JPS63500950A - アルミニウムを含有する超高炭素鋼およびその処理方法 - Google Patents

アルミニウムを含有する超高炭素鋼およびその処理方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 アルミニウムを含有する超高炭素鋼およびその処理方法発明の背景 本発明は合金に関し、特にアルミニウムを含有する超高炭素鋼に関する。
鋼の改良研究において、高強度、良好な延性、ミクロ組織の安定性、および優れ た加工性を同時に達成することは従来から変らぬテーマである。前3者が得られ る場合にも、これらの性質を得るための組成やミクロ組織は優れた加工性を妨げ る粒子等のミクロ組織的特徴を持つことが多い。鋼は通常は厚肉状態に鋳造され て圧延または鍛造工程で断面減少される。鋼の加工性が不十分であると、断面減 少工程中に鋼に割れが発生して最終製品は不良品となる。更に、商用鋼としては 、比較的廉価な合金添加とN単で且つ既存の鋼製造技術に適合する処理工程とに よって望みの性質が得られることが必要である。
鋼の選択と処理にはその鋼の最終用途を十分に考慮することも必要である。多く の用途において、均−且つ倣細なミクロ組織の必要性が知られている。特に超塑 性成形の製造技術は、はとんどの場合1工程でほぼ最終形状の部品を成形できる ため広く注目を集めている。材料費や機械加工等の二次処理費が相当に削減でき る。普通、超塑性挙動は極微細粒の金属に認められ、変形中の応力が歪速度に著 しく依存することが特徴である。
したがって、合金添加物や処理方法の選択には最終製品の組立て技術や必要な特 性についての考慮が必要である。従来の方法で処理した材料が組立中の十分な加 工性を持つことが必要である。超塑性成形のような特別な処理方法にはこの要請 が一層強い。
超塑性成形用の合金を準備するためには、まず最初に、合金の断面減少工程を行 なってから微細粒組織にまで処理を行なう。超塑性が結晶粒寸法と関係がない場 合もあるが、大部分の場合には結晶粒が微細なほど応力レベルによらず超塑性歪 速度が高い。したがって大部分の合金は、まず最初に、超塑性成形温度に加熱さ れても安定な微細結晶粒にまで処理されなければならない。微細結晶粒が十分に 安定でないと、超塑性成形中に結晶粒が粗大化して成形完了前に超塑性の性質が 消失し、成形が失敗する。したがって、微細結晶粒組織の安定化と超塑性成形速 度の増加とは、超塑性を利用した製造方法を改良する鍵である。
超塑性成形の商用規模での応用のほとんどは、航空宇宙産業で関心が持たれてい るチタン合金、ニッケル合金、アルミニウム合金において行なわれてきた。鉄基 超塑性合金も開発されてきており、たとえばその1つとして米国特許第3.95 1,697号に開示されている超高炭素鋼がある。この特許は、微細結晶粒と後 続の超塑性処理中のその安定化のための微細鉄炭化物の列とを有する過共析鋼を 準備する方法に関する。この綱は約600℃未満と約750℃より高温において は望ましい超塑性が現れないため、約725℃の共析温度(すなわちAI)の直 下で超塑性成形を行なう。
この超高炭素鋼は技術上は大きな前進であるが、工業規模で経済的に適用するに は問題が残されている。鋼を温間加工および熱間加工の温度領域に加熱すると微 細鉄炭化物が粗大化する傾向があり、そのため微細結晶粒も成長して粗粒化する 。超塑性には微細結晶粒が必要であるため、結晶粒が成長すると、たとえ鋼が適 正温度範囲に加熱されていても超塑性は消失する。結晶粒があまり粗大化しない うちに超塑性成形工程を完了させるようにしなければならない。場合によっては 、超塑性が消失するような粒度にまで結晶粒が粗大化して成形工程を完了させる ことができず、そのために超塑性成形を商業的に実行することが不可能になる。
超塑性処理における加熱中に結晶粒寸法が増大することによって起こる重大な事 柄の一つは、許容可能な超塑性成形歪速度が低下することである。調査および計 算によれば、結晶粒寸法が約1μmから約5μmに増加すると一定応力での超塑 性速度は100程度の比率で減少することが予想できる。歪速度が高ければ成形 時間は短いので、結晶粒の粗大化は部品の成形所要時間を極端に増加させると予 想される。
超高炭素鋼の改良例としては、けい素と炭化物安定化元素とを添加した米国特許 第4,533.390号がある。この場合、けい素と炭化物安定化元素とを含有 する超高炭素鋼を、後に行なう処理中に微細結晶粒を維持して共析温度を高める 安定な鉄炭化物の列を具備するように処理する。その結果、この材料の超塑性処 理は、特別に合金添加せず単に炭素を含有する非添加(plain carbo n)超高炭素鋼よりも歪速度が高く、応力レベルが低い。この鋼による前進は重 要なものではあるが、実際の適用には限界がある。けい素含有量が高いため、処 理中に縁部や表面で割れが発生して熱間および温間の加工が困難である。常温に おいても、延性に限界があり20%程度の圧下率の圧延で割れが発生する。
