JPS6348166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、歩行時停止時を問はず足先の母指
と第２指の間に間〓が確保される様にした保健用
婦人靴に関するものである。

（従来の技術） 従来、婦人靴中パンプスやブーツなどは運動靴
または地下足袋、サンダル等の履物と異なり、前
甲皮が美感優先で先細りのスマートな形状にして
いるため、足先に余祐が無く単に窮屈な許りでな
く靴擦れを始め、母指と第２指近傍に在位する行
間という経穴に悪影響を及ぼし、結果的に不眠、
冷え症などの誘発要因となり保健医学上芳しくな
い弊害を招いていた。

亦、甲皮内で足の移動を歩行時に阻止して指先
が窮屈になるのを防止した先行技術が特開昭60−
21701号公報に開示されているが、足の母指と隣
接する第２指との間に常に間〓を確保するため甲
皮内の特定側面を膨出した構成とは全然異なるた
め、歩行時の足先の窮屈度や脱げ易くなる原因は
解消されるも、親指と人差指同士の離反状態が確
保されていないため、前述した保健医学上の弊害
は免れない。

（考案が解決しようとする問題点） 近年、パンプスの如き婦人靴は優雅でスマート
な美感を優先させるため、靴が足にぴつたり合致
して寧ろ皮革の伸縮性で履き心地を良くし、外観
的には先細り状に造形されたものが市場を占有し
ているが、所詮このような形状では足先の各指同
士が密接というより圧接され、人体医学上好まし
くない経穴（つぼ）弊害を誘発しているという軽
視できない問題点がある。

そして、上記の問題点を解消するために前甲皮
の横幅を拡大して靴全体の美感度を損うようなこ
とは、婦人靴の場合購買不信の逆効果になり、さ
らに、付加部材を援用したりコスト高になるよう
では市場で購買力減退となる非観的問題点を抱え
ている。

（考案の目的） 優雅とスマートな外観に加へ履き心地の良い婦
人靴の特性を温存し、母指と第２指間に常に間〓
を確保して経穴である行間に悪影響を与えないよ
うな甲皮をコスト不変で造形して市場に提供し、
これまで目に写らず軽視されていた足先部分の保
健医学上の弊害を完全に除去することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） この考案による保健用婦人靴は、甲皮内側壁で
足の母指付け根に当る関節部や母指が当接する内
接辺を、靴の踵中心と爪先中央を結ぶ基線Ａ，Ｂ
の鉛直側に膨出させて彎曲状に造形した保形部を
甲皮の上周面および横周面に流線状に連接して、
歩行時と雖も足先の母指と第２指の股に間〓が確
保される様に構成して成るものである。

（作用） 靴を履いた際足先が楽々と挿入でき、しかも履
き心地が良好となるにはかなりの日数を要するの
が従来の靴の習性であるが、この考案による靴で
は新品のときから該習性が改善されている、すな
わち甲皮内に足を嵌入時母指と第２指の股に間〓
が常に確保できる程甲皮内の下辺側に膨出した彎
曲状の保形部が造形されていので、足先の指全体
が自然状態で嵌入し上述した様に余祐がとれるた
め甲皮の締め付けによる窮屈感は全然無く、かつ
前記保形部の彎曲に沿つて母指付け根の関節が密
接している関係上、歩行中靴の長手方向に足が前
進して足先が圧迫されたり、脱げ易くなる習性は
解消されるから快適な履き心地が得られる一方、
母指および第２指の股に間〓を自然に確保してい
るため行間の経穴には何等悪影響を及ぼさないか
ら保健医学上経穴に関した問題点も解消され、同
時に該保形部は前甲皮の上周面および横周面と流
線状に連接されるため、外観上甲皮下辺で膨出し
た保形部は、他の甲皮側周辺と識別できないから
靴全体の立体的美感は優雅にして既存の靴と変ら
ない形体美が得られる。

