JPS6347959B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は防音カバー装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、各種工事現場にて使用される携帯用発電
機はその駆動エンジンからの騒音が大きく、この
騒音を防止する防音カバー装置が種々知られてい
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、従来の防音カバー装置では、防音効果
が不十分であり、容積も大きく設置スペースをと
るという欠点があつた。また工事現場から次の工
事現場へ移動したり、持ち運びするうえでも不便
なものであつた。

本発明は従来のこのような問題点を解決して、
防音効果に優れ、コンパクトかつ軽量であり、し
かも持ち運び及び設置が容易な防音カバー装置の
提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の防音カバ
ー装置においては、携帯用発電機が載置され該発
電機からの排気を側外方に導くための排出路を有
しかつ該排出路の内面に吸音材が付設された基盤
と；表て面側がアルミニウム板とその内面に接合
されたプラスチツク板とを有する合板とされかつ
内面側が吸音材とされた前後壁及び左右側壁を、
布状帯片にて揺動自在に相互に連結し、さらに、
左右側壁を夫々２枚の半体に分割すると共に、該
半体を布状帯片にて連結し、もつて、該左右側壁
の中央部を内方に折曲げ自在として、展開・折畳
み可能とし、かつ、展開状態では、平面的に見て
矩形状とされると共に上記基盤上に載置されて該
基盤の上方空間の四周を包囲し、折畳み状態で
は、略扁平直方体状とされる周囲壁体と；上面中
央部に、フアンを有する吸気孔を備え、かつ上記
周囲壁体の上方開口部に着脱自在に施蓋されて上
記基盤と該周囲壁体と共に空室部を形成して上記
発電機を包囲し、さらに、上記吸気孔から該空室
部内へ外気を導入する吸入路を有し、かつ該吸入
路の内面に吸音材が付設された上蓋と；から構成
されたものである。

〔作用〕

所定場所に基盤を設置して、その基盤上に携帯
用発電機を載置し、そして、折畳まれている周囲
壁体の左右側壁を、夫々一枚の平板状として展開
して、基盤上に載置すると共に、上蓋を該周囲壁
体に施蓋すれば、組立てることができる。また、
逆に、組立てられた状態から上蓋を周囲壁体から
外すと共に、該周囲壁体を折畳んで略扁平直方体
状とし、さらに、携帯用発電機を基盤から除け
ば、この防音カバー装置は分解することができ
る。

また、組立て状態にて、上蓋のみを外せば、こ
の防音カバー装置は、開口部が大とされる上方開
口状となる。

さらに、周囲壁体を形成する前後壁及び左右側
壁は布状帯片にて連結されているので、各壁間に
隙間がなくなる。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図と第２図と第３図に施て、１は携帯用発
電機であつて、内燃機関を一体に備え、電気工
事・ガス工事・建築工事・土木工事等の現場にて
主に使用されるものであり、２は本発明に係る防
音カバー装置であつて、該防音カバー装置２は、
基盤３と周囲壁体４と上蓋５をもつて上記発電機
１を上下左右前後から包囲して騒音の低減を図る
ものである。

基盤３は所定厚さの矩形盤形状であつて、全体
を合板等の木材にて形成され、その上面１１には
防振ゴム７…が帯状に適宜位置に付設されて、こ
の防振ゴム７…を介して第２図のように発電機１
が載置される。さらに基盤３は発電機１の内燃機
関からの排気を側外方に導いて排出する排出路８
…を有し、該排出路８の内面にはグラスウール等
の吸音材９が付設されている。

さらに具体的に説明すれば、第２図及び第３図
に於て、上面１１の左端縁寄りに３個の矩形開口
部１０…が開設されて、排出路８の一端が上方に
開口し、かつ排出路８…は区画壁１２，１２にて
３本に独立的に形成されて夫々が同図の右方側面
に開口部１３にて開口する。なお、区画壁１２の
板数の増減によつて排出路の本数を増減すること
は自由であるが、発電機１の支持強度と吸音性・
遮音性の観点から決定される。

しかして、周囲壁体４は、基盤３の上方空間の
四周を包囲するもので、前壁１４、後壁１５、及
び左右側壁１６，１７とを有し、各壁１４，１
５，１７は第７図に示すような２枚のアルミ板１
８，１８の間にポリプロピレン等のプラスチツク
板１９をサンドウイツチ状に重合した合板２０を
表て面に有し、かつ裏面側にはグラスウール等の
吸音材２１が付設される。

第５図及び第６図等に示すように、左右側壁１
６，１７は夫々が中央部から内方に折曲自在なよ
うに耐久性のある布状帯片２２を介して２枚の半
体１６ａ，１６ａ又は１７ａ，１７ａを連結す
る。この布状帯片２２はいわば蝶番の役目と（騒
音の洩れ防止用）密封材の役目を兼用する。