そこで、熱間、温間、および冷間での加工における延性が向上し且つ超塑性成形 のための高温下で安定な微細結晶粒を有する改良された鉄基合金が望まれていた 。このように延性が改善されることは、最終的な使用においてとともに、断面の 減少や安定微細粒の生成を行なうのに必要な処理工程においても重要である。更 に、超塑性成形歪速度も高められて商業的な超塑性成形の経済性が改善されるこ とが望ましい。本発明はこの要請を満たし、更に関連した利点を提供する。
発明の概要 本発明の超高炭素鋼は、高強度で、延性があり、熱間、温間、および冷間での加 工性が高く、熱間および温間の加工中の耐酸化性があり、且つ微細なミクロ組織 にまで容易に処理できる。この微細なミクロ組織は安定な粒子の列によって安定 化され且つ維持される。本発明鋼は従来の加工方法における加工性が優れており 、更に、最終製品として強度、硬さ、および延性が優れている。その結果、最終 製品の製造をどのような技術で行なっても、得られる性質が従来よりも優れてい る。微細で安定したミクロ組織を生成するための技術が簡単化するので初期(p rimary)加工費が低減する。
本発明鋼は、775℃で1.6%/秒程度の歪速度で変形させたときに、100 0%を超える超塑性伸びがある。歪速度を15%/秒まで高めても超塑性の徴候 がある。したがって、本発明鋼は安定した微細結晶粒と高い超塑性成形歪速度と を合わせ持つという重要な特性を有するので、非常に複雑な部品を超塑性成形す ることができる。そのため、本発明鋼は商業的に行なえる超塑性成形およびそれ によって成形する製品の範囲を更に拡大する。
更に、本発明鋼は冷間加工性が優れている。たとえば70%の冷間圧延を行なっ ても縁部割れ(edge cracking)が発生しない。この冷間加工性に よって極めて寸法精度の高いシート材料を容易に得ることができる。このような 高度の冷間加工性はけい素を含有する超高炭素鋼では達成されない。
本発明においては、超高炭素鋼における第一の合金成分としてアルミニウムを用 いる。すなわち、本発明の鉄基合金は、約0.8wt%以上でオーステナイト中 の炭素の最大固溶限以下の炭素、約0.5〜約10−t%のアルミニウム、アル ミニウムの存在下で炭化物が黒鉛化しないように安定化するように作用する有効 量の安定化元素、および残部の鉄から実質的に成る。望ましくは安定化元素はク ロムおよびモリブデンから成る群から選択され、最も望ましくは安定化元素は約 0.5〜約2%のクロムである。大部分の鋼と同様に、マンガンも約0.5wt %の量で存在してよい。本発明は上記のような微細な安定したミクロ組織を有す る材料を準備する方法をも提供する。
アルミニウムは望ましくは約0.5〜約6.4wt%、最も望ましくは約1.6 wt%の量で存在する。微細結晶粒を安定化するために、炭素量を約1.0wt %以上に維持して鉄炭化物粒子の体積率を十分に高くすることも望ましい。
更に、本発明においては、約10μm未満の、望ましくは約1〜約2μmの、最 も望ましくは約1μmの結晶粒度を有する安定結晶粒組織を生成する何らかの方 法によって超高炭素鋼を処理して、更に超塑性処理するのに適した状態にするこ とができる。このような処理方法の例は米国特許第3.951,697号、第4 .448,613号および第4,533,390号に開示されており、その開示 内容は本明細書中においても参考として取り入れである。
以上から本発明が鋼の技術における重要な前進であることは明らかである。本発 明鋼は、初期加工工程における加工性が優れており且つ最終製品としての延性が 高い、微細で安定なミクロ組織にまで容易に処理される。更に、本発明鋼は、高 い歪速度で超塑性成形ができ且つ長時間の超塑性成形が安定、して行なえるとい う2つの要因によって、複雑な商業的超塑性成形の融通性を高めることができる 。以下に、本発明の原理を例示する添付図面を参照して、本発明の特徴および利 点を更に詳しく説明する。
図面の簡単な説明 第1a図および第1b図は、アルミニウムを含有する超高炭素鋼に最終変形段階 がA、変態点より高温で起こる熱間および温間の加工による初期加工熱処理を行 なった後のミクロ組織の倍率を変えた走査電子顕微鏡写真である。
第2図は、アルミニウムを含有する超高炭素鋼に最終変形段階がA、変態点より 低温で起こる熱間および温間の加工による初期加工熱処理を行なった後のミクロ 組織の走査電子顕微鏡写真である。
第3図は、アルミニウムを含有する超高炭素鋼に、A□変態点より高温での熱間 および温間の加工、空冷、冷間加工、そして球状化組織を得る・ための焼鈍を行 なった後のミクロ組織の走査電子顕微鏡写真である。
第4図は、アルミニウムを含有する超高炭素鋼に、A、変態点より高温の熱間お よび温間の加工、空冷、A、変態点よりも高温への再加熱、そして変形を伴った 遊離共析変態による処理を行なって球状化組織とした後のミクロ組織の走査電子 顕微鏡写真である。
第5図は、アルミニウムを含有する超高炭素鋼に、A、変態点より高温および低 温の熱間および温間の加工、空冷、そして球状化組織を得るためのA1変態点よ りも低温への再加熱を行なった後のミクロ組織の走査電子顕微鏡写真である。
第6図は、超高炭素鋼、けい素を含有する超高炭素鋼、およびアルミニウムを含 有する超高炭素鋼について、いずれも約1.5wt%Crの場合の最大超塑性歪 速度を示す線図である。
