JPS6350575B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は繊維強化プラスチツク製リーフスプリ
ングに関するものであり、特に車輛のフレームな
いし車体にリーフスプリングを接合するのに必要
な目玉部を有するブツシユを備えた繊維強化プラ
スチツク製リーフスプリングに関するものであ
る。

従来、車輛用リーフスプリングとしては鋼材製
リーフスプリングが主として用いられており、そ
の役目を十分にはたしてきたのであるが、鋼材製
リーフスプリングはその重量が極めて大きいため
省エネルギー型車輛の開発にとつては大きな障害
となつてきており、軽量化されておりながらも鋼
製リーフスプリングに劣らない強度を有するリー
フスプリングの開発が渇望されており、この目的
にかなうリーフスプリングとして繊維強化プラス
チツク製リーフスプリングが業界の注目の的とな
つている。

従来開発されてきた繊維強化プラスチツク製リ
ーフスプリングはその強度等に於てはほぼ満足す
べきものが開発されてきているが、このリーフス
プリングは第１図に示した如き構造の目玉部を有
しているものであるが、その最大の欠点はリーフ
スプリングを車体に接合する目玉部が極めて弱く
容易に破壊される点にある。例えば第１図中のイ
に示したリーフスプリングの目玉部１は、その根
元部２がリーフスプリングの端部にリベツト又は
ボルト３によつて締結されているため、この締結
部にあけられたリーフスプリングの孔部の強度が
著しく低下し、その使用時に当該部分から破壊が
生ずる。またこのような欠点のないリーフスプリ
ングとして第１図中ロに示した如き、目玉部１の
根元部２を接着剤又は溶着により接合した接合部
４を有するものの開発がなされたが、このものも
当該接合部４から容易に破壊され、その目的を達
成するに至つていない。更にこれらの改良型とし
て第１図中ハ及びニに示された如きリーフスプリ
ングの端末部に目玉部１を完全に包埋した型のリ
ーフスプリングの開発もなされたが、この型のリ
ーフスプリングに於ても、その改良の目的を十分
に達成するものとはなつていない。そこで本発明
者等は上述した如き不都合のないリーフスプリン
グを開発することを目的として検討中のところ、
従来の繊維強化プラスチツク製リーフスプリング
の欠点は、リーフスプリング末端に穴を穿つため
その部分の強度が著しく低下すること、或いは目
玉部をリーフスプリング末端部に嵌合せしめる方
法を採用しているため応力分散を効率よく行い得
ず、当該目玉部の弱い点に応力が集中し破壊され
ることを突きとめ、このような欠陥のないリーフ
スプリングを得るにはリーフスプリングと目玉部
を有するブツシユとを区別されたものとなし、ブ
ツシユをリーフスプリングに応力集中による破壊
が起らないように接合せしめることによつてその
目的を達成し得ることを見い出し本発明を完成し
た。

本発明の要旨とするところは繊維プラスチツク
製リーフスプリング本体の両末端部に、45゜以上
の角度を有する平面状又は半円形状あるいは半楕
円形状とした湾曲部を形成し、この両末端部に、
中心部に目玉部を有し端部が前記湾曲部と密着す
る形状でかつ反対側の端部がリーフスプリング本
体の水平状部に密着するように延設された根元部
分としたブツシユを、リーフスプリングの湾曲部
とブツシユの後端部とをボルト又はリベツトにて
結合するとともに、ブツシユの根元部分とリーフ
スプリング本体の水平状部とを帯状締結具をもつ
て挟着して取付けたことを特徴とする繊維強化プ
ラスチツク製リーフスプリングにある。

本発明のリーフスプリングの一例を第２図イ及
びロとして示した、本発明の特徴は第２図中５で
示したブツシユの形状、Ｓで示したリーフスプリ
ングの端部構造並びにブツシユ５のリーフスプリ
ングＳ端部への接合方法にある。このブツシユ５
のリーフスプリングＳへの取り付けはブツシユ５
が第２図イに示した如くリーフスプリングＳの上
面に設けた形状或いは第２図ロに示す如く下面に
設けた形状とすることができ、リーフスプリング
Ｓを用いる用途に応じて適宜その形状は選択すれ
ばよい。

第３図に第２図イに示したリーフスプリング端
部の拡大平面図を示した。

本発明で用いるブツシユは第３図中の５に示し
た如き構造を有しており、その端部６はリーフス
プリング面に対し、45度以上の角度を有する平面
とするか、或いは第４図中の６に示す如く半円形
又は、半楕円形状とすることができる。ブツシユ
５の端部の形状をかくの如き構造とすることによ
つてブツシユ５のリーフスプリングＳ端部に於け
る密着性は従来開発されてきたリーフスプリング
のブツシユの取り付け構造に比べ著しく安定性を
改良することができ車輛取り付け時に於ける振動
を受けてもブツシユ取り付け部のゆるみなどの不
都合な現象を防止し得るのである。