また、左右側壁１６，１７と前壁１４・後壁１
５とは同様に折曲自在なように耐久性のある布状
帯片２３を介して連結され、この布状帯片２３も
蝶番の役目と（騒音の洩れ防止用）密封材の役目
を兼用している。平面的に見て第４図の展開使用
状態における矩形から、左右側壁１６，１７を内
方に折曲げて、第５図を経て後、第６図の如く扁
平に折畳まれる。

なお第２図に示す如く、前記合板２０又は単な
るアルミ板等からなる排気受け板２４を、発電機
１の内燃機関の排気管出口２５に対応して内面に
付設するのが望ましい。また後壁１５にはコンセ
ント部２６が設けられ（第２図参照）、発電機１
とコード２７にて接続される。該コンセント部２
６にて外部の差込部に連結されて後述のフアンに
外部コードにて接続されるようになつている。

しかして、上蓋５の上面中央部にはフアンが付
設されている。即ち、上蓋５は、上蓋本体２８
と、これにより吊持状として連設された下方水平
板部２９とを有し、上蓋本体２８の中央部に孔３
０が貫設され、この孔３０にフアン３１が取付け
られ、かつ該フアン３１の外筒体３１ａには該外
筒体３１の軸心方向に伸縮自在の蛇腹式フアンカ
バー３２が取付けられている。

上記フアン３１の外筒体３１ａの内部に電動モ
ータ及びフアン羽根３３が設けられ第２図の矢印
の如く上方から下方へ空気を吸入する。従つて外
筒体３１ａが吸気孔３４を形成している。

また上蓋５は第２図のように周囲壁体４の上方
開口部に着脱自在として施蓋されて、上記基盤３
と該周囲壁体４と該上蓋５にて、発電機１を包囲
する空室部Ａを形成する。前記上蓋本体２８の上
面には前記合板２０が設けられ、下面にはグラス
ウール等の吸音材３５が付設される。上蓋本体２
８と平行に配設される下方水平板部２９は逆に、
下面に前記合板２０が設けられ、上面には吸音材
３５が付設される。（なお下面２０には単にアル
ミ板等を用いるも自由である。） ３６，３６は相互に平行となるように下方水平
板部２９を上蓋本体２８から吊持状に保持する吊
持帯材で第３図のように、下方水平板部２９の前
後端縁に連結される。そして、第２図のように該
下方水平板部２９の右端縁と右側壁１７との間隔
Ｂを大き目に設定し、左端縁と左側壁１６との間
隔Ｃを比較的小さ目に設定し、あるいは零とす
る。

さらに第２図と第３図に示す如く、下方水平板
部２９の適宜位置には細長状や丸型や角型の孔部
３７…を貫設する。

このようにして、吸気孔３４から上記空室部Ａ
内へ外気を矢印Ｄ，Ｅ又は矢印Ｆのように導入す
る吸入路３８が形成されている。即ち、吸入路３
８は主として、上蓋本体２８の下面と、下方水平
板部２９の上面と、間隔Ｂと、孔部３７…等で構
成される。

しかも吸入路３８の内面には吸音材３５…が付
設されている。

このように、防音カバー装置２は、基盤３と周
囲壁体４と上蓋５を備え、第１図と第２図のよう
に組立てて発電機１を包囲して使用されると共
に、不使用時あるいは移動時には、第３図のよう
に大きく３個に分解可能であつて、しかも、中間
の周囲壁体４は第５図から第６図のように折畳み
自在であるから、コンパクトに扁平直方体（盤）
状となり、他方、蛇腹式フアンカバー３２を折畳
めば上蓋５も同様に扁平略直方体状となり、基盤
３自体はもともと扁平直方体（盤）状であるから
これと合体して、第６図のように大きく２個の荷
物として、一人の作業者でも十分に両手で持ち上
げて移動可能であり、至便であり、収納にも場所
をとらない利点がある。

なお、３９…は係脱具を備えた締付バンドを示
し、第６図に示す如く折畳まれた周囲壁体４をそ
の折畳状態に保持すべく周囲から締付け、また、
合体重合状態に基盤３と上蓋５とを連結するもの
である。なお連結状態のバンド３９…は取つ手を
兼用して、一層持ち運びが容易となつている。