望ましい実施態様の詳細な説明 本発明の超高炭素鋼は、約0.8wt%以上でオーステナイト中の炭素の最大固 溶限以下の炭素、約0.5〜約10wt%のアルミニウム、アルミニウムの存在 下で鉄炭化物が黒鉛化しないように安定化する作用をする有効量の安定化元素、 および残部の鉄から実質的に成る。この合金は商業鋼に通常存在するマンガン、 ニッケル、バナジウム、および銅のような不純物を少量含有してもよい。炭素は オーステナイト中の炭素の最大固溶限まで存在してよい。安定化元素はクロムお よびモリブデンから成る群から選択されることが望ましい。アルミニラふは、望 ましくは約0.5〜約6.4tnt%、最も望ましくは約1.6wt%の量で存 在する。安定化元素は約1,5wt%のクロムであることが最も望ましい。本発 明鋼の最も望ましい組成は、約1.3讐t%炭素、約1.6wt%アルミニウム 、約1.5 i+t%クロム、残部鉄である。
本明細書中で用いる「鋼」は炭素およびその他の合金添加物を含有する鉄基(鉄 系)合金である。この鋼は、本発明による合金添加成分を含有する他に、マンガ ンのように通常の商業鋼に存在する元素を、本発明の合金が発揮する望みの性質 の達成を妨げない量で含有してよい。
本発明鋼は従来の溶解法で溶解される。本発明鋼は大気溶解してもよいし、特に 清浄度を必要とする場合には真空溶解してもよい0本発明鋼はスラブまたはその 他の形にインゴット鋳造あるいは連続鋳造してよい。
微細ミクロ組織は鋳造ままの材料に機械的な加工を加えることによって形成され る。この形成は最終変形段階がAI変態点の直上で起こる熱間および温間の加工 を含む工程で行なうことが望ましい。たとえば、このような工程は約り100℃ 〜約700℃で行なわれる一連の熱間加工段階を含む。(本明細書中では、熱間 加工(熱間の加工)とは、T、を合金の溶融絶対温度として、約2/3T、より 高温で行なう機械的な加工である。鉄合金の場合は熱間加工の行なわれる温度範 囲は約り50℃〜約1450°Cである。温間加工(温間の加工)とは約1/3 T、〜約2/3T、の温度範囲で行なわれる機械的な加工である。鉄合金の場合 は温間加工の行なわれる温度範囲は約り50℃〜約950℃である。)第1図は そのような鋼に実施例1に示す方法で熱間および温間の加工および空冷を行なっ て得たミクロ組織を示す。このミクロ組織は約3〜5μmの微細なパーライト・ コロニーを有し、そのセメンタイト・プレート間のラメラ−間隔は約0.1μm という超微細なものである。パーライト・マトリクス中に初析炭化物が非常に微 細な粒子として一様に分散している。アルミニウムの存在は初析炭化物がこのよ うに一様分散するのに寄与すると考えられる。熱間および温間の加工および空冷 を行なったこの鋼は室温で高強度、高硬さであり且つ良好な延性がある。この鋼 はこれ以上の処理を行なうことなく種々の用途に直接用いることができる。
更に、微細なミクロ組織は鋳造ままの材料に最終変形段階がA、変態点より低温 で起こる熱間および温間の加工を加えることによっても得ることができる。第2 図は実施例5で述べる方法で処理したそのような鋼のミクロ組織を示す。第2図 に示したミクロ組織は第1図のものとほぼ同じであるが、最終仕上パスがAt点 より低温であるのでパーライト・コロニーが圧延方向に伸長している。熱間およ び温間の加工を行なったこの鋼は、更に焼鈍を加えな(とも寓い強度と適度な延 性がある。
熱間および温間の加工を行なった鋼を直ちに球状化組織に変換してもよい。球状 化組織は被削性と常温引張延性とが向上するので種々の最終用途にとって望まし いからである。球状化組織は後に行なう超塑性成形での超塑性を起こさせるため にも特に望ましい。微細な球状化組織を得るには、はとんどの従来鋼のような複 雑な温度サイクルのある長時間の熱処理を行なう必要はなく、より簡単な処理方 法で良い。実施例6の鋼を750℃(A1点より低温)で45分間焼鈍して第5 図のミクロ組織が得られた。実施例1に述べるように処理を行なった鋼の場合は 、冷間加工した後に750℃で45分間の焼鈍を行なって第3図に示す球状化組 織を得た。もう一つの方法として、以下に述べるように、遊離共析変態または変 形を伴った遊離共析変態を利用して処理することによって微細な球状化組織が得 られる。どちらのタイプで処理しても、鉄炭化物粒子の存在によってフェライト 結晶粒が安定化された、超微細フェライト粒度の球状化材料が得られる。そのよ うなミクロ組織の一例を第4図に示す。得られた球状化鋼は縁部の割れなしに高 度の冷間圧延ができ、常温での引張伸びと強度が優れている。
上記の処理方法によって超塑性成形に適した球状化組織が得られるが、超塑性成 形に適した綱をこれ以外の方法を利用して準備することもできる。超塑性成形に 用いるために、最初に、炭化物が結晶粒界に列を成して結晶粒の成長を防止して いる微細な結晶粒が分布した状態に綱を処理することは、常に必、要というわけ ではないが、望ましい場合が多い。この方法においては、平均結晶粒寸法が約1 0μm未満、望ましくは約1〜約2μm、最も望ましくは約1μmである安定な 結晶粒組織を生成するような処理技術を用いるべきである。
