JPS635036B2 - - Google Patents

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JPS635036B2
JPS635036B2 JP57098545A JP9854582A JPS635036B2 JP S635036 B2 JPS635036 B2 JP S635036B2 JP 57098545 A JP57098545 A JP 57098545A JP 9854582 A JP9854582 A JP 9854582A JP S635036 B2 JPS635036 B2 JP S635036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heptafluoropropoxy
perfluoroethylcarbonyloxy
reaction
general formula
propyltrialkoxysilane
Prior art date
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JP57098545A
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JPS58216195A (ja
Inventor
Shozo Kato
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPS58216195A publication Critical patent/JPS58216195A/ja
Publication of JPS635036B2 publication Critical patent/JPS635036B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は一般式 (但しRはアルキル基である)で示される
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシ
ラン及びその製法を提供するものである。 従来Y―A―SiZ3(Zはハロゲン原子又はアル
コキシ基、Yは官能基、Aは直鎖または分枝状の
アルキレン基などを表わす)で示される官能性ア
ルキルシラン化合物、例えば3―アミノプロピル
トリエトキシシラン、2―シアノエチルトリクロ
ロシラン、2―メトキシカルボニルトリメトキシ
シランなどは公知の化合物で繊維表面などへの撥
水処理剤、防錆剤等に使用され得ることが知られ
ている。さらに含フツ素系シラン化合物として
r,r,r―トリフルオロプロピルトリアルコキ
シシランも公知の化合物であり、繊維処理剤等に
使用されている。 本発明者は長年有用な種々の官能性有機珪素化
合物の合成研究を続けて来た。その結果、新規で
且つ有用な化合物である、一般式 (但しRはアルキル基である)で示される
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシ
ランを合成し、その構造及び用途を確認、本発明
を完成し提供するに至つた。 本発明の新規化合物である〔(ヘプタフルオロ
プロポキシ)パーフルオロエチルカルボニルオキ
シ〕プロピルトリアルコキシシランは一般式 (但しRはアルキル基である)で示される化合
物である。上記式中でRとしては公知の有機珪素
化合物と同様にアルキル基が特に限定されず使用
されるが工業的には一般にメチル基、エチル基、
n―プロピル基などの炭素原子数1〜6の飽和又
は不飽和の直鎖状もしくは分枝状低級アルキル基
が好適に使用される。 本発明の〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パー
フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
アルコキシシランは一般に次の(イ)〜(ニ)のような手
段で上記一般式の各化合物であることを確認する
ことが出来る。 (イ) 赤外吸収スペクトル(ir)を測定することに
より、2840〜3090cm-1付近にCH結合に基づく
吸収、1780cm-1付近にエステル基のカルボニル
結合に基づく吸収、910〜1380cm-1に強いCF結
合およびSiO結合に基づく吸収が現われる。 (ロ) 13C―核磁気共鳴スペクトル( 13C―nmr)
を測定することにより、該シラン分子中の炭素
原子の個数、炭素鎖の配列様式、炭素原子の結
合様式を知ることが出来る。即ち 13C―nmr
(テトラメチルシラン基準)に於いて、上記一
般式中の珪素原子に置換するアルコキシ基の種
類にかかわらず、9個の特有なピークが観察さ
れ、一般的にそれぞれのピークの化学シフト値
(δ,ppm)は以下の様に帰属することが出来
る。 また、 19F―核磁気共鳴スペクトル( 19F―
nmr)を測定することにより、炭素原子とフツ
素原子との結合様式を詳細に決定することが出
来る。即ち 19F―nmr(フルオロトリクロロメ
タン基準)に於いて、上記一般式中の珪素原子
に置換するアルコキシ基の種類にかかわらず、
5種類の炭素―フツ素結合に基づく特有なピー
クが観察され、しかもそれぞれのピークの化学
シフト値(δ,ppm)はアルコキシ基の種類に
かかわらずほぼ一定値を示し、以下の様に帰属
することが出来る。 (但し、上記CFO―CF2―の〔83.5〕ppm
