ外周
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプハウジングと、該ランプハウジング内に
   配置された光源バルブと、前記ランプハウジング
   の前面を覆つて配置され、前記光源バルブの近傍
   に位置する光源近傍部及び該光源近傍部の外方に
   位置するレンズ外周部とよりなる前面レンズと、
   前記光源の背部に配置され、前記ハウジングの中
   心部に一方の焦点を有する惰円形状の反射部を、
   該一方の焦点を共有するように複数設けてなるリ
   フレクタとを備え、前記一方の焦点に上記光源バ
   ルブを配置すると共に、該光源の背部に向う光源
   光を前記各反射部の他方の焦点を通つて前記レン
   ズ外周部に反射させるようにしたことを特徴とす
   る車輌用灯具。