ここに述べた方法以外にも、超塑性加工に通した微細結晶粒組織と炭化物粒子の 列を有する綱を製造する処理技術は数多く知られており、本発明の合金はそれら のどれと組合わせても用いることができる。適当な処理方法の一例が米国特許第 3.951,697号に開示されている。その方法では、約り00℃〜約900 ℃の温度に加熱した後に十分な変形量で機械的に加工して結晶粒の微細化と鉄炭 化物の主要部分の球状化とを行なうことによって、微細結晶粒組織を準備する。
この方法では、約り00℃〜約900℃の範囲で行なう加工の前に、約り100 ℃〜約1150℃で鋼の均質化処理および機械的な加工を行なってもよい。
もう一つの方法では、米国特許第4,448.613号に開示されているように 、遊離共析変態または変形を伴った遊離共析変態を含む方法によって微細結晶粒 材料を製造できる。
端的には、遊離共析変態処理によって微細結晶粒組織を準備する方法では、最初 に、実質的に全ての炭素が固溶しているオーステナイト・マトリクスを形成する ために鋼をAcm変態点より高温にまで加熱する。オーステナイト結晶粒を微細 化するために、少なくとも冷却過程の一部分で圧延または鍛造によって変形させ ながら鋼をほぼA、変態点にまで冷却する。綱をA、変態点よりも低温にまで更 に冷却してパーライトと初析炭化物粒子との混合組織に変態させる。銅をA1点 よりも約50℃高温のソーキング温度に加熱し、この温度で炭化物がオーステナ イト中に固溶するのに十分な時間保持する。これによって炭素はオーステナイト 中に不均一に分布する。保持時間は鋼の実際の組成とソーキング温度に依存する が、典型的な場合には数分から1時間の範囲である。最後に、綱を空冷相当の速 度でA、変態点よりも低温にまで冷却する。
別の方法として、以上と同じ処理過程を踏むが、ただし、固溶炭素がまだオース テナイト・マトリクス中に均一に分布していない段階で機械的な加工を行ない、 更に鋼がA1点よりも低温にまで冷却されているときに可能な限り機械的な加工 を行なう。この方法は変形を伴った遊離共析変態として知られている。どちらの 方法によっても、微細な鉄炭化物が結晶粒界に列を成して結晶粒を粗大化に対し て安定化している微細フェライト結晶粒組織が得られる。
もちろん、鉄炭化物粒子が列を成している微細フェライト結晶粒組織を生成する ための上記処理方法は典型例である。
この組織を生成するための他の方法も適用できる。
微細結晶粒に処理した鋼を超塑性成形に用いるには、超塑性成形工程は適当な成 形方法のどれで行なってもよい。そのような成形方法においては、鋼を適当な装 置の中でほぼA1点付近にある超塑性温度領域に加熱する。本発明鋼においては 、アルミニウムの添加によってA3点を上昇させて、超塑性加工の適正温度領域 が約り00℃〜約900℃、最適温度が約790℃になるようにしである。以下 に説明するように、アルミニウム含有量が高いほどA0点が高くなり、それによ って最高超塑性加工温度が高(なる。組織が安定している限り、超塑性加工温度 は高いほど超塑性成形の最大歪速度が増加するので望ましい。更に、超塑性加工 温度が上昇すると鋼の変形応力が減少して加工設備の所要出力も低くなる。
超塑性変形は開口式または密閉式のダイの中でのプレス成形のような適当な成形 工具を用いて行なうことができる。
A、点が高いので超塑性変形に要する応力が低くなり、その結果、従来は鋼に用 いるには適さないと考えられていた超塑性成形技術をも利用できる。たとえば、 吹込二次成形法によって超塑性材のシートをガス圧力の負荷の下で雌型の中に押 し込む。負荷されたこのガス圧力が、複雑な雄型側の工具を要さずに、連続的且 つ均一に負荷される圧力によって該シートを雌型のキャビティーの中へ押し込む 。吹込二次成形法は主としてチタン基あるいはアルミニウム基の超塑性合金に関 して採用されてきたが、鉄系合金に関しては広範に採用されてはいなかった。米 国特許第4.533.390号に開示されたけい素含有鋼の他は、従来の鉄基超 塑性合金は強度が高いために極度に高いガス圧力を必要とした。本発明鋼で得ら れる変態点および超塑性歪速度は吹込二次成形法を適用するのに非常に適してい る。
超塑性成形を良好に行なえるためには、高温で行なうこの成形過程全体を通して 微細結晶粒組織が維持されていなければならない。種々の状況によって多少は異 なるが、鉄系合金の場合には結晶粒寸法が約10μmを超えると普通の歪速度で は超塑性がほとんど起きなくなる。結晶粒寸法が約2μmで良好な超塑性が観察 され、結晶粒寸法が約1μmにまで減少すると最大超塑性歪速度が増加する。
超塑性成形は高温で行なわれるので、結晶粒は温度上昇や保持時間増加によって 粗大化する傾向があり、更にこの粗大化が超塑性変形によって同時に促進される 。高温での結晶粒成長を防止するように結晶粒を安定化するために、初期加工処 理によって微細な鉄炭化物粒子を結晶粒界に列状に分散させてピン止めする。
高温では微細な炭化物粒子自体が不安定で粗大化しやすく、その結果結晶粒が粗 大化する。本発明のアルミニウム添加はフェライト中の炭素の活量を高めること によって鉄炭化物粒子の粗大化を遅らせると考える。すなわち、それによって炭 化物粒子の分解固溶の速度が低下して、列状の微細な鉄炭化物粒子の粗大化が抑 制される。アルミニウム添加は、更に、A、点を上昇させて超塑性加工の温度範 囲を上昇させるという利点もある。
アルミニウムの大量添加自体は望ましくない影響がある。
