JPS6348076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はヒーター取付装置に関し、被加熱体に対
するヒーターの圧接力を長期間に亘つて安定に保
持できるようにしたものである。

まず従来のヒーター取付装置を気化式石油燃焼
器に実施した場合について図面と共に詳細に説明
する。

第１図乃至第３図において、１は電磁ポンプ
（図示せず）により無タンク（図示せず）から連
絡パイプ２を介し油が供給される気化器、３は電
磁バルブ（図示せず）を介挿し、気化器１内の油
を油タンクに戻すドレンパイプ、４は気化器１に
貫設して該気化器１内で発生した気化ガスを先端
のノズル５より噴出するノズルパイプ、６はニー
ドル弁７を軸方向に移動させてノズル５を開閉す
る密閉型ソレノイド、８は吸入口を介して気化ガ
ス及び空気が送り込まれる混合管、９は混合管８
に連接して、気化ガスと空気の混合ガスを燃焼さ
せるラインバーナ、１０はラインバーナ９におけ
る燃焼熱を吸収して該熱を気化器１の加熱に寄与
させる燃焼熱吸収体である。

１１は例えば鉄板等により形成され、四方を側
壁により囲んでなるヒーターカバーで、一側壁か
ら天井壁の一部にかけて後述するリード線を導出
させる為の切欠部１２を形成してある。１３はヒ
ーターカバー１１の天井壁に切起し形成した爪片
１４，１４に一端を係着するスプリングで、後述
するヒーターを気化器１の側壁に圧接させる。

１５はヒーターカバー１１を気化器１の側壁に
取着する取付ねじで、スリーブ１６を嵌挿して気
化器１の側壁とヒーターカバー１１間の間隔を一
定に保つよう構成してある。つまり、取付ねじ１
５及びスリーブ１６は、ヒーターカバー１１を気
化器１に一定の間隔を隔て取着する取付手段を構
成している。

１７は例えばセラミツクヒーターよりなり、気
化器１を加熱して内部の油を気化させるヒーター
で、スプリング１３のバネ圧によつて気化器１の
側壁に圧接され、当該位置に保持されるものであ
る。１８は上記ヒーター１７に接続したリード線
で、ヒーターカバー１１の外方に切欠部１２を介
し導出される。１９はアルミニウム板、マイカ板
等により構成された押え板で、スプリング１３と
ヒーター１７間にあつてスプリング１３のバネ圧
を受け、そのバネ圧をヒーター１７全面に一様に
付与するものである。

上述のものにあつては、ヒーターカバー１１を
気化器１の側壁に一定の間隔を隔て確実に取着で
きる為、ヒーター１７に加わるスプリング１３の
バネ圧が常に一定となり、気化器１に対するヒー
ター１７の圧接力も一定となつて製品毎のばらつ
きがなくなる。又、スプリング１３とヒーター１
７間に押え板１９を介在してある為、スプリング
１３のバネ圧がヒーター１７の一部に集中せず、
一様に加わることになり、ヒーター１７は局部過
熱を招くことなく熱分布も良好な状態になる。さ
らにヒーターカバー１１に四方を囲む側壁を形成
したことにより、ヒーター１７及び押え板１９を
所定の範囲内に確実に取付けることができ、ヒー
ター１７等の脱落を防止できる。

上述した従来のヒーター取付装置は叙上のよう
な長所を有する反面、 気化器１を高温度（400℃〜600℃）に長時間保
つので、ヒーター１７の熱が押え板１９を介して
スプリング１３に伝わる上、ヒーターカバー１１
に熱気がたまり、上記スプリング１３が熱により
劣化して弾性を失いヒーター１７への圧縮力が不
足するとい欠点を生じる。スプリング１３の圧縮
力不足は気化器１側面からのヒーター１７の浮き
を招いて加熱効率の低下を生じるばかりでなくセ
ラミツクヒーター等の場合には割れて断線すると
いう事態を招く。又、押え板１９としてアルミ板
を使用した場合は高温のためそれ自体が溶融、変
形を起す危険がある。

本考案はこのような欠点を除去するためになさ
れたもので、スプリングが直接押え板に接触しな
いようにすると共に当該スプリングをヒーターカ
バー外へ位置させてその冷却を促進するようにし
たものである。

以下、本考案の一実施例を、第４図以下を参照
して詳細に説明する。第４図は本考案のヒーター
取付装置を従来例と同様の気化式石油燃焼器に実
施した場合の分解斜視図である。第５図はそのヒ
ーター取付装置の要部分解斜視図、第６図はヒー
ター取付装置の断面図である。図において１は第
１図と同様の気化器であるが、後述するヒーター
カバーを取り付けるための取付部２０，２０が一
側端に突設されている点が異なつている。２１，
２１はこの取付部２０，２０に穿設されたビス
孔、２１′，２１′は気化器１のヒーターカバー取
付面の端部に上記ビス孔２１，２１に対応して穿
設されたビス孔である。１７は上記気化器１側面
に圧接されるセラミツクヒーター等のヒーター、
１９は上記ヒーター１７を押える黄銅製の押え板
で、従来のものと変らない。

