JPS6349699Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は電子式の計重器に関する。

（背景技術） 従来、電子式の計重器においては、回路部品に
高精度のものを用いて、重量を検出する電気歪変
換素子等のセンサーに供給する電源を安定化する
と共に、センサーの出力を増幅する増幅回路の特
性をも安定化することによつて零点が変化しない
ようにしている。しかしながら、かかる方法では
回路部品に高精度のものを使用しているために部
品コストが高くなるとともに、ドリフト等に対す
る対策も必要となる。

また、この種の計重器において零点を較正する
機能を備えたものでは、零点の較正期間中に使用
者が計重物を計重器に載せてしまつた場合には較
正が正しく行なわれず、計測値に誤差を生じる欠
点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは零点の較正中であることを
表示する機能を備え、この零点較正期間における
誤計重を防止すると共に、コストの低減にも寄与
できる計重器を提供することにある。

（考案の開示） 第１図は本考案の一実施例を示すもので、図に
おいて、１はセンサー電源、２は計重物の重量に
応じた機械的歪を電気信号に変換する電気歪変換
素子を備えたブリツジの如きセンサー、３は増幅
器、４は増幅器３の出力を例えば２重積分する積
分回路、５はCPU等で構成され、かつ積分回路
４の出力を重量値に変換する演算制御回路、６は
クロツク発生回路、７はスタートキー、８は例え
ば７セグメント４桁の表示素子からなる表示回路
である。ここで、積分回路４、クロツク発生回路
６および演算制御回路５の一部は、増幅器３のア
ナログ出力に応じて後述の如くデジタル信号を得
る点で一種のＡ／Ｄ変換回路を構成している。

この動作を第２図を参照しながら説明すると、
先ず、計重物を載せていない状態でスタートキー
７を打鍵すると、演算制御回路５が作動し、積分
回路４をコントロールして積分動作を開始する。
このときの積分回路４への入力はセンサー２の出
力を増幅器３によつて増幅した電圧であり、第２
図に示す如く一定値である（第２図中、期間ａ）。
この間の積分回路４の出力信号のうち、逆積分の
期間のパルスを基準パルスPsとしてこのパルス
の数を演算制御回路５によりカウントして記憶す
る。

この基準パルスPsの記憶期間が零点較正期間
に相当し、この期間は演算制御回路５のコントロ
ールにより表示回路８を介してすべての表示素子
のセグメントを点灯させて「８」を表示させ、あ
るいはすべてのセグメントを消灯させることによ
り、使用者に計重器が零点較正中であることを示
すものである。従つて、この期間中に使用者が計
重物を計重器に載せると基準パルスPsの値が変
化するため、計測誤差が発生する。なお、この基
準パルスPsの記憶は逆積分１回の値をとつても
よく、また複数回の平均値を記憶してもよい。

そして、基準パルスPsのカウントが終了する
と、演算制御回路５は、使用者に零点較正が終了
して計重が可能になつたことを知らせるために表
示を第２図の如く「Ｏ」ｇ表示に切換える（第２
図中、期間ｂ）。

その後、使用者がこの「Ｏ」ｇ表示を確認して
から計重物を計重器に載せることにより、正確な
計重が可能となる。すなわち、計重物が載せられ
たときの計重パルスＰと基準パルスPsとの演算
を演算制御回路５にて行い（例えば重量値＝（Ｐ
−Ps）／Ｋ Ｋ：const.）、その結果を表示回路
８にて表示することにより、計重物の重量が正確
に表示されるものである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、計重物の重量を
電気信号に変換するセンサーと、このセンサーの
出力を増幅する増幅回路と、この増幅回路の出力
を積分する積分回路と、この積分回路の出力に応
じてカウントしたパルス信号を重量値に変換する
演算制御回路と、変換された重量値を表示する表
示回路とを備え、前記計重物の計重に先立つスタ
ートキーの操作により前記重量値をOgとする零
点較正機能を有する計重器において、前記零点較
正期間中に前記演算制御回路および表示回路を介
して零点の較正中である旨を表示するようにした
から、使用者は零点の較正中であることを容易に
知ることができ、これによつて従来存したような
誤計重を未然に防止できると共に、電源の安定化
等によつて零点の変動を防止する従来の方法によ
らないからコストの低減にも寄与できる等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので第１図はブ
ロツク図、第２図は動作説明図である。 １……センサー電源、２……センサー、３……
増幅器、４……積分回路、５……演算制御回路、
６……クロツク発生回路、７……スタートキー、
８……表示回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 計重物の重量を電気信号に変換するセンサー
   と、このセンサーの出力を増幅する増幅器と、こ
   の増幅器の出力を積分する積分回路と、この積分
   回路の出力に応じてクロツク発生回路のクロツク
   信号をカウントしたパルス信号を重量値に変換す
   る演算制御回路と、この演算制御回路の出力に応
   じて重量値を表示する表示回路とを備え、前記計
   重物の計重に先立つスタートキーの操作により前
   記重量値をOgとする零点較正機能を有する計重
   器において、零点較正期間中は前記表示回路に零
   点較正期間中であることを表示するとともに、零
   点較正を終了すると前記表示回路にOgを表示さ
   せるコントロール手段を前記演算制御回路に設け
   たことを特徴とする計重器。