アルミニウムが存在すると鉄炭化物の黒鉛化が促進される。
鉄炭化物Fe5Cは鉄中の炭素の最低エネルギー状態ではないので、長時間の間 にはこの鉄炭化物は鉄と黒鉛に分解する傾向がある。アルミニウムが大量に存在 しなければこの分解反応は通常は高温でも何年もかけて起こる。しかしアルミニ ウムが存在すると、黒鉛化が加速されて超塑性成形温度で数分から数時間値の間 に起こる。黒鉛化が望ましくないのは、この変態反応によって第2相である鉄炭 化物粒子の体積率が減少するため、この粒子が微細結晶粒を安定化する効果が低 下するからである。粒子が微細結晶粒を安定化する効果は粒子の体積率の減少に 伴って低下する。
安定化元素を用いるのは、アルミニウムの存在下で鉄炭化物粒子を黒鉛化しない ように安定化するためである。安定化元素としては、たとえば、クロム、モリブ デン、タングステン、チタン等が適している。クロムとモリブデンは安定化元素 としてチタンやタングステンよりも望ましい。その理由は、チタンやタングステ ンは実質的に変形しない非常に硬い炭化物を形成して粒子/マトリックス界面で 割れを発生させる可能性があるからである。これに比べて、クロムやモリブデン はより変形能の大きい炭化物を鉄および炭素と形成する。クロムはモリブデンに 比べて炭化物の変形能が大きく且つ現時点ではより安価なので望ましい。説明を 限定する意図はないが、本発明者は、クロムを安定化元素として用いた場合につ いて、クロムは鉄炭化物Fe、Cの組成を鉄・クロム炭化物(FeCr) 3C に変えることによって粒子寸法を安定化していると考える。この鉄・クロム炭化 物は高温での黒鉛化に対する安定性が鉄炭化物よりも高いので、アルミニウムが 存在しても炭化物相の黒鉛化が起き難い。更に、クロムはA1点を高メて超塑性 成形の温度領域を高める作用がある。
鋼のアルミニウム含有量は約0.5wt%より多(、且つ約10wt%よりも、 望ましくは約6,4wt%よりも少なくすべきの粗大化を遅らせる効果はあるが 、A1点の上昇はアルミニウムのレベルが約0.5i1t%より高くなってから 現れる。
アルミニウム含有量が約10wt%よりも多いと、鉄−アルミニウム格子の規則 化およびそれに伴う鉄・アルミニウム化合物(FezA j! )のような化合 物の形成が観察される。規則化は常温の機械的性質にとって有害であり、歪速度 によらず引張延性が低下する。これに対して、米国特許第4.533.390号 に開示された鉄−けい素糸超塑性鋼においでは、鉄−けい素の規則化がけい素含 有量約3wt%以上で開始するため、鉄−けい素糸合金の常温引張延性はけい素 含有量が約3wt%を超えると低下する。このようにアルミニウムはけい素より も添・加許容量が多いので、鋼の低温延性を損わずに大量のアルミニウムを添加 できる。大量のアルミニウム添加が可能なことによって、A3点もけい素添加で は達成できないレベルにまで高めることができるので、超塑性成形を相当高い温 度で行なうことができる。
アルミニウム含有量は約6.4wt%を超えないことが望ましい。アルミニウム がこれよりも多いと、熱間および温間の加工が困難になる。アルミニウム含有量 が約10−t%を超えると縁部の割れが発生する。本発明鋼の典型的な炭素含有 量は約0.8〜約1.2wt%であり、これによって高温で微細結晶粒を安定化 するために十分な量の炭化物が存在する。室温での延性を良好にするために、炭 化物はフェライト・マトリクス中に均一に分散していなければならない。このよ うなミクロ組織は綱を炭化物の全てがオーステナイト中に固溶する温度でソーキ ングしてから加工熱処理することによって得られる・アルミニウムおよび炭素の 含を量が高過ぎると全ての炭化物がオーステナイト中に固溶せず、未固溶炭化物 は粗大で常温およq高温での延性を害する。
アルミニウムを用いると、非添加の(plain carbon)またはけい素 を含有する超高炭素鋼では得られない利点がある。第6図は、2種類のアルミニ ウム含有鋼を含めた3水準の鋼について、超塑性変形の最大歪速度を温度の関数 として示す。
アルミニウム含有鋼は、3水準の鋼の全てが超塑性成形できる温度、例えば70 0℃で、非添加超高炭素鋼よりも最大歪速度が大きい。この向上は、アルミニウ ムが微細フェライト結晶粒を残存させる能力が大きいためであると考えられる。
アルミニウムの添加は鋼のA1点も高め、それによってフェライトの安定な上限 温度および超塑性成形の上限温度を高める。第6図中で各曲線の上端に付した水 平の矢印は、フェライトが安定している上限温度、すなわち超塑性加工の上限温 度を示すものである。非添加鋼ではこの上限温度はほぼ725℃の共析温度であ る。けい素添加によってフェライトが安定化されて超塑性成形の上限温度が上昇 している。311℃%のけい素を用いた場合に、上限温度は約810℃である。