は四重線の平均値で示した。) (ハ) 質量スペクトル(ms)を測定し、観察され
る各ピーク(一般にはイオンの分子量mを荷電
数eで割つたm/eで表わされる質量数)に相
当する組成式を算出することにより、測定に供
した試料の結合様式さらに終局的にはその分子
量を推定することが出来る。即ち測定に供した
試料を一般式 で表わした場合、一般に分子イオンピーク
(M)からROが脱離したM−ROの質量数
に相当するピークの他に、M−Si(OR)3
(RO)3SiCH2CH2CH2、(RO)3Siのピーク
が現われる。さらにフツ素を含むイオンピーク
としてm/e169(C3F7に相当)、m/e119
(C2F5に相当)、m/e69(CF3に相当)等の
諸ピークを観察することが出来る。 (ニ) 元素分析によつて炭素、水素、フツ素、珪素
の各重量%を求め、さらに認知された各元素の
重量%の和を100から減じることにより、酸素
の重量%を算出することが出来、従つて該試料
の組成式を決定することが出来る。 本発明の〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パー
フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
アルコキシシランは前記一般式中のRの種類によ
つてその性状が多少異なるが例えばRが低級アル
キル基のときは一般に常温常圧に於ては高沸点を
有する無色無臭の透明液体状のものが多い。具体
的には後述する実施例に示すが、上記液体は一般
の有機化合物と同じように分子量が大きくなる程
沸点が高くなり、また粘度も増す傾向がある。本
発明の〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフル
オロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリアル
コキシシランはベンゼン、エーテル、アルコー
ル、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリ
ル、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの一般有機溶媒に良く溶ける。ま
た、水には不溶であつて混ざりを合わず、下部に
沈む傾向にある。水との混合物を長期間撹拌しな
がら室温で放置すると徐々にではあるがアルコー
ルを放出しながら自動的に加水分解を始める。該
加水分解反応は酸又は塩基の存在、さらには加温
することによつて著しく促進され、終局的には加
水分解縮合反応によつて〔(ヘプタフルオロプロ
ポキシ)パ―フルオロエチルカルボニルオキシ〕
プロピルポリシルセスキオキサンに変化する性質
を有する。 本発明の〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パー
フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
アルコキシシランの製造方法は特に限定されず如
何なる方法によつても良い。一般に好適に採用さ
れる代表的な製造方法を以下に説明する。即ち下
記式で示される(ヘプタフルオロプロポキシ)パ
―フルオロプロピオン酸アリルと一般式HSi
(OR)3(但しRはアルキル基である)で示される
シラン化合物とを触媒の存在下又は不存在下に反
応させることによつて好収率で目的とする〔(ヘ
プタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチルカ
ルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシラン
を得ることが出来る。上記反応を化学式で示せば
下記の通りである。 上記式で示される(ヘプタフルオロプロポキ
シ)パーフルオロプロピオン酸アリルは、その製
法に限定されず、如何なる方法をを採用してもよ
い。一般に好適に採用される方法は、ヘキサフル
オロプロピレンオキシドの二量化によつて得られ
る(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロプ
ロピオン酸フルオリドとアリルアルコールとを溶
媒の存在下又は不存在下に反応させることによつ
て得る方法である。 また前記一般式HSi(OR)3で示されるトリアル
コキシシランも公知の化合物であり、その製法に
限定されず使用出来る。また該反応を速やかに行
なうためには触媒を用いることが望ましい。該触
媒としては、いわゆるヒドロシリル化反応に一般
的に用いられる触媒であれば特に限定されず使用
することが出来る。例えば、一般には塩化白金酸
等の白金化合物が少量でしかも効果的である場合
が多いので好適である。本発明に於ける上記(ヘ
プタフルオロプロポキシ)パーフルオロプロピオ
ン酸アリルとトリハロゲノシランあるいはトリア
ルコキシシランとの反応の代表例は後記する実施
例で詳述する。該反応は一般に無溶媒に於いても
実施することが出来るが、通常溶媒の存在下に実
施するのが一般的である。該溶媒としては、原料
或いは触媒と反応しない溶媒ならば特に限定され
ず用いることが出来、一般にはベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒等が好適に使用される。 また前記反応条件は特に限定されるものではな
いが、原料の種類、触媒の種類、溶媒の有無又は