しかして、防音カバー装置２を使用するには、
所定場所に基盤３を設置し、その基盤３上面の防
振ゴム７の上に携帯用発電機１を載置する。この
とき該発電機１の内燃機関の排気管出口２５を第
２図に示すように基盤３の上方開口部１０のある
側（同図左側）に対応して載置する。さらに、周
囲壁体４を、第６図→第５図→第４図と逆に展開
してゆき、基盤３の上に載置する。このとき排気
受け板２４を排気管出口２５に対応させる。さら
に周囲壁体４に埋込まれたコンセント部２６の発
電機１のコード２７のプラグを差し込んでおく。
次に、発電機１を始動し、その後、大きな間隔Ｂ
のある側が開口部１０と左右反対となるように、
上蓋５を周囲壁体４に施蓋する。さらにフアン３
１のコード４０のプラグを外側からコンセント部
２６に差込み、フアン３１を回転させれば、第２
図に示す如く、上方から吸気孔３４を通つて外気
が送り込まれ、下方水平板部２９に当つて方向変
換して矢印Ｄのように流れ、さらに右側壁１７の
内面に当つて矢印Ｅのように方向変換し、発電機
１の内燃機関部を冷却しつつ、矢印Ｆ，Ｇのよう
にさらに方向変換して、基盤３の開口部１０から
排出路８に流入して矢印Ｈのように水平方向に排
出されるのである。なおこのとき、吸入路３８の
一部の空気は、孔部３７や間隔Ｃから空室部Ａに
流入して、発電機１の内燃機関部、及び空室部Ａ
の比較的高温の箇所を、冷却して後、矢印Ｆ，
Ｇ，Ｈのように順次排出されてゆく。

本発明の図示の実施例によれば、下方水平板部
２９の孔部３７…は、空室部Ａの部分的に高温と
なる箇所を有効に冷却する効果がある。さらに底
面側の長い排出路８は、排気温度を低下して、外
部への悪い影響、近くの人の身体への危険等を、
有効に防止し、かつ騒音の外部漏洩を減少させる
効果がある。

〔発明の効果〕

本発明は上述のとおり構成されているので、次
に記載する効果を奏する。

分解・組立てが容易かつ迅速にでき、かつ、
分解した状態では、基盤と、略扁平直方体状の
周囲壁体と、平板状の上蓋と、に分解すること
ができ、極めてコンパクトなものとなり、その
持ち運びが楽である。

周囲壁体は展開・折畳み自在であるにもかか
わらず、前後壁、左右側壁、及び左右側壁の半
体は、布状帯片にて連結されているので、各部
材間には隙間がなく、また、周囲壁体は、上方
開口部が上蓋に、下方開口部が基盤に、夫々施
蓋されるので、防音効果は極めて高いものとな
る。

周囲壁体は、表て面側が、アルミニウム板と
プラスチツク板とが接合されてなる合板とされ
ているので、この外周面は長期にわたつて錆び
ることがなく美しく保たれ、この装置全体とし
ては、軽量とされ、持ち運びに便利となり、さ
らに、発電機からの低周波の騒音を遮断するこ
とができる。

フアンカバーにより上方への騒音洩れが減少
する。

上蓋を周囲壁体から外せば、開口部が大とな
り、発電機の内燃機関部への燃料の途中補給等
が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す側面図、第２
図は断面正面図、第３図は分解斜視図、第４図は
周囲壁体の展開状態の断面平面図、第５図は折畳
み途中の状態を示す断面平面図、第６図は全体を
持ち運び状態または収納状態にした場合の一部断
面平面図、第７図は要部拡大断面図である。 Ａ……空室部、１……発電機、３……基盤、４
……周囲壁体、５……上蓋、８……排出路、９，
２１，３５……吸音材、３１……フアン、３４…
…吸気孔、３８……吸入路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 携帯用発電機が載置され該発電機からの排気
   を側外方に導くための排出路を有しかつ該排出路
   の内面に吸音材が付設された基盤と、 表て面側がアルミニウム板とその内面に接合さ
   れたプラスチツク板とを有する合板とされかつ内
   面側が吸音材とされた前後壁及び左右側壁を、布
   状帯片にて揺動自在に相互に連結し、さらに、左
   右側壁を夫々２枚の半体に分割すると共に、該半
   体を布状帯片にて連結し、もつて、該左右側壁の
   中央部を内方に折曲げ自在として、展開・折畳み
   可能とし、かつ、展開状態では、平面的に見て矩
   形状とされると共に上記基盤上に載置されて該基
   盤の上方空間の四周を包囲し、折畳み状態では、
   略扁平直方体状とされる周囲壁体と、 上面中央部に、フアンを有する吸気孔を備え、
   かつ上記周囲壁体の上方開口部に着脱自在に施蓋
   されて上記基盤と該周囲壁体と共に空室部を形成
   して上記発電機を包囲し、さらに、上記吸気孔か
   ら該空室部内へ外気を導入する吸入路を有し、か
   つ該吸入路の内面に吸音材が付設された上蓋と、 から構成されたことを特徴とする防音カバー装
   置。