けい素の量を更に増加すれば更に上昇はするが、これ以上のけい素添加は綱の加 工性の低下と圧延中の割れ発生とを起こすので現実には適用できない。アルミニ ウム添加は超塑性成形の上限温・度も高める。1.6wt%アルミニウムの曲線 から、このアルミニウム含有量での超塑性成形の上限温度は約780℃であるこ とがわかる。しかし前述のようにアルミニウムは炭化物の安定性の劣化や機械的 な加工中の脆化を起こさずにより大量に添加できる。たとえば6%4t%アルミ ニウム鋼ではフェライト安定および超塑性成形の上限温度はミクロ組織、加工性 、常温延性を損なうことなく約840℃に上昇するはずである。第6図は最大歪 速度がほぼ10%/秒にまで増加することを示している。このように高い超塑性 歪速度はこれまでいずれの商用超塑性材料でも達成されなかった。この値は、超 塑性成形可能な従来の超高炭素鋼で得られた歪速度のほぼ10倍である。このよ うな高歪速度は超塑性成形中の部品が高温にさらされる時間を短縮するから、部 品成形中に予期されるミクロ組織の悪化が減少する。
合金添加物としてアルミニウムを用いることによって、超塑性特性の改善以外に も更に大きな意味での利点もある。図面に示すように、本発明鋼中の初析炭化物 は非常に微細であり且つ良好に分散している。その他の超高炭素過共析鋼は初析 炭化物が前オーステナイト結晶粒界に優先的に存在するため不均一な分布になり やすい。本発明鋼の初析炭化物の分布は常温特性の向上に寄与していると考えら れる。
本発明の超高炭素鋼は非添加超高炭素鋼よりも焼入性がかなり高い。1.6wt %アルミニウム、1.5wt%クロム、および1.25wt%炭素を含有する超 高炭素鋼は臨界直径が0.95in (水冷したときに中心部が90%マルテン サイトになる直径)である。これに対して、非添加超高炭素鋼は臨界直径が0. 26inである。
高アルミニウム含有量は高温での鋼の耐酸化性を向上させる。初期加工中または 超塑性加工中に過度の酸化を防止することは重要である。10−t%アルミニウ ム、1.5wt%クロム、および1 、25w t%炭素を含有する鋼に熱間お よび温間の鍛造を施した試料を大気中で850℃に20分間加熱した。事実上、 表面には全く酸化が観察されず、わずかな錆のみがあった。
更に、本発明鋼の冷間加工特性は従来の超高炭素過共析鋼よりもかなり良い。本 発明鋼を熱間および温間加工したときのミクロ組織は、寸法が約2〜約10μm でパーライト・プレート間の間隔が約0.1μm未満の微細なパーライト・コロ ニー組織である。この状態で自網はロックウェルCスケール硬さが約40〜50 であるが、なお縁部割れの発生なしに相当高度の冷間圧延が可能である。1.6 wt%アルミニウムおよび0.25wt%モリブデンを含有する本発明鋼は圧下 率79%までは縁部割れが発生せずに冷間圧延できた。本発明鋼は割れなしに高 度の熱間および温間圧延もできる。向上したこれらの特性は、けい素含有超高炭 素過共析鋼を含めた従来鋼の挙動からは予測し得なかったものである。
超高炭素鋼へのアルミニウム添加によるもう一つの利点として、簡単で経済的な 加工熱処理方法によって球状化組織が得られる。球状化組織は被削性や冷間加工 性の向上に理想的なため、多くの場合に望ましい。A1点がアルミニウム添加に よって上昇しているので球状化状態は容易に得られる。たとえば6.4wt%ア ルミニウムおよび1.5wt%クロムを含有する超高炭素@(UHCM)はA1 点が840°Cである。この鋼を1150℃から750℃に冷却する途中で繰返 し熱間および温間圧延すると、小さなパーライト・コロニーとそのパーライト・ マトリクスに均一に分布した初析炭化物とが形成される。銅が840〜750° Cの間で変形を受けているので、パーライトは高度に変形しており、高い転位密 度を有している。熱間および温間加工されたこの鋼は硬さがほぼHRC45であ る。次にこの鋼を830℃に20分間加熱すると、組織は完全に球状化して、硬 さがHRC30に下がる。この組織を形成した要因は、パーライトが変形を受け ているために球状化のための大きな駆動力が発生するということと、A、点より 低温で行なう球状化がアルミニウム添加によって非常に高温で行なえるというこ とである。まさにこれらの理由で、非添加(plain carbon)UHC iは同じ方法で球状化を行なうことができない。非添加UHC鋼はA4点(72 7℃)が低いので、A1点より低温の温間加工を生産過程で余り行なえない。更 に、A1点が低いので球状化を比較的低温(727℃より下)で行なわなければ ならず、そのため不経済な長時間の熱処理が必要である。
炭素含有量は、約0.8wt%とオーステナイト中の炭素の最大固溶限に対応す る炭素量との間になるように選択する。この最大固溶限は固定しておらず、他に 存在する合金元素の種類と量とにしたがって変わる。約0.8wt%炭素未満で は、形成される鉄炭化物の量が不十分なためにフェライト粒界が安定化されない 。最大固溶限を超える炭素含有量では、巨大な塊状の鉄炭化物粒子がオーステナ イト化頭域での処理で残留して、最終製品の延性を低下させる。鉄炭化物析出粒 子の体積率を高くするために、炭素含有量は1wt%より多くすることが望まし い。
安定化元素は、アルミニウムの存在下で黒鉛化しないように鉄炭化物を安定化す るのに十分な量で存在させる。クロムを安定化元素として用いた最も望ましい実 施態様の場合に、1.3wt%炭素、1.6wt%アルミニウム、1.5%1t %クロム、および0.5wt%マンガン、残部鉄の組成を有する合金を超塑性成 形すると、非常にわずかな、許容できる黒鉛化が観察される。クロム含有量は実 質的に0.5wt%未満では粒子を黒鉛化に対抗して安定化するには不十分であ ると考えられる。モリブデン添加は約0.1wt%未満ではやはり粒子を黒鉛化 に対抗して安定化するには不十分であると予想される。安定化元素の添加が安定 化に要する量を実質的に超えると、有利な効果はほとんどなく、鋼中に他の相を 形成するので有害である。