さて２２は従来のヒーターカバー１１とほぼ同
構成のステンレス製ヒーターカバーで、両側部に
は側壁から天井壁の一部にかけてリード線導出用
の切欠部２３と通気孔２４とが形成されている。
２５，２５…は上記ヒーターカバー２２を気化器
１の側壁に取着する段付ビスで、ヒーターカバー
２２の上、下端に穿設された取付孔２６，２６…
に挿通し気化器１の取付部２０，２０のビス孔２
１，２１及び気化器１の側壁に穿設されたビス孔
２１′，２１′に螺合することにより、従来と同様
ヒーターカバー２２を気化器１側壁と一定間隔を
保つように固定する。第６図に示す２８はヒータ
ーカバー２２に摺動自在に嵌入され、押え板１９
を押圧するステンレス製のコ字状スプリング受け
であつて、第５図に示す如く脚部に相当する押圧
部２８ａ，２８ａがヒーターカバー２２の中央部
に穿設された一対の挿通孔２９，２９に摺動自在
に嵌入されている。３０，３１はスプリング受け
２８、ヒーターカバー２２の相対応する位置に穿
設された透孔で、Ｔ字状の支持具３２がヒーター
カバー２２の裏面側から挿通されている。この支
持具３２は下端がヒーターカバー２２の内面に係
止するので外側から引つ張り力を加えても抜け出
すことはない。３３は上記支持具３２の先端部に
挿通されたワツシヤで支持具３２先端部に穿設さ
れた係止孔３２ａに挿通されたわりピン３４でも
つて、抜出が防止されている。３５は上記スプリ
ング受け２８とワツシヤ３３との間に縮設され
て、スプリング受け２８をヒーターカバー２２側
へ附勢するヒーター押え用スプリングである。上
記スプリング３５に附勢されたスプリング受け２
８はその押圧部２８ａ，２８ａ先端をもつて押え
板１９を押圧し、もつて、スプリング３５のバネ
圧をヒーター１７全面に一様に付与する。

上述のような構成であると、ヒーター押え板１
９を押えるのは熱伝導率の低いステンレス製スプ
リング受け２８であり、しかも押え板１９との接
触が線接触のため、スプリング３３に伝わる熱は
従来のものに比して大きく減少する。しかも、ス
プリング３５はヒーターカバー２２の外にあるた
め、外気で冷却されるので、気化器１を長時間高
温に保つても、熱による弾性の劣化は生じない。
従つて従来の問題点であつた加熱効率の低下やヒ
ーター１７の割れ、断線が生じない。

なお、ヒーターカバー２２に対するスプリング
受け２８、支持具３２、スプリング３５、ワツシ
ヤ３３、わりピン３４の取付けは、ヒーターカバ
ー２２を気化器１に取着する前に行うことができ
るので、ヒーター１７、押え板１９を気化器１へ
取付ける作業も容易である。

以上の如き本考案によればヒーターの熱による
スプリングの弾性劣化が生じず、被加熱体に対す
るヒーターの加熱効率の低下やヒーターの破損を
防止することができる。従つて耐久性のあるヒー
ター取付装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図：従来のヒーター取付装置を実施した気
化式石油燃焼器の概略構成図、第２図：同装置の
正面図、第３図：同装置の断面図、第４図：本考
案ヒーター取付装置を実施した石油燃焼器の気化
器部分の分解斜視図、第５図：同装置の分解斜視
図、第６図：同装置の組立状態における要部断面
図。 符号、１：気化器（被加熱体）、１７：ヒータ
ー、１９：ヒーター押え板、２２：ヒーターカバ
ー、２８：スプリング受け、３２：支持具、３
５：スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被加熱体に当接するヒーターと、該ヒーターの
   押え板と、ヒーター及び押え板を被うヒーターカ
   バーと、該ヒーターカバーを被加熱体に一定の間
   隔を隔て取着する取付手段と、上記ヒーターカバ
   ーから外方へ突設された支持具と、この支持具に
   摺動可能に挿通され、その押圧部が上記ヒーター
   カバーの挿通孔を介して当該ヒーターカバー内に
   突出したスプリング受けと、このスプリング受け
   と上記支持具の先端部との間に縮設され、当該ス
   プリング受けを上記ヒーターカバー側に弾圧する
   ことにより、上記押圧部を介して押え板及びヒー
   ターを被加熱体に圧接させるスプリングと、 により構成したヒーター取付装置。