JPS634965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はアナログ量を記録紙に記録するアナ
ログ記録装置に関し、特に記録紙に描く記録の位
置を自由に設定することができ、然も記録値の拡
大及び縮小を自由に設定することができるアナロ
グ記録装置を提供しようとするものである。

〈考案の背景〉 記録紙の紙送り方向と直交する方向に選択的に
ドツトを印字することができる印字手段を有し、
この印字手段によつて紙送りと同期して適宜にド
ツトを記録することによりアナログ方式の記録と
共に文字記号等によるデイジタル方式の記録を行
なうことができる記録装置がある。

第１図はこのような記録装置による記録結果を
表わす図を示す。この図に示すようにこの種の記
録装置によれば記録紙１の紙送り方向２に対しア
ナログ記録３とデイジタル記録４の双方を記録す
るもので、特に或る一定時間毎に時刻又は時間基
準軸５を描き、デイジタル記録４はこの基準軸５
の時刻に取込んだデータ値を記録することができ
る。

〈従来技術の欠点〉 第１図に示す記録結果においてアナログ記録３
の記録スパンの設定は従来は記録紙１の紙幅の範
囲内において、下限値と上限値とを設定する方法
が採られている。この設定方法によるときは、記
録途中において微少変化を拡大して記録しようと
した場合、上限値と下限値の双方の設定を変更し
なければならないため設定に手間が掛り面倒であ
る。

〈考案の目的〉 この考案は記録の途中において、アナログ記録
のスパン変更を容易に行なうことができるアナロ
グ記録装置を提供するためにある。

〈考案の概要〉 この考案は記録開始時点における値を基準値と
して定め、この基準値と爾後に取込まれたデータ
値との偏差値を求める手段と、その偏差値の単位
目盛当りの量を規定する手段と、アナログ記録の
書始め位置を設定する手段とを設け、任意の位置
から任意のスパンで記録を開始できるようにし、
また単位目盛当りの値を変更することによりスパ
ン変更を容易に行なうことができるように構成し
たものである。

〈考案の実施例〉 第２図はこの考案の一実施例を示す。図中１０
はアナログデータ入力端子を示す。この入力端子
１０に入力されたアナログデータはＡ−Ｄ変換手
段１１によつて逐次デイジタル値に変換される。
デイジタル変換のタイミングは制御手段１２から
与えられる制御パルスに同期して行なわれる。こ
の制御パルスの周期を変えることによりデータの
取込周期を変えることができる。制御手段１２は
例えばマイクロプロセツサを利用することができ
る。Ａ−Ｄ変換手段１１においてデイジタル信号
に変換されたデータはデータ入力手段１３に入力
され、このデータ入力手段１３に一時蓄えられた
後に制御手段１２を介してアナログ記録用制御手
段１４とデイジタル記録用制御手段１５に転送さ
れる。

アナログ記録用制御手段１４は一般にはデータ
記憶部１６と条件設定手段１７と、アナログデー
タ印字ヘツド変換部１８とにより構成され、Ａ−
Ｄ変換手段１１においてＡ−Ｄ変換されたデータ
値を順次データ記憶部１６に取込むと共に、その
データ値を条件設定部１７で設定した条件、つま
り記録紙１上の目盛に対して上限値と下限値の設
定条件に従つてアナログデータ印字ヘツド変換部
１８において印字ヘツド位置に変換され、印字装
置１９に送られる。

印字装置１９は印字ヘツドレジスタ２１と、印
字ヘツド駆動手段２２と、印字ヘツド２３及び紙
送り手段２４とにより構成され、印字ヘツドレジ
スタ２１に蓄えられた１サンプル値に対応する位
置にドツトを印字し、ドツトの印字毎に紙送り機
構２４が起動されて記録紙１を一定量移動させ
る。従つて紙送り機構２４はステツプモータによ
り構成される。１ドツトの印字が終了すると印字
ヘツドレジスタ２１には次のサンプル値が入力さ
れその値に対応した位置にドツトが印字される。
このようにして第１図に示すアナログ記録３が描
かれる。