クロムは約2wt%を超えて添加すべきではない。これより添加量が多いと、加 工性および成形性に有害な硬質の炭化物が性成するからである。同じ理由で、モ リブデンは約0.4wt%より多く添加してはいけない。安定化元素の量は炭素 およびアルミニウムの含有量の増加に応じて増加させる。
以下の実施例は本発明の詳細な説明するためのものであり、どのような観点から も本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1 組成が1.3wt%炭素、1.6wt%アルミニウム、0.6wt%マンガン、 1.5wt%クロム、残部鉄である超高炭素鋼鋳造物を真空溶解によって準備し た。この鋳造物の厚さ2inのビレットを1150℃で4時間ソーキング処理し た後冷却しながら連続的に8バスで熱間および温間圧延して最終厚さ0.27i nとした。
最終バスの温度は約850℃、すなわちA、点より上であった。
圧延後、鋼を常温にまで空冷した。ミクロ組織は微細なパーライト・コロニーが あり、コロニーの寸法は約2〜5μmであり、セメンタイト・プレート間のラメ ラ間隔は約0.1μmという超微細なものである。初析炭化物は非常に微細な粒 子としてパーライト・マトリクス中に一様に分布していた。第1図にこのミクロ 組織を示す。
この鋼の機械的性質を常温で測定した。硬さはHRC50、延性は8%、引張強 さは230.0OOpsiであった。厚さ0.27inの板を圧下率40%まで 冷間圧延したが、目視可能な縁部割れの発生なしに圧延できた。
実施例2 熱間および温間加工され、空冷され、そして冷間圧延された実施例1の鋼の試験 片に、約750℃に約45分間加熱後室温まで空冷する球状化を施した。得られ たミクロ組織を第3図に示す。
実施例3 熱間および温間加工され、空冷された実施例1の鋼の試験片に、遊離共析変態を 利用した球状化を施した。綱を約850℃に約5分間加熱した後空冷した。引張 強さは155,0OOpsi。
引張伸びは約20%であった。熱処理後のこの鋼は縁部割れなしに圧下率65% まで冷間圧延できた。
実施例4 熱間および温間加工され、空冷された実施例1の鋼の試験片に、変形を伴った遊 離共析変態を利用した球状化を施した。
鋼を約810℃に約45分間加熱した後、2バスで、各バスの圧下率約40%で 、厚さ約0.1inまで圧延した。第2パス中に試験片の温度は約700℃まで 低下したが、縁部割れの徴候はなかった。この鋼のミクロ組織を第4図に示す。
この組織は約95%が球状化されており、フェライト結晶粒寸法は非常に細かく 、約2μmである。
実施例5 実施例10組組成有する鋼を実施例1と同様に熱間および温間圧延した。ただし 、温度および歪の範囲は広い範囲で行った。すなわち、厚さ2inのビレットを 約1150℃で4時間ソーキングした後、1150℃から680℃まで冷却しな から10バスで最終厚さ約0.16inまで連続的に熱間および温間圧延した。
10パスのうちの最後の2バスは、約780℃のA8点より低温で行なった。し たがって、8パス後に形成されていたパーライトは780℃から680℃の範囲 で更に変形が加えられた。
圧延された板材には縁部あるいは表面の割れは認められなかった。この綱のミク ロ組織を第2図に示す。パーライト・コロニーにはA、点より低温の変形による 方向性がある。
圧延後、室温にまで冷却した後の鋼の機械的性質は、極限引張強さが25000 0ps i、伸びが6%、硬さがHRC52であった。
焼鈍されていないシートは約20%まで、縁部割れなしに冷間圧延できた。
実施例6 熱間および温間加工され、空冷された実施例5の鋼に、約750℃で45分間加 熱する球状化を施した。第5図に示すように、非常に微細な組織のほぼ完全な球 状化状態が観察される。A、点より低温で完全球状化が起きた理由は、温間加工 によってパーライト中に高密度に転位が生成したため、パーライトが容易に分解 固溶して後の再加熱中に凝集して球状炭化物を形成したからである。
実施例7 熱間および温間加工され、空冷された実施例5の鋼に遊離共析変態による球状化 を施した。鋼を810”cに5分間再加熱し、空冷した。球状化された微細フェ ライト結晶粒組織が得られた。
実施例8 実施例4〜7で準備した鋼を775℃で引張試験した結果、超塑性挙動を示すこ とが観察された。下記の第1表は3水準の初期歪速度における引張伸び(%)を 示す。
−i的に行なわれている概略的な目安としては、特定な歪速度での超塑性伸びが 約1000%であり且つ歪速度感受性が少な(とも0.4である材料は、超塑性 加工の対象の候補となる。