（実施例） 第１図は、この考案の一実施例を婦人靴に用い
た場合の靴底側から見た全体の正面図で、靴底に
接した素足の足跡に基いてこの考案の構成を説明
すると、靴１の踵中心と爪先中央を結ぶ基線Ａ，
Ｂに対し、足の母指イ側で付け根に当る関節部４
が彎曲状で接触する甲皮２内側壁の内接辺３を鉛
直方向に膨出させて彎曲状の保形部５を造形する
が、詳細には該保形部５は第２図示の如く靴底１
０との接点８より関節部４のカーブに沿つて彎曲
状に平行上昇し、甲皮２の上周面６と横周面６Ａ
になめらかな流線をもつて連接する。したがつて
保形部５の外側最端点７から基線Ａ，Ｂまでの距
離は足の母指イと第２指ロの股に設定（想定）
した保健医学上必要な自然間〓Ｓを確保するため
に延伸したもので、関節４側がこの保形部５に嵌
入密接して歩行中と雖も靴内における足の前進を
制して前記間〓Ｓを常に保守することになるか
ら、実施に際し足先の関節部４を始め特に母指イ
を第２指ロ側に圧迫せず股の間〓Ｓが絶対的に確
保できる甲皮成形用の靴型を足のサイズに準じて
予め用意することが肝要である。

概して在来の婦人靴では先端スマート化のため
前甲皮を先細り形状にして第３図示の如く足先の
指全部が圧接状態にしているのが既存の靴であ
り、したがつて靴の内側最端点９と基線Ａ，Ｂま
での距離Ｙは、この考案に図示説明した距離よ
り間〓Ｓを差し引いた短寸になつて、必然的に足
先を締めつけ単に窮曲だけでなく自然に保健医学
上の弊害を生じることになる。

この考案では、前述したように母指イと第２指
ロの股に自然間〓Ｓを確保したので、関節部４や
母指イが当接する保形部５の内接辺３が上記間〓
Ｓだけ外方に膨出し、本来ならばこの膨出部方が
目障りとなつて優美感を損うのであるが、該保形
部５が前甲皮の上周面６を始め靴１先端側の逆Ｖ
字ラインを形成する横周面６Ａになめらかな流線
をもつて連接しているので、美感に関する問題点
は解消される。

また、母指イと第２指ロの股に絶えず自然間〓
Ｓを強制保守するために、靴の底面上部にＶ字形
を始め楕円形などの弾性突起物を付設して、母指
イと第２指ロが極く自然に拡開して、股幅がこの
考案の上記間〓Ｓに等しくさせるような補助的機
能も第４図の如く容易に勘案できるものである。

（考案の効果） この考案によれば、靴を履いた場合の足先にお
ける母指と第２指の股間〓が歩行時も停止中も常
に不変であつて、両指間近傍の（行間）経穴に既
存の靴の前甲皮部が作用して、疾病につながる悪
影響は全然解消されるので保健上好適な履き物に
なると共に、婦人靴特有の前甲皮形状において優
美感を損わず、かつコスト不変で提供できるなど
の実用的効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す靴底側か
ら見た全体の正面図、第２図は同上の平面図、第
３図は既存品の説明図、第４図はこの考案の応用
機能説明図である。 図において、１は靴、２は甲皮、３は内接辺、
４は関節部、５は保形部、６は甲皮上周面、イは
母指、ロは第２指、Ｓは間〓である。なお、各図
中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 甲皮２内側壁で足の母指付け根に当る関節部４
   や母指イが当接する内接辺３を、靴１の踵中心と
   爪先中央を結ぶ基線Ａ，Ｂの鉛直側に膨出させて
   彎局状に造形した保形部５、この保形部５を甲皮
   ２の上周面６および横周面６Ａに流線状に連接し
   て、歩行時と雖も足先の母指イと第２指ロの股に
   間〓Ｓが確保される様に構成して成る保健用婦人
   靴。