種類等によつて異なる場合があるので予め好適な
条件を選定して実施するのが好ましい。一般には
−20〜160℃の温度下に、数10分〜40時間の範囲
で選べば十分である。また反応圧力は大気圧下に
十分に進行するので通常は常圧で実施すればよ
く、必要に応じて加圧下或いは減圧下で実施する
ことも出来る。 さらに〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフ
ルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリア
ルコキシシランは前記反応式に従い(ヘプタフル
オロプロポキシ)パーフルオロプロピオン酸アリ
ルとトリアルコキシシランとを反応させることに
よつて得られる他に、次の様な方法によつて得る
ことも出来る。例えば、(ヘプタルオロプロポキ
シ)パーフルオロプロピオン酸アリルと一般式
HSiX3(但し、Xはハロゲン原子である)で示さ
れるシラン化合物とを触媒例えば塩化白金酸など
の存在下に反応させることにより下記一般式で示
される〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフル
オロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリハロ
ゲノシランとする方法が好適である。次いで 一般式 (但しXはハロゲン原子である)で示される
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリハロゲノシラ
ンと一般式ROH(但しRはアルキル基である)で
示されるアルコールとを反応させることによつて
得ることが出来る。該反応の代表例は後述する実
施例で詳述する。該反応は一般に無溶媒に於いて
も実施することが出来、その様な場合に於いては
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリハロゲノシラ
ン1当量に対し、該反応試剤であるアルコールを
3倍当量以上、好ましくは5〜100倍当量以上使
用することにより、平滑に反応を進行させること
が出来る。該反応に溶媒を用いる場合、該溶媒と
しては原料と反応しない溶媒であれば特に限定さ
れず用いることが出来、一般にはベンゼン、トル
エン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶媒等が好適に使用される。ま
た、該反応条件は特に限定されるものではない
が、原料の種類、溶媒の有無又は種類によつて異
なる場合があるので予め好適な条件を選定して実
施するのが好ましい。一般には−70〜160℃、好
ましくは−30〜130℃の温度下に、数10分〜40時
間の範囲で選べば十分である。また、反応圧力は
大気下に於いて十分に進行するので通常は常圧で
実施すれば良く、必要に応じて加圧下或いは減圧
下で実施することも出来る。また該反応は通常
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリハロゲノシラ
ン或いはその溶液に、アルコール或いはアルコー
ルを前記溶媒の一種又は二種以上と混合した溶液
を撹拌下に加えることにより行なうのが好まし
い。該反応に於いてはアルコールの添加に従い、
ハロゲン化水素が生成する。該反応により生成す
るハロゲン化水素は反応条件によつては目的とす
る生成物である〔(ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリアルコキシシラン或いはその前駆体と反応す
ることにより、種々の望ましくない副反応生成物
を与える場合が多いため、反応系に窒素ガス、ヘ
リウムガス等の不活性ガスを導入することによ
り、該ハロゲン化水素を反応系外に逸散させるこ
とが望ましい。また反応系に有機塩基(例えばト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン
等)又は無機塩基(例えば炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等)を該ハロゲン化水素の捕捉剤として
添加することもまた極めて望ましい態様である。 更にまた前記した様に〔(ヘプタフルオロプロ
ポキシ)パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕
プロピルトリアルコキシシランに於いてはアルコ
キシ基が低級である程高級アルコキシに置換され
易い性質を有するので、このような性状を利用す
れば低級アルコキシ基を含む〔(ヘプタフルオロ
プロポキシ)パーフルオロエチルカルボニルオキ
シ〕プロピルトリアルコキシシランを該アルコキ
シ基よりも高級なアルコールと触媒の存在下又は
不存在下に接触させ、置換反応により生成する低
級アルコールを連続的に分別蒸留等の手段で分離
することによつて、目的のアルコキシ基を含む
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシ
ランを得ることが出来る。 前記した方法により製造した〔(ヘプタフルオ
ロプロポキシ)パーフルオロエチルカルボニルオ
キシ〕プロピルトリアルコキシシランは減圧蒸留
又は真空蒸留等の手段により精製することが出来
る。反応終了後の反応系中に不溶性の固体等が存
在する場合には該蒸留を行なうまえに過等の操
作を施すこと、また反応終了後の反応系中に溶媒