第1表から、歪速度が0.16%/秒の試験ではどの処理材もほぼ超塑性挙動を 示すことがわかる。特に、実施例4および5の方法で処理された鋼は歪速度1. 6%/秒でも超塑性挙動を示す。これらの伸びは、3%けい素含有超高炭素鋼が 歪速度1.6%/秒の変形時に到達した約500%というこれまでの超高炭素鋼 の最高値を大きく上まわる。すなわち、各処理方法のうち少なくとも2つは、ア ルミニウム含有超高炭素鋼を歪速度1.6%/秒で超塑性加工することを可能に する。特に価値があるのは、これら実施例の方法がただちに商業規模で再現でき 、大正の超塑性成形に適したミクロ組織を得るために複雑な処理が必要ないこと である。
内挿すると、実施例5の綱は歪速度5%/秒で伸びが1000%に達すると考え られる。更に、前加工条件、試験および処理温度、およびアルミニウム含有量を 最適化すれば、超塑性領域は10%/秒の領域にまで拡大すると考えられる(第 6以上のように、本発明鋼は、成形性、超塑性成形性、および成形後の最終製品 の性質がいずれも向上している。本発明鋼は割れなしに成形でき、且つこれまで 鋼で可能であったよりも高い歪速度で超塑性成形できる。本発明鋼は微細結晶粒 寸法が微細鉄炭化物粒子の安定化によって維持される。
本発明の詳細な説明のために特定な実施例について記述したが、本発明の趣旨お よび範囲を逸脱せずに種々の変更が可能である。したがって、本発明を限定する のは以下に付した請求の範囲のみである。
「l用REIシ RGURE1b FIGURE2 FIGURE4 FIo 6 国際調査報告 +m−+*+Ile、、1alAeel1cms*Na、PCT/US 861 01937ANNEX To THE INTERNATIONAL 5EAR CHREPORT ONτhe European Pater+t 0ffi ce is in no Way 1iable for thesepart iculars which are merely given for t he purpose ofinforTIIation。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.約0.8wt%以上でオーステナイト中の炭素の最大固溶限以下の炭素、約 0.5〜約10wt%のアルミニウム、アルミニウムの存在下で鉄炭化物が黒鉛 化しないように安定化する作用をする有効量の安定化元素、および残部の鉄から 実質的に成る超高炭素鋼。 2.前記安定化元素がクロム、モリブデン、およびこれらの組合せから成る群か ら選択される請求の範囲第1項記載の鋼。 3.前記安定化元素がクロムである請求の範囲第1項記載の鋼。 4.クロムが約0.5〜約2wt%の量で存在する請求の範囲第3項記載の鋼。 5.更に約0.5wt%のマンガンを含有する請求の範囲第1項記載の鋼。 6.組成が約1.3wt%炭素、約1.6wt%アルミニウム、約1.5wt% クロム、約0.6wt%マンガン、残部鉄である請求の範囲第1項記載の鋼。 7.アルミニウムが約0.5〜約6.4wt%の量で存在する請求の範囲第1項 記載の鋼。 8.約0.8wt%以上でオーステナイト中の炭素の最大固溶限以下の炭素、約 0.5〜約10wt%のアルミニウム、アルミニウムの存在下で鉄炭化物が黒鉛 化しないように安定化する作用をする有効量の安定化元素、および残部の鉄から 実質的に成る組成を有する超高炭素鋼を超塑性加工することによって作られた物 品。 9.約0.8〜約1.5wt%炭素、約0.5〜約10wt%アルミニウム、約 0.5〜約2wt%クロム、残部鉄から実質的に成る超高炭素鋼。 10.約0.8wt%以上でオーステナイト中の炭素の最大固溶限以下の炭素、 約0.5〜約10wt%のアルミニウム、アルミニウムの存在下で鉄炭化物が黒 鉛化しないように安定化する作用をする有効量の安定化元素、通常鋼中に存在す る少量の不純物元素、および残部の鉄から実質的に成る合金を準備する工程、お よび 該合金を平均結晶粒度が約10μm未満になるまで処理する工程 を含んで成る方法によって作られた超高炭素鋼製物品。 11.前記合金の組成が、約0.8〜約1.5wt%炭素、約0.5〜約6.4 wt%アルミニウム、クロムおよびモリブデンから成る群から選択された安定化 元素、通常鋼中に存在する少量の不純物元素、および残部鉄である請求の範囲第 10項記載の物品。 12.前記安定化元素がクロムである請求の範囲第10項記載の物品。 13.前記超高炭素鋼の組成が、約1.3wt%炭素、約1.6wt%アルミニ ウム、約1.5wt%クロム、約0.6wt%マンガン、通常鋼中に存在する少 量の不純物元素、残部鉄である請求の範囲第10項記載の物品。 14.前記処理する工程を遊離共析変態によって行なう請求の範囲第10項記載 の物品。 15.前記処理する工程を、変形を伴った遊離共析変態によって行なう請求の範 囲第10項記載の物品。 16.前記処理する工程が、前記合金をA1変態点より低温で機械的に加工を加 えてからA1変態点より低温で鉄炭化物を球状化させるために熱処理する段階を 含む請求の範囲第10項記載の物品。 17.前記処理する工程が、微細なパーライト・コロニーを得るために、前記合 金を約1100℃〜約700℃の熱間および温間加工温度範囲で機械的に加工す る段階を含む請求の範囲第10項記載の物品。 18.前記処理する工程が、該処理の後に行なう前記合金の超塑性成形を更に含 む請求の範囲第10項記載の物品。
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