この考案においては、このように動作するアナ
ログ記録用制御手段１４において或る時点のデー
タ値を取込んでこれを基準値として記憶する基準
値記憶手段２５と、アナログ記録３の書出し位置
を記憶する記録位置記憶部２６と、基準値記憶手
段２５に記憶した基準値と爾後に取込んでデータ
値との偏差値を記憶する偏差値記憶手段２７と、
この偏差値を記録紙１上の単位目盛に対する量を
規定する手段２８とを設けるものである。

〈考案の動作〉 アナログ記録３の書出し時点において例えば第
１回目のＡ−Ｄ変換値を基準値として定め、この
基準値を基準値記憶手段２５に取込む。これと共
に２回目以後にＡ−Ｄ変換されたデータはアナロ
グデータ記憶部１６に取込まれると共に、制御手
段１２において基準値との偏差値が演算され、そ
の演算結果を偏差値記憶部２７に記憶する。単位
目盛当りの量を規定する手段２８には偏差値を記
録紙上の何目盛に対応させて記録するかを規定す
るものであり、これは条件設定部１７からの設定
により任意値に変更できる。また記録の開始点は
条件設定部１７から記録位置記憶部２６にアナロ
グ記録３の書出位置を記憶させる。よつて記録紙
１上の紙幅内において任意の位置からアナログ記
録３を書始めることができる。

上記したこの考案によれば、単位目盛当りの量
を規定する手段２８の設定値を変更するだけでア
ナログ記録３の紙幅方向のスパンの縮小及び拡大
を行なうことができる。よつてスパン変更に伴な
う操作は手段２８の設定値を変更するだけで済む
ためスパン変更操作を簡素化することができる。
従つてこの考案によれば使い勝手のよいアナログ
記録装置を提供できる。

尚デイジタル記録用制御手段１５は周知のよう
にデイジタルデータ記憶部２９と、印字列カウン
タ３１と、キヤラクタジエネレータ３２と、印字
文字記憶部３３とにより構成され、計時手段３４
で一定時間が計時される毎にＡ−Ｄ変換手段１１
でＡ−Ｄ変換されたデイジタル信号をデイジタル
データ記憶部２９に取込み、このデイジタルデー
タに対応する文字信号をキヤラクタジエネレータ
３２から発生させ、その文字信号を印字文字記憶
部３３に転送し、文字を描くための画素信号を印
字ヘツドレジスタ２１に送り、デイジタル記録４
を記録する。印字列カウンタ２９は、前回のデイ
ジタル記録４の終了時点からのタイミングを計数
し、次回のデイジタル記録４の書出し位置を検出
するためのカウンタである。３５は表示部であ
り、これに設定条件、現在の測定値等が表示され
る。

〈考案の効果〉 以上説明したようにこの考案によれば、アナロ
グ記録３に関して或る時点で定めた基準値に対し
現在のデータ値との偏差値を求め、その偏差値を
目盛に対して描く量を規定するようにしたから、
この規定値だけを変更すればアナログ記録のスパ
ンを自由に変更することができる。よつてアナロ
グ記録の縮少、拡大を一操作で行なうことができ
操作が容易な記録装置を得ることができる。

尚上述では一つのチヤンネルのアナログ記録を
行なう場合について説明したが、例えばＡ−Ｄ変
換手段１１の前にスキヤナを設け、このスキヤナ
により複数の測定点からの測定値を順次切替てＡ
−Ｄ変換器１１に取込み、その各測定点の測定値
を順次Ａ−Ｄ変換して多チヤンネルの記録を行な
うように構成することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、アナログ及びデイジタル記録を行な
うことができる記録装置の記録結果の一例を示す
正面図、第２図は、この考案の一実施例を示すブ
ロツク図である。 １：記録紙、３：アナログ記録、４：デイジタ
ル記録、１４：アナログ記録用制御部、１５：デ
イジタル記録用制御部、２５：基準値記憶部、２
６：記録位置記憶部、２７：偏差値記憶部、２
８：単位目盛り当りの量を規定する手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ 基準となる時点で測定した値を基準値と定め
   その基準値とそれ以後に取込まれるデータ値の
   偏差値を求める手段と、 Ｂ その偏差値を記録紙上の単位目盛当りの量と
   して規定する手段と、 Ｃ 記録開始点の位置を記録紙上のスパン内の任
   意の位置に設定する手段と、 を具備したアナログ記録装置。