等の低沸点化合物が存在する場合には該蒸留を行
なうまえに常圧蒸留を行なうこと等も、より高純
度の目的とする〔(ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリアルコキシシランを得る上で好ましい。 本発明の〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パー
フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
アルコキシシランは該分子中に多数のフツ素原子
を含有し、さらに加水分解によつて脱水縮合しや
すいトリアルコキシシリル基を含有しているた
め、該〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフル
オロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリアル
コキシシランを単独、もしくは他の有機又は無機
珪素化合物と共に加水分解することにより、撥水
性さらに撥油性を賦与したポリシルセスキオキサ
ン誘導体を得ることも出来る。この場合該〔(ヘ
プタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチルカ
ルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシラン
は部分的に又は完全に加水分解させることによつ
て架橋した強固な被膜とすることも出来るのでガ
ラス、セメント、モルタル等の無機材料;紙、木
材、セルロース、ナイロン等の有機材料等につい
ての種種の形態の加工物の表面に塗布することに
より、該加工物に撥水性を付与することが出来
る。さらに該〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パ
―フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルト
リアルコキシシランは、優れた制癌活性を有する
〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルポリシルセスキオ
キサンの原料としても利用することが出来る有用
な化合物でもある。 本発明を更に具体的に説明するために以下に実
施例及び応用例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。尚実施
例に於いて“Et”はエチル基を意味する。 実施例 1 α―(n−ヘプタフルオロプロポキシ)パーフ
ルオロプロピオン酸アリル(37.01g.,
0.10mole)と塩化白金酸6水和物(20mg)の混
合物に新しく蒸留したトリエトキシシラン
(18.07g.,0.11mole)を加え、氷水浴上で3時
間撹拌した後室温で一夜撹拌を続け、さらに油浴
上で80℃に3時間加熱した。蒸留により低沸点留
分を該反応混合物から除いた後残渣を真空蒸留す
ることにより、沸点105〜7℃/7mmHgの無色
透明液体(41.11g.)を得た。赤外吸収スペクト
ルを測定したところ2980、2940、2900cm-1にCH
結合に基づく吸収、1785cm-1にエステル基のカル
ボニル結合に基づく強い吸収、1380〜910cm-1
CF結合およびSiO結合に基づく強い吸収を示し
た。その元素分析値はC33.98%、H4.35%、
F41.06%、Si5.87%であつて組成式
C15H21O5F11Si(518.41)に対する計算値である
C34.75%、H4.08、F40.32%、Si5.42%によく一
致した。また、質量スペクトルを測定したとこ
ろ、m/e371に
【式】 に対応するピーク、m/e205に
(EtO)3SiCH2CH2CH2に対応するピーク、m/
e169にC3F7に対応するピーク、m/e163に
(EtO)3Siに対応するピーク、m/e119に
CF3CF2に対応するピーク、m/e69にCF3
対応する各ピークを示した。さらに 13C−核磁気
共鳴スペクトル(δ,ppm:テトラメチルシラン
基準)および 19F−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、その解析結果は次の通りであつた。
なお 13C−nmrは該化合物に含まれるフツ素原子
の全領域を一度に照射することにより、完全デカ
ツプル条件下で測定した。 (i) 13C−nmrの結果 (ii) 19F−nmrの結果 上記の結果から、単離生成物が3−〔α―(n
―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリエトキシシラ
ンであることが明らかとなつた。収率は用いたα
―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオ
ロプロピオン酸アリルに対し79.3%(0.079mole)
であつた。 実施例 2 3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリクロロシラン(8.95g.,0.018mole)にヘキ
サン(30ml)を加え、混合物をドライアイスで冷
却しながら無水エタノール(15.5g.)を滴下し、
さらに4時間撹拌した。次いで氷水浴上で3時間
撹拌しながら減圧下に低沸点揮発性成分に留去し