他の本発明のブツシユの特徴は第３図及び第４
図中の７で示したブツシユ取り付け孔がブツシユ
５の端部６側に穿つてある点である。ブツシユ取
り付け孔７をブツシユ５の後端部６に穿つことに
よつてリーフスプリングＳを車輛に取り付ける
際、最も応力集中を受け破壊され易いリーフスプ
リングＳの平面端部での穿孔という不都合な形状
を避け得たため、リーフスプリングＳの端部強度
を従来開発されてきたリーフスプリングに比べ大
巾に向上し得た。更に本発明で用いるブツシユは
第３図及び第４図中の８で示した根元部分を設
け、この根元部分８とリーフスプリングＳ端部と
を締結具にて挟着した点にある。（締結具につい
ては後に詳述する）ブツシユのかくの如き取り付
け方法を採用することによつてリーフスプリング
端部への穿孔をする必要がなくなつたため、リー
フスプリングＳの強度を向上し得ると共に、締結
具による無孔締結法を採用したため、従来法によ
つては、ブツシユのリーフスプリング取付部での
ゆるみや破壊の防止が不可能であつたのである
が、本発明によつて作られたリーフスプリングに
於てはこのような不都合も回避することができた
のである。

本発明のリーフスプリングの他の大きな特徴は
繊維強化プラスチツク製リーフスプリングＳ末端
部を第３図９に示した如く、ブツシユの端部６の
形状とほぼ同一形状となるようにした点にあり、
かつ、この部分に於て前記のブツシユ取付孔７を
利用してボルト又はリベツト１０によりリーフス
プリングＳとブツシユ５を結合せしめた点にあ
る。リーフスプリングＳ末端部９を、このような
形状に折り曲げた構造とすることによつて、リー
フスプリングＳを車輛等に取り付けた際に生じる
リーフスプリングの長さ方向での伸び縮み時にブ
ツシユ取付孔７とボルト又はリベツト１０とによ
つてリーフスプリングＳとブツシユ５を取り付け
た箇所は、リーフスプリングＳとブツシユ５とを
第１図イで示した如きボルト又はリベツト３を用
いた構造にて取付けた場合に比べ、受ける応力は
極減せしめ得たため当該部分での破壊は起らなく
なり得たのである。

本発明を実施するに際して用いる締結具は一般
の帯状物であつてもよく、この場合には金属帯状
の締結具とし、８で示したブツシユの根元部分と
リーフスプリングＳの端部とを１周以上巻き廻す
ことによつて締結構造を形成すればよいが、最も
好ましいものは、第５図に斜視図として示したコ
の字形の内側締結具１１と外側締結具１２とを組
み合わせ内側締結具１１の端部を外側締結具１２
に設けた挿し込み孔１３に挿し込んだ後１４で示
した如く折り返し部が形成されるようにして締結
する方法である。この方法によるブツシユ５とリ
ーフスプリングＳの締結法はその締結操作が極め
て簡単であると共にその締結力は強く、リーフス
プリングの変形が激しく起こつても締結力はほと
んど低下せず、リーフスプリング端部へのブツシ
ユの取り付けに際して穿孔を用いていないため、
当該部分での破壊という不都合な現象を極めて効
率よく防ぎ得ることに成功したのである。

また外側締結具１２に第５図中１５で示した帯
状部を設けることによつて、リーフスプリングＳ
を二枚以上重ねる際、この帯状部１５がリーフス
プリング間の間挿材となり、リーフスプリング同
士の擦過による損傷を防止することもできる。こ
の場合には内側締結具１１は金属板から形成した
もののみならず、繊維強化プラスチツクで作られ
たものとすることもできる。またリーフスプリン
グ間の擦過による損傷を防止するには締結具部に
繊維強化プラスチツク製薄板で作られたほぼ同じ
大きさの板を挿入することによつてその効果を高
めることができる。

本発明のリーフスプリングはリーフスプリング
の端部を独得な形状となし、リーフスプリング面
での穿孔という不都合を回避し得たこと、及びブ
ツシユを特定の形状とすることによつてリーフス
プリング端部での密着性を向上すると共にリーフ
スプリング端部でのブツシユの締結法として帯状
締結具を用いることによつて、リーフスプリング
自体の強度を著しく向上し得たと共にその密着性
をも向上せしめ得た点は従来開発されてきた繊維
強化プラスチツク製リーフスプリングにはなかつ
た大きな利点である。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハ及びニは従来開発されてきた
繊維強化プラスチツク製リーフスプリングの目玉
部の部分斜視図であり、第２図イ及びロは本発明
のリーフスプリングの側面図を、第３図は本発明
のリーフスプリングのブツシユを取付けた端部の
部分側面図であり、第４図は本発明のリーフスプ
リングに取付けるブツシユの側面図を、第５図は
本発明のリーフスプリングとブツシユを取付けに
際して用いる締結具の側面図である。 １……目玉部、２……根元部、３……リベツト
又はボルト、４……接合部、５……ブツシユ、６
……（ブツシユの）端部、７……ブツシユ取付
孔、８……（ブツシユの）根元部分、９……（リ
ーフスプリングの）末端部、１０……ボルト又は
リベツト、１１……内側締結具、１２……外側締
結具、１３……挿し込み孔、１４……折返し部、
１５……帯状部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 繊維プラスチツク製リーフスプリング本体の
   両末端部に、45゜以上の角度を有する平面状又は
   半円形状あるいは半楕円形状とした湾曲部を形成
   し、この両末端部に、中心部に目玉部を有し端部
   が前記湾曲部と密着する形状でかつ反対側の端部
   がリーフスプリング本体の水平状部に密着するよ
   うに延設された根元部分としたブツシユを、リー
   フスプリングの湾曲部とブツシユの後端部とをボ
   ルト又はリベツトにて結合するとともに、ブツシ
   ユの根元部分とリーフスプリング本体の水平状部
   とを帯状締結具をもつて挟着して取付けたことを
   特徴とする繊維強化プラスチツク製リーフスプリ
   ング。