た。残渣を真空蒸留することにより、実施例1で
得たものと同一生成物(実施例1と同様な分析で
確認)である。3―〔α―(n―ヘプタフルオロ
プロポキシ)パ―フルオロエチルカルボニルオキ
シ〕プロピルトリエトキシシラン5.79g(収率
63.1%)を得た。 実施例 3 3―〔α―(n−ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリクロロシラン(7.66g.,0.015mole)、ベン
ゼン(20ml)、ジエチルエーテル(20ml)の混合
物を食塩/氷を用いた寒剤浴で冷却し、撹拌しな
がら無水メタノール(11.0g)を徐々に滴下し
た。反応混合物は氷水浴上で3時間撹拌し生成し
た白色沈殿を過によつて除き、さらに低沸点留
分を除いた後残渣を真空蒸留することにより、沸
点92〜5℃/9mmHgの無色透明液体(4.01g)
を得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ
2950、284cm-1にCH結合に基づく吸収、1780cm-1
にエステル基のカルボニル結合に基づく強い吸
収、1380〜950cm-1にCF結合およびSiO結合に基
づく強い吸収を示した。その元素分析値はC29.74
%、H3.46%、F44.25%、Si6.38%であつて組成
式C12H15O5F11Si(476.33)に対する計算値である
C30.26%、H3.17%、F43.88%、Si5.90%によく
一致した。また質量スペクトルを測定たところ、
m/e461に に対応するピーク、m/e121に(CH3O)3Siに
対応するピーク、m/e69にCF3に対応する各
ピークを示した。さらに実施例1と同様にして
13C−nmrおよび 19F−nmrを測定したところ、
その化学シフト値の解析結果は次の通りであつ
た。 (i) 13C−nmr (ii) 19F―nmr 上記の結果から、単離生成物が3―〔α―(n
―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリメチルシラン
であることが明らかとなつた。収率は用いた3―
〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフ
ルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリク
ロロシランに対し56.1%(0.0084mole)であつ
た。 実施例 4 3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリクロロシラン(5.71g.,0.011mole)をドラ
イアイス浴上で冷却しながら無水アリルアルコー
ル(28.3g.)を滴下し、さらに5時間撹拌した。
次いで室温で4時間撹拌しながら減圧下に低沸点
揮発成分を留去した。残渣を真空蒸留することに
より、沸点143℃/0.15mmHgの無色透明のやや粘
稠な液体(2.88g.)を得た。赤外吸収スペクト
ルを測定したところ、3080〜2880cm-1にCH結合
に基づく吸収、1785cm-1にエステル基のカルボニ
ル結合に基づく強い吸収、1370〜940cm-1にCF結
合およびSiO結合に基づく強い吸収を示した。そ
の元素分析値はC38.38%、H3.76%、F37.51%、
Si5.22%であつて組成式C18H21O5F11Si(554.44)
に対する計算値であるC38.99%、H3.82%、
F37.70%、Si5.07%によく一致した。また、該生
成物の 13C−nmrおよび 19F―nmrを測定したと
ころ、その化学シフト値の解析結果は次の通りで
あつた。 (i) 13C−nmr (ii) 19F−nmr 上記の結果から、単離生成物が3―〔α―(n
―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
ルカルボニルオキシ〕プロピルトリアリルシラン
であることが明らかとなつた。収率は用いた3−
〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パーフ
ルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリク
ロロシランに対し46.0%(0.0052mole)であつ
た。 実施例 5 3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリブロモシラン(10.00g.,0.016mole)をド
ライアイス浴上で冷却しながら無水イソプロピル
アルコール(50.0g)を加えて5時間撹拌した
後、該混合物を30分間50℃に加熱した。低沸点成
分を蒸留により除いた後真空蒸留することにより
無色透明液体(3.16g)を得た。この液体は実施
例1と同様な分析により3―〔α(n―ヘプタフ
ルオロプロキシ)パーフルオロエチルカルボニル
オキシ〕プロピルトリイソプロポキシシランであ
ることを確認した。また収率は用いた3―〔α―
(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パ―フルオロ
エチルカルボニルオキシ〕プロピルトリブロモシ
ランに対し35.2%(0.0056moje)であつた。 実施例 6 無水n―ペンタノール(150ml)に金属ナトリ
ウム(0.50g)を加えて1時間加熱還流した後、
実施例3で得られた3―〔α―(n―ヘプタフル
オロプロポキシ)パーフルオロエチルカルボニル
オキシ〕プロピルトリメトキシシラン(3.0g.,
0.0063mole)を加えた。該混合物を20時間加熱
還流した後、生成したメタノールならびに過剰の
n―ヘキサノールを減圧留去した。残渣に無水ヘ
キサン(150ml)を加えた後、乾燥塩化水素ガス
を、もはや白色沈殿が生成しなくなるまで通気し
た。反応液を一夜冷蔵庫に放置した後白色沈殿を
吸引過することによつて除き、次いで低沸点成
分を減圧留去し、さらに残渣を真空乾燥(100
℃/0.10mmHg)し目的物(3.76g)を得た。この
ものは実施例1と同様な分析により3―〔α―
(n−ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロ
エチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ(n―ペ
ントキシ)シランであることを確認した。収率は
用いた3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキ
シ)パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロ
ピルトリメチルシランに対し92.1%
(0.0058mole)であつた。 応用例 1 3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリメチルシラン(1.0g)を濃塩酸2滴を含む
10%含水メタノール(10ml)に溶解することによ
り10w/v%の溶液を調整した。該溶液に予め50
℃の乾燥器中で恒量になるまで乾燥した2枚のナ
イロン製シート(50mm角)のうちの1枚を浸して
充分該溶液接触させた後、該溶液から取り出して
風乾した。該試料片を再び50℃の乾燥器中に保存
して恒量になるまで乾燥した後、未処理試料片と
共に23℃の純水(100ml)中に24時間浸漬した。
該試料片を浸漬浴から取り出し、乾燥ガーゼで拭
いた後両試験片の重量を測定することにより、そ
れぞれの試験片の吸水率を求めた。その結果、3
―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パー
フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
メトキシシラン溶液で処理した試験片の吸水率は
未処理試験片の1/15以下であつた。 なお、上記調整溶液をスプレーにより紙に塗
布し数日乾燥したところ、該紙に完全な撥水性
を与えた。 応用例 2 3―〔α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)
パーフルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピル
トリエトキシシランのベンゼン溶液を希塩酸で処
理することにより3―〔α―(n―ヘプタフルオ
ロプロポキシ)パーフルオロエチルカルボニルオ
キシ〕プロピルポリシルセスキオキサンを半透明
白色シロツプ状物として得た。該ポリシルセスキ
オキサンを界面活性剤ツイーン80を含む試料溶液
を作成し、エールリツヒ癌細胞を有するマウス
(雄、6匹)を用いて延命効果試験を行なつたと
ころ、投与量100mg/Kgに於いて平均生存日数は
55.0日であり、顕著な延命効果が認められた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但しRはアルキル基である)で示される
    〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パーフルオロエチ
    ルカルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシ
    ラン。 2 α―(n―ヘプタフルオロプロポキシ)パー
    フルオロプロピオン酸アリルと一般式HSi(OR)3
    (但しRはアルキル基である)で示されるシラン
    化合物と反応させることを特徴とする一般式 で示される〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パ―
    フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
    アルコキシシランの製造方法。 3 一般式 (但しXはハロゲン原子)で示されるトリハロ
    ゲノシラン化合物と一般式ROH(但しRはアルキ
    ル基である)で示されるアルコールとを反応させ
    ることを特徴とする一般式 で示される〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パ―
    フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリ
    アルコキシシランの製造方法。
JP57098545A 1982-06-10 1982-06-10 〔(ヘプタフルオロプロポキシ)パ−フルオロエチルカルボニルオキシ〕プロピルトリアルコキシシラン及びその製法 Granted JPS58216195